2025年01月 | |||
---|---|---|---|
神の母聖マリア | 1月1日(水) | 降誕節 | |
第一朗読民数記6・22-27彼らがわたしの名をイスラエルの人々の上に置くとき、わたしは彼らを祝福する。 民数記6・22主はモーセに仰せになった。 27彼らがわたしの名をイスラエルの人々の上に置くとき、わたしは彼らを祝福するであろう。 答唱詩編典55123詩編67・2+3、4+5、7+8神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。 詩編6767・2神よ、あわれみと祝福をわたしたちに。 4諸国の民はあなたをたたえ、 7地は豊かに実り、 第二朗読ガラテヤ4・4-7神はその御子を女から生まれた者としてお遣わしになった。 使徒パウロのガラテヤの教会への手紙皆さん、4・4時が満ちると、神は、その御子を女から、しかも律法の下に生まれた者としてお遣わしになりました。5それは、律法の支配下にある者を贖い出して、わたしたちを神の子となさるためでした。6あなたがたが子であることは、神が、「アッバ、父よ」と叫ぶ御子の霊を、わたしたちの心に送ってくださった事実から分かります。7ですから、あなたはもはや奴隷ではなく、子です。子であれば、神によって立てられた相続人でもあるのです。 福音朗読ルカ2・16-21アレルヤ、アレルヤ。神は昔、預言者を通して先祖に語られたが、この終わりの時にはご自分の子を通してわたしたちに語られた。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、羊飼いたちは、2・16急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。17その光景を見て、彼らは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。18聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。19しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。20羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。 21八日たって割礼の日を迎えたとき、幼子はイエスと名付けられた。これは、胎内に宿る前に天使から示された名である。 |
|||
聖バシリオ 司教教会博士 | 1月2日(木) | 記念日 | |
第一朗読①ヨハネ2・22-28教えられたとおり、御子の内にとどまりなさい。 使徒ヨハネの手紙愛する皆さん、2・22偽り者とは、イエスがメシアであることを否定する者でなくて、だれでありましょう。御父と御子を認めない者、これこそ反キリストです。23御子を認めない者はだれも、御父に結ばれていません。御子を公に言い表す者は、御父にも結ばれています。24初めから聞いていたことを、心にとどめなさい。初めから聞いていたことが、あなたがたの内にいつもあるならば、あなたがたも御子の内に、また御父の内にいつもいるでしょう。25これこそ、御子がわたしたちに約束された約束、永遠の命です。 26以上、あなたがたを惑わせようとしている者たちについて書いてきました。27しかし、いつもあなたがたの内には、御子から注がれた油がありますから、だれからも教えを受ける必要がありません。この油が万事について教えます。それは真実であって、偽りではありません。だから、教えられたとおり、御子の内にとどまりなさい。 28さて、子たちよ、御子の内にいつもとどまりなさい。そうすれば、御子の現れるとき、確信を持つことができ、御子が来られるとき、御前で恥じ入るようなことがありません。 答唱詩編典14912詩編98・1、2+3a遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・1新しい歌を神にうたえ。 2神は救いを示し、 福音朗読ヨハネ1・19-28アレルヤ、アレルヤ。神は昔、預言者を通して先祖に語られたが、この終わりの時にはご自分の子を通してわたしたちに語られた。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音1・19ヨハネの証しはこうである。エルサレムのユダヤ人たちが、祭司やレビ人たちをヨハネのもとへ遣わして、「あなたは、どなたですか」と質問させたとき、20彼は公言して隠さず、「わたしはメシアではない」と言い表した。21彼らがまた、「では何ですか。あなたはエリヤですか」と尋ねると、ヨハネは、「違う」と言った。更に、「あなたは、あの預言者なのですか」と尋ねると、「そうではない」と答えた。22そこで、彼らは言った。「それではいったい、だれなのです。わたしたちを遣わした人々に返事をしなければなりません。あなたは自分を何だと言うのですか。」23ヨハネは、預言者イザヤの言葉を用いて言った。 |
|||
降誕節・1月3日〔公現前〕 | 1月3日(金) | 降誕節 | |
第一朗読①ヨハネ2・29-3・6わたしたちは、今既に神の子ですが、自分がどのようになるかは、まだ示されていません。 使徒ヨハネの手紙愛する皆さん、2・29あなたがたは、御子が正しい方だと知っているなら、義を行う者も皆、神から生まれていることが分かるはずです。3・1御父がどれほどわたしたちを愛してくださるか、考えなさい。それは、わたしたちが神の子と呼ばれるほどで、事実また、そのとおりです。世がわたしたちを知らないのは、御父を知らなかったからです。2愛する者たち、わたしたちは、今既に神の子ですが、自分がどのようになるかは、まだ示されていません。しかし、御子が現れるとき、御子に似た者となるということを知っています。なぜなら、そのとき御子をありのままに見るからです。3御子にこの望みをかけている人は皆、御子が清いように、自分を清めます。4罪を犯す者は皆、法にも背くのです。 罪とは、法に背くことです。5あなたがたも知っているように、御子は罪を除くために現れました。御子には罪がありません。6御子の内にいつもいる人は皆、罪を犯しません。罪を犯す者は皆、御子を見たこともなく、知ってもいません。 答唱詩編典14934詩編98・4+5、6+7b+8b遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、 6ラッパと角笛を吹き、 福音朗読ヨハネ1・29-34アレルヤ、アレルヤ。みことばは人となり、わたしたちのうちにお住みになった。主を受け入れる人には神の子となる恵が与えられた。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音1・29その翌日、ヨハネは、自分の方へイエスが来られるのを見て言った。「見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ。30『わたしの後から一人の人が来られる。その方はわたしにまさる。わたしよりも先におられたからである』とわたしが言ったのは、この方のことである。31わたしはこの方を知らなかった。しかし、この方がイスラエルに現れるために、わたしは、水で洗礼を授けに来た。」32そしてヨハネは証しした。「わたしは、〝霊〟が鳩のように天から降って、この方の上にとどまるのを見た。33わたしはこの方を知らなかった。しかし、水で洗礼を授けるためにわたしをお遣わしになった方が、『〝霊〟が降って、ある人にとどまるのを見たら、その人が、聖霊によって洗礼を授ける人である』とわたしに言われた。34わたしはそれを見た。だから、この方こそ神の子であると証ししたのである。」 |
|||
降誕節・1月4日〔公現前〕 | 1月4日(土) | 降誕節 | |
第一朗読①ヨハネ3・7-10義を行う者は、御子と同じように、正しい人です。 使徒ヨハネの手紙3・7子たちよ、だれにも惑わされないようにしなさい。義を行う者は、御子と同じように、正しい人です。8罪を犯す者は悪魔に属します。悪魔は初めから罪を犯しているからです。悪魔の働きを滅ぼすためにこそ、神の子が現れたのです。9神から生まれた人は皆、罪を犯しません。神の種がこの人の内にいつもあるからです。この人は神から生まれたので、罪を犯すことができません。10神の子たちと悪魔の子たちの区別は明らかです。正しい生活をしない者は皆、神に属していません。自分の兄弟を愛さない者も同様です。 答唱詩編典14914詩編98・1、6+7b+8b遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・1新しい歌を神にうたえ。 6ラッパと角笛を吹き、 福音朗読ヨハネ1・35-42アレルヤ、アレルヤ。神は昔、預言者を通して先祖に語られたが、この終わりの時にはご自分の子を通してわたしたちに語られた。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、1・35ヨハネは二人の弟子と一緒にいた。36そして、歩いておられるイエスを見つめて、「見よ、神の小羊だ」と言った。37二人の弟子はそれを聞いて、イエスに従った。38イエスは振り返り、彼らが従って来るのを見て、「何を求めているのか」と言われた。彼らが、「ラビ――『先生』という意味――どこに泊まっておられるのですか」と言うと、39イエスは、「来なさい。そうすれば分かる」と言われた。そこで、彼らはついて行って、どこにイエスが泊まっておられるかを見た。そしてその日は、イエスのもとに泊まった。午後四時ごろのことである。40ヨハネの言葉を聞いて、イエスに従った二人のうちの一人は、シモン・ペトロの兄弟アンデレであった。41彼は、まず自分の兄弟シモンに会って、「わたしたちはメシア――『油を注がれた者』という意味――に出会った」と言った。42そして、シモンをイエスのところに連れて行った。イエスは彼を見つめて、「あなたはヨハネの子シモンであるが、ケファ――『岩』という意味――と呼ぶことにする」と言われた。 |
|||
主の公現 | 1月5日(日) | 降誕節 | |
第一朗読イザヤ60・1-6主の栄光はあなたの上に輝く。 イザヤの預言エルサレムよ、60・1起きよ、光を放て。 答唱詩編典1361234詩編72・2+4、7+8、10+11、12+13すべての王はあなたの前にひざをかがめ、すべての国はあなたに仕える。 詩編7272・2主は正義に満ちて民を治め、 7主が治められる世には正義が栄え、 10タルシスと島々の王は贈り物を、 12主は助けを求める名もない人と、 第二朗読エフェソ3・2、3b、5-6今や、異邦人が約束されたものを受け継ぐ者となるということが啓示された。 使徒パウロのエフェソの教会への手紙皆さん、3・2あなたがたのために神がわたしに恵みをお与えになった次第について、あなたがたは聞いたにちがいありません。3b秘められた計画が啓示によってわたしに知らされました。5この計画は、キリスト以前の時代には人の子らに知らされていませんでしたが、今や〝霊〟によって、キリストの聖なる使徒たちや預言者たちに啓示されました。6すなわち、異邦人が福音によってキリスト・イエスにおいて、約束されたものをわたしたちと一緒に受け継ぐ者、同じ体に属する者、同じ約束にあずかる者となるということです。 福音朗読マタイ2・1-12アレルヤ、アレルヤ。東の空に星を見て、全てをおいて神を拝みに来た。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音2・1イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、2言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」3これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった。4王は民の祭司長たちや律法学者たちを皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした。5彼らは言った。「ユダヤのベツレヘムです。預言者がこう書いています。 7そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。8そして、「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と言ってベツレヘムヘ送り出した。9彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。10学者たちはその星を見て喜びにあふれた。11家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。12ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。 |
|||
降誕節月曜日〔公現後〕 | 1月6日(月) | 降誕節 | |
第一朗読①ヨハネ3・22-4・6わたしたちは神に属する者です。 使徒ヨハネの手紙愛する皆さん、3・22神に願うことは何でもかなえられます。わたしたちが神の掟を守り、御心に適うことを行っているからです。23その掟とは、神の子イエス・キリストの名を信じ、この方がわたしたちに命じられたように、互いに愛し合うことです。24神の掟を守る人は、神の内にいつもとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます。神がわたしたちの内にとどまってくださることは、神が与えてくださった〝霊〟によって分かります。 4・1愛する者たち、どの霊も信じるのではなく、神から出た霊かどうかを確かめなさい。偽預言者が大勢世に出て来ているからです。2イエス・キリストが肉となって来られたということを公に言い表す霊は、すべて神から出たものです。このことによって、あなたがたは神の霊が分かります。3イエスのことを公に言い表さない霊はすべて、神から出ていません。これは、反キリストの霊です。かねてあなたがたは、その霊がやって来ると聞いていましたが、今や既に世に来ています。4子たちよ、あなたがたは神に属しており、偽預言者たちに打ち勝ちました。なぜなら、あなたがたの内におられる方は、世にいる者よりも強いからです。5偽預言者たちは世に属しており、そのため、世のことを話し、世は彼らに耳を傾けます。6わたしたちは神に属する者です。神を知る人は、わたしたちに耳を傾けますが、神に属していない者は、わたしたちに耳を傾けません。これによって、真理の霊と人を惑わす霊とを見分けることができます。 答唱詩編典3145詩編2・8+10、11+12d神は王を立てたもう、聖なるシオンの山のうえに。 詩編22・8わたしに求めよ、 11恐れをもって神に仕え、 福音朗読マタイ4・12-17、23-25アレルヤ、アレルヤ。イエスは神の国の福音を告げ知らせ、民の病いをいやされた。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、4・12イエスは、ヨハネが捕らえられたと聞き、ガリラヤに退かれた。13そして、ナザレを離れ、ゼブルンとナフタリの地方にある湖畔の町カファルナウムに来て住まわれた。14それは、預言者イザヤを通して言われていたことが実現するためであった。15「ゼブルンの地とナフタリの地、 23イエスはガリラヤ中を回って、諸会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、また、民衆のありとあらゆる病気や患いをいやされた。24そこで、イエスの評判がシリア中に広まった。人々がイエスのところへ、いろいろな病気や苦しみに悩む者、悪霊に取りつかれた者、てんかんの者、中風の者など、あらゆる病人を連れて来たので、これらの人々をいやされた。25こうして、ガリラヤ、デカポリス、エルサレム、ユダヤ、ヨルダン川の向こう側から、大勢の群衆が来てイエスに従った。 |
|||
降誕節火曜日〔公現後〕 | 1月7日(火) | 降誕節 | |
第一朗読①ヨハネ4・7-10愛する者たち、互いに愛し合いましょう。 使徒ヨハネの手紙7愛する者たち、互いに愛し合いましょう。愛は神から出るもので、愛する者は皆、神から生まれ、神を知っているからです。8愛することのない者は神を知りません。神は愛だからです。9神は、独り子を世にお遣わしになりました。その方によって、わたしたちが生きるようになるためです。ここに、神の愛がわたしたちの内に示されました。10わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して、わたしたちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。ここに愛があります。 答唱詩編<span class=すべての王はあなたの前にひざをかがめ、すべての国はあなたに仕える。 詩編7272・2主は正義に満ちて民を治め、 7主が治められる世には正義が栄え、 福音朗読マルコ6・34-44アレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を、捕らわれ人に解放を告げるため、神はわたしを送られた。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、6・34イエスは大勢の群衆を見て、飼い主のいない羊のような有様を深く憐れみ、いろいろと教え始められた。35そのうち、時もだいぶたったので、弟子たちがイエスのそばに来て言った。「ここは人里離れた所で、時間もだいぶたちました。36人々を解散させてください。そうすれば、自分で周りの里や村へ、何か食べる物を買いに行くでしょう。」37これに対してイエスは、「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」とお答えになった。弟子たちは、「わたしたちが二百デナリオンものパンを買って来て、みんなに食べさせるのですか」と言った。38イエスは言われた。「パンは幾つあるのか。見て来なさい。」弟子たちは確かめて来て、言った。「五つあります。それに魚が二匹です。」39そこで、イエスは弟子たちに、皆を組に分けて、青草の上に座らせるようにお命じになった。40人々は、百人、五十人ずつまとまって腰を下ろした。41イエスは五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて、弟子たちに渡しては配らせ、二匹の魚も皆に分配された。42すべての人が食べて満腹した。43そして、パンの屑と魚の残りを集めると、十二の籠にいっぱいになった。44パンを食べた人は男が五千人であった。 |
|||
降誕節水曜日〔公現後〕 | 1月8日(水) | 降誕節 | |
第一朗読①ヨハネ4・11-18神は愛です。愛にとどまる人は、神の内にとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます。 使徒ヨハネの手紙4・11愛する者たち、神がこのようにわたしたちを愛されたのですから、わたしたちも互いに愛し合うべきです。12いまだかつて神を見た者はいません。わたしたちが互いに愛し合うならば、神はわたしたちの内にとどまってくださり、神の愛がわたしたちの内で全うされているのです。 13神はわたしたちに、御自分の霊を分け与えてくださいました。このことから、わたしたちが神の内にとどまり、神もわたしたちの内にとどまってくださることが分かります。14わたしたちはまた、御父が御子を世の救い主として遣わされたことを見、またそのことを証ししています。15イエスが神の子であることを公に言い表す人はだれでも、神がその人の内にとどまってくださり、その人も神の内にとどまります。16わたしたちは、わたしたちに対する神の愛を知り、また信じています。 神は愛です。愛にとどまる人は、神の内にとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます。17こうして、愛がわたしたちの内に全うされているので、裁きの日に確信を持つことができます。この世でわたしたちも、イエスのようであるからです。18愛には恐れがない。完全な愛は恐れを締め出します。なぜなら、恐れは罰を伴い、恐れる者には愛が全うされていないからです。 答唱詩編典13634詩編72・10+11、12+13すべての王はあなたの前にひざをかがめ、すべての国はあなたに仕える。 詩編7272・10タルシスと島々の王は贈り物を、 12主は助けを求める名もない人と、 福音朗読マルコ6・45-52アレルヤ、アレルヤ。キリストは諸国の民に伝えられ、栄光のうちに来られるかた。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音五千人に食べ物をお与えになった後、6・45イエスは弟子たちを強いて舟に乗せ、向こう岸のベトサイダへ先に行かせ、その間に御自分は群衆を解散させられた。46群衆と別れてから、祈るために山へ行かれた。47夕方になると、舟は湖の真ん中に出ていたが、イエスだけは陸地におられた。48ところが、逆風のために弟子たちが漕ぎ悩んでいるのを見て、夜が明けるころ、湖の上を歩いて弟子たちのところに行き、そばを通り過ぎようとされた。49弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、幽霊だと思い、大声で叫んだ。50皆はイエスを見ておびえたのである。しかし、イエスはすぐ彼らと話し始めて、「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」と言われた。51イエスが舟に乗り込まれると、風は静まり、弟子たちは心の中で非常に驚いた。52パンの出来事を理解せず、心が鈍くなっていたからである。 |
|||
降誕節木曜日〔公現後〕 | 1月9日(木) | 降誕節 | |
第一朗読①ヨハネ4・19-5・4神を愛する人は、兄弟をも愛すべきです。これが、神から受けた掟です。 使徒ヨハネの手紙愛する皆さん、4・19わたしたちが愛するのは、神がまずわたしたちを愛してくださったからです。20「神を愛している」と言いながら兄弟を憎む者がいれば、それは偽り者です。目に見える兄弟を愛さない者は、目に見えない神を愛することができません。21神を愛する人は、兄弟をも愛すべきです。これが、神から受けた掟です。 5・1イエスがメシアであると信じる人は皆、神から生まれた者です。そして、生んでくださった方を愛する人は皆、その方から生まれた者をも愛します。2このことから明らかなように、わたしたちが神を愛し、その掟を守るときはいつも、神の子供たちを愛します。3神を愛するとは、神の掟を守ることです。神の掟は難しいものではありません。4神から生まれた人は皆、世に打ち勝つからです。世に打ち勝つ勝利、それはわたしたちの信仰です。 答唱詩編<span class=神はすべてのものを治め、偉大な力に満ちておられる。 詩編7272・1神よ、あなたの正義を王に与え、 17王の名は世々に及び、 福音朗読ルカ4・14-22aアレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を、捕らわれ人に解放を告げるため、神はわたしを送られた。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音4・14イエスは〝霊〟の力に満ちてガリラヤに帰られた。その評判が周りの地方一帯に広まった。15イエスは諸会堂で教え、皆から尊敬を受けられた。 16イエスはお育ちになったナザレに来て、いつものとおり安息日に会堂に入り、聖書を朗読しようとしてお立ちになった。17預言者イザヤの巻物が渡され、お開きになると、次のように書いてある個所が目に留まった。 |
|||
降誕節金曜日〔公現後〕 | 1月10日(金) | 降誕節 | |
第一朗読①ヨハネ5・5-13御子と結ばれている人にはこの命がある 使徒ヨハネの手紙愛する皆さん、5・5だれが世に打ち勝つか。イエスが神の子であると信じる者ではありませんか。 6この方は、水と血を通って来られた方、イエス・キリストです。水だけではなく、水と血とによって来られたのです。そして、〝霊〟はこのことを証しする方です。〝霊〟は真理だからです。7証しするのは三者で、8〝霊〟と水と血です。この三者は一致しています。9わたしたちが人の証しを受け入れるのであれば、神の証しは更にまさっています。神が御子についてなさった証し、これが神の証しだからです。10神の子を信じる人は、自分の内にこの証しがあり、神を信じない人は、神が御子についてなさった証しを信じていないため、神を偽り者にしてしまっています。11その証しとは、神が永遠の命をわたしたちに与えられたこと、そして、この命が御子の内にあるということです。12御子と結ばれている人にはこの命があり、神の子と結ばれていない人にはこの命がありません。 13神の子の名を信じているあなたがたに、これらのことを書き送るのは、永遠の命を得ていることを悟らせたいからです。 答唱詩編典13515詩編147・12+13、20+12主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編147147・12エルサレムよ、神をほめたたえよ。 20神はほかの民にまだ示されず、 福音朗読ルカ5・12-16アレルヤ、アレルヤ。イエスは神の国の福音を告げ知らせ、民の病いをいやされた。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音5・12イエスがある町におられたとき、そこに、全身重い皮膚病にかかった人がいた。この人はイエスを見てひれ伏し、「主よ、御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と願った。13イエスが手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると、たちまち重い皮膚病は去った。14イエスは厳しくお命じになった。「だれにも話してはいけない。ただ、行って祭司に体を見せ、モーセが定めたとおりに清めの献げ物をし、人々に証明しなさい。」15しかし、イエスのうわさはますます広まったので、大勢の群衆が、教えを聞いたり病気をいやしていただいたりするために、集まって来た。16だが、イエスは人里離れた所に退いて祈っておられた。 |
|||
降誕節土曜日〔公現後〕 | 1月11日(土) | 降誕節 | |
第一朗読①ヨハネ5・14-21この方こそ、真実の神、永遠の命です。 使徒ヨハネの手紙愛する皆さん、5・14何事でも神の御心に適うことをわたしたちが願うなら、神は聞き入れてくださる。これが神に対するわたしたちの確信です。15わたしたちは、願い事は何でも聞き入れてくださるということが分かるなら、神に願ったことは既にかなえられていることも分かります。 16死に至らない罪を犯している兄弟を見たら、その人のために神に願いなさい。そうすれば、神はその人に命をお与えになります。これは、死に至らない罪を犯している人々の場合です。死に至る罪があります。これについては、神に願うようにとは言いません。17不義はすべて罪です。しかし、死に至らない罪もあります。 18わたしたちは知っています。すべて神から生まれた者は罪を犯しません。神からお生まれになった方が、その人を守ってくださり、悪い者は手を触れることができません。19わたしたちは知っています。わたしたちは神に属する者ですが、この世全体が悪い者の支配下にあるのです。20わたしたちは知っています。神の子が来て、真実な方を知る力を与えてくださいました。わたしたちは真実な方の内に、その御子イエス・キリストの内にいるのです。この方こそ、真実の神、永遠の命です。21子たちよ、偶像を避けなさい。 答唱詩編典10612詩編149・1+2、3+4シオンよ、喜べ。エルサレムよ、うたえ。見よ、わたしたちの王、主が来られる。 詩編149149・1新しい歌を神にうたい、 3舞をささげて神の名をほめ、 福音朗読ヨハネ3・22-30アレルヤ、アレルヤ。暗やみに住む民は偉大な光を仰ぎ、死のかげに覆われた人々に光が現れた。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、3・22イエスは弟子たちとユダヤ地方に行って、そこに一緒に滞在し、洗礼を授けておられた。23他方、ヨハネは、サリムの近くのアイノンで洗礼を授けていた。そこは水が豊かであったからである。人々は来て、洗礼を受けていた。24ヨハネはまだ投獄されていなかったのである。25ところがヨハネの弟子たちと、あるユダヤ人との間で、清めのことで論争が起こった。26彼らはヨハネのもとに来て言った。「ラビ、ヨルダン川の向こう側であなたと一緒にいた人、あなたが証しされたあの人が、洗礼を授けています。みんながあの人の方へ行っています。」27ヨハネは答えて言った。「天から与えられなければ、人は何も受けることができない。28わたしは、『自分はメシアではない』と言い、『自分はあの方の前に遣わされた者だ』と言ったが、そのことについては、あなたたち自身が証ししてくれる。29花嫁を迎えるのは花婿だ。花婿の介添え人はそばに立って耳を傾け、花婿の声が聞こえると大いに喜ぶ。だから、わたしは喜びで満たされている。30あの方は栄え、わたしは衰えねばならない。」 |
|||
主の洗礼 | 1月12日(日) | 降誕節 | |
第一朗読イザヤ40・1-5、9-11主の栄光がこうして現れるのを、肉なる者は共に見る。 イザヤの預言40・1慰めよ、わたしの民を慰めよと 3呼びかける声がある。 10見よ、あなたたちの神 答唱詩編典6815詩編104・1+2a、24+33神よ、あなたのいぶきを地のおもてに。 詩編104104・1心を尽くして神をたたえよう。 24神よ、あなたが造られたものは数えきれない。 第二朗読テトス2・11-14、3・4-7この救いは、聖霊によって新しく生まれさせ、新たに造りかえる洗いを通して実現した。 使徒パウロのテトスヘの手紙愛する者よ、2・11すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました。12その恵みは、わたしたちが不信心と現世的な欲望を捨てて、この世で、思慮深く、正しく、信心深く生活するように教え、13また、祝福に満ちた希望、すなわち偉大なる神であり、わたしたちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むように教えています。14キリストがわたしたちのために御自身を献げられたのは、わたしたちをあらゆる不法から贖い出し、良い行いに熱心な民を御自分のものとして清めるためだったのです。 3・4わたしたちの救い主である神の慈しみと、人間に対する愛とが現れたときに、5神は、わたしたちが行った義の業によってではなく、御自分の憐れみによって、わたしたちを救ってくださいました。この救いは、聖霊によって新しく生まれさせ、新たに造りかえる洗いを通して実現したのです。6神は、わたしたちの救い主イエス・キリストを通して、この聖霊をわたしたちに豊かに注いでくださいました。7こうしてわたしたちは、キリストの恵みによって義とされ、希望どおり永遠の命を受け継ぐ者とされたのです。 福音朗読ルカ3・15-16、21-22アレルヤ、アレルヤ。わたしより力ある方が来られ、聖霊と火によって洗礼を行われる。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、3・15民衆はメシアを待ち望んでいて、ヨハネについて、もしかしたら彼がメシアではないかと、皆心の中で考えていた。16そこで、ヨハネは皆に向かって言った。「わたしはあなたたちに水で洗礼を授けるが、わたしよりも優れた方が来られる。わたしは、その方の履物のひもを解く値打ちもない。その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる。」 21民衆が皆洗礼を受け、イエスも洗礼を受けて祈っておられると、天が開け、22聖霊が鳩のように目に見える姿でイエスの上に降って来た。すると、「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が、天から聞こえた。 |
|||
年間第1月曜日 | 1月13日(月) | 年間 | |
第一朗読ヘブライ1・1-6神は、御子によってわたしたちに語られた。 ヘブライ人への手紙1・1神は、かつて預言者たちによって、多くのかたちで、また多くのしかたで先祖に語られたが、2この終わりの時代には、御子によってわたしたちに語られました。神は、この御子を万物の相続者と定め、また、御子によって世界を創造されました。御子は、3神の栄光の反映であり、神の本質の完全な現れであって、万物を御自分の力ある言葉によって支えておられますが、人々の罪を清められた後、天の高い所におられる大いなる方の右の座にお着きになりました。4御子は、天使たちより優れた者となられました。天使たちの名より優れた名を受け継がれたからです。 答唱詩編詩編97・1+2、6+9栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。 詩編9797・1神は王。世界よ、喜びおどれ。 6天は神の正義を告げ、 福音朗読マルコ1・14-20アレルヤ、アレルヤ。神の国は近づいた。回心して福音を信じなさい。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音1・14ヨハネが捕らえられた後、イエスはガリラヤへ行き、神の福音を宣べ伝えて、15「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われた。 16イエスは、ガリラヤ湖のほとりを歩いておられたとき、シモンとシモンの兄弟アンデレが湖で網を打っているのを御覧になった。彼らは漁師だった。17イエスは、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と言われた。18二人はすぐに網を捨てて従った。19また、少し進んで、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネが、舟の中で網の手入れをしているのを御覧になると、20すぐに彼らをお呼びになった。この二人も父ゼベダイを雇い人たちと一緒に舟に残して、イエスの後について行った。 |
|||
年間第1火曜日 | 1月14日(火) | 年間 | |
第一朗読ヘブライ2・5-12イエスが、死の苦しみのゆえに、「栄光と栄誉の冠を授けられた」のを見ています。 ヘブライ人への手紙5神は、わたしたちが語っている来るべき世界を、天使たちに従わせるようなことはなさらなかったのです。6ある個所で、次のようにはっきり証しされています。 10というのは、多くの子らを栄光へと導くために、彼らの救いの創始者を数々の苦しみを通して完全な者とされたのは、万物の目標であり源である方に、ふさわしいことであったからです。11事実、人を聖なる者となさる方も、聖なる者とされる人たちも、すべて一つの源から出ているのです。それで、イエスは彼らを兄弟と呼ぶことを恥としないで、 答唱詩編詩編48・4+5、6+7神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。 詩編4848・4あなたの指のわざである天を仰ぎ、 6あなたは人を神の使いに近い者として造り、 福音朗読マルコ1・21-28アレルヤ、アレルヤ。あなたがたに宣べ伝えられた福音は永遠にとどまる神のことば。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音1・21イエスは、安息日にカファルナウムの会堂に入って教え始められた。22人々はその教えに非常に驚いた。律法学者のようにではなく、権威ある者としてお教えになったからである。23そのとき、この会堂に汚れた霊に取りつかれた男がいて叫んだ。24「ナザレのイエス、かまわないでくれ。我々を滅ぼしに来たのか。正体は分かっている。神の聖者だ。」25イエスが、「黙れ。この人から出て行け」とお叱りになると、26汚れた霊はその人にけいれんを起こさせ、大声をあげて出て行った。27人々は皆驚いて、論じ合った。「これはいったいどういうことなのだ。権威ある新しい教えだ。この人が汚れた霊に命じると、その言うことを聴く。」28イエスの評判は、たちまちガリラヤ地方の隅々にまで広まった。 |
|||
年間第1水曜日 | 1月15日(水) | 年間 | |
第一朗読ヘブライ2・14-18イエスは、試練を受けている人たちを助けることがおできになるのです。 ヘブライ人への手紙人は2・14血と肉を備えているので、イエスもまた同様に、これらのものを備えられました。それは、死をつかさどる者、つまり悪魔を御自分の死によって滅ぼし、15死の恐怖のために一生涯、奴隷の状態にあった者たちを解放なさるためでした。16確かに、イエスは天使たちを助けず、アブラハムの子孫を助けられるのです。17それで、イエスは、神の御前において憐れみ深い、忠実な大祭司となって、民の罪を償うために、すべての点で兄弟たちと同じようにならねばならなかったのです。18事実、御自身、試練を受けて苦しまれたからこそ、試練を受けている人たちを助けることがおできになるのです。 答唱詩編詩編105・1+2、3b+4+5心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編105105・1神に感謝してその名をたたえよ。 3b神を探し求める者よ、心から喜べ。 福音朗読マルコ1・29-39アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、イエスは1・29会堂を出て、シモンとアンデレの家に行った。ヤコブとヨハネも一緒であった。30シモンのしゅうとめが熱を出して寝ていたので、人々は早速、彼女のことをイエスに話した。31イエスがそばに行き、手を取って起こされると、熱は去り、彼女は一同をもてなした。32夕方になって日が沈むと、人々は、病人や悪霊に取りつかれた者を皆、イエスのもとに連れて来た。33町中の人が、戸口に集まった。34イエスは、いろいろな病気にかかっている大勢の人たちをいやし、また、多くの悪霊を追い出して、悪霊にものを言うことをお許しにならなかった。悪霊はイエスを知っていたからである。 35朝早くまだ暗いうちに、イエスは起きて、人里離れた所へ出て行き、そこで祈っておられた。36シモンとその仲間はイエスの後を追い、37見つけると、「みんなが捜しています」と言った。38イエスは言われた。「近くのほかの町や村へ行こう。そこでも、わたしは宣教する。そのためにわたしは出て来たのである。」39そして、ガリラヤ中の会堂に行き、宣教し、悪霊を追い出された。 |
|||
年間第1木曜日 | 1月16日(木) | 年間 | |
第一朗読ヘブライ3・7-14わたしたちは、最初の確信を最後までしっかりと持ち続けるなら、キリストに連なる者となるのです。 ヘブライ人への手紙皆さん、3・7聖霊がこう言われるとおりです。 12兄弟たち、あなたがたのうちに、信仰のない悪い心を抱いて、生ける神から離れてしまう者がないように注意しなさい。13あなたがたのうちだれ一人、罪に惑わされてかたくなにならないように、「今日」という日のうちに、日々励まし合いなさい。――14わたしたちは、最初の確信を最後までしっかりと持ち続けるなら、キリストに連なる者となるのです。 答唱詩編詩編95・5+6、7+8神に向かって喜びうたい、感謝の歌をささげよう。 詩編9595・5海は神のもの、神に造られたもの。 7神は、わたしたちの神。 福音朗読マルコ1・40-45アレルヤ、アレルヤ。イエスは神の国の福音を告げ知らせ、民の病いをいやされた。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、1・40重い皮膚病を患っている人が、イエスのところに来てひざまずいて願い、「御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と言った。41イエスが深く憐れんで、手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると、42たちまち重い皮膚病は去り、その人は清くなった。43イエスはすぐにその人を立ち去らせようとし、厳しく注意して、44言われた。「だれにも、何も話さないように気をつけなさい。ただ、行って祭司に体を見せ、モーセが定めたものを清めのために献げて、人々に証明しなさい。」45しかし、彼はそこを立ち去ると、大いにこの出来事を人々に告げ、言い広め始めた。それで、イエスはもはや公然と町に入ることができず、町の外の人のいない所におられた。それでも、人々は四方からイエスのところに集まって来た。 |
|||
聖アントニオ 修道院長 | 1月17日(金) | 記念日 | |
第一朗読ヘブライ4・1-5、11わたしたちにも彼ら同様に福音が告げ知らされているからです。 ヘブライ人への手紙皆さん、4・1神の安息にあずかる約束がまだ続いているのに、取り残されてしまったと思われる者があなたがたのうちから出ないように、気をつけましょう。2というのは、わたしたちにも彼ら同様に福音が告げ知らされているからです。けれども、彼らには聞いた言葉は役に立ちませんでした。その言葉が、それを聞いた人々と、信仰によって結び付かなかったためです。3信じたわたしたちは、この安息にあずかることができるのです。 11だから、わたしたちはこの安息にあずかるように努力しようではありませんか。さもないと、同じ不従順の例に倣って堕落する者が出るかもしれません。 答唱詩編詩編78・3+4、6+7神のわざを思い起こそう、力ある不思議なわざ。 詩編7878・3耳で聞いて知ったこと、 6のちの世に生まれる子がこれを知り、 福音朗読マルコ2・1-12アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者が私たちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音2・1数日後、イエスが再びカファルナウムに来られると、家におられることが知れ渡り、2大勢の人が集まったので、戸口の辺りまですきまもないほどになった。イエスが御言葉を語っておられると、3四人の男が中風の人を運んで来た。4しかし、群衆に阻まれて、イエスのもとに連れて行くことができなかったので、イエスがおられる辺りの屋根をはがして穴をあけ、病人の寝ている床をつり降ろした。5イエスはその人たちの信仰を見て、中風の人に、「子よ、あなたの罪は赦される」と言われた。6ところが、そこに律法学者が数人座っていて、心の中であれこれと考えた。7「この人は、なぜこういうことを口にするのか。神を冒涜している。神おひとりのほかに、いったいだれが、罪を赦すことができるだろうか。」8イエスは、彼らが心の中で考えていることを、御自分の霊の力ですぐに知って言われた。「なぜ、そんな考えを心に抱くのか。9中風の人に『あなたの罪は赦される』と言うのと、『起きて、床を担いで歩け』と言うのと、どちらが易しいか。10人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせよう。」そして、中風の人に言われた。11「わたしはあなたに言う。起き上がり、床を担いで家に帰りなさい。」12その人は起き上がり、すぐに床を担いで、皆の見ている前を出て行った。人々は皆驚き、「このようなことは、今まで見たことがない」と言って、神を賛美した。 |
|||
年間第1土曜日 | 1月18日(土) | 年間 | |
第一朗読ヘブライ4・12-16神の言葉は生きており、力を発揮し、どんな両刃の剣よりも鋭く… ヘブライ人への手紙皆さん、4・12神の言葉は生きており、力を発揮し、どんな両刃の剣よりも鋭く、精神と霊、関節と骨髄とを切り離すほどに刺し通して、心の思いや考えを見分けることができます。13更に、神の御前では隠れた被造物は一つもなく、すべてのものが神の目には裸であり、さらけ出されているのです。この神に対して、わたしたちは自分のことを申し述べねばなりません。 14さて、わたしたちには、もろもろの天を通過された偉大な大祭司、神の子イエスが与えられているのですから、わたしたちの公に言い表している信仰をしっかり保とうではありませんか。15この大祭司は、わたしたちの弱さに同情できない方ではなく、罪を犯されなかったが、あらゆる点において、わたしたちと同様に試練に遭われたのです。16だから、憐れみを受け、恵みにあずかって、時宜にかなった助けをいただくために、大胆に恵みの座に近づこうではありませんか。 答唱詩編詩編19・8、10神のことばは正しく、わたしの心の喜び、神のみ旨は清く、わたしの目を開く。 詩編1919・8神の教えは完全で、魂を生き返らせ、 10神のことばは正しく、世々に及び、 福音朗読マルコ2・13-17アレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を、捕らわれ人に解放を告げるため、神はわたしを送られた。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、2・13イエスは、再び湖のほとりに出て行かれた。群衆が皆そばに集まって来たので、イエスは教えられた。14そして通りがかりに、アルファイの子レビが収税所に座っているのを見かけて、「わたしに従いなさい」と言われた。彼は立ち上がってイエスに従った。15イエスがレビの家で食事の席に着いておられたときのことである。多くの徴税人や罪人もイエスや弟子たちと同席していた。実に大勢の人がいて、イエスに従っていたのである。16ファリサイ派の律法学者は、イエスが罪人や徴税人と一緒に食事をされるのを見て、弟子たちに、「どうして彼は徴税人や罪人と一緒に食事をするのか」と言った。17イエスはこれを聞いて言われた。「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」 |
|||
年間第2主日 | 1月19日(日) | 年間 | |
第一朗読イザヤ62・1-5花婿が花嫁を喜びとする。 イザヤの預言62・1シオンのために、わたしは決して口を閉ざさず 3あなたは主の御手の中で輝かしい冠となり 答唱詩編詩編96・1+2、3+4、9+13遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9696・1新しい歌を神に歌え、 3すべての国にその栄光を語り、 9聖なる者が現れるとき、神をおがめ、 第二朗読①コリント12・4-11同じ唯一の〝霊〟は望むままに、一人一人に分け与えてくださる。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、12・4賜物にはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ霊です。5務めにはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ主です。6働きにはいろいろありますが、すべての場合にすべてのことをなさるのは同じ神です。7一人一人に〝霊〟の働きが現れるのは、全体の益となるためです。8ある人には〝霊〟によって知恵の言葉、ある人には同じ〝霊〟によって知識の言葉が与えられ、9ある人にはその同じ〝霊〟によって信仰、ある人にはこの唯一の〝霊〟によって病気をいやす力、10ある人には奇跡を行う力、ある人には預言する力、ある人には霊を見分ける力、ある人には種々の異言を語る力、ある人には異言を解釈する力が与えられています。11これらすべてのことは、同じ唯一の〝霊〟の働きであって、〝霊〟は望むままに、それを一人一人に分け与えてくださるのです。 福音朗読ヨハネ2・1-11アレルヤ、アレルヤ。福音によって神は私たちを召し出し、主イエス・キリストの栄光にあずかる者としてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、2・1ガリラヤのカナで婚礼があって、イエスの母がそこにいた。2イエスも、その弟子たちも婚礼に招かれた。3ぶどう酒が足りなくなったので、母がイエスに、「ぶどう酒がなくなりました」と言った。4イエスは母に言われた。「婦人よ、わたしとどんなかかわりがあるのです。わたしの時はまだ来ていません。」5しかし、母は召し使いたちに、「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」と言った。6そこには、ユダヤ人が清めに用いる石の水がめが六つ置いてあった。いずれも二ないし三メトレテス入りのものである。7イエスが、「水がめに水をいっぱい入れなさい」と言われると、召し使いたちは、かめの縁まで水を満たした。8イエスは、「さあ、それをくんで宴会の世話役のところへ持って行きなさい」と言われた。召し使いたちは運んで行った。9世話役はぶどう酒に変わった水の味見をした。このぶどう酒がどこから来たのか、水をくんだ召し使いたちは知っていたが、世話役は知らなかったので、花婿を呼んで、10言った。「だれでも初めに良いぶどう酒を出し、酔いがまわったころに劣ったものを出すものですが、あなたは良いぶどう酒を今まで取って置かれました。」11イエスは、この最初のしるしをガリラヤのカナで行って、その栄光を現された。それで、弟子たちはイエスを信じた。 |
|||
年間第2月曜日 | 1月20日(月) | 年間 | |
第一朗読ヘブライ5・1-10イエスは、大祭司です。 ヘブライ人への手紙5・1大祭司はすべて人間の中から選ばれ、罪のための供え物やいけにえを献げるよう、人々のために神に仕える職に任命されています。2大祭司は、自分自身も弱さを身にまとっているので、無知な人、迷っている人を思いやることができるのです。3また、その弱さのゆえに、民のためだけでなく、自分自身のためにも、罪の贖いのために供え物を献げねばなりません。4また、この光栄ある任務を、だれも自分で得るのではなく、アロンもそうであったように、神から召されて受けるのです。 5同じようにキリストも、大祭司となる栄誉を御自分で得たのではなく、 答唱詩編詩編110・1+2、3+4門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。 詩編110110・1神はわたしの主に仰せになる。 3生まれた日からあなたには王の威厳が備わっている。 福音朗読マルコ2・18-22アレルヤ、アレルヤ。神のことばは生きていて力があり、心の思いと計画をわきまえる。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、2・18ヨハネの弟子たちとファリサイ派の人々は、断食していた。そこで、人々はイエスのところに来て言った。「ヨハネの弟子たちとファリサイ派の弟子たちは断食しているのに、なぜ、あなたの弟子たちは断食しないのですか。」19イエスは言われた。「花婿が一緒にいるのに、婚礼の客は断食できるだろうか。花婿が一緒にいるかぎり、断食はできない。20しかし、花婿が奪い取られる時が来る。その日には、彼らは断食することになる。 21だれも、織りたての布から布切れを取って、古い服に継ぎを当てたりはしない。そんなことをすれば、新しい布切れが古い服を引き裂き、破れはいっそうひどくなる。22また、だれも、新しいぶどう酒を古い革袋に入れたりはしない。そんなことをすれば、ぶどう酒は革袋を破り、ぶどう酒も革袋もだめになる。新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。」 |
|||
聖アグネス おとめ殉教者 | 1月21日(火) | 記念日 | |
第一朗読ヘブライ6・10-20イエスは、わたしたちのために先駆者としてそこへ入って行き、永遠にメルキゼデクと同じような大祭司となられたのです。 ヘブライ人への手紙皆さん、6・10神は不義な方ではないので、あなたがたの働きや、あなたがたが聖なる者たちに以前も今も仕えることによって、神の名のために示したあの愛をお忘れになるようなことはありません。11わたしたちは、あなたがたおのおのが最後まで希望を持ち続けるために、同じ熱心さを示してもらいたいと思います。12あなたがたが怠け者とならず、信仰と忍耐とによって、約束されたものを受け継ぐ人たちを見倣う者となってほしいのです。 13神は、アブラハムに約束をする際に、御自身より偉大な者にかけて誓えなかったので、御自身にかけて誓い、14「わたしは必ずあなたを祝福し、あなたの子孫を大いに増やす」と言われました。15こうして、アブラハムは根気よく待って、約束のものを得たのです。16そもそも人間は、自分より偉大な者にかけて誓うのであって、その誓いはあらゆる反対論にけりをつける保証となります。17神は約束されたものを受け継ぐ人々に、御自分の計画が変わらないものであることを、いっそうはっきり示したいと考え、それを誓いによって保証なさったのです。18それは、目指す希望を持ち続けようとして世を逃れて来たわたしたちが、二つの不変の事柄によって力強く励まされるためです。この事柄に関して、神が偽ることはありえません。19わたしたちが持っているこの希望は、魂にとって頼りになる、安定した錨のようなものであり、また、至聖所の垂れ幕の内側に入って行くものなのです。20イエスは、わたしたちのために先駆者としてそこへ入って行き、永遠にメルキゼデクと同じような大祭司となられたのです。 答唱詩編詩編111・1+2、3+4b+5b神は残された、不思議なわざの記念を。 詩編111111・1心を尽くして神に感謝しよう、 3神のわざは力と輝きに満ち、 福音朗読マルコ2・23-28アレルヤ、アレルヤ。主イエス・キリストの父がわたしたちの心の目を開き、わたしたちがどんな希望に召されているかを示してくださる。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音2・23ある安息日に、イエスが麦畑を通って行かれると、弟子たちは歩きながら麦の穂を摘み始めた。24ファリサイ派の人々がイエスに、「御覧なさい。なぜ、彼らは安息日にしてはならないことをするのか」と言った。25イエスは言われた。「ダビデが、自分も供の者たちも、食べ物がなくて空腹だったときに何をしたか、一度も読んだことがないのか。26アビアタルが大祭司であったとき、ダビデは神の家に入り、祭司のほかにはだれも食べてはならない供えのパンを食べ、一緒にいた者たちにも与えたではないか。」27そして更に言われた。「安息日は、人のために定められた。人が安息日のためにあるのではない。28だから、人の子は安息日の主でもある。」 |
|||
年間第2水曜日 | 1月22日(水) | 年間 | |
第一朗読ヘブライ7・1-3、15-17「あなたこそ永遠に、メルキゼデクと同じような祭司である」 ヘブライ人への手紙皆さん、7・1メルキゼデクはサレムの王であり、いと高き神の祭司でしたが、王たちを滅ぼして戻って来たアブラハムを出迎え、そして祝福しました。2アブラハムは、メルキゼデクにすべてのものの十分の一を分け与えました。メルキゼデクという名の意味は、まず「義の王」、次に「サレムの王」、つまり「平和の王」です。3彼には父もなく、母もなく、系図もなく、また、生涯の初めもなく、命の終わりもなく、神の子に似た者であって、永遠に祭司です。 15このことは、メルキゼデクと同じような別の祭司が立てられたことによって、ますます明らかです。16この祭司は、肉の掟の律法によらず、朽ちることのない命の力によって立てられたのです。17なぜなら、 答唱詩編詩編110・1+2、3+4門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。 詩編110110・1神はわたしの主に仰せになる。 3生まれた日からあなたには王の威厳が備わっている。 福音朗読マルコ3・1-6アレルヤ、アレルヤ。イエスは神の国の福音を告げ知らせ、民の病いをいやされた。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、3・1イエスはまた会堂にお入りになった。そこに片手の萎えた人がいた。2人々はイエスを訴えようと思って、安息日にこの人の病気をいやされるかどうか、注目していた。3イエスは手の萎えた人に、「真ん中に立ちなさい」と言われた。4そして人々にこう言われた。「安息日に律法で許されているのは、善を行うことか、悪を行うことか。命を救うことか、殺すことか。」彼らは黙っていた。5そこで、イエスは怒って人々を見回し、彼らのかたくなな心を悲しみながら、その人に、「手を伸ばしなさい」と言われた。伸ばすと、手は元どおりになった。6ファリサイ派の人々は出て行き、早速、ヘロデ派の人々と一緒に、どのようにしてイエスを殺そうかと相談し始めた。 |
|||
年間第2木曜日 | 1月23日(木) | 年間 | |
第一朗読ヘブライ7・25-8・6律法の後になされた誓いの御言葉は、永遠に完全な者とされておられる御子を大祭司としたのです。 ヘブライ人への手紙皆さん、7・25イエスは常に生きていて、人々のために執り成しておられるので、御自分を通して神に近づく人たちを、完全に救うことがおできになります。 26このように聖であり、罪なく、汚れなく、罪人から離され、もろもろの天よりも高くされている大祭司こそ、わたしたちにとって必要な方なのです。27この方は、ほかの大祭司たちのように、まず自分の罪のため、次に民の罪のために毎日いけにえを献げる必要はありません。というのは、このいけにえはただ一度、御自身を献げることによって、成し遂げられたからです。28律法は弱さを持った人間を大祭司に任命しますが、律法の後になされた誓いの御言葉は、永遠に完全な者とされておられる御子を大祭司としたのです。 8・1今述べていることの要点は、わたしたちにはこのような大祭司が与えられていて、天におられる大いなる方の玉座の右の座に着き、2人間ではなく主がお建てになった聖所また真の幕屋で、仕えておられるということです。3すべて大祭司は、供え物といけにえとを献げるために、任命されています。それで、この方も、何か献げる物を持っておられなければなりません。4もし、地上におられるのだとすれば、律法に従って供え物を献げる祭司たちが現にいる以上、この方は決して祭司ではありえなかったでしょう。5この祭司たちは、天にあるものの写しであり影であるものに仕えており、そのことは、モーセが幕屋を建てようとしたときに、お告げを受けたとおりです。神は、「見よ、山で示された型どおりに、すべてのものを作れ」と言われたのです。6しかし、今、わたしたちの大祭司は、それよりはるかに優れた務めを得ておられます。更にまさった約束に基づいて制定された、更にまさった契約の仲介者になられたからです。 答唱詩編詩編40・10、17神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。 詩編4040・10わたしは人々のつどいの中で、 17あなたを求めるすべての人は、 福音朗読マルコ3・7-12アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、3・7イエスは弟子たちと共に湖の方へ立ち去られた。ガリラヤから来たおびただしい群衆が従った。また、ユダヤ、8エルサレム、イドマヤ、ヨルダン川の向こう側、ティルスやシドンの辺りからもおびただしい群衆が、イエスのしておられることを残らず聞いて、そばに集まって来た。9そこで、イエスは弟子たちに小舟を用意してほしいと言われた。群衆に押しつぶされないためである。10イエスが多くの病人をいやされたので、病気に悩む人たちが皆、イエスに触れようとして、そばに押し寄せたからであった。11汚れた霊どもは、イエスを見るとひれ伏して、「あなたは神の子だ」と叫んだ。12イエスは、自分のことを言いふらさないようにと霊どもを厳しく戒められた。 |
|||
聖フランシスコ・サレジオ 司教教会博士 | 1月24日(金) | 記念日 | |
第一朗読ヘブライ8・6-13神は「新しいもの」と言われることによって、最初の契約は古びてしまったと宣言されたのです。 ヘブライ人への手紙皆さん、8・6、今、わたしたちの大祭司は、それよりはるかに優れた務めを得ておられます。更にまさった約束に基づいて制定された、更にまさった契約の仲介者になられたからです。 7もし、あの最初の契約が欠けたところのないものであったなら、第二の契約の余地はなかったでしょう。8事実、神はイスラエルの人々を非難して次のように言われています。 答唱詩編詩編85・10+11、12+13+14神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。 詩編8585・10救いは神をおそれる人に近く、 12まことは地から芽ばえ、正義は天から見守る。 福音朗読マルコ3・13-19アレルヤ、アレルヤ。神はキリストのうちに世をご自分に和解させ、和解のことばをわたしたちにゆだねられた。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、3・13イエスが山に登って、これと思う人々を呼び寄せられると、彼らはそばに集まって来た。14そこで、十二人を任命し、使徒と名付けられた。彼らを自分のそばに置くため、また、派遣して宣教させ、15悪霊を追い出す権能を持たせるためであった。16こうして十二人を任命された。シモンにはペトロという名を付けられた。17ゼベダイの子ヤコブとヤコブの兄弟ヨハネ、この二人にはボアネルゲス、すなわち、「雷の子ら」という名を付けられた。18アンデレ、フィリポ、バルトロマイ、マタイ、トマス、アルファイの子ヤコブ、タダイ、熱心党のシモン、19それに、イスカリオテのユダ。このユダがイエスを裏切ったのである。 |
|||
聖パウロの回心 | 1月25日(土) | 聖人の記念 | |
第一朗読使徒言行録22・3-16立ち上がりなさい。イエスの名を唱え、洗礼を受けて罪を洗い清めなさい。 使徒たちの宣教その日、パウロは人々に言った。22・3「わたしは、キリキア州のタルソスで生まれたユダヤ人です。そして、この都で育ち、ガマリエルのもとで先祖の律法について厳しい教育を受け、今日の皆さんと同じように、熱心に神に仕えていました。4わたしはこの道を迫害し、男女を問わず縛り上げて獄に投じ、殺すことさえしたのです。5このことについては、大祭司も長老会全体も、わたしのために証言してくれます。実は、この人たちからダマスコにいる同志にあてた手紙までもらい、その地にいる者たちを縛り上げ、エルサレムへ連行して処罰するために出かけて行ったのです。 6旅を続けてダマスコに近づいたときのこと、真昼ごろ、突然、天から強い光がわたしの周りを照らしました。7わたしは地面に倒れ、『サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか』と言う声を聞いたのです。8『主よ、あなたはどなたですか』と尋ねると、『わたしは、あなたが迫害しているナザレのイエスである』と答えがありました。9一緒にいた人々は、その光は見たのですが、わたしに話しかけた方の声は聞きませんでした。10『主よ、どうしたらよいでしょうか』と申しますと、主は、『立ち上がってダマスコへ行け。しなければならないことは、すべてそこで知らされる』と言われました。11わたしは、その光の輝きのために目が見えなくなっていましたので、一緒にいた人たちに手を引かれて、ダマスコに入りました。 12ダマスコにはアナニアという人がいました。律法に従って生活する信仰深い人で、そこに住んでいるすべてのユダヤ人の中で評判の良い人でした。13この人がわたしのところに来て、そばに立ってこう言いました。『兄弟サウル、元どおり見えるようになりなさい。』するとそのとき、わたしはその人が見えるようになったのです。14アナニアは言いました。『わたしたちの先祖の神が、あなたをお選びになった。それは、御心を悟らせ、あの正しい方に会わせて、その口からの声を聞かせるためです。15あなたは、見聞きしたことについて、すべての人に対してその方の証人となる者だからです。16今、何をためらっているのです。立ち上がりなさい。その方の名を唱え、洗礼を受けて罪を洗い清めなさい。』」 または使徒言行録9・1-22あなたのなすべきことが知らされる。 使徒たちの宣教その日、9・1サウロはなおも主の弟子たちを脅迫し、殺そうと意気込んで、大祭司のところへ行き、2ダマスコの諸会堂あての手紙を求めた。それは、この道に従う者を見つけ出したら、男女を問わず縛り上げ、エルサレムに連行するためであった。3ところが、サウロが旅をしてダマスコに近づいたとき、突然、天からの光が彼の周りを照らした。4サウロは地に倒れ、「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」と呼びかける声を聞いた。5「主よ、あなたはどなたですか」と言うと、答えがあった。「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。6起きて町に入れ。そうすれば、あなたのなすべきことが知らされる。」7同行していた人たちは、声は聞こえても、だれの姿も見えないので、ものも言えず立っていた。8サウロは地面から起き上がって、目を開けたが、何も見えなかった。人々は彼の手を引いてダマスコに連れて行った。9サウロは三日間、目が見えず、食べも飲みもしなかった。 10ところで、ダマスコにアナニアという弟子がいた。幻の中で主が、「アナニア」と呼びかけると、アナニアは、「主よ、ここにおります」と言った。11すると、主は言われた。「立って、『直線通り』と呼ばれる通りへ行き、ユダの家にいるサウロという名の、タルソス出身の者を訪ねよ。今、彼は祈っている。12アナニアという人が入って来て自分の上に手を置き、元どおり目が見えるようにしてくれるのを、幻で見たのだ。」13しかし、アナニアは答えた。「主よ、わたしは、その人がエルサレムで、あなたの聖なる者たちに対してどんな悪事を働いたか、大勢の人から聞きました。14ここでも、御名を呼び求める人をすべて捕らえるため、祭司長たちから権限を受けています。」15すると、主は言われた。「行け。あの者は、異邦人や王たち、またイスラエルの子らにわたしの名を伝えるために、わたしが選んだ器である。16わたしの名のためにどんなに苦しまなくてはならないかを、わたしは彼に示そう。」17そこで、アナニアは出かけて行ってユダの家に入り、サウロの上に手を置いて言った。「兄弟サウル、あなたがここへ来る途中に現れてくださった主イエスは、あなたが元どおり目が見えるようになり、また、聖霊で満たされるようにと、わたしをお遣わしになったのです。」18すると、たちまち目からうろこのようなものが落ち、サウロは元どおり見えるようになった。そこで、身を起こして洗礼を受け、19食事をして元気を取り戻した。 サウロは数日の間、ダマスコの弟子たちと一緒にいて、20すぐあちこちの会堂で、「この人こそ神の子である」と、イエスのことを宣べ伝えた。21これを聞いた人々は皆、非常に驚いて言った。「あれは、エルサレムでこの名を呼び求める者たちを滅ぼしていた男ではないか。また、ここへやって来たのも、彼らを縛り上げ、祭司長たちのところへ連行するためではなかったか。」22しかし、サウロはますます力を得て、イエスがメシアであることを論証し、ダマスコに住んでいるユダヤ人をうろたえさせた。 答唱詩編詩編117・1+2、栄唱主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編117117・1すべての国よ、神をたたえ、 栄唱栄光は父と子と聖霊に。 第二朗読①コリント7・29-31この世の有様は過ぎ去る。 使徒パウロのコリントの教会への手紙7・29兄弟たち、わたしはこう言いたい。定められた時は迫っています。今からは、妻のある人はない人のように、30泣く人は泣かない人のように、喜ぶ人は喜ばない人のように、物を買う人は持たない人のように、31世の事にかかわっている人は、かかわりのない人のようにすべきです。この世の有様は過ぎ去るからです。 福音朗読マルコ16・15-18アレルヤ、アレルヤ。あなたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたを選んだのである。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、イエスは十一人の弟子に現れて、言われた。16・15「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。16信じて洗礼を受ける者は救われるが、信じない者は滅びの宣告を受ける。17信じる者には次のようなしるしが伴う。彼らはわたしの名によって悪霊を追い出し、新しい言葉を語る。18手で蛇をつかみ、また、毒を飲んでも決して害を受けず、病人に手を置けば治る。」 |
|||
年間第3主日 | 1月26日(日) | 年間 | |
第一朗読ネヘミヤ8・2-4a、5-6、8-10レビ人は律法の書を意味を明らかにしながら読み上げた。 ネヘミヤ記その日、8・2祭司エズラは律法を会衆の前に持って来た。そこには、男も女も、聞いて理解することのできる年齢に達した者は皆いた。第七の月の一日のことであった。3彼は水の門の前にある広場に居並ぶ男女、理解することのできる年齢に達した者に向かって、夜明けから正午までそれを読み上げた。民は皆、その律法の書に耳を傾けた。 4書記官エズラは、このために用意された木の壇の上に立った。5エズラは人々より高い所にいたので、皆が見守る中でその書を開いた。彼が書を開くと民は皆、立ち上がった。6エズラが大いなる神、主をたたえると民は皆、両手を挙げて、「アーメン、アーメン」と唱和し、ひざまずき、顔を地に伏せて、主を礼拝した。 次いで、レビ人が8神の律法の書を翻訳し、意味を明らかにしながら読み上げたので、人々はその朗読を理解した。 9総督ネヘミヤと、祭司であり書記官であるエズラは、律法の説明に当たったレビ人と共に、民全員に言った。「今日は、あなたたちの神、主にささげられた聖なる日だ。嘆いたり、泣いたりしてはならない。」民は皆、律法の言葉を聞いて泣いていた。10彼らは更に言った。「行って良い肉を食べ、甘い飲み物を飲みなさい。その備えのない者には、それを分け与えてやりなさい。今日は、我らの主にささげられた聖なる日だ。悲しんではならない。主を喜び祝うことこそ、あなたたちの力の源である。」 答唱詩編詩編19・8、9、10主よ、あなたは永遠のいのちのことば。 詩編1919・8神の教えは完全で、魂を生き返らせ、 9神の定めは、正しく、心の喜びであり、 10神のことばは正しく、代々に及び、 第二朗読①コリント12・12-30あなたがたはキリストの体であり、また一人一人はその部分である。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、12・12体は一つでも、多くの部分から成り、体のすべての部分の数は多くても、体は一つであるように、キリストの場合も同様である。13つまり、一つの霊によって、わたしたちは、ユダヤ人であろうとギリシア人であろうと、奴隷であろうと自由な身分の者であろうと、皆一つの体となるために洗礼を受け、皆一つの霊をのませてもらったのです。14体は、一つの部分ではなく、多くの部分から成っています。 15足が、「わたしは手ではないから、体の一部ではない」と言ったところで、体の一部でなくなるでしょうか。16耳が、「わたしは目ではないから、体の一部ではない」と言ったところで、体の一部でなくなるでしょうか。17もし体全体が目だったら、どこで聞きますか。もし全体が耳だったら、どこでにおいをかぎますか。18そこで神は、御自分の望みのままに、体に一つ一つの部分を置かれたのです。19すべてが一つの部分になってしまったら、どこに体というものがあるでしょう。20だから、多くの部分があっても、一つの体なのです。21目が手に向かって「お前は要らない」とは言えず、また、頭が足に向かって「お前たちは要らない」とも言えません。22それどころか、体の中でほかよりも弱く見える部分が、かえって必要なのです。23わたしたちは、体の中でほかよりも恰好が悪いと思われる部分を覆って、もっと恰好よくしようとし、見苦しい部分をもっと見栄えよくしようとします。24見栄えのよい部分には、そうする必要はありません。神は、見劣りのする部分をいっそう引き立たせて、体を組み立てられました。25それで、体に分裂が起こらず、各部分が互いに配慮し合っています。26一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶのです。 27あなたがたはキリストの体であり、また、一人一人はその部分です。 28神は、教会の中にいろいろな人をお立てになりました。第一に使徒、第二に預言者、第三に教師、次に奇跡を行う者、その次に病気をいやす賜物を持つ者、援助する者、管理する者、異言を語る者などです。29皆が使徒であろうか。皆が預言者であろうか。皆が教師であろうか。皆が奇跡を行う者であろうか。30皆が病気をいやす賜物を持っているだろうか。皆が異言を語るだろうか。皆がそれを解釈するだろうか。 福音朗読ルカ1・1-4、4・14-21アレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を、捕らわれ人に開放を告げるため、神はわたしを送られた。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音1・1‐2わたしたちの間で実現した事柄について、最初から目撃して御言葉のために働いた人々がわたしたちに伝えたとおりに、物語を書き連ねようと、多くの人々が既に手を着けています。3そこで、敬愛するテオフィロさま、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、順序正しく書いてあなたに献呈するのがよいと思いました。4お受けになった教えが確実なものであることを、よく分かっていただきたいのであります。 さて、4・14イエスは〝霊〟の力に満ちてガリラヤに帰られた。その評判が周りの地方一帯に広まった。15イエスは諸会堂で教え、皆から尊敬を受けられた。 16イエスはお育ちになったナザレに来て、いつものとおり安息日に会堂に入り、聖書を朗読しようとしてお立ちになった。17預言者イザヤの巻物が渡され、お開きになると、次のように書いてある個所が目に留まった。 20イエスは巻物を巻き、係の者に返して席に座られた。会堂にいるすべての人の目がイエスに注がれていた。21そこでイエスは、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」と話し始められた。 |
|||
年間第3月曜日 | 1月27日(月) | 年間 | |
第一朗読ヘブライ9・15、24-28キリストは新しい契約の仲介者なのです。 ヘブライ人への手紙皆さん、9・15キリストは新しい契約の仲介者なのです。それは、最初の契約の下で犯された罪の贖いとして、キリストが死んでくださったので、召された者たちが、既に約束されている永遠の財産を受け継ぐためにほかなりません。24なぜならキリストは、まことのものの写しにすぎない、人間の手で造られた聖所にではなく、天そのものに入り、今やわたしたちのために神の御前に現れてくださったからです。25また、キリストがそうなさったのは、大祭司が年ごとに自分のものでない血を携えて聖所に入るように、度々御自身をお献げになるためではありません。26もしそうだとすれば、天地創造の時から度々苦しまねばならなかったはずです。ところが実際は、世の終わりにただ一度、御自身をいけにえとして献げて罪を取り去るために、現れてくださいました。27また、人間にはただ一度死ぬことと、その後に裁きを受けることが定まっているように、28キリストも、多くの人の罪を負うためにただ一度身を献げられた後、二度目には、罪を負うためではなく、御自分を待望している人たちに、救いをもたらすために現れてくださるのです。 答唱詩編詩編98・1、4+5遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・1新しい歌を神にうたえ。 4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、 福音朗読マルコ3・22-30アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、3・22エルサレムから下って来た律法学者たちも、「あの男はベルゼブルに取りつかれている」と言い、また、「悪霊の頭の力で悪霊を追い出している」と言っていた。23そこで、イエスは彼らを呼び寄せて、たとえを用いて語られた。「どうして、サタンがサタンを追い出せよう。24国が内輪で争えば、その国は成り立たない。25家が内輪で争えば、その家は成り立たない。26同じように、サタンが内輪もめして争えば、立ち行かず、滅びてしまう。27また、まず強い人を縛り上げなければ、だれも、その人の家に押し入って、家財道具を奪い取ることはできない。まず縛ってから、その家を略奪するものだ。28はっきり言っておく。人の子らが犯す罪やどんな冒涜の言葉も、すべて赦される。29しかし、聖霊を冒涜する者は永遠に赦されず、永遠に罪の責めを負う。」30イエスがこう言われたのは、「彼は汚れた霊に取りつかれている」と人々が言っていたからである。 |
|||
聖トマス・アクィナス 司祭教会博士 | 1月28日(火) | 記念日 | |
第一朗読ヘブライ10・1-10「御覧ください。わたしは来ました。御心を行うために」 ヘブライ人への手紙皆さん、10・1律法には、やがて来る良いことの影があるばかりで、そのものの実体はありません。従って、律法は年ごとに絶えず献げられる同じいけにえによって、神に近づく人たちを完全な者にすることはできません。2もしできたとするなら、礼拝する者たちは一度清められた者として、もはや罪の自覚がなくなるはずですから、いけにえを献げることは中止されたはずではありませんか。3ところが実際は、これらのいけにえによって年ごとに罪の記憶がよみがえって来るのです。4雄牛や雄山羊の血は、罪を取り除くことができないからです。 5それで、キリストは世に来られたときに、次のように言われたのです。 答唱詩編詩編40・2+4ab、11ab+12神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。 詩編4040・2わたしはせつに神を呼び求め、 11abわたしはあなたの恵みを心の中に隠さず、 福音朗読マルコ3・31-35アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、3・31イエスの母と兄弟たちが来て外に立ち、人をやってイエスを呼ばせた。32大勢の人が、イエスの周りに座っていた。「御覧なさい。母上と兄弟姉妹がたが外であなたを捜しておられます」と知らされると、33イエスは、「わたしの母、わたしの兄弟とはだれか」と答え、34周りに座っている人々を見回して言われた。「見なさい。ここにわたしの母、わたしの兄弟がいる。35神の御心を行う人こそ、わたしの兄弟、姉妹、また母なのだ。」 |
|||
年間第3水曜日 | 1月29日(水) | 年間 | |
第一朗読ヘブライ10・11-18それらの日の後、わたしが彼らと結ぶ契約はこれである ヘブライ人への手紙10・11すべての祭司は、毎日礼拝を献げるために立ち、決して罪を除くことのできない同じいけにえを、繰り返して献げます。12しかしキリストは、罪のために唯一のいけにえを献げて、永遠に神の右の座に着き、13その後は、敵どもが御自分の足台となってしまうまで、待ち続けておられるのです。14なぜなら、キリストは唯一の献げ物によって、聖なる者とされた人たちを永遠に完全な者となさったからです。 15聖霊もまた、わたしたちに次のように証ししておられます。16「『それらの日の後、わたしが彼らと結ぶ契約はこれである』と、主は言われる。『わたしの律法を彼らの心に置き、彼らの思いにそれを書きつけよう。17もはや彼らの罪と不法を思い出しはしない。』」18罪と不法の赦しがある以上、罪を贖うための供え物は、もはや必要ではありません。 答唱詩編詩編110・1+2、3+4門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。 詩編110110・1神はわたしの主に仰せになる。 3生まれた日からあなたには王の威厳が備わっている。 福音朗読マルコ4・1-20アレルヤ、アレルヤ。種は神のことば、蒔く人はキリスト。キリストを見いだす人は永遠に生きる。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、4・1イエスは、再び湖のほとりで教え始められた。おびただしい群衆が、そばに集まって来た。そこで、イエスは舟に乗って腰を下ろし、湖の上におられたが、群衆は皆、湖畔にいた。2イエスはたとえでいろいろと教えられ、その中で次のように言われた。3「よく聞きなさい。種を蒔く人が種蒔きに出て行った。4蒔いている間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べてしまった。5ほかの種は、石だらけで土の少ない所に落ち、そこは土が浅いのですぐ芽を出した。6しかし、日が昇ると焼けて、根がないために枯れてしまった。7ほかの種は茨の中に落ちた。すると茨が伸びて覆いふさいだので、実を結ばなかった。8また、ほかの種は良い土地に落ち、芽生え、育って実を結び、あるものは三十倍、あるものは六十倍、あるものは百倍にもなった。」9そして、「聞く耳のある者は聞きなさい」と言われた。 10イエスがひとりになられたとき、十二人と、イエスの周りにいた人たちとが、たとえについて尋ねた。11そこで、イエスは言われた。「あなたがたには神の国の秘密が打ち明けられているが、外の人々には、すべてがたとえで示される。12それは、『彼らが見るには見るが、認めず、聞くには聞くが、理解できず、こうして、立ち帰って赦されることがない』ようになるためである。」13また、イエスは言われた。「このたとえが分からないのか。では、どうしてほかのたとえが理解できるだろうか。14種を蒔く人は、神の言葉を蒔くのである。15道端のものとは、こういう人たちである。そこに御言葉が蒔かれ、それを聞いても、すぐにサタンが来て、彼らに蒔かれた御言葉を奪い去る。16石だらけの所に蒔かれるものとは、こういう人たちである。御言葉を聞くとすぐ喜んで受け入れるが、17自分には根がないので、しばらくは続いても、後で御言葉のために艱難や迫害が起こると、すぐにつまずいてしまう。18また、ほかの人たちは茨の中に蒔かれるものである。この人たちは御言葉を聞くが、19この世の思い煩いや富の誘惑、その他いろいろな欲望が心に入り込み、御言葉を覆いふさいで実らない。20良い土地に蒔かれたものとは、御言葉を聞いて受け入れる人たちであり、ある者は三十倍、ある者は六十倍、ある者は百倍の実を結ぶのである。」 |
|||
年間第3木曜日 | 1月30日(木) | 年間 | |
第一朗読ヘブライ10・19-25約束してくださったのは真実な方なのですから、公に言い表した希望を揺るがぬようしっかり保ちましょう。 ヘブライ人への手紙10・19兄弟たち、わたしたちは、イエスの血によって聖所に入れると確信しています。20イエスは、垂れ幕、つまり、御自分の肉を通って、新しい生きた道をわたしたちのために開いてくださったのです。21更に、わたしたちには神の家を支配する偉大な祭司がおられるのですから、22心は清められて、良心のとがめはなくなり、体は清い水で洗われています。信頼しきって、真心から神に近づこうではありませんか。23約束してくださったのは真実な方なのですから、公に言い表した希望を揺るがぬようしっかり保ちましょう。24互いに愛と善行に励むように心がけ、25ある人たちの習慣に倣って集会を怠ったりせず、むしろ励まし合いましょう。かの日が近づいているのをあなたがたは知っているのですから、ますます励まし合おうではありませんか。 答唱詩編詩編24・1+2、3+4門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。 詩編2424・1地とそこにあるもの、 3だれが神の山に登れよう。 福音朗読マルコ4・21-25アレルヤ、アレルヤ。あなたは命のことばを保ち、ともしびのように世界を照らしなさい。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、イエスは人々に言われた。4・21「ともし火を持って来るのは、升の下や寝台の下に置くためだろうか。燭台の上に置くためではないか。22隠れているもので、あらわにならないものはなく、秘められたもので、公にならないものはない。23聞く耳のある者は聞きなさい。」 24また、彼らに言われた。「何を聞いているかに注意しなさい。あなたがたは自分の量る秤で量り与えられ、更にたくさん与えられる。25持っている人は更に与えられ、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。」 |
|||
聖ヨハネ・ボスコ 司祭 | 1月31日(金) | 記念日 | |
第一朗読ヘブライ10・32-39神の御心を行って約束されたものを受けるためには、忍耐が必要なのです。 ヘブライ人への手紙皆さん、10・32あなたがたは、光に照らされた後、苦しい大きな戦いによく耐えた初めのころのことを、思い出してください。33あざけられ、苦しめられて、見せ物にされたこともあり、このような目に遭った人たちの仲間となったこともありました。34実際、捕らえられた人たちと苦しみを共にしたし、また、自分がもっとすばらしい、いつまでも残るものを持っていると知っているので、財産を奪われても、喜んで耐え忍んだのです。35だから、自分の確信を捨ててはいけません。この確信には大きな報いがあります。36神の御心を行って約束されたものを受けるためには、忍耐が必要なのです。37「もう少しすると、来るべき方がおいでになる。 答唱詩編詩編37・3、4喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。 詩編3737・3神により頼み、よいわざに励み、 4神のうちにあって喜べ、 福音朗読マルコ4・26-34アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、イエスは人々に言われた。4・26「神の国は次のようなものである。人が土に種を蒔いて、27夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。28土はひとりでに実を結ばせるのであり、まず茎、次に穂、そしてその穂には豊かな実ができる。29実が熟すと、早速、鎌を入れる。収穫の時が来たからである。」 30更に、イエスは言われた。「神の国を何にたとえようか。どのようなたとえで示そうか。31それは、からし種のようなものである。土に蒔くときには、地上のどんな種よりも小さいが、32蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る。」 33イエスは、人々の聞く力に応じて、このように多くのたとえで御言葉を語られた。34たとえを用いずに語ることはなかったが、御自分の弟子たちにはひそかにすべてを説明された。 |
|||
02月 | |||
年間第3土曜日 | 2月1日(土) | 年間 | |
第一朗読ヘブライ11・1-2、8-19信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです。 ヘブライ人への手紙皆さん、11・1信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです。2昔の人たちは、この信仰のゆえに神に認められました。 8信仰によって、アブラハムは、自分が財産として受け継ぐことになる土地に出て行くように召し出されると、これに服従し、行き先も知らずに出発したのです。9信仰によって、アブラハムは他国に宿るようにして約束の地に住み、同じ約束されたものを共に受け継ぐ者であるイサク、ヤコブと一緒に幕屋に住みました。10アブラハムは、神が設計者であり建設者である堅固な土台を持つ都を待望していたからです。11信仰によって、不妊の女サラ自身も、年齢が盛りを過ぎていたのに子をもうける力を得ました。約束をなさった方は真実な方であると、信じていたからです。12それで、死んだも同様の一人の人から空の星のように、また海辺の数えきれない砂のように、多くの子孫が生まれたのです。 13この人たちは皆、信仰を抱いて死にました。約束されたものを手に入れませんでしたが、はるかにそれを見て喜びの声をあげ、自分たちが地上ではよそ者であり、仮住まいの者であることを公に言い表したのです。14このように言う人たちは、自分が故郷を探し求めていることを明らかに表しているのです。15もし出て来た土地のことを思っていたのなら、戻るのに良い機会もあったかもしれません。16ところが実際は、彼らは更にまさった故郷、すなわち天の故郷を熱望していたのです。だから、神は彼らの神と呼ばれることを恥となさいません。神は、彼らのために都を準備されていたからです。 17信仰によって、アブラハムは、試練を受けたとき、イサクを献げました。つまり、約束を受けていた者が、独り子を献げようとしたのです。18この独り子については、「イサクから生まれる者が、あなたの子孫と呼ばれる」と言われていました。19アブラハムは、神が人を死者の中から生き返らせることもおできになると信じたのです。それで彼は、イサクを返してもらいましたが、それは死者の中から返してもらったも同然です。 答唱詩編詩編105・8b+9+10a、42+43わたしの心は神のうちに喜び、その救いに喜びおどる。 詩編105105・8b幾世代にも果てしなく及ぶこの約束は、 42神はしもべアブラハムの約束を 福音朗読マルコ4・35-41アレルヤ、アレルヤ。神はひとり子をお与えになるほど世を愛された、神を信じるすべての人が永遠のいのちを得るために。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音4・35その日の夕方になって、イエスは、「向こう岸に渡ろう」と弟子たちに言われた。36そこで、弟子たちは群衆を後に残し、イエスを舟に乗せたまま漕ぎ出した。ほかの舟も一緒であった。37激しい突風が起こり、舟は波をかぶって、水浸しになるほどであった。38しかし、イエスは艫の方で枕をして眠っておられた。弟子たちはイエスを起こして、「先生、わたしたちがおぼれてもかまわないのですか」と言った。39イエスは起き上がって、風を叱り、湖に、「黙れ。静まれ」と言われた。すると、風はやみ、すっかり凪になった。40イエスは言われた。「なぜ怖がるのか。まだ信じないのか。」41弟子たちは非常に恐れて、「いったい、この方はどなたなのだろう。風や湖さえも従うではないか」と互いに言った。 |
|||
主の奉献 | 2月2日(日) | 年間の主の祝祭日 | |
第一朗読マラキ3・1-4わたしは使者を送る。彼はわが前に道を備える。 マラキの預言万軍の主は言われる。 2だが、彼の来る日に誰が身を支えうるか。 またはヘブライ2・14-18イエスはアブラハムの子孫を助けられる。 ヘブライ人への手紙人は2・14血と肉を備えているので、イエスもまた同様に、これらのものを備えられました。それは、死をつかさどる者、つまり悪魔を御自分の死によって滅ぼし、15死の恐怖のために一生涯、奴隷の状態にあった者たちを解放なさるためでした。16確かに、イエスは天使たちを助けず、アブラハムの子孫を助けられるのです。17それで、イエスは、神の御前において憐れみ深い、忠実な大祭司となって、民の罪を償うために、すべての点で兄弟たちと同じようにならねばならなかったのです。18事実、御自身、試練を受けて苦しまれたからこそ、試練を受けている人たちを助けることがおできになるのです。 答唱詩編詩編24・3+4、5+6、8+10門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。 詩編2424・3だれが神の山に登れよう。 5その人は神に祝福され、 8栄光の王とはだれか。 福音朗読ルカ2・22-40アレルヤ、アレルヤ。異邦人を照らす光、あなたの民イスラエルの光栄。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音2・22モーセの律法に定められた彼らの清めの期間が過ぎたとき、両親はその子を主に献げるため、エルサレムに連れて行った。23それは主の律法に、「初めて生まれる男子は皆、主のために聖別される」と書いてあるからである。24また、主の律法に言われているとおりに、山鳩一つがいか、家鳩の雛二羽をいけにえとして献げるためであった。 25そのとき、エルサレムにシメオンという人がいた。この人は正しい人で信仰があつく、イスラエルの慰められるのを待ち望み、聖霊が彼にとどまっていた。26そして、主が遣わすメシアに会うまでは決して死なない、とのお告げを聖霊から受けていた。27シメオンが〝霊〟に導かれて神殿の境内に入って来たとき、両親は、幼子のために律法の規定どおりにいけにえを献げようとして、イエスを連れて来た。28シメオンは幼子を腕に抱き、神をたたえて言った。 33父と母は、幼子についてこのように言われたことに驚いていた。34シメオンは彼らを祝福し、母親のマリアに言った。「御覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするためにと定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。35――あなた自身も剣で心を刺し貫かれます――多くの人の心にある思いがあらわにされるためです。」 36また、アシェル族のファヌエルの娘で、アンナという女預言者がいた。非常に年をとっていて、若いとき嫁いでから七年間夫と共に暮らしたが、37夫に死に別れ、八十四歳になっていた。彼女は神殿を離れず、断食したり祈ったりして、夜も昼も神に仕えていたが、38そのとき、近づいて来て神を賛美し、エルサレムの救いを待ち望んでいる人々皆に幼子のことを話した。 39親子は主の律法で定められたことをみな終えたので、自分たちの町であるガリラヤのナザレに帰った。40幼子はたくましく育ち、知恵に満ち、神の恵みに包まれていた。 |
|||
福者ユスト高山右近殉教者 殉教者 | 2月3日(月) | 記念日 | |
第一朗読ヘブライ11・32-40神は、わたしたちのために、更にまさったものを計画してくださったので、わたしたちを除いては、彼らは完全な状態に達しなかったのです。 ヘブライ人への手紙皆さん、11・32これ以上、何を話そう。もしギデオン、バラク、サムソン、エフタ、ダビデ、サムエル、また預言者たちのことを語るなら、時間が足りないでしょう。33信仰によって、この人たちは国々を征服し、正義を行い、約束されたものを手に入れ、獅子の口をふさぎ、34燃え盛る火を消し、剣の刃を逃れ、弱かったのに強い者とされ、戦いの勇者となり、敵軍を敗走させました。35女たちは、死んだ身内を生き返らせてもらいました。他の人たちは、更にまさったよみがえりに達するために、釈放を拒み、拷問にかけられました。36また、他の人たちはあざけられ、鞭打たれ、鎖につながれ、投獄されるという目に遭いました。37彼らは石で打ち殺され、のこぎりで引かれ、剣で切り殺され、羊の皮や山羊の皮を着て放浪し、暮らしに事欠き、苦しめられ、虐待され、38荒れ野、山、岩穴、地の割れ目をさまよい歩きました。世は彼らにふさわしくなかったのです。 39ところで、この人たちはすべて、その信仰のゆえに神に認められながらも、約束されたものを手に入れませんでした。40神は、わたしたちのために、更にまさったものを計画してくださったので、わたしたちを除いては、彼らは完全な状態に達しなかったのです。 答唱詩編詩編31・20+22、24+25神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。 詩編3131・20神よ、いつくしみは、あなたを敬う人に豊かにあふれ、 24神を信じるすべての人よ、神を愛せ。 福音朗読マルコ5・1-20アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者がわたしたちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、イエスと弟子たちは、5・1湖の向こう岸にあるゲラサ人の地方に着いた。2イエスが舟から上がられるとすぐに、汚れた霊に取りつかれた人が墓場からやって来た。3この人は墓場を住まいとしており、もはやだれも、鎖を用いてさえつなぎとめておくことはできなかった。4これまでにも度々足枷や鎖で縛られたが、鎖は引きちぎり足枷は砕いてしまい、だれも彼を縛っておくことはできなかったのである。5彼は昼も夜も墓場や山で叫んだり、石で自分を打ちたたいたりしていた。6イエスを遠くから見ると、走り寄ってひれ伏し、7大声で叫んだ。「いと高き神の子イエス、かまわないでくれ。後生だから、苦しめないでほしい。」8イエスが、「汚れた霊、この人から出て行け」と言われたからである。9そこで、イエスが、「名は何というのか」とお尋ねになると、「名はレギオン。大勢だから」と言った。10そして、自分たちをこの地方から追い出さないようにと、イエスにしきりに願った。 11ところで、その辺りの山で豚の大群がえさをあさっていた。12汚れた霊どもはイエスに、「豚の中に送り込み、乗り移らせてくれ」と願った。13イエスがお許しになったので、汚れた霊どもは出て、豚の中に入った。すると、二千匹ほどの豚の群れが崖を下って湖になだれ込み、湖の中で次々とおぼれ死んだ。14豚飼いたちは逃げ出し、町や村にこのことを知らせた。人々は何が起こったのかと見に来た。15彼らはイエスのところに来ると、レギオンに取りつかれていた人が服を着、正気になって座っているのを見て、恐ろしくなった。16成り行きを見ていた人たちは、悪霊に取りつかれた人の身に起こったことと豚のことを人々に語った。17そこで、人々はイエスにその地方から出て行ってもらいたいと言いだした。18イエスが舟に乗られると、悪霊に取りつかれていた人が、一緒に行きたいと願った。19イエスはそれを許さないで、こう言われた。「自分の家に帰りなさい。そして身内の人に、主があなたを憐れみ、あなたにしてくださったことをことごとく知らせなさい。」20その人は立ち去り、イエスが自分にしてくださったことをことごとくデカポリス地方に言い広め始めた。人々は皆驚いた。 |
|||
年間第4火曜日 | 2月4日(火) | 年間 | |
第一朗読ヘブライ12・1-4イエスは、御自身の前にある喜びを捨て、恥をもいとわないで十字架の死を耐え忍び、神の玉座の右にお座りになったのです。 ヘブライ人への手紙皆さん、12-1わたしたちもまた、このようにおびただしい証人の群れに囲まれている以上、すべての重荷や絡みつく罪をかなぐり捨てて、自分に定められている競走を忍耐強く走り抜こうではありませんか、2信仰の創始者また完成者であるイエスを見つめながら。このイエスは、御自身の前にある喜びを捨て、恥をもいとわないで十字架の死を耐え忍び、神の玉座の右にお座りになったのです。3あなたがたが、気力を失い疲れ果ててしまわないように、御自分に対する罪人たちのこのような反抗を忍耐された方のことを、よく考えなさい。 4あなたがたはまだ、罪と戦って血を流すまで抵抗したことがありません。 答唱詩編詩編22・26+27a、28a+27b+28b+29神に向かって喜びうたい、感謝の歌をささげよう。 詩編2222・26神の恵みによって、民の集いで賛美をささげ、 28a遠く地の果てまで、すべての者が神に立ちかえり、 福音朗読マルコ5・21-43アレルヤ、アレルヤ。主はわたしたちの病を身に負い、わたしたちの苦しみをになってくださる。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、5・21イエスが舟に乗って再び向こう岸に渡られると、大勢の群衆がそばに集まって来た。イエスは湖のほとりにおられた。22会堂長の一人でヤイロという名の人が来て、イエスを見ると足もとにひれ伏して、23しきりに願った。「わたしの幼い娘が死にそうです。どうか、おいでになって手を置いてやってください。そうすれば、娘は助かり、生きるでしょう。」24そこで、イエスはヤイロと一緒に出かけて行かれた。 大勢の群衆も、イエスに従い、押し迫って来た。25さて、ここに十二年間も出血の止まらない女がいた。26多くの医者にかかって、ひどく苦しめられ、全財産を使い果たしても何の役にも立たず、ますます悪くなるだけであった。27イエスのことを聞いて、群衆の中に紛れ込み、後ろからイエスの服に触れた。28「この方の服にでも触れればいやしていただける」と思ったからである。29すると、すぐ出血が全く止まって病気がいやされたことを体に感じた。30イエスは、自分の内から力が出て行ったことに気づいて、群衆の中で振り返り、「わたしの服に触れたのはだれか」と言われた。31そこで、弟子たちは言った。「群衆があなたに押し迫っているのがお分かりでしょう。それなのに、『だれがわたしに触れたのか』とおっしゃるのですか。」32しかし、イエスは、触れた者を見つけようと、辺りを見回しておられた。33女は自分の身に起こったことを知って恐ろしくなり、震えながら進み出てひれ伏し、すべてをありのまま話した。34イエスは言われた。「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。もうその病気にかからず、元気に暮らしなさい。」 35イエスがまだ話しておられるときに、会堂長の家から人々が来て言った。「お嬢さんは亡くなりました。もう、先生を煩わすには及ばないでしょう。」36イエスはその話をそばで聞いて、「恐れることはない。ただ信じなさい」と会堂長に言われた。37そして、ペトロ、ヤコブ、またヤコブの兄弟ヨハネのほかは、だれもついて来ることをお許しにならなかった。38一行は会堂長の家に着いた。イエスは人々が大声で泣きわめいて騒いでいるのを見て、39家の中に入り、人々に言われた。「なぜ、泣き騒ぐのか。子供は死んだのではない。眠っているのだ。」40人々はイエスをあざ笑った。しかし、イエスは皆を外に出し、子供の両親と三人の弟子だけを連れて、子供のいる所へ入って行かれた。41そして、子供の手を取って、「タリタ、クム」と言われた。これは、「少女よ、わたしはあなたに言う。起きなさい」という意味である。42少女はすぐに起き上がって、歩きだした。もう十二歳になっていたからである。それを見るや、人々は驚きのあまり我を忘れた。43イエスはこのことをだれにも知らせないようにと厳しく命じ、また、食べ物を少女に与えるようにと言われた。 |
|||
日本二十六聖人殉教者 | 2月5日(水) | 聖人の記念 | |
第一朗読ガラテヤ2・19-20わたしは、キリストと共に十字架につけられています。 使徒パウロのガラテヤの教会への手紙皆さん、2・19わたしは神に対して生きるために、律法に対しては律法によって死んだのです。わたしは、キリストと共に十字架につけられています。20生きているのは、もはやわたしではありません。キリストがわたしの内に生きておられるのです。わたしが今、肉において生きているのは、わたしを愛し、わたしのために身を献げられた神の子に対する信仰によるものです。 答唱詩編詩編126・1+2、6+3主とともに働くわれらは、主とともにその実りを味わう。 詩編126126・1神が捕われびとをシオンにもどされたとき、 6種を手に涙を流して出て行く人は、 福音朗読マタイ28・16-20アレルヤ、アレルヤ。全世界に行き、すべての人をわたしの弟子にしなさい。わたしは世の終わりまでいつもあなたがたとともにいる。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、28・16十一人の弟子たちはガリラヤに行き、イエスが指示しておかれた山に登った。17そして、イエスに会い、ひれ伏した。しかし、疑う者もいた。18イエスは、近寄って来て言われた。「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。19だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、20あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」 |
|||
聖アガタ おとめ殉教者 | 2月6日(木) | 記念日 | |
第一朗読ヘブライ12・18-19、21-24新しい契約の仲介者イエス、そして、アベルの血よりも立派に語る注がれた血です。 ヘブライ人への手紙皆さん、12・18‐19あなたがたは手で触れることができるものや、燃える火、黒雲、暗闇、暴風、ラッパの音、更に、聞いた人々がこれ以上語ってもらいたくないと願ったような言葉の声に、近づいたのではありません。 21その様子があまりにも恐ろしいものだったので、モーセすら、「わたしはおびえ、震えている」と言ったほどです。22しかし、あなたがたが近づいたのは、シオンの山、生ける神の都、天のエルサレム、無数の天使たちの祝いの集まり、23天に登録されている長子たちの集会、すべての人の審判者である神、完全なものとされた正しい人たちの霊、24新しい契約の仲介者イエス、そして、アベルの血よりも立派に語る注がれた血です。 答唱詩編詩編48・2+3、4+9神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。 詩編4848・2神は偉大、すべての人にたたえられる。 4神はシオンの砦におられ、その力を現される。 福音朗読マルコ6・7-13アレルヤ、アレルヤ。神の国は近づいた。回心して福音を信じなさい。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、イエスは6・7十二人を呼び寄せ、二人ずつ組にして遣わすことにされた。その際、汚れた霊に対する権能を授け、8旅には杖一本のほか何も持たず、パンも、袋も、また帯の中に金も持たず、9ただ履物は履くように、そして「下着は二枚着てはならない」と命じられた。10また、こうも言われた。「どこでも、ある家に入ったら、その土地から旅立つときまで、その家にとどまりなさい。11しかし、あなたがたを迎え入れず、あなたがたに耳を傾けようともしない所があったら、そこを出ていくとき、彼らへの証しとして足の裏の埃を払い落としなさい。」12十二人は出かけて行って、悔い改めさせるために宣教した。13そして、多くの悪霊を追い出し、油を塗って多くの病人をいやした。 |
|||
年間第4金曜日 | 2月7日(金) | 年間 | |
第一朗読ヘブライ13・1-8兄弟としていつも愛し合いなさい。 ヘブライ人への手紙皆さん、13・1兄弟としていつも愛し合いなさい。2旅人をもてなすことを忘れてはいけません。そうすることで、ある人たちは、気づかずに天使たちをもてなしました。3自分も一緒に捕らわれているつもりで、牢に捕らわれている人たちを思いやり、また、自分も体を持って生きているのですから、虐待されている人たちのことを思いやりなさい。4結婚はすべての人に尊ばれるべきであり、夫婦の関係は汚してはなりません。神は、みだらな者や姦淫する者を裁かれるのです。5金銭に執着しない生活をし、今持っているもので満足しなさい。神御自身、「わたしは、決してあなたから離れず、決してあなたを置き去りにはしない」と言われました。6だから、わたしたちは、はばからずに次のように言うことができます。 7あなたがたに神の言葉を語った指導者たちのことを、思い出しなさい。彼らの生涯の終わりをしっかり見て、その信仰を見倣いなさい。8イエス・キリストは、きのうも今日も、また永遠に変わることのない方です。 答唱詩編詩編27・1、7+8神よ、あなたの顔の光を、わたしたちの上に照らしてください。 詩編2727・1神はわたしの光、わたしの救い、 7神よ、わたしの声を聞き、 福音朗読マルコ6・14-29アレルヤ、アレルヤ。よい心で神のことばを保ち、忍耐を持って実を結ぶ人は幸い。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、6・14イエスの名が知れ渡ったので、ヘロデ王の耳にも入った。人々は言っていた。「洗礼者ヨハネが死者の中から生き返ったのだ。だから、奇跡を行う力が彼に働いている。」15そのほかにも、「彼はエリヤだ」と言う人もいれば、「昔の預言者のような預言者だ」と言う人もいた。16ところが、ヘロデはこれを聞いて、「わたしが首をはねたあのヨハネが、生き返ったのだ」と言った。17実は、ヘロデは、自分の兄弟フィリポの妻ヘロディアと結婚しており、そのことで人をやってヨハネを捕らえさせ、牢につないでいた。18ヨハネが、「自分の兄弟の妻と結婚することは、律法で許されていない」とヘロデに言ったからである。19そこで、ヘロディアはヨハネを恨み、彼を殺そうと思っていたが、できないでいた。20なぜなら、ヘロデが、ヨハネは正しい聖なる人であることを知って、彼を恐れ、保護し、また、その教えを聞いて非常に当惑しながらも、なお喜んで耳を傾けていたからである。21ところが、良い機会が訪れた。ヘロデが、自分の誕生日の祝いに高官や将校、ガリラヤの有力者などを招いて宴会を催すと、22ヘロディアの娘が入って来て踊りをおどり、ヘロデとその客を喜ばせた。そこで、王は少女に、「欲しいものがあれば何でも言いなさい。お前にやろう」と言い、23更に、「お前が願うなら、この国の半分でもやろう」と固く誓ったのである。24少女が座を外して、母親に、「何を願いましょうか」と言うと、母親は、「洗礼者ヨハネの首を」と言った。25早速、少女は大急ぎで王のところに行き、「今すぐに洗礼者ヨハネの首を盆に載せて、いただきとうございます」と願った。26王は非常に心を痛めたが、誓ったことではあるし、また客の手前、少女の願いを退けたくなかった。27そこで、王は衛兵を遣わし、ヨハネの首を持って来るようにと命じた。衛兵は出て行き、牢の中でヨハネの首をはね、28盆に載せて持って来て少女に渡し、少女はそれを母親に渡した。29ヨハネの弟子たちはこのことを聞き、やって来て、遺体を引き取り、墓に納めた。 |
|||
年間第4土曜日 | 2月8日(土) | 年間 | |
第一朗読ヘブライ13・15-17、20-21栄光が世々限りなくキリストにありますように、アーメン。 ヘブライ人への手紙皆さん、13・15イエスを通して賛美のいけにえ、すなわち御名をたたえる唇の実を、絶えず神に献げましょう。16善い行いと施しとを忘れないでください。このようないけにえこそ、神はお喜びになるのです。 17指導者たちの言うことを聞き入れ、服従しなさい。この人たちは、神に申し述べる者として、あなたがたの魂のために心を配っています。彼らを嘆かせず、喜んでそうするようにさせなさい。そうでないと、あなたがたに益となりません。 20永遠の契約の血による羊の大牧者、わたしたちの主イエスを、死者の中から引き上げられた平和の神が、21御心に適うことをイエス・キリストによってわたしたちにしてくださり、御心を行うために、すべての良いものをあなたがたに備えてくださるように。栄光が世々限りなくキリストにありますように、アーメン。 答唱詩編詩編23・2+3、6主はわれらの牧者、わたしは乏しいことがない。 詩編2323・2神はわたしを緑のまきばに伏させ、 6神の恵みといつくしみに 福音朗読マルコ6・30-34アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、6・30使徒たちはイエスのところに集まって来て、自分たちが行ったことや教えたことを残らず報告した。31イエスは、「さあ、あなたがただけで人里離れた所へ行って、しばらく休むがよい」と言われた。出入りする人が多くて、食事をする暇もなかったからである。32そこで、一同は舟に乗って、自分たちだけで人里離れた所へ行った。33ところが、多くの人々は彼らが出かけて行くのを見て、それと気づき、すべての町からそこへ一斉に駆けつけ、彼らより先に着いた。34イエスは舟から上がり、大勢の群衆を見て、飼い主のいない羊のような有様を深く憐れみ、いろいろと教え始められた。 |
|||
年間第5主日 | 2月9日(日) | 年間 | |
第一朗読イザヤ6・1-2a、3-8わたしがここにおります。わたしを遣わしてください。 イザヤの預言6・1ウジヤ王が死んだ年のことである。 わたしは、高く天にある御座に主が座しておられるのを見た。衣の裾は神殿いっぱいに広がっていた。2a上の方にはセラフィムがいた。3彼らは互いに呼び交わし、唱えた。 4この呼び交わす声によって、神殿の入り口の敷居は揺れ動き、神殿は煙に満たされた。5わたしは言った。 「災いだ。わたしは滅ぼされる。 6するとセラフィムのひとりが、わたしのところに飛んで来た。その手には祭壇から火鋏で取った炭火があった。7彼はわたしの口に火を触れさせて言った。 「見よ、これがあなたの唇に触れたので 8そのとき、わたしは主の御声を聞いた。 「誰を遣わすべきか。 わたしは言った。 「わたしがここにおります。 答唱詩編詩編138・1+2ab、4+5+7d、8主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編138138・1神よ、わたしは心を尽くしてあなたに感謝し、 4神よ、国々の王はあなたのことばを聞き、あなたをたたえる。 8神はわたしに約束されたことを、 第二朗読①コリント15・1-11わたしたちはこのように宣ベ伝え、あなたがたはこのように信じた。 使徒パウロのコリントの教会への手紙15・1兄弟たち、わたしがあなたがたに告げ知らせた福音を、ここでもう一度知らせます。これは、あなたがたが受け入れ、生活のよりどころとしている福音にほかなりません。2どんな言葉でわたしが福音を告げ知らせたか、しっかり覚えていれば、あなたがたはこの福音によって救われます。さもないと、あなたがたが信じたこと自体が、無駄になってしまうでしょう。 福音朗読ルカ5・1-11アレルヤ、アレルヤ。わたしのあとに従いなさい。人を捕らえる漁師にしよう。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音5・1イエスがゲネサレト湖畔に立っておられると、神の言葉を聞こうとして、群衆がその周りに押し寄せて来た。2イエスは、二そうの舟が岸にあるのを御覧になった。漁師たちは、舟から上がって網を洗っていた。3そこでイエスは、そのうちの一そうであるシモンの持ち舟に乗り、岸から少し漕ぎ出すようにお頼みになった。そして、腰を下ろして舟から群衆に教え始められた。4話し終わったとき、シモンに、「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と言われた。5シモンは、「先生、わたしたちは、夜通し苦労しましたが、何もとれませんでした。しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と答えた。6そして、漁師たちがそのとおりにすると、おびただしい魚がかかり、網が破れそうになった。7そこで、もう一そうの舟にいる仲間に合図して、来て手を貸してくれるように頼んだ。彼らは来て、二そうの舟を魚でいっぱいにしたので、舟は沈みそうになった。8これを見たシモン・ペトロは、イエスの足もとにひれ伏して、「主よ、わたしから離れてください。わたしは罪深い者なのです」と言った。9とれた魚にシモンも一緒にいた者も皆驚いたからである。10シモンの仲間、ゼベダイの子のヤコブもヨハネも同様だった。すると、イエスはシモンに言われた。「恐れることはない。今から後、あなたは人間をとる漁師になる。」11そこで、彼らは舟を陸に引き上げ、すべてを捨ててイエスに従った。 |
|||
聖スコラスチカ おとめ | 2月10日(月) | 記念日 | |
第一朗読創世記1・1-19神は言われた。「光あれ。」こうして、光があった。 創世記1・1初めに、神は天地を創造された。2地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。3神は言われた。 6神は言われた。 9神は言われた。 11神は言われた。 14神は言われた。 答唱詩編詩編104・1+2a、24+33神よ、あなたのいぶきを地のおもてに。 詩編104104・1心を尽くして神をたたえよう。 24神よ、あなたが造られたものは数えきれない。 福音朗読マルコ6・53-56アレルヤ、アレルヤ。イエスは神の国の福音を告げ知らせ、民の病いをいやされた。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、イエスと弟子たちは6・53湖を渡り、ゲネサレトという土地に着いて舟をつないだ。54一行が舟から上がると、すぐに人々はイエスと知って、55その地方をくまなく走り回り、どこでもイエスがおられると聞けば、そこへ病人を床に乗せて運び始めた。56村でも町でも里でも、イエスが入って行かれると、病人を広場に置き、せめてその服のすそにでも触れさせてほしいと願った。触れた者は皆いやされた。 |
|||
年間第5火曜日 | 2月11日(火) | 年間 | |
第一朗読創世記1・20-2・4a神はこれを見て、良しとされた。 創世記1・20神は言われた。 22神はそれらのものを祝福して言われた。 24神は言われた。 26神は言われた。 28神は彼らを祝福して言われた。 29神は言われた。 2・1天地万物は完成された。2第七の日に、神は御自分の仕事を完成され、第七の日に、神は御自分の仕事を離れ、安息なさった。3この日に神はすべての創造の仕事を離れ、安息なさったので、第七の日を神は祝福し、聖別された。4これが天地創造の由来である。 答唱詩編詩編8・4+5・6+7神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。 詩編88・4あなたの指のわざである天を仰ぎ、 6あなたは人を神の使いに近い者として造り、 福音朗読マルコ7・1-13アレルヤ、アレルヤ。あなたの顔をわたしの上に輝かせ、掟を授けてください。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、7・1ファリサイ派の人々と数人の律法学者たちが、エルサレムから来て、イエスのもとに集まった。2そして、イエスの弟子たちの中に汚れた手、つまり洗わない手で食事をする者がいるのを見た。3――ファリサイ派の人々をはじめユダヤ人は皆、昔の人の言い伝えを固く守って、念入りに手を洗ってからでないと食事をせず、4また、市場から帰ったときには、身を清めてからでないと食事をしない。そのほか、杯、鉢、銅の器や寝台を洗うことなど、昔から受け継いで固く守っていることがたくさんある。――5そこで、ファリサイ派の人々と律法学者たちが尋ねた。「なぜ、あなたの弟子たちは昔の人の言い伝えに従って歩まず、汚れた手で食事をするのですか。」6イエスは言われた。「イザヤは、あなたたちのような偽善者のことを見事に預言したものだ。彼はこう書いている。 『この民は口先ではわたしを敬うが、 8あなたたちは神の掟を捨てて、人間の言い伝えを固く守っている。」9更に、イエスは言われた。「あなたたちは自分の言い伝えを大事にして、よくも神の掟をないがしろにしたものである。10モーセは、『父と母を敬え』と言い、『父または母をののしる者は死刑に処せられるべきである』とも言っている。11それなのに、あなたたちは言っている。『もし、だれかが父または母に対して、「あなたに差し上げるべきものは、何でもコルバン、つまり神への供え物です」と言えば、12その人はもはや父または母に対して何もしないで済むのだ』と。13こうして、あなたたちは、受け継いだ言い伝えで神の言葉を無にしている。また、これと同じようなことをたくさん行っている。」 |
|||
年間第5水曜日 | 2月12日(水) | 年間 | |
第一朗読創世記2・4b-9、15-17主なる神が地と天を造られたとき、地上にはまだ野の木も、野の草も生えていなかった。 創世記2・4b主なる神が地と天を造られたとき、5地上にはまだ野の木も、野の草も生えていなかった。主なる神が地上に雨をお送りにならなかったからである。また土を耕す人もいなかった。 6しかし、水が地下から湧き出て、土の面をすべて潤した。7主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。8主なる神は、東の方のエデンに園を設け、自ら形づくった人をそこに置かれた。9主なる神は、見るからに好ましく、食べるに良いものをもたらすあらゆる木を地に生えいでさせ、また園の中央には、命の木と善悪の知識の木を生えいでさせられた。 15主なる神は人を連れて来て、エデンの園に住まわせ、人がそこを耕し、守るようにされた。16主なる神は人に命じて言われた。 「園のすべての木から取って食べなさい。17ただし、善悪の知識の木からは、決して食べてはならない。食べると必ず死んでしまう。」 答唱詩編詩編104・1b+24、29+30神よ、あなたのいぶきを地のおもてに。 詩編104104・1b主なる神、 29あなたがいぶきを取り去られると、 福音朗読マルコ7・14-23アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは真理。わたしたちを真理のうちに聖なる者にしてください。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、7・14イエスは再び群衆を呼び寄せて言われた。「皆、わたしの言うことを聞いて悟りなさい。15外から人の体に入るもので人を汚すことができるものは何もなく、人の中から出て来るものが、人を汚すのである。」17イエスが群衆と別れて家に入られると、弟子たちはこのたとえについて尋ねた。18イエスは言われた。「あなたがたも、そんなに物分かりが悪いのか。すべて外から人の体に入るものは、人を汚すことができないことが分からないのか。19それは人の心の中に入るのではなく、腹の中に入り、そして外に出される。こうして、すべての食べ物は清められる。」20更に、次のように言われた。「人から出て来るものこそ、人を汚す。21中から、つまり人間の心から、悪い思いが出て来るからである。みだらな行い、盗み、殺意、22姦淫、貪欲、悪意、詐欺、好色、ねたみ、悪口、傲慢、無分別など、23これらの悪はみな中から出て来て、人を汚すのである。」 |
|||
年間第5木曜日 | 2月13日(木) | 年間 | |
第一朗読創世記2・18-25こういうわけで、男は父母を離れて女と結ばれ、二人は一体となる。 創世記2・18主なる神は言われた。「人が独りでいるのは良くない。彼に合う助ける者を造ろう。」 19主なる神は、野のあらゆる獣、空のあらゆる鳥を土で形づくり、人のところへ持って来て、人がそれぞれをどう呼ぶか見ておられた。人が呼ぶと、それはすべて、生き物の名となった。20人はあらゆる家畜、空の鳥、野のあらゆる獣に名を付けたが、自分に合う助ける者は見つけることができなかった。 21主なる神はそこで、人を深い眠りに落とされた。人が眠り込むと、あばら骨の一部を抜き取り、その跡を肉でふさがれた。22そして、人から抜き取ったあばら骨で女を造り上げられた。主なる神が彼女を人のところへ連れて来られると、23人は言った。 24こういうわけで、男は父母を離れて女と結ばれ、二人は一体となる。 25人と妻は二人とも裸であったが、恥ずかしがりはしなかった。 答唱詩編詩編128・2+3ab、3cd+5+6aしあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。 詩編128128・2額に汗してかてを受け、 3cdオリーブの若木のように、 福音朗読マルコ7・24-30アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、イエスは7・24ティルスの地方に行かれた。ある家に入り、だれにも知られたくないと思っておられたが、人々に気づかれてしまった。25汚れた霊に取りつかれた幼い娘を持つ女が、すぐにイエスのことを聞きつけ、来てその足もとにひれ伏した。26女はギリシア人でシリア・フェニキアの生まれであったが、娘から悪霊を追い出してくださいと頼んだ。27イエスは言われた。「まず、子供たちに十分食べさせなければならない。子供たちのパンを取って、小犬にやってはいけない。」28ところが、女は答えて言った。「主よ、しかし、食卓の下の小犬も、子供のパン屑はいただきます。」29そこで、イエスは言われた。「それほど言うなら、よろしい。家に帰りなさい。悪霊はあなたの娘からもう出てしまった。」30女が家に帰ってみると、その子は床の上に寝ており、悪霊は出てしまっていた。 |
|||
聖チリロ 隠世修道者 | 2月14日(金) | 記念日 | |
第一朗読創世記3・1-8アダムと女が、主なる神の顔を避けて、園の木の間に隠れた。 創世記3・1主なる神が造られた野の生き物のうちで、最も賢いのは蛇であった。蛇は女に言った。 6女が見ると、その木はいかにもおいしそうで、目を引き付け、賢くなるように唆していた。女は実を取って食べ、一緒にいた男にも渡したので、彼も食べた。7二人の目は開け、自分たちが裸であることを知り、二人はいちじくの葉をつづり合わせ、腰を覆うものとした。 8その日、風の吹くころ、主なる神が園の中を歩く音が聞こえてきた。アダムと女が、主なる神の顔を避けて、園の木の間に隠れた。 答唱詩編詩編32・5abef、7主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編3232・5わたしは罪をあなたに表し、 7あなたはわたしの隠れ場、 福音朗読マルコ7・31-37アレルヤ、アレルヤ。神よ、わたしたちの心を開き、あなたの子が語られることに心を向けさせてください。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、7・31イエスはティルスの地方を去り、シドンを経てデカポリス地方を通り抜け、ガリラヤ湖へやって来られた。32人々は耳が聞こえず舌の回らない人を連れて来て、その上に手を置いてくださるようにと願った。33そこで、イエスはこの人だけを群衆の中から連れ出し、指をその両耳に差し入れ、それから唾をつけてその舌に触れられた。34そして、天を仰いで深く息をつき、その人に向かって、「エッファタ」と言われた。これは、「開け」という意味である。35すると、たちまち耳が開き、舌のもつれが解け、はっきり話すことができるようになった。36イエスは人々に、だれにもこのことを話してはいけない、と口止めをされた。しかし、イエスが口止めをされればされるほど、人々はかえってますます言い広めた。37そして、すっかり驚いて言った。「この方のなさったことはすべて、すばらしい。耳の聞こえない人を聞こえるようにし、口の利けない人を話せるようにしてくださる。」 |
|||
年間第5土曜日 | 2月15日(土) | 年間 | |
第一朗読創世記3・9-24あなたの足音が園の中に聞こえたので、恐ろしくなり、隠れております。わたしは裸ですから。 創世記3・9主なる神はアダムを呼ばれた。 20アダムは女をエバ(命)と名付けた。彼女がすべて命あるものの母となったからである。21主なる神は、アダムと女に皮の衣を作って着せられた。 答唱詩編詩編90・3+5ab、11+12神のはからいは限りなく、生涯わたしはその中に生きる。 詩編9090・3あなたは人に「元に戻れ」と仰せになり、 11だれがあなたの怒りの力を悟り、 福音朗読マルコ8・1-10アレルヤ、アレルヤ。人はパンだけではなく、神の言葉によって生きている。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音8・1そのころ、また群衆が大勢いて、何も食べる物がなかったので、イエスは弟子たちを呼び寄せて言われた。2「群衆がかわいそうだ。もう三日もわたしと一緒にいるのに、食べ物がない。3空腹のまま家に帰らせると、途中で疲れきってしまうだろう。中には遠くから来ている者もいる。」4弟子たちは答えた。「こんな人里離れた所で、いったいどこからパンを手に入れて、これだけの人に十分食べさせることができるでしょうか。」5イエスが「パンは幾つあるか」とお尋ねになると、弟子たちは、「七つあります」と言った。6そこで、イエスは地面に座るように群衆に命じ、七つのパンを取り、感謝の祈りを唱えてこれを裂き、人々に配るようにと弟子たちにお渡しになった。弟子たちは群衆に配った。7また、小さい魚が少しあったので、賛美の祈りを唱えて、それも配るようにと言われた。8人々は食べて満腹したが、残ったパンの屑を集めると、七籠になった。9およそ四千人の人がいた。イエスは彼らを解散させられた。10それからすぐに、弟子たちと共に舟に乗って、ダルマヌタの地方に行かれた。 |
|||
年間第6主日 | 2月16日(日) | 年間 | |
第一朗読エレミヤ17・5-8呪われよ、人間に信頼する人は。祝福されよ、主に信頼する人は。 エレミヤの預言17・5主はこう言われる。 答唱詩編詩編1・1ac+2、3、6しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。 詩編11・1acしあわせなひと、 3流れのほとりに植えられた木が、 6神に従う人のつどいは 第二朗読①コリント15・12、16-20キリストが復活しなかったのなら、あなたがたの信仰はむなしい。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、15・12キリストは死者の中から復活した、と宣べ伝えられているのに、あなたがたの中のある者が、死者の復活などない、と言っているのはどういうわけですか。16死者が復活しないのなら、キリストも復活しなかったはずです。17そして、キリストが復活しなかったのなら、あなたがたの信仰はむなしく、あなたがたは今もなお罪の中にあることになります。18そうだとすると、キリストを信じて眠りについた人々も滅んでしまったわけです。19この世の生活でキリストに望みをかけているだけだとすれば、わたしたちはすべての人の中で最も惨めな者です。20しかし、実際、キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました。 福音朗読ルカ6・17、20-26アレルヤ、アレルヤ。喜びおどれ、天においてあなたがたの報いは大きい。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、6・17イエスは十二人と一緒に山から下りて、平らな所にお立ちになった。大勢の弟子とおびただしい民衆が、ユダヤ全土とエルサレムから、また、ティルスやシドンの海岸地方から来ていた。 20さて、イエスは目を上げ弟子たちを見て言われた。 26すべての人にほめられるとき、あなたがたは不幸である。この人々の先祖も、偽預言者たちに同じことをしたのである。」 |
|||
年間第6月曜日 | 2月17日(月) | 年間 | |
第一朗読創世記4・1-15、25エバは身ごもってカインを産み、「わたしは主によって男子を得た」と言った。 創世記4・1さて、アダムは妻エバを知った。彼女は身ごもってカインを産み、「わたしは主によって男子を得た」と言った。2彼女はまたその弟アべルを産んだ。アべルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。3時を経て、カインは土の実りを主のもとに献げ物として持って来た。4アべルは羊の群れの中から肥えた初子を持って来た。主はアべルとその献げ物に目を留められたが、5カインとその献げ物には目を留められなかった。カインは激しく怒って顔を伏せた。6主はカインに言われた。 25再び、アダムは妻を知った。彼女は男の子を産み、セトと名付けた。カインがアべルを殺したので、神が彼に代わる子を授け(シャト)られたからである。 答唱詩編詩編130・1+2、3+4主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編130130・1神よ、深い淵から、 3あなたが悪に目を留められるなら、 福音朗読マルコ8・11-13アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行かれない。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、8・11ファリサイ派の人々が来て、イエスを試そうとして、天からのしるしを求め、議論をしかけた。12イエスは、心の中で深く嘆いて言われた。「どうして、今の時代の者たちはしるしを欲しがるのだろう。はっきり言っておく。今の時代の者たちには、決してしるしは与えられない。」13そして、彼らをそのままにして、また舟に乗って向こう岸へ行かれた。 |
|||
年間第6火曜日 | 2月18日(火) | 年間 | |
第一朗読創世記6・5-8、7・1-5、10ノアは、すべて主が命じられたとおりにした。 創世記6・5主は、地上に人の悪が増し、常に悪いことばかりを心に思い計っているのを御覧になって、6地上に人を造ったことを後悔し、心を痛められた。7主は言われた。 「わたしは人を創造したが、これを地上からぬぐい去ろう。人だけでなく、家畜も這うものも空の鳥も。わたしはこれらを造ったことを後悔する。」8しかし、ノアは主の好意を得た。 7・1主はノアに言われた。 「さあ、あなたとあなたの家族は皆、箱舟に入りなさい。この世代の中であなただけはわたしに従う人だと、わたしは認めている。2あなたは清い動物をすべて七つがいずつ取り、また、清くない動物をすべて一つがいずつ取りなさい。3空の鳥も七つがい取りなさい。全地の面に子孫が生き続けるように。4七日の後、わたしは四十日四十夜地上に雨を降らせ、わたしが造ったすべての生き物を地の面からぬぐい去ることにした。」5ノアは、すべて主が命じられたとおりにした。 10七日が過ぎて、洪水が地上に起こった。 答唱詩編詩編29・3a+4、10+11主はわれらの支え、主はわれらの柱。 詩編2929・3a主のみ声は水を治め、 10主はとこしえに王座に着き、 福音朗読マルコ8・14-21アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、8・14弟子たちはパンを持って来るのを忘れ、舟の中には一つのパンしか持ち合わせていなかった。15そのとき、イエスは、「ファリサイ派の人々のパン種とヘロデのパン種によく気をつけなさい」と戒められた。16弟子たちは、これは自分たちがパンを持っていないからなのだ、と論じ合っていた。17イエスはそれに気づいて言われた。「なぜ、パンを持っていないことで議論するのか。まだ、分からないのか。悟らないのか。心がかたくなになっているのか。18目があっても見えないのか。耳があっても聞こえないのか。覚えていないのか。19わたしが五千人に五つのパンを裂いたとき、集めたパンの屑でいっぱいになった籠は、幾つあったか。」弟子たちは、「十二です」と言った。20「七つのパンを四千人に裂いたときには、集めたパンの屑でいっぱいになった籠は、幾つあったか。」「七つです」と言うと、21イエスは、「まだ悟らないのか」と言われた。 |
|||
年間第6水曜日 | 2月19日(水) | 年間 | |
第一朗読創世記8・6-13、20-22見よ、鳩はくちばしにオリーブの葉をくわえていた。 創世記8・6四十日たって、ノアは自分が造った箱舟の窓を開き、7烏を放した。烏は飛び立ったが、地上の水が乾くのを待って、出たり入ったりした。8ノアは鳩を彼のもとから放して、地の面から水がひいたかどうかを確かめようとした。9しかし、鳩は止まる所が見つからなかったので、箱舟のノアのもとに帰って来た。水がまだ全地の面を覆っていたからである。ノアは手を差し伸べて鳩を捕らえ、箱舟の自分のもとに戻した。 10更に七日待って、彼は再び鳩を箱舟から放した。11鳩は夕方になってノアのもとに帰って来た。見よ、鳩はくちばしにオリーブの葉をくわえていた。ノアは水が地上からひいたことを知った。12彼は更に七日待って、鳩を放した。鳩はもはやノアのもとに帰って来なかった。 13ノアが六百一歳のとき、最初の月の一日に、地上の水は乾いた。ノアは箱舟の覆いを取り外して眺めた。見よ、地の面は乾いていた。 20ノアは主のために祭壇を築いた。そしてすべての清い家畜と清い鳥のうちから取り、焼き尽くす献げ物として祭壇の上にささげた。21主は宥めの香りをかいで、御心に言われた。 「人に対して大地を呪うことは二度とすまい。人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ。わたしは、この度したように生き物をことごとく打つことは、二度とすまい。 答唱詩編詩編105・1+2、6+7+8a+10b心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編105105・1神に感謝してその名をたたえよ。 6神のしもべ、選ばれた者よ、 福音朗読マルコ8・22-26アレルヤ、アレルヤ。主イエス・キリストの父がわたしたちの心の目を開き、わたしたちがどんな希望に召されているかを示してくださる。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、イエスと弟子たちは8・22ベトサイダに着いた。人々が一人の盲人をイエスのところに連れて来て、触れていただきたいと願った。23イエスは盲人の手を取って、村の外に連れ出し、その目に唾をつけ、両手をその人の上に置いて、「何か見えるか」とお尋ねになった。24すると、盲人は見えるようになって、言った。「人が見えます。木のようですが、歩いているのが分かります。」25そこで、イエスがもう一度両手をその目に当てられると、よく見えてきていやされ、何でもはっきり見えるようになった。26イエスは、「この村に入ってはいけない」と言って、その人を家に帰された。 |
|||
年間第6木曜日 | 2月20日(木) | 年間 | |
第一朗読創世記9・1-13すなわち、わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。 創世記9・1神はノアと彼の息子たちを祝福して言われた。 「産めよ、増えよ、地に満ちよ。2地のすべての獣と空のすべての鳥は、地を這うすべてのものと海のすべての魚と共に、あなたたちの前に恐れおののき、あなたたちの手にゆだねられる。3動いている命あるものは、すべてあなたたちの食糧とするがよい。わたしはこれらすべてのものを、青草と同じようにあなたたちに与える。4ただし、肉は命である血を含んだまま食べてはならない。 5また、あなたたちの命である血が流された場合、わたしは賠償を要求する。いかなる獣からも要求する。人間どうしの血については、人間から人間の命を賠償として要求する。 6人の血を流す者は 8神はノアと彼の息子たちに言われた。9「わたしは、あなたたちと、そして後に続く子孫と、契約を立てる。10あなたたちと共にいるすべての生き物、またあなたたちと共にいる鳥や家畜や地のすべての獣など、箱舟から出たすべてのもののみならず、地のすべての獣と契約を立てる。11わたしがあなたたちと契約を立てたならば、二度と洪水によって肉なるものがことごとく滅ぼされることはなく、洪水が起こって地を滅ぼすことも決してない。」 12更に神は言われた。 「あなたたちならびにあなたたちと共にいるすべての生き物と、代々とこしえにわたしが立てる契約のしるしはこれである。13すなわち、わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に立てた契約のしるしとなる。」 答唱詩編詩編111・3+4b+5b、7+8神は残された、不思議なわざの記念を。 詩編111111・3神のわざは力と輝きに満ち、 7神のわざにはまこととめぐみ、 福音朗読マルコ8・27-33アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは霊であり、いのちです。あなたは永遠の命のことばをもっておられる。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、8・27イエスは、弟子たちとフィリポ・カイサリア地方の方々の村にお出かけになった。その途中、弟子たちに、「人々は、わたしのことを何者だと言っているか」と言われた。28弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言っています。ほかに、『エリヤだ』と言う人も、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」29そこでイエスがお尋ねになった。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」ペトロが答えた。「あなたは、メシアです。」30するとイエスは、御自分のことをだれにも話さないようにと弟子たちを戒められた。 31それからイエスは、人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちから排斥されて殺され、三日の後に復活することになっている、と弟子たちに教え始められた。32しかも、そのことをはっきりとお話しになった。すると、ペトロはイエスをわきへお連れして、いさめ始めた。33イエスは振り返って、弟子たちを見ながら、ペトロを叱って言われた。「サタン、引き下がれ。あなたは神のことを思わず、人間のことを思っている。」 |
|||
年間第6金曜日 | 2月21日(金) | 年間 | |
第一朗読創世記11・1-9世界中は同じ言葉を使って、同じように話していた。 創世記そのころ、11・1世界中は同じ言葉を使って、同じように話していた。2東の方から移動してきた人々は、シンアルの地に平野を見つけ、そこに住み着いた。 3彼らは、「れんがを作り、それをよく焼こう」と話し合った。石の代わりにれんがを、しっくいの代わりにアスファルトを用いた。4彼らは、「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう。そして、全地に散らされることのないようにしよう」と言った。 5主は降って来て、人の子らが建てた、塔のあるこの町を見て、6言われた。 「彼らは一つの民で、皆一つの言葉を話しているから、このようなことをし始めたのだ。これでは、彼らが何を企てても、妨げることはできない。7我々は降って行って、直ちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう。」 8主は彼らをそこから全地に散らされたので、彼らはこの町の建設をやめた。9こういうわけで、この町の名はバべルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を混乱(バラル)させ、また、主がそこから彼らを全地に散らされたからである。 答唱詩編詩編33・12+13、14+15神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。 詩編3333・12神を王としていただく国。 14神はその住まいから、 福音朗読マルコ8・34-9・1アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行かれない。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、イエスは8・34群衆を弟子たちと共に呼び寄せて言われた。「わたしの後に従いたい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。35自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのため、また福音のために命を失う者は、それを救うのである。36人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。37自分の命を買い戻すのに、どんな代価を支払えようか。38神に背いたこの罪深い時代に、わたしとわたしの言葉を恥じる者は、人の子もまた、父の栄光に輝いて聖なる天使たちと共に来るときに、その者を恥じる。」9・1また、イエスは言われた。「はっきり言っておく。ここに一緒にいる人々の中には、神の国が力にあふれて現れるのを見るまでは、決して死なない者がいる。」 |
|||
聖ペトロの使徒座 | 2月22日(土) | 聖人の記念 | |
第一朗読①ペトロ5・1-4大牧者がお見えになるとき、あなたがたは栄冠を受けることになります。 使徒ペトロの手紙愛する皆さん、5・1わたしは長老の一人として、また、キリストの受難の証人、やがて現れる栄光にあずかる者として、あなたがたのうちの長老たちに勧めます。2あなたがたにゆだねられている、神の羊の群れを牧しなさい。強制されてではなく、神に従って、自ら進んで世話をしなさい。卑しい利得のためにではなく献身的にしなさい。3ゆだねられている人々に対して、権威を振り回してもいけません。むしろ、群れの模範になりなさい。4そうすれば、大牧者がお見えになるとき、あなたがたはしぼむことのない栄冠を受けることになります。 答唱詩編詩編23・2+3、4主はわれらの牧者、わたしは乏しいことがない。 詩編2323・2神はわたしを緑のまきばに伏させ、 4たとえ死の陰の谷を歩んでも、 福音朗読マタイ16・13-19(アレルヤ、アレルヤ。)あなたはいわお。この岩の上にわたしの教会を建てよう。地獄の門もこれに勝つことはできない。(アレルヤ、アレルヤ。) マタイによる福音16・13イエスは、フィリポ・カイサリア地方に行ったとき、弟子たちに、「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。14弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言う人も、『エリヤだ』と言う人もいます。ほかに、『エレミヤだ』とか、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」15イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」16シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。17すると、イエスはお答えになった。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。18わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。19わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」 |
|||
年間第7主日 | 2月23日(日) | 年間 | |
第一朗読サムエル上26・2、7-9、12-13、22-23今日、主はわたしの手にあなたを渡されましたが、主が油を注がれた方に手をかけることをわたしは望みませんでした。 サムエル記26・2その日、サウルは立ってイスラエルの精鋭三千を率い、ジフの荒れ野に下って行き、ダビデをジフの荒れ野で捜した。 7ダビデとアビシャイは夜になって兵士に近寄った。サウルは幕営の中に横になって眠り込んでおり、彼の槍はその枕もとの地面に突き刺してあった。アブネルも兵士もその周りで眠っていた。8アビシャイはダビデに言った。「神は、今日、敵をあなたの手に渡されました。さあ、わたしに槍の一突きで彼を刺し殺させてください。一度でしとめます。」9ダビデはアビシャイに言った。「殺してはならない。主が油を注がれた方に手をかければ、罰を受けずには済まない。」 12ダビデはサウルの枕もとから槍と水差しを取り、彼らは立ち去った。見ていた者も、気づいた者も、目を覚ました者もなかった。主から送られた深い眠りが彼らを襲い、全員眠り込んでいた。 13ダビデは向こう側に渡り、遠く離れた山の頂に立った。サウルの陣営との隔たりは大きかった。 22ダビデはサウルに言った。「王の槍はここにあります。従者を一人よこし、これを運ばせてください。23主は、おのおのに、その正しい行いと忠実さに従って報いてくださいます。今日、主はわたしの手にあなたを渡されましたが、主が油を注がれた方に手をかけることをわたしは望みませんでした。」 答唱詩編詩編103・3+4、8+13、11+12心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編103103・3神はわたしの罪をゆるし、 8神は恵み豊かに、あわれみ深く、 11天が地より高いように、 第二朗読①コリント15・45-49わたしたちは、土からできたその人の似姿となっているように、天に属するその人の似姿にもなるのです。 使徒パウロのコリントの教会への手紙15・45皆さん、「最初の人アダムは命のある生き物となった」と書いてありますが、最後のアダムは命を与える霊となったのです。46最初に霊の体があったのではありません。自然の命の体があり、次いで霊の体があるのです。47最初の人は土ででき、地に属する者であり、第二の人は天に属する者です。48土からできた者たちはすべて、土からできたその人に等しく、天に属する者たちはすべて、天に属するその人に等しいのです。49わたしたちは、土からできたその人の似姿となっているように、天に属するその人の似姿にもなるのです。 福音朗読ルカ6・27-38アレルヤ、アレルヤ。新しい掟をあなたがたに与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・27「わたしの言葉を聞いているあなたがたに言っておく。敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい。28悪口を言う者に祝福を祈り、あなたがたを侮辱する者のために祈りなさい。29あなたの頬を打つ者には、もう一方の頬をも向けなさい。上着を奪い取る者には、下着をも拒んではならない。30求める者には、だれにでも与えなさい。あなたの持ち物を奪う者から取り返そうとしてはならない。31人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい。32自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな恵みがあろうか。罪人でも、愛してくれる人を愛している。33また、自分によくしてくれる人に善いことをしたところで、どんな恵みがあろうか。罪人でも同じことをしている。34返してもらうことを当てにして貸したところで、どんな恵みがあろうか。罪人さえ、同じものを返してもらおうとして、罪人に貸すのである。35しかし、あなたがたは敵を愛しなさい。人に善いことをし、何も当てにしないで貸しなさい。そうすれば、たくさんの報いがあり、いと高き方の子となる。いと高き方は、恩を知らない者にも悪人にも、情け深いからである。36あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい。37人を裁くな。そうすれば、あなたがたも裁かれることがない。人を罪人だと決めるな。そうすれば、あなたがたも罪人だと決められることがない。赦しなさい。そうすれば、あなたがたも赦される。38与えなさい。そうすれば、あなたがたにも与えられる。押し入れ、揺すり入れ、あふれるほどに量りをよくして、ふところに入れてもらえる。あなたがたは自分の量る秤で量り返されるからである。」 |
|||
年間第7月曜日 | 2月24日(月) | 年間 | |
第一朗読シラ1・1-10すべての知恵は、主から来る。 シラ書1・1すべての知恵は、主から来る。 答唱詩編詩編93・1+2、5+栄唱神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。 詩編9393・1神は王。栄光に満ち、 5神よ、あなたのことばは変わることなく、 福音朗読マルコ9・14-29アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、イエスは三人の弟子とともに山を下りて、9・14ほかの弟子たちのところに来てみると、彼らは大勢の群衆に取り囲まれて、律法学者たちと議論していた。15群衆は皆、イエスを見つけて非常に驚き、駆け寄って来て挨拶した。16イエスが、「何を議論しているのか」とお尋ねになると、17群衆の中のある者が答えた。「先生、息子をおそばに連れて参りました。この子は霊に取りつかれて、ものが言えません。18霊がこの子に取りつくと、所かまわず地面に引き倒すのです。すると、この子は口から泡を出し、歯ぎしりして体をこわばらせてしまいます。この霊を追い出してくださるようにお弟子たちに申しましたが、できませんでした。」19イエスはお答えになった。「なんと信仰のない時代なのか。いつまでわたしはあなたがたと共にいられようか。いつまで、あなたがたに我慢しなければならないのか。その子をわたしのところに連れて来なさい。」20人々は息子をイエスのところに連れて来た。霊は、イエスを見ると、すぐにその子を引きつけさせた。その子は地面に倒れ、転び回って泡を吹いた。21イエスは父親に、「このようになったのは、いつごろからか」とお尋ねになった。父親は言った。「幼い時からです。22霊は息子を殺そうとして、もう何度も火の中や水の中に投げ込みました。おできになるなら、わたしどもを憐れんでお助けください。」23イエスは言われた。「『できれば』と言うか。信じる者には何でもできる。」24その子の父親はすぐに叫んだ。「信じます。信仰のないわたしをお助けください。」25イエスは、群衆が走り寄って来るのを見ると、汚れた霊をお叱りになった。「ものも言わせず、耳も聞こえさせない霊、わたしの命令だ。この子から出て行け。二度とこの子の中に入るな。」26すると、霊は叫び声をあげ、ひどく引きつけさせて出て行った。その子は死んだようになったので、多くの者が、「死んでしまった」と言った。27しかし、イエスが手を取って起こされると、立ち上がった。28イエスが家の中に入られると、弟子たちはひそかに、「なぜ、わたしたちはあの霊を追い出せなかったのでしょうか」と尋ねた。29イエスは、「この種のものは、祈りによらなければ決して追い出すことはできないのだ」と言われた。 |
|||
年間第7火曜日 | 2月25日(火) | 年間 | |
第一朗読シラ21-11心を引き締めて、耐え忍べ。 シラ書2・1子よ、主に仕えるつもりなら、 7主を畏れる人たちよ、主の憐れみを待ち望め。 答唱詩編詩編37・3、17b+18b喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。 詩編37・3神により頼み、よいわざに励み、 17b神に従う人は神に支えられる。 福音朗読マルコ9・30-37アレルヤ、アレルヤ。わたしには主の十字架のほかに誇るものはない。世はわたしにとって、わたしも世にとって十字架に付けられている。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、イエスと弟子たちは9・30そこを去って、ガリラヤを通って行った。しかし、イエスは人に気づかれるのを好まれなかった。31それは弟子たちに、「人の子は、人々の手に引き渡され、殺される。殺されて三日の後に復活する」と言っておられたからである。32弟子たちはこの言葉が分からなかったが、怖くて尋ねられなかった。 33一行はカファルナウムに来た。家に着いてから、イエスは弟子たちに、「途中で何を議論していたのか」とお尋ねになった。34彼らは黙っていた。途中でだれがいちばん偉いかと議論し合っていたからである。35イエスが座り、十二人を呼び寄せて言われた。「いちばん先になりたい者は、すべての人の後になり、すべての人に仕える者になりなさい。」36そして、一人の子供の手を取って彼らの真ん中に立たせ、抱き上げて言われた。37「わたしの名のためにこのような子供の一人を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。わたしを受け入れる者は、わたしではなくて、わたしをお遣わしになった方を受け入れるのである。」 |
|||
年間第7水曜日 | 2月26日(水) | 年間 | |
第一朗読シラ4・11-19知恵は、それに従う子らを高め、これを追い求める者を助ける。 シラ書4・11知恵は、それに従う子らを高め、これを追い求める者を助ける。12知恵を愛する者は、命を愛する者。朝早く起きて知恵を求める者は、喜びに満たされる。13知恵を得る者は、誉れを受け継ぎ、行く先々で、主から祝福される。14知恵に仕える者は、聖なる方に奉仕する者。知恵を愛する者は、主から愛される。15知恵に聞き従う者は、諸国民を正しく裁き、知恵に心を向ける者は、安らかに暮らす。16知恵を信頼すれば、知恵が与えられ、子孫もその知恵を受け継ぐ。17知恵は、最初、お前を険しい道に連れて行き、恐れの気持を抱かせて、おじけさせる。知恵の試練は、お前を激しく苦しめる。知恵は、お前を信頼するまで、数々の要求を突きつけて、お前を試みる。18だがすぐに、知恵は再びお前のもとに来て、お前を喜ばせ、その真意を明らかに示す。19しかし、お前が道をそれるなら、知恵はお前を見捨て、お前が破滅していくにまかせる。 答唱詩編詩編119・127+129、160+162主よ、あなたは永遠のいのちのことば。 詩編119119・127金よりも純金よりも、 160あなたのことばは真理に基づく。 福音朗読マルコ9・38-40アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行かれない。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、9・38ヨハネがイエスに言った。「先生、お名前を使って悪霊を追い出している者を見ましたが、わたしたちに従わないので、やめさせようとしました。」39イエスは言われた。「やめさせてはならない。わたしの名を使って奇跡を行い、そのすぐ後で、わたしの悪口は言えまい。40わたしたちに逆らわない者は、わたしたちの味方なのである。」 |
|||
年間第7木曜日 | 2月27日(木) | 年間 | |
第一朗読シラ5・1-8「罪を犯したが、何も起こらなかった」と言うな。 シラ書5・1自分の財産を頼みとするな。 答唱詩編詩編1・1、6神のおきてを喜び、心に教えを留める人、神はその人を祝される。 詩編11・1しあわせな人、 6神に従う人の集いは 福音朗読マルコ9・41-50アレルヤ、アレルヤ。あなたがたにのべ伝えられた福音は永遠にとどまる神のことば。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。9・41「はっきり言っておく。キリストの弟子だという理由で、あなたがたに一杯の水を飲ませてくれる者は、必ずその報いを受ける。 42わたしを信じるこれらの小さな者の一人をつまずかせる者は、大きな石臼を首に懸けられて、海に投げ込まれてしまう方がはるかによい。43もし片方の手があなたをつまずかせるなら、切り捨ててしまいなさい。両手がそろったまま地獄の消えない火の中に落ちるよりは、片手になっても命にあずかる方がよい。†45もし片方の足があなたをつまずかせるなら、切り捨ててしまいなさい。両足がそろったままで地獄に投げ込まれるよりは、片足になっても命にあずかる方がよい。†47もし片方の目があなたをつまずかせるなら、えぐり出しなさい。両方の目がそろったまま地獄に投げ込まれるよりは、一つの目になっても神の国に入る方がよい。48地獄では蛆が尽きることも、火が消えることもない。49人は皆、火で塩味を付けられる。50塩は良いものである。だが、塩に塩気がなくなれば、あなたがたは何によって塩に味を付けるのか。自分自身の内に塩を持ちなさい。そして、互いに平和に過ごしなさい。」 |
|||
年間第7金曜日 | 2月28日(金) | 年間 | |
第一朗読シラ6・5-17のどの麗しい声は、友人を増やし、舌のさわやかな語りかけは、愛想のよい返事を増やす。 シラ書6・5のどの麗しい声は、友人を増やし、 答唱詩編詩編119・15+16、17+18神よ、あなたのことばはわたしの足のともしび、わたしの道の光。 詩編119119・15あなたの定めを思いめぐらし、 17神よ、あなたのことばを生涯守れるように、 福音朗読マルコ10・1-12アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは真理。わたしたちを真理のうちに聖なる者にしてください。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、10・1イエスはユダヤ地方とヨルダン川の向こう側に行かれた。群衆がまた集まって来たので、イエスは再びいつものように教えておられた。2ファリサイ派の人々が近寄って、「夫が妻を離縁することは、律法に適っているでしょうか」と尋ねた。イエスを試そうとしたのである。3イエスは、「モーセはあなたたちに何と命じたか」と問い返された。4彼らは、「モーセは、離縁状を書いて離縁することを許しました」と言った。5イエスは言われた。「あなたたちの心が頑固なので、このような掟をモーセは書いたのだ。6しかし、天地創造の初めから、神は人を男と女とにお造りになった。7それゆえ、人は父母を離れてその妻と結ばれ、8二人は一体となる。だから二人はもはや別々ではなく、一体である。9従って、神が結び合わせてくださったものを、人は離してはならない。」10家に戻ってから、弟子たちがまたこのことについて尋ねた。11イエスは言われた。「妻を離縁して他の女を妻にする者は、妻に対して姦通の罪を犯すことになる。12夫を離縁して他の男を夫にする者も、姦通の罪を犯すことになる。」 |
|||
03月 | |||
年間第7土曜日 | 3月1日(土) | 年間 | |
第一朗読シラ17・1-15人間の歩みは、常に、主の前にあらわであり、主の目を逃れることはできない。 シラ書17・1主は、人間を土から造られ、 15人間の歩みは、常に、主の前にあらわであり、 答唱詩編詩編103・15a+16b+14、17c+18+19心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編103103・15a人の日々は草のよう、 17c神の正義は子孫に及び、 福音朗読マルコ10・13-16アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、10・13イエスに触れていただくために、人々が子供たちを連れて来た。弟子たちはこの人々を叱った。14しかし、イエスはこれを見て憤り、弟子たちに言われた。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。15はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」16そして、子供たちを抱き上げ、手を置いて祝福された。 |
|||
年間第8主日 | 3月2日(日) | 年間 | |
第一朗読シラ書27・4-7話を聞かないうちは、人を褒めてはいけない。 シラ書27・4ふるいを揺さぶると滓が残るように、 答唱詩編詩編92・2+3+4、13+14+15たて琴をかなで、楽の音に合わせて、わたしは、神をほめうたう。 詩編9292・2神よ、すべてを越えるあなたの名をたたえ、 13神に従う人はなつめやしのように栄え、 第二朗読①コリント15・54-58死よ、お前の勝利はどこにあるのか。 使徒パウロのコリントの教会への手紙15・54皆さん、この死ぬべきものが死なないものを着るとき、次のように書かれている言葉が実現するのです。 福音朗読ルカ6・39-45アレルヤ、アレルヤ。あなたがたはいのちのことばを保って、ともし火のように世を照らしなさい。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音6・39そのとき、イエスは弟子たちに、たとえを話された。「盲人が盲人の道案内をすることができようか。二人とも穴に落ち込みはしないか。40弟子は師にまさるものではない。しかし、だれでも、十分に修行を積めば、その師のようになれる。41あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。42自分の目にある丸太を見ないで、兄弟に向かって、『さあ、あなたの目にあるおが屑を取らせてください』と、どうして言えるだろうか。偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目にあるおが屑を取り除くことができる。」 43「悪い実を結ぶ良い木はなく、また、良い実を結ぶ悪い木はない。44木は、それぞれ、その結ぶ実によって分かる。茨からいちじくは採れないし、野ばらからぶどうは集められない。45善い人は良いものを入れた心の倉から良いものを出し、悪い人は悪いものを入れた倉から悪いものを出す。人の口は、心からあふれ出ることを語るのである。」 |
|||
年間第8月曜日 | 3月3日(月) | 年間 | |
第一朗読シラ17・24-29主は、悔い改める者には、立ち帰る道を開き、耐える力を失った者を励まされる。 シラ書主は、17・24悔い改める者には、立ち帰る道を開き、 25主に立ち帰り、罪から離れよ。 答唱詩編詩編32・5abef、7主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編3232・5わたしは罪をあなたに表し、 7あなたはわたしの隠れ場、 福音朗読マルコ10・17-27アレルヤ、アレルヤ。イエス・キリストは富んでおられたのに、貧しくなられた。あなたがたがキリストの貧しさによって富むように。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、10・17イエスが旅に出ようとされると、ある人が走り寄って、ひざまずいて尋ねた。「善い先生、永遠の命を受け継ぐには、何をすればよいでしょうか。」18イエスは言われた。「なぜ、わたしを『善い』と言うのか。神おひとりのほかに、善い者はだれもいない。19『殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証するな、奪い取るな、父母を敬え』という掟をあなたは知っているはずだ。」20すると彼は、「先生、そういうことはみな、子供の時から守ってきました」と言った。21イエスは彼を見つめ、慈しんで言われた。「あなたに欠けているものが一つある。行って持っている物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい。」22その人はこの言葉に気を落とし、悲しみながら立ち去った。たくさんの財産を持っていたからである。 23イエスは弟子たちを見回して言われた。「財産のある者が神の国に入るのは、なんと難しいことか。」24弟子たちはこの言葉を聞いて驚いた。イエスは更に言葉を続けられた。「子たちよ、神の国に入るのは、なんと難しいことか。25金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい。」26弟子たちはますます驚いて、「それでは、だれが救われるのだろうか」と互いに言った。27イエスは彼らを見つめて言われた。「人間にできることではないが、神にはできる。神は何でもできるからだ。」 |
|||
年間第8火曜日 | 3月4日(火) | 年間 | |
第一朗読シラ35・1-12正しい人の供え物は、祭壇に脂肪を滴らせ、その香ばしい香りはいと高き方の御前に昇る。 シラ書35・1律法を守ることは、多くの供え物に匹敵し、 答唱詩編詩編50・5+6、7わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。 詩編5050・5「わたしの民を集めよ、 7「わたしの民よ、聞け。 福音朗読マルコ10・28-31アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、10・28ペトロがイエスに、「このとおり、わたしたちは何もかも捨ててあなたに従って参りました」と言いだした。29イエスは言われた。「はっきり言っておく。わたしのためまた福音のために、家、兄弟、姉妹、母、父、子供、畑を捨てた者はだれでも、30今この世で、迫害も受けるが、家、兄弟、姉妹、母、子供、畑も百倍受け、後の世では永遠の命を受ける。31しかし、先にいる多くの者が後になり、後にいる多くの者が先になる。」 |
|||
四旬節灰の水曜日 | 3月5日(水) | 四旬節 | |
第一朗読ヨエル2・12-18衣を裂くのではなく、お前たちの心を引き裂け ヨエルの預言2・12主は言われる。 「今こそ、心からわたしに立ち帰れ あなたたちの神、主に立ち帰れ。 15シオンで角笛を吹き 18そのとき 答唱詩編詩編51・3+4、5+6cdあなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。 詩編5151・3神よ、いつくしみ深くわたしを顧み、 5わたしは自分のあやまちを認め、 第二朗読②コリント5・20-6・2神と和解させていただきなさい。今や恵みの時 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、5・20神がわたしたちを通して勧めておられるので、わたしたちはキリストの使者の務めを果たしています。キリストに代わってお願いします。神と和解させていただきなさい。21罪と何のかかわりもない方を、神はわたしたちのために罪となさいました。 わたしたちはその方によって神の義を得ることができたのです。6・1わたしたちはまた、神の協力者としてあなたがたに勧めます。神からいただいた恵みを無駄にしてはいけません。2なぜなら、 福音朗読マタイ6・1-6、16-18神に心を閉じてはならい。きょうこそ神のことばを聞こう。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。 2だから、あなたは施しをするときには、偽善者たちが人からほめられようと会堂や街角でするように、自分の前でラッパを吹き鳴らしてはならない。はっきりあなたがたに言っておく。彼らは既に報いを受けている。3施しをするときは、右の手のすることを左の手に知らせてはならない。4あなたの施しを人目につかせないためである。そうすれば、隠れたことを見ておられる父が、あなたに報いてくださる。 5祈るときにも、あなたがたは偽善者のようであってはならない。偽善者たちは、人に見てもらおうと、会堂や大通りの角に立って祈りたがる。はっきり言っておく。彼らは既に報いを受けている。6だから、あなたが祈るときは、奥まった自分の部屋に入って戸を閉め、隠れたところにおられるあなたの父に祈りなさい。そうすれば、隠れたことを見ておられるあなたの父が報いてくださる。 16断食するときには、あなたがたは偽善者のように沈んだ顔つきをしてはならない。偽善者は、断食しているのを人に見てもらおうと、顔を見苦しくする。はっきり言っておく。彼らは既に報いを受けている。17あなたは、断食するとき、頭に油をつけ、顔を洗いなさい。18それは、あなたの断食が人に気づかれず、隠れたところにおられるあなたの父に見ていただくためである。そうすれば、隠れたことを見ておられるあなたの父が報いてくださる。」 |
|||
四旬節灰の式後の木曜日 | 3月6日(木) | 四旬節 | |
第一朗読申命記30・15-20わたしは今日、命と幸い、死と災いをあなたの前に置く。 申命記モーセは民に言った。30・15「見よ、わたしは今日、命と幸い、死と災いをあなたの前に置く。16わたしが今日命じるとおり、あなたの神、主を愛し、その道に従って歩み、その戒めと掟と法を守るならば、あなたは命を得、かつ増える。あなたの神、主は、あなたが入って行って得る土地で、あなたを祝福される。17もしあなたが心変わりして聞き従わず、惑わされて他の神々にひれ伏し仕えるならば、18わたしは今日、あなたたちに宣言する。あなたたちは必ず滅びる。ヨルダン川を渡り、入って行って得る土地で、長く生きることはない。19わたしは今日、天と地をあなたたちに対する証人として呼び出し、生と死、祝福と呪いをあなたの前に置く。あなたは命を選び、あなたもあなたの子孫も命を得るようにし、20あなたの神、主を愛し、御声を聞き、主につき従いなさい。それが、まさしくあなたの命であり、あなたは長く生きて、主があなたの先祖アブラハム、イサク、ヤコブに与えると誓われた土地に住むことができる。」 答唱詩編詩編1・1ac+2、6しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。 詩編11・1acしあわせな人、 6神に従う人の集いは 福音朗読ルカ9・22-25「神に立ち戻りなさい。神の国は来ている」と主は仰せになる。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。9・22「人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちから排斥されて殺され、三日目に復活することになっている。」23それから、イエスは皆に言われた。「わたしについて来たい者は、自分を捨て、日々、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。24自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命を失う者は、それを救うのである。25人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の身を滅ぼしたり、失ったりしては、何の得があろうか。」 |
|||
四旬節灰の式後の金曜日 | 3月7日(金) | 四旬節 | |
第一朗読イザヤ58・1-9aあなたが呼べば主は答え、あなたが叫べば「わたしはここにいる」と言われる。 イザヤの預言主は言われる。 58・1喉をからして叫べ、黙すな 3何故あなたはわたしたちの断食を顧みず 6わたしの選ぶ断食とはこれではないか。 答唱詩編詩編51・12+13、18+19あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。 詩編5151・12神よ、わたしのうちに清い心を造り、 18あなたはいけにえを望まれず、 福音朗読マタイ9・14-15生きるために悪ではなく善を求めなさい。主はあなたがたとともにおられる。 マタイによる福音そのとき、9・14ヨハネの弟子たちがイエスのところに来て、「わたしたちとファリサイ派の人々はよく断食しているのに、なぜ、あなたの弟子たちは断食しないのですか」と言った。15イエスは言われた。「花婿が一緒にいる間、婚礼の客は悲しむことができるだろうか。しかし、花婿が奪い取られる時が来る。そのとき、彼らは断食することになる。」 |
|||
四旬節灰の式後の土曜日 | 3月8日(土) | 四旬節 | |
第一朗読イザヤ58・9b-14安息日を喜びの日と呼ぶ。 イザヤの預言主は言われる。 58・9b軛を負わすこと、指をさすこと 答唱詩編詩編86・5+6、15+16すべての人の救いを願い、わたしはあなたを待ち望む。 詩編8686・5神よ、あなたは恵み深く、心のひろいかた。 15神よ、あなたはあわれみに満ち、恵み深いかた。 福音朗読ルカ5・27-32悪を行う人が死ぬことなく、神に立ち戻って生きることを神は望んでおられる。 ルカによる福音そのとき、イエスは、5・27レビという徴税人が収税所に座っているのを見て、「わたしに従いなさい」と言われた。28彼は何もかも捨てて立ち上がり、イエスに従った。29そして、自分の家でイエスのために盛大な宴会を催した。そこには徴税人やほかの人々が大勢いて、一緒に席に着いていた。30ファリサイ派の人々やその派の律法学者たちはつぶやいて、イエスの弟子たちに言った。「なぜ、あなたたちは、徴税人や罪人などと一緒に飲んだり食べたりするのか。」31イエスはお答えになった。「医者を必要とするのは、健康な人ではなく病人である。32わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである。」 |
|||
四旬節第1主日 | 3月9日(日) | 四旬節 | |
第一朗読申命記26・4-10選ばれた民の信仰告白 申命記モーセは民に言った。 26・4「祭司はあなたの手から初物を入れた籠を受け取って、あなたの神、主の祭壇の前に供える。 5あなたはあなたの神、主の前で次のように告白しなさい。 『わたしの先祖は、滅びゆく一アラム人であり、わずかな人を伴ってエジプトに下り、そこに寄留しました。しかしそこで、強くて数の多い、大いなる国民になりました。6エジプト人はこのわたしたちを虐げ、苦しめ、重労働を課しました。7わたしたちが先祖の神、主に助けを求めると、主はわたしたちの声を聞き、わたしたちの受けた苦しみと労苦と虐げを御覧になり、8力ある御手と御腕を伸ばし、大いなる恐るべきこととしるしと奇跡をもってわたしたちをエジプトから導き出し、9この所に導き入れて乳と蜜の流れるこの土地を与えられました。10わたしは、主が与えられた地の実りの初物を、今、ここに持って参りました。』 あなたはそれから、あなたの神、主の前にそれを供え、あなたの神、主の前にひれ伏しなさい。」 答唱詩編詩編91・2+4ab、11+12b+10、14+15主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編9191・2「神はわたしののがれ場、わたしのとりで、 11神があなたのために使いにめいじ、 14神は仰せになる。「わたしに頼る者をわたしはすくい、 第二朗読ローマ10・8-13キリストを信じる者の信仰告白 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、聖書には10・8何と言われているのだろうか。 「御言葉はあなたの近くにあり、 これは、わたしたちが宣べ伝えている信仰の言葉なのです。9口でイエスは主であると公に言い表し、心で神がイエスを死者の中から復活させられたと信じるなら、あなたは救われるからです。10実に、人は心で信じて義とされ、口で公に言い表して救われるのです。11聖書にも、「主を信じる者は、だれも失望することがない」と書いてあります。12ユダヤ人とギリシア人の区別はなく、すべての人に同じ主がおられ、御自分を呼び求めるすべての人を豊かにお恵みになるからです。13「主の名を呼び求める者はだれでも救われる」のです。 福音朗読ルカ4・1-13人はパンによるだけではなく、神の言葉によって生きている。 ルカによる福音そのとき、4・1イエスは聖霊に満ちて、ヨルダン川からお帰りになった。そして、荒れ野の中を〝霊〟によって引き回され、2四十日間、悪魔から誘惑を受けられた。その間、何も食べず、その期間が終わると空腹を覚えられた。3そこで、悪魔はイエスに言った。「神の子なら、この石にパンになるように命じたらどうだ。」4イエスは、「『人はパンだけで生きるものではない』と書いてある」とお答えになった。5更に、悪魔はイエスを高く引き上げ、一瞬のうちに世界のすべての国々を見せた。6そして悪魔は言った。「この国々の一切の権力と繁栄とを与えよう。それはわたしに任されていて、これと思う人に与えることができるからだ。7だから、もしわたしを拝むなら、みんなあなたのものになる。」8イエスはお答えになった。 「『あなたの神である主を拝み、 『神はあなたのために天使たちに命じて、 『あなたの足が石に打ち当たることのないように、天使たちは手であなたを支える。』」 12イエスは、「『あなたの神である主を試してはならない』と言われている」とお答えになった。13悪魔はあらゆる誘惑を終えて、時が来るまでイエスを離れた。 |
|||
四旬節第1月曜日 | 3月10日(月) | 四旬節 | |
第一朗読レビ19・1-2、11-18自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。 レビ記19・1主はモーセに仰せになった。 2イスラエルの人々の共同体全体に告げてこう言いなさい。 あなたたちは聖なる者となりなさい。あなたたちの神、主であるわたしは聖なる者である。 11あなたたちは盗んではならない。うそをついてはならない。互いに欺いてはならない。12わたしの名を用いて偽り誓ってはならない。それによってあなたの神の名を汚してはならない。わたしは主である。 13あなたは隣人を虐げてはならない。奪い取ってはならない。雇い人の労賃の支払いを翌朝まで延ばしてはならない。14耳の聞こえぬ者を悪く言ったり、目の見えぬ者の前に障害物を置いてはならない。あなたの神を畏れなさい。わたしは主である。 15あなたたちは不正な裁判をしてはならない。あなたは弱い者を偏ってかばったり、力ある者におもねってはならない。同胞を正しく裁きなさい。16民の間で中傷をしたり、隣人の生命にかかわる偽証をしてはならない。わたしは主である。 17心の中で兄弟を憎んではならない。同胞を率直に戒めなさい。そうすれば彼の罪を負うことはない。18復讐してはならない。民の人々に恨みを抱いてはならない。自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。わたしは主である。 答唱詩編詩編19・10、15神のことばは正しく、わたしの心の喜び。神のみ旨は清く、わたしの目を開く。 詩編1919・10神のことばは正しく、世々に及び、 15神よ、わたしの力、わたしのあがないぬし、 福音朗読マタイ25・31-46今は恵みの時、今は救いの日。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。25・31「人の子は、栄光に輝いて天使たちを皆従えて来るとき、その栄光の座に着く。32そして、すべての国の民がその前に集められると、羊飼いが羊と山羊を分けるように、彼らをより分け、33羊を右に、山羊を左に置く。34そこで、王は右側にいる人たちに言う。『さあ、わたしの父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されている国を受け継ぎなさい。35お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、36裸のときに着せ、病気のときに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ。』37すると、正しい人たちが王に答える。『主よ、いつわたしたちは、飢えておられるのを見て食べ物を差し上げ、のどが渇いておられるのを見て飲み物を差し上げたでしょうか。38いつ、旅をしておられるのを見てお宿を貸し、裸でおられるのを見てお着せしたでしょうか。39いつ、病気をなさったり、牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。』40そこで、王は答える。『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。』 41それから、王は左側にいる人たちにも言う。『呪われた者ども、わたしから離れ去り、悪魔とその手下のために用意してある永遠の火に入れ。42お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせず、のどが渇いたときに飲ませず、43旅をしていたときに宿を貸さず、裸のときに着せず、病気のとき、牢にいたときに、訪ねてくれなかったからだ。』44すると、彼らも答える。『主よ、いつわたしたちは、あなたが飢えたり、渇いたり、旅をしたり、裸であったり、病気であったり、牢におられたりするのを見て、お世話をしなかったでしょうか。』45そこで、王は答える。『はっきり言っておく。この最も小さい者の一人にしなかったのは、わたしにしてくれなかったことなのである。』46こうして、この者どもは永遠の罰を受け、正しい人たちは永遠の命にあずかるのである。」 |
|||
四旬節第1火曜日 | 3月11日(火) | 四旬節 | |
第一朗読イザヤ55・10−11わたしが与えた使命を必ず果たす。 イザヤの預言主は言われる。 55・10雨も雪も、ひとたび天から降れば 答唱詩編詩編34・4+5、16+18主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編3434・4心を合わせて主をあがめ、 16主のまなざしは正しい人に、 福音朗読マタイ6・7-15人はパンによるだけではなく、神の言葉によって生きている。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・7あなたがたが祈るときは、異邦人のようにくどくどと述べてはならない。異邦人は、言葉数が多ければ、聞き入れられると思い込んでいる。8彼らのまねをしてはならない。あなたがたの父は、願う前から、あなたがたに必要なものをご存じなのだ。9だから、こう祈りなさい。 『天におられるわたしたちの父よ、 14もし人の過ちを赦すなら、あなたがたの天の父もあなたがたの過ちをお赦しになる。15しかし、もし人を赦さないなら、あなたがたの父もあなたがたの過ちをお赦しにならない。」 |
|||
四旬節第1水曜日 | 3月12日(水) | 四旬節 | |
第一朗読ヨナ3・1-10あと四十日すれば、ニネベの都は滅びる。 ヨナの預言3・1主の言葉が再びヨナに臨んだ。2「さあ、大いなる都ニネベに行って、わたしがお前に語る言葉を告げよ。」 3ヨナは主の命令どおり、直ちにニネベに行った。ニネベは非常に大きな都で、一回りするのに三日かかった。4ヨナはまず都に入り、一日分の距離を歩きながら叫び、そして言った。 「あと四十日すれば、ニネベの都は滅びる。」 5すると、ニネベの人々は神を信じ、断食を呼びかけ、身分の高い者も低い者も身に粗布をまとった。6このことがニネベの王に伝えられると、王は王座から立ち上がって王衣を脱ぎ捨て、粗布をまとって灰の上に座し、7王と大臣たちの名によって布告を出し、ニネベに断食を命じた。 「人も家畜も、牛、羊に至るまで、何一つ食物を口にしてはならない。食べることも、水を飲むことも禁ずる。8人も家畜も粗布をまとい、ひたすら神に祈願せよ。おのおの悪の道を離れ、その手から不法を捨てよ。9そうすれば神が思い直されて激しい怒りを静め、我々は滅びを免れるかもしれない。」 10神は彼らの業、彼らが悪の道を離れたことを御覧になり、思い直され、宣告した災いをくだすのをやめられた。 答唱詩編詩編51・12+13、18+19あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。 詩編5151・12神よ、わたしのうちに清い心を造り、 18あなたはいけにえを望まれず、 福音朗読ルカ11・29-32心からわたしに立ち戻りなさい。わたしはいつくしみと恵みにあふれる神。 ルカによる福音そのとき、11・29群衆の数がますます増えてきたので、イエスは話し始められた。「今の時代の者たちはよこしまだ。しるしを欲しがるが、ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられない。30つまり、ヨナがニネベの人々に対してしるしとなったように、人の子も今の時代の者たちに対してしるしとなる。31南の国の女王は、裁きの時、今の時代の者たちと一緒に立ち上がり、彼らを罪に定めるであろう。この女王はソロモンの知恵を聞くために、地の果てから来たからである。ここに、ソロモンにまさるものがある。32また、ニネベの人々は裁きの時、今の時代の者たちと一緒に立ち上がり、彼らを罪に定めるであろう。ニネベの人々は、ヨナの説教を聞いて悔い改めたからである。ここに、ヨナにまさるものがある。」 |
|||
四旬節第1木曜日 | 3月13日(木) | 四旬節 | |
第一朗読エステル〔ギ〕C・12、14-16、23-25主よ、わたしたちの王よ、ただひとりでいるわたしを助けてください。 エステル記その日、12王妃エステルは死の苦悩に襲われて、主に寄りすがった。14そして、イスラエルの神である主に祈った。 「主よ、わたしたちの王よ、 答唱詩編詩編138・1+2ab、8主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編138138・1神よ、わたしは心を尽くしてあなたに感謝し、 8神はわたしに約束されたことを、 福音朗読マタイ7・7-12神よ、わたしのうちに清い心を造り、あなたの救いの喜びをわたしに返してください。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。7・7「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。8だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。9あなたがたのだれが、パンを欲しがる自分の子供に、石を与えるだろうか。10魚を欲しがるのに、蛇を与えるだろうか。11このように、あなたがたは悪い者でありながらも、自分の子供には良い物を与えることを知っている。まして、あなたがたの天の父は、求める者に良い物をくださるにちがいない。12だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法と預言者である。」 |
|||
四旬節第1金曜日 | 3月14日(金) | 四旬節 | |
第一朗読エゼキエル18・21-28彼は悔い改めて、必ず生きる。死ぬことはない。 エゼキエルの預言主は言われる。18・21「悪人であっても、もし犯したすべての過ちから離れて、わたしの掟をことごとく守り、正義と恵みの業を行うなら、必ず生きる。死ぬことはない。22彼の行ったすべての背きは思い起こされることなく、行った正義のゆえに生きる。23わたしは悪人の死を喜ぶだろうか、と主なる神は言われる。彼がその道から立ち帰ることによって、生きることを喜ばないだろうか。 24しかし、正しい人でも、その正しさから離れて不正を行い、悪人がするようなすべての忌まわしい事を行うなら、彼は生きることができようか。彼の行ったすべての正義は思い起こされることなく、彼の背信の行為と犯した過ちのゆえに彼は死ぬ。 25それなのにお前たちは、『主の道は正しくない』と言う。聞け、イスラエルの家よ。わたしの道が正しくないのか。正しくないのは、お前たちの道ではないのか。26正しい人がその正しさから離れて不正を行い、そのゆえに死ぬなら、それは彼が行った不正のゆえに死ぬのである。27しかし、悪人が自分の行った悪から離れて正義と恵みの業を行うなら、彼は自分の命を救うことができる。28彼は悔い改めて、自分の行ったすべての背きから離れたのだから、必ず生きる。死ぬことはない。」 答唱詩編詩編130・1+2、3+4主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編130130・1神よ、深い淵から、 3あなたが悪に目を留められるなら、 福音朗読マタイ5・20-26わたしにはむかう心を捨てて、新しい霊と心を身につけよ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・20「言っておくが、あなたがたの義が律法学者やファリサイ派の人々の義にまさっていなければ、あなたがたは決して天の国に入ることができない。 21あなたがたも聞いているとおり、昔の人は『殺すな。人を殺した者は裁きを受ける』と命じられている。22しかし、わたしは言っておく。兄弟に腹を立てる者はだれでも裁きを受ける。兄弟に『ばか』と言う者は、最高法院に引き渡され、『愚か者』と言う者は、火の地獄に投げ込まれる。23だから、あなたが祭壇に供え物を献げようとし、兄弟が自分に反感を持っているのをそこで思い出したなら、24その供え物を祭壇の前に置き、まず行って兄弟と仲直りをし、それから帰って来て、供え物を献げなさい。25あなたを訴える人と一緒に道を行く場合、途中で早く和解しなさい。さもないと、その人はあなたを裁判官に引き渡し、裁判官は下役に引き渡し、あなたは牢に投げ込まれるにちがいない。26はっきり言っておく。最後の一クァドランスを返すまで、決してそこから出ることはできない。」 |
|||
四旬節第1土曜日 | 3月15日(土) | 四旬節 | |
第一朗読申命記26・16-19あなたをあなたの神、主の聖なる民にする 申命記モーセは民に言った。26・16「今日、あなたの神、主はあなたに、これらの掟と法を行うように命じられる。あなたは心を尽くし、魂を尽くして、それを忠実に守りなさい。17今日、あなたは誓約した。『主を自分の神とし、その道に従って歩み、掟と戒めと法を守り、御声に聞き従います』と。18主もまた、今日、あなたに誓約された。『既に約束したとおり、あなたは宝の民となり、すべての戒めを守るであろう。19造ったあらゆる国民にはるかにまさるものとし、あなたに賛美と名声と誉れを与え、既に約束したとおり、あなたをあなたの神、主の聖なる民にする』と。」 答唱詩編詩編119・1+2a+3b、15+16神よ、あなたのことばはわたしの足のともしび、わたしの道の光。 詩編119119・1しあわせな人、道からそれず、 15あなたの定めを思いめぐらし、 福音朗読マタイ5・43-48今は恵みの時、今は救いの日。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・43「あなたがたも聞いているとおり、『隣人を愛し、敵を憎め』と命じられている。44しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。45あなたがたの天の父の子となるためである。父は悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださるからである。46自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな報いがあろうか。徴税人でも、同じことをしているではないか。47自分の兄弟にだけ挨拶したところで、どんな優れたことをしたことになろうか。異邦人でさえ、同じことをしているではないか。48だから、あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい。」 |
|||
四旬節第2主日 | 3月16日(日) | 四旬節 | |
第一朗読創世記15・5-12、17-18神は忠実なアブラムと契約を結ばれた。 創世記その日、15・5主はアブラムを外に連れ出して言われた。「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみるがよい。」そして言われた。「あなたの子孫はこのようになる。」 10アブラムはそれらのものをみな持って来て、真っ二つに切り裂き、それぞれを互いに向かい合わせて置いた。ただ、鳥は切り裂かなかった。11はげ鷹がこれらの死体をねらって降りて来ると、アブラムは追い払った。 12日が沈みかけたころ、アブラムは深い眠りに襲われた。すると、恐ろしい大いなる暗黒が彼に臨んだ。17日が沈み、暗闇に覆われたころ、突然、煙を吐く炉と燃える松明が二つに裂かれた動物の間を通り過ぎた。 18その日、主はアブラムと契約を結んで言われた。 答唱詩編詩編27・1、4、7+8神よ、あなたの顔の光をわたしたちの上に照らしてください。 詩編2727・1神はわたしの光、わたしのすくい、 4わたしは神に一つのことを願いもとめている。 7神よ、わたしの声を聞き、 第二朗読フィリピ3・17-4・1キリストはわたしたちの体を、御自分の栄光ある体と同じ形に変えてくださる。 使徒パウロのフィリピの教会への手紙3・17兄弟たち、皆一緒にわたしに倣う者となりなさい。また、あなたがたと同じように、わたしたちを模範として歩んでいる人々に目を向けなさい。18何度も言ってきたし、今また涙ながらに言いますが、キリストの十字架に敵対して歩んでいる者が多いのです。19彼らの行き着くところは滅びです。彼らは腹を神とし、恥ずべきものを誇りとし、この世のことしか考えていません。20しかし、わたしたちの本国は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主として来られるのを、わたしたちは待っています。21キリストは、万物を支配下に置くことさえできる力によって、わたしたちの卑しい体を、御自分の栄光ある体と同じ形に変えてくださるのです。 4・1だから、わたしが愛し、慕っている兄弟たち、わたしの喜びであり、冠である愛する人たち、このように主によってしっかりと立ちなさい。 福音朗読ルカ9・28b-36輝く雲の中から父の声が聞こえた。「これはわたしの愛する子。彼に聞け。」 ルカによる福音そのとき、9・28bイエスは、ペトロ、ヨハネ、およびヤコブを連れて、祈るために山に登られた。29祈っておられるうちに、イエスの顔の様子が変わり、服は真っ白に輝いた。30見ると、二人の人がイエスと語り合っていた。モーセとエリヤである。31二人は栄光に包まれて現れ、イエスがエルサレムで遂げようとしておられる最期について話していた。32ペトロと仲間は、ひどく眠かったが、じっとこらえていると、栄光に輝くイエスと、そばに立っている二人の人が見えた。33その二人がイエスから離れようとしたとき、ペトロがイエスに言った。「先生、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。仮小屋を三つ建てましょう。一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです。」ペトロは、自分でも何を言っているのか、分からなかったのである。34ペトロがこう言っていると、雲が現れて彼らを覆った。彼らが雲の中に包まれていくので、弟子たちは恐れた。35すると、「これはわたしの子、選ばれた者。これに聞け」と言う声が雲の中から聞こえた。36その声がしたとき、そこにはイエスだけがおられた。弟子たちは沈黙を守り、見たことを当時だれにも話さなかった。 |
|||
日本の信徒発見の聖母 | 3月17日(月) | 聖人の記念 | |
第一朗読イザヤ9・1-6死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。 イザヤの預言9・1闇の中を歩む民は、大いなる光を見 またはエフェソ1・3-6、11-12神は、わたしたちをキリストにおいて、祝福で満たしてくださいました。 使徒パウロのエフェソの教会への手紙1・3わたしたちの主イエス・キリストの父である神は、ほめたたえられますように。神は、わたしたちをキリストにおいて、天のあらゆる霊的な祝福で満たしてくださいました。4天地創造の前に、神はわたしたちを愛して、御自分の前で聖なる者、汚れのない者にしようと、キリストにおいてお選びになりました。5イエス・キリストによって神の子にしようと、御心のままに前もってお定めになったのです。6神がその愛する御子によって与えてくださった輝かしい恵みを、わたしたちがたたえるためです。 11キリストにおいてわたしたちは、御心のままにすべてのことを行われる方の御計画によって前もって定められ、約束されたものの相続者とされました。12それは、以前からキリストに希望を置いていたわたしたちが、神の栄光をたたえるためです。 答唱詩編詩編98・1、2+3a遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・1新しい歌を神にうたえ。 2神は救いを示し、 福音朗読ヨハネ19・25-27「見なさい。あなたの母です。」 ヨハネによる福音そのとき、 19・25イエスの十字架のそばには、その母と母の姉妹、クロパの妻マリアとマグダラのマリアとが立っていた。26イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」と言われた。27それから弟子に言われた。「見なさい。あなたの母です。」そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。 |
|||
四旬節第2火曜日 | 3月18日(火) | 四旬節 | |
第一朗読イザヤ1・10、16-20お前たちの手を洗って、清くせよ。 イザヤの預言1・10ソドムの支配者らよ、主の言葉を聞け。 お前たちの手を16洗って、清くせよ。 18論じ合おうではないか、と主は言われる。 答唱詩編詩編50・7、15+23わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。 詩編5050・7わたしの民よ、聞け。 15苦悩の日にわたしを呼び求めよ。 福音朗読マタイ23・1-12わたしにはむかう心を捨てて、新しい霊と心を身につけよ。 マタイによる福音そのとき、23・1イエスは群衆と弟子たちにお話しになった。2「律法学者たちやファリサイ派の人々は、モーセの座に着いている。3だから、彼らが言うことは、すべて行い、また守りなさい。しかし、彼らの行いは、見倣ってはならない。言うだけで、実行しないからである。4彼らは背負いきれない重荷をまとめ、人の肩に載せるが、自分ではそれを動かすために、指一本貸そうともしない。5そのすることは、すべて人に見せるためである。聖句の入った小箱を大きくしたり、衣服の房を長くしたりする。6宴会では上座、会堂では上席に座ることを好み、7また、広場で挨拶されたり、『先生』と呼ばれたりすることを好む。8だが、あなたがたは『先生』と呼ばれてはならない。あなたがたの師は一人だけで、あとは皆兄弟なのだ。9また、地上の者を『父』と呼んではならない。あなたがたの父は天の父おひとりだけだ。10『教師』と呼ばれてもいけない。あなたがたの教師はキリスト一人だけである。11あなたがたのうちでいちばん偉い人は、仕える者になりなさい。12だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。」 |
|||
聖ヨセフ | 3月19日(水) | 聖人の記念 | |
第一朗読サムエル下7・4-5a、12-14a、16神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。 サムエル記7・4その夜、ナタンに臨んだ主の言葉は次のとおりであった。 5a「わたしの僕ダビデのもとに行って告げよ。主はこう言われる。 12あなたが生涯を終え、先祖と共に眠るとき、あなたの身から出る子孫に跡を継がせ、その王国を揺るぎないものとする。13この者がわたしの名のために家を建て、わたしは彼の王国の王座をとこしえに堅く据える。14わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。16あなたの家、あなたの王国は、あなたの行く手にとこしえに続き、あなたの王座はとこしえに堅く据えられる。」 答唱詩編詩編89・29+35、37+38神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。 詩編8989・29わたしのいつくしみは永遠に変わることなく、 37ダビドの子孫はとこしえに続き、 第二朗読ローマ4・13、16-18、22彼は希望するすべもなかったときに、なおも望みを抱いて、信じた。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、4・13神はアブラハムやその子孫に世界を受け継がせることを約束されたが、その約束は、律法に基づいてではなく、信仰による義に基づいてなされたのです。 16従って、信仰によってこそ世界を受け継ぐ者となるのです。恵みによって、アブラハムのすべての子孫、つまり、単に律法に頼る者だけでなく、彼の信仰に従う者も、確実に約束にあずかれるのです。彼はわたしたちすべての父です。17「わたしはあなたを多くの民の父と定めた」と書いてあるとおりです。死者に命を与え、存在していないものを呼び出して存在させる神を、アブラハムは信じ、その御前でわたしたちの父となったのです。18彼は希望するすべもなかったときに、なおも望みを抱いて、信じ、「あなたの子孫はこのようになる」と言われていたとおりに、多くの民の父となりました。22だからまた、それが彼の義と認められたわけです。 福音朗読マタイ1・16、18-21、24a幸せな人、あなたの家を住まいとし、絶えずあなたをたたえる人。 マタイによる福音1・16ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。 18イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。19夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。20このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。21マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」24ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおりにした。 またはルカ2・41-51a幸せな人、あなたの家を住まいとし、絶えずあなたをたたえる人。 ルカによる福音2・41イエスの両親は過越祭には毎年エルサレムへ旅をした。42イエスが十二歳になったときも、両親は祭りの慣習に従って都に上った。43祭りの期間が終わって帰路についたとき、少年イエスはエルサレムに残っておられたが、両親はそれに気づかなかった。44イエスが道連れの中にいるものと思い、一日分の道のりを行ってしまい、それから、親類や知人の間を捜し回ったが、45見つからなかったので、捜しながらエルサレムに引き返した。46三日の後、イエスが神殿の境内で学者たちの真ん中に座り、話を聞いたり質問したりしておられるのを見つけた。47聞いている人は皆、イエスの賢い受け答えに驚いていた。48両親はイエスを見て驚き、母が言った。「なぜこんなことをしてくれたのです。御覧なさい。お父さんもわたしも心配して捜していたのです。」49すると、イエスは言われた。「どうしてわたしを捜したのですか。わたしが自分の父の家にいるのは当たり前だということを、知らなかったのですか。」50しかし、両親にはイエスの言葉の意味が分からなかった。51aそれから、イエスは一緒に下って行き、ナザレに帰り、両親に仕えてお暮らしになった。 |
|||
四旬節第2木曜日 | 3月20日(木) | 四旬節 | |
第一朗読エレミヤ17・5-10それぞれの道、業の結ぶ実に従って報いる。 エレミヤの預言17・5主はこう言われる。 呪われよ、人間に信頼し、肉なる者を頼みとし 9人の心は何にもまして、とらえ難く病んでいる。 答唱詩編詩編1・1ac+2、3流れのほとりの木のように、神に従う人は実を結ぶ。 詩編11・1acしあわせな人、 3流れのほとりに植えられた木が、 福音朗読ルカ16・19-31よい心で神のことばを保ち、忍耐を持って実を結ぶ人は幸い。 ルカによる福音そのとき、イエスはファリサイ派の人々に言われた。16・19「ある金持ちがいた。いつも紫の衣や柔らかい麻布を着て、毎日ぜいたくに遊び暮らしていた。20この金持ちの門前に、ラザロというできものだらけの貧しい人が横たわり、21その食卓から落ちる物で腹を満たしたいものだと思っていた。犬もやって来ては、そのできものをなめた。22やがて、この貧しい人は死んで、天使たちによって宴席にいるアブラハムのすぐそばに連れて行かれた。金持ちも死んで葬られた。23そして、金持ちは陰府でさいなまれながら目を上げると、宴席でアブラハムとそのすぐそばにいるラザロとが、はるかかなたに見えた。24そこで、大声で言った。『父アブラハムよ、わたしを憐れんでください。ラザロをよこして、指先を水に浸し、わたしの舌を冷やさせてください。わたしはこの炎の中でもだえ苦しんでいます。』25しかし、アブラハムは言った。『子よ、思い出してみるがよい。お前は生きている間に良いものをもらっていたが、ラザロは反対に悪いものをもらっていた。今は、ここで彼は慰められ、お前はもだえ苦しむのだ。26そればかりか、わたしたちとお前たちの間には大きな淵があって、ここからお前たちの方へ渡ろうとしてもできないし、そこからわたしたちの方に越えて来ることもできない。』27金持ちは言った。『父よ、ではお願いです。わたしの父親の家にラザロを遣わしてください。28わたしには兄弟が五人います。あの者たちまで、こんな苦しい場所に来ることのないように、よく言い聞かせてください。』29しかし、アブラハムは言った。『お前の兄弟たちにはモーセと預言者がいる。彼らに耳を傾けるがよい。』30金持ちは言った。『いいえ、父アブラハムよ、もし、死んだ者の中からだれかが兄弟のところに行ってやれば、悔い改めるでしょう。』31アブラハムは言った。『もし、モーセと預言者に耳を傾けないのなら、たとえ死者の中から生き返る者があっても、その言うことを聞き入れはしないだろう。』」 |
|||
四旬節第2金曜日 | 3月21日(金) | 四旬節 | |
第一朗読創世記37・3-4、12-13a、17b-28弟を殺して、その血を覆っても、何の得にもならない。 創世記3イスラエルは、ヨセフが年寄り子であったので、どの息子よりもかわいがり、彼には裾の長い晴れ着を作ってやった。4兄たちは、父がどの兄弟よりもヨセフをかわいがるのを見て、ヨセフを憎み、穏やかに話すこともできなかった。 12兄たちが出かけて行き、シケムで父の羊の群れを飼っていたとき、13aイスラエルはヨセフに言った。 「兄さんたちはシケムで羊を飼っているはずだ。お前を彼らのところへやりたいのだが。」 17bヨセフは兄たちの後を追って行き、ドタンで一行を見つけた。 18兄たちは、はるか遠くの方にヨセフの姿を認めると、まだ近づいて来ないうちに、ヨセフを殺してしまおうとたくらみ、19相談した。 「おい、向こうから例の夢見るお方がやって来る。20さあ、今だ。あれを殺して、穴の一つに投げ込もう。後は、野獣に食われたと言えばよい。あれの夢がどうなるか、見てやろう。」 21ルべンはこれを聞いて、ヨセフを彼らの手から助け出そうとして、言った。 「命まで取るのはよそう。」 22ルべンは続けて言った。 「血を流してはならない。荒れ野のこの穴に投げ入れよう。手を下してはならない。」 ルべンは、ヨセフを彼らの手から助け出して、父のもとへ帰したかったのである。 23ヨセフがやって来ると、兄たちはヨセフが着ていた着物、裾の長い晴れ着をはぎ取り、24彼を捕らえて、穴に投げ込んだ。その穴は空で水はなかった。 25彼らはそれから、腰を下ろして食事を始めたが、ふと目を上げると、イシュマエル人の隊商がギレアドの方からやって来るのが見えた。らくだに樹脂、乳香、没薬を積んで、エジプトに下って行こうとしているところであった。26ユダは兄弟たちに言った。 「弟を殺して、その血を覆っても、何の得にもならない。27それより、あのイシュマエル人に売ろうではないか。弟に手をかけるのはよそう。あれだって、肉親の弟だから。」 兄弟たちは、これを聞き入れた。 28ところが、その間にミディアン人の商人たちが通りかかって、ヨセフを穴から引き上げ、銀二十枚でイシュマエル人に売ったので、彼らはヨセフをエジプトに連れて行ってしまった。 答唱詩編詩編30・2b+4、11+12神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。 詩編3030・2b神よ、あなたはわたしを救い、 11神よ、いつくしみ深くわたしを顧み、 福音朗読マタイ21・33-43、45-46神はひとり子をお与えになるほど、世を愛してくださった。神を信じる人は永遠の命に生きる。 マタイによる福音そのとき、イエスは祭司長や民の長老たちに言われた。21・33「もう一つのたとえを聞きなさい。ある家の主人がぶどう園を作り、垣を巡らし、その中に搾り場を掘り、見張りのやぐらを立て、これを農夫たちに貸して旅に出た。34さて、収穫の時が近づいたとき、収穫を受け取るために、僕たちを農夫たちのところへ送った。35だが、農夫たちはこの僕たちを捕まえ、一人を袋だたきにし、一人を殺し、一人を石で打ち殺した。36また、他の僕たちを前よりも多く送ったが、農夫たちは同じ目に遭わせた。37そこで最後に、『わたしの息子なら敬ってくれるだろう』と言って、主人は自分の息子を送った。38農夫たちは、その息子を見て話し合った。『これは跡取りだ。さあ、殺して、彼の相続財産を我々のものにしよう。』39そして、息子を捕まえ、ぶどう園の外にほうり出して殺してしまった。40さて、ぶどう園の主人が帰って来たら、この農夫たちをどうするだろうか。」41彼らは言った。「その悪人どもをひどい目に遭わせて殺し、ぶどう園は、季節ごとに収穫を納めるほかの農夫たちに貸すにちがいない。」42イエスは言われた。「聖書にこう書いてあるのを、まだ読んだことがないのか。 『家を建てる者の捨てた石、 43だから、言っておくが、神の国はあなたたちから取り上げられ、それにふさわしい実を結ぶ民族に与えられる。」 45祭司長たちやファリサイ派の人々はこのたとえを聞いて、イエスが自分たちのことを言っておられると気づき、46イエスを捕らえようとしたが、群衆を恐れた。群衆はイエスを預言者だと思っていたからである。 |
|||
四旬節第2土曜日 | 3月22日(土) | 四旬節 | |
第一朗読ミカ7・14-15、18-20主は再び我らを憐れみ、すべての罪を海の深みに投げ込まれる。 ミカの預言主よ、7・14あなたの杖をもって 答唱詩編詩編103・3+4、11+12心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編103103・3神はわたしの罪をゆるし、 11天が地より高いように、 福音朗読ルカ15・1-3、11-32父のもとに帰って言おう。「わたしは神にもあなたにも罪を犯しました。」 ルカによる福音そのとき、15・1徴税人や罪人が皆、話を聞こうとしてイエスに近寄って来た。2すると、ファリサイ派の人々や律法学者たちは、「この人は罪人たちを迎えて、食事まで一緒にしている」と不平を言いだした。3そこで、イエスは次のたとえを話された。 11「ある人に息子が二人いた。12弟の方が父親に、『お父さん、わたしが頂くことになっている財産の分け前をください』と言った。それで、父親は財産を二人に分けてやった。13何日もたたないうちに、下の息子は全部を金に換えて、遠い国に旅立ち、そこで放蕩の限りを尽くして、財産を無駄遣いしてしまった。14何もかも使い果たしたとき、その地方にひどい飢饉が起こって、彼は食べるにも困り始めた。15それで、その地方に住むある人のところに身を寄せたところ、その人は彼を畑にやって豚の世話をさせた。16彼は豚の食べるいなご豆を食べてでも腹を満たしたかったが、食べ物をくれる人はだれもいなかった。17そこで、彼は我に返って言った。『父のところでは、あんなに大勢の雇い人に、有り余るほどパンがあるのに、わたしはここで飢え死にしそうだ。18ここをたち、父のところに行って言おう。「お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。19もう息子と呼ばれる資格はありません。雇い人の一人にしてください」と。』20そして、彼はそこをたち、父親のもとに行った。ところが、まだ遠く離れていたのに、父親は息子を見つけて、憐れに思い、走り寄って首を抱き、接吻した。21息子は言った。『お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません。』22しかし、父親は僕たちに言った。『急いでいちばん良い服を持って来て、この子に着せ、手に指輪をはめてやり、足に履物を履かせなさい。23それから、肥えた子牛を連れて来て屠りなさい。食べて祝おう。24この息子は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったからだ。』そして、祝宴を始めた。 25ところで、兄の方は畑にいたが、家の近くに来ると、音楽や踊りのざわめきが聞こえてきた。26そこで、僕の一人を呼んで、これはいったい何事かと尋ねた。27僕は言った。『弟さんが帰って来られました。無事な姿で迎えたというので、お父上が肥えた子牛を屠られたのです。』28兄は怒って家に入ろうとはせず、父親が出て来てなだめた。29しかし、兄は父親に言った。『このとおり、わたしは何年もお父さんに仕えています。言いつけに背いたことは一度もありません。それなのに、わたしが友達と宴会をするために、子山羊一匹すらくれなかったではありませんか。30ところが、あなたのあの息子が、娼婦どもと一緒にあなたの身上を食いつぶして帰って来ると、肥えた子牛を屠っておやりになる。』31すると、父親は言った。『子よ、お前はいつもわたしと一緒にいる。わたしのものは全部お前のものだ。32だが、お前のあの弟は死んでいたのに生き返った。いなくなっていたのに見つかったのだ。祝宴を開いて楽しみ喜ぶのは当たり前ではないか。』」 |
|||
四旬節第3主日 | 3月23日(日) | 四旬節 | |
第一朗読出エジプト3・1-8a、13-15「わたしはある」という方がわたしをあなたたちに遣わされた。 出エジプト記そのころ、3・1モーセは、しゅうとでありミディアンの祭司であるエトロの羊の群れを飼っていたが、あるとき、その群れを荒れ野の奥へ追って行き、神の山ホレブに来た。2そのとき、柴の間に燃え上がっている炎の中に主の御使いが現れた。彼が見ると、見よ、柴は火に燃えているのに、柴は燃え尽きない。3モーセは言った。「道をそれて、この不思議な光景を見届けよう。どうしてあの柴は燃え尽きないのだろう。」 4主は、モーセが道をそれて見に来るのを御覧になった。神は柴の間から声をかけられ、「モーセよ、モーセよ」と言われた。彼が、「はい」と答えると、5神が言われた。「ここに近づいてはならない。足から履物を脱ぎなさい。あなたの立っている場所は聖なる土地だから。」6神は続けて言われた。「わたしはあなたの父の神である。アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である。」モーセは、神を見ることを恐れて顔を覆った。7主は言われた。「わたしは、エジプトにいるわたしの民の苦しみをつぶさに見、追い使う者のゆえに叫ぶ彼らの叫び声を聞き、その痛みを知った。8それゆえ、わたしは降って行き、エジプト人の手から彼らを救い出し、この国から、広々としたすばらしい土地、乳と蜜の流れる土地へ彼らを導き上る。」 13モーセは神に尋ねた。 「わたしは、今、イスラエルの人々のところへ参ります。彼らに、『あなたたちの先祖の神が、わたしをここに遣わされたのです』と言えば、彼らは、『その名は一体何か』と問うにちがいありません。彼らに何と答えるべきでしょうか。」 14神はモーセに、「わたしはある。わたしはあるという者だ」と言われ、また、「イスラエルの人々にこう言うがよい。『わたしはある』という方がわたしをあなたたちに遣わされたのだと。」15神は、更に続けてモーセに命じられた。 「イスラエルの人々にこう言うがよい。あなたたちの先祖の神、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である主がわたしをあなたたちのもとに遣わされた。 これこそ、とこしえにわたしの名 答唱詩編詩編103・3+4、6+7、8+13心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編103103・3神はわたしの罪をゆるし、 6神は正義のわざを行い、 8神は恵み豊かに、あわれみ深く、 第二朗読①コリント10・1-6、10-12荒れ野での民とモーセとの出来事が書き伝えられているのは、わたしたちに警告するためである。 使徒パウロのコリントの教会への手紙10・1兄弟たち、次のことはぜひ知っておいてほしい。わたしたちの先祖は皆、雲の下におり、皆、海を通り抜け、2皆、雲の中、海の中で、モーセに属するものとなる洗礼を授けられ、3皆、同じ霊的な食物を食べ、4皆が同じ霊的な飲み物を飲みました。彼らが飲んだのは、自分たちに離れずについて来た霊的な岩からでしたが、この岩こそキリストだったのです。5しかし、彼らの大部分は神の御心に適わず、荒れ野で滅ぼされてしまいました。6これらの出来事は、わたしたちを戒める前例として起こったのです。彼らが悪をむさぼったように、わたしたちが悪をむさぼることのないために。10彼らの中には不平を言う者がいたが、あなたがたはそのように不平を言ってはいけない。不平を言った者は、滅ぼす者に滅ぼされました。11これらのことは前例として彼らに起こったのです。それが書き伝えられているのは、時の終わりに直面しているわたしたちに警告するためなのです。12だから、立っていると思う者は、倒れないように気をつけなさい。 福音朗読ルカ13・1-9「神に立ち戻りなさい。神の国は来ている」と主は仰せになる。 ルカによる福音13・1ちょうどそのとき、何人かの人が来て、ピラトがガリラヤ人の血を彼らのいけにえに混ぜたことをイエスに告げた。2イエスはお答えになった。「そのガリラヤ人たちがそのような災難に遭ったのは、ほかのどのガリラヤ人よりも罪深い者だったからだと思うのか。3決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。4また、シロアムの塔が倒れて死んだあの十八人は、エルサレムに住んでいたほかのどの人々よりも、罪深い者だったと思うのか。5決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。」 6そして、イエスは次のたとえを話された。「ある人がぶどう園にいちじくの木を植えておき、実を探しに来たが見つからなかった。7そこで、園丁に言った。『もう三年もの間、このいちじくの木に実を探しに来ているのに、見つけたためしがない。だから切り倒せ。なぜ、土地をふさがせておくのか。』8園丁は答えた。『御主人様、今年もこのままにしておいてください。木の周りを掘って、肥やしをやってみます。9そうすれば、来年は実がなるかもしれません。もしそれでもだめなら、切り倒してください。』」 |
|||
四旬節第3月曜日 | 3月24日(月) | 四旬節 | |
第一朗読列王記下5・1-15aイスラエルのほか、この世界のどこにも神はおられないことが分かりました。 列王記そのころ、5・1アラムの王の軍司令官ナアマンは、主君に重んじられ、気に入られていた。主がかつて彼を用いてアラムに勝利を与えられたからである。この人は勇士であったが、重い皮膚病を患っていた。2アラム人がかつて部隊を編成して出動したとき、彼らはイスラエルの地から一人の少女を捕虜として連れて来て、ナアマンの妻の召し使いにしていた。3少女は女主人に言った。「御主人様がサマリアの預言者のところにおいでになれば、その重い皮膚病をいやしてもらえるでしょうに。」4ナアマンが主君のもとに行き、「イスラエルの地から来た娘がこのようなことを言っています」と伝えると、5アラムの王は言った。「行くがよい。わたしもイスラエルの王に手紙を送ろう。」こうしてナアマンは銀十キカル、金六千シェケル、着替えの服十着を携えて出かけた。6彼はイスラエルの王に手紙を持って行った。そこには、こうしたためられていた。 「今、この手紙をお届けするとともに、家臣ナアマンを送り、あなたに託します。彼の重い皮膚病をいやしてくださいますように。」7イスラエルの王はこの手紙を読むと、衣を裂いて言った。「わたしが人を殺したり生かしたりする神だとでも言うのか。この人は皮膚病の男を送りつけていやせと言う。よく考えてみよ。彼はわたしに言いがかりをつけようとしているのだ。」 8神の人エリシャはイスラエルの王が衣を裂いたことを聞き、王のもとに人を遣わして言った。「なぜあなたは衣を裂いたりしたのですか。その男をわたしのところによこしてください。彼はイスラエルに預言者がいることを知るでしょう。」 9ナアマンは数頭の馬と共に戦車に乗ってエリシャの家に来て、その入り口に立った。10エリシャは使いの者をやってこう言わせた。「ヨルダン川に行って七度身を洗いなさい。そうすれば、あなたの体は元に戻り、清くなります。」11ナアマンは怒ってそこを去り、こう言った。「彼が自ら出て来て、わたしの前に立ち、彼の神、主の名を呼び、患部の上で手を動かし、皮膚病をいやしてくれるものと思っていた。12イスラエルのどの流れの水よりもダマスコの川アバナやパルパルの方が良いではないか。これらの川で洗って清くなれないというのか。」彼は身を翻して、憤慨しながら去って行った。13しかし、彼の家来たちが近づいて来ていさめた。「わが父よ、あの預言者が大変なことをあなたに命じたとしても、あなたはそのとおりなさったにちがいありません。あの預言者は、『身を洗え、そうすれば清くなる』と言っただけではありませんか。」14ナアマンは神の人の言葉どおりに下って行って、ヨルダンに七度身を浸した。彼の体は元に戻り、小さい子供の体のようになり、清くなった。 15彼は随員全員を連れて神の人のところに引き返し、その前に来て立った。「イスラエルのほか、この世界のどこにも神はおられないことが分かりました。」 答唱詩編詩編42・3+4、5谷川の水を求めて、あえぎさまよう鹿のように、神よ、わたしはあなたを慕う。 詩編4242・3わたしの心はあなたを求め、 5思い起こせば心は高鳴る。 福音朗読ルカ4・24-30わたしは神を待ち望み、その言葉に希望をおく。神はいつくしみと救いの恵みに満ちておられる。 ルカによる福音そのとき、イエスは、ナザレの会堂で人々に言われた。4・24「はっきり言っておく。預言者は、自分の故郷では歓迎されないものだ。25確かに言っておく。エリヤの時代に三年六か月の間、雨が降らず、その地方一帯に大飢饉が起こったとき、イスラエルには多くのやもめがいたが、26エリヤはその中のだれのもとにも遣わされないで、シドン地方のサレプタのやもめのもとにだけ遣わされた。27また、預言者エリシャの時代に、イスラエルには重い皮膚病を患っている人が多くいたが、シリア人ナアマンのほかはだれも清くされなかった。」28これを聞いた会堂内の人々は皆憤慨し、29総立ちになって、イエスを町の外へ追い出し、町が建っている山の崖まで連れて行き、突き落とそうとした。30しかし、イエスは人々の間を通り抜けて立ち去られた。 |
|||
神のお告げ | 3月25日(火) | 年間の主の祝祭日 | |
第一朗読イザヤ7・10-14、8・10c見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み、その名をインマヌエルと呼ぶ。 イザヤの預言その日、7・10主はアハズに向かって言われた。 答唱詩編詩編40・6、10神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。 詩編4040・6神よ、あなたの不思議なわざは数えきれず、 10わたしは人々のつどいの中で、 第二朗読ヘブライ10・4-10わたしは来ました。神よ、御心を行うために。 ヘブライ人への手紙皆さん、10・4雄牛や雄山羊の血は、罪を取り除くことができません。 福音朗読ルカ1・26-38(アレルヤ、アレルヤ。)みことばは人となり、わたしたちのうちにお住みになった。わたしたちはその栄光を見た。(アレルヤ、アレルヤ。) ルカによる福音そのとき、1・26天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。27ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。そのおとめの名はマリアといった。28天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」29マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。30すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。31あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。32その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。33彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」34マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」35天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。36あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。37神にできないことは何一つない。」38マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は去って行った。 |
|||
四旬節第3水曜日 | 3月26日(水) | 四旬節 | |
第一朗読申命記4・1、5-9わたしが教える掟と法を忠実に行いなさい。 申命記モーセは民に言った。4・1イスラエルよ、今、わたしが教える掟と法を忠実に行いなさい。そうすればあなたたちは命を得、あなたたちの先祖の神、主が与えられる土地に入って、それを得ることができるであろう。 5見よ、わたしがわたしの神、主から命じられたとおり、あなたたちに掟と法を教えたのは、あなたたちがこれから入って行って得る土地でそれを行うためである。6あなたたちはそれを忠実に守りなさい。そうすれば、諸国の民にあなたたちの知恵と良識が示され、彼らがこれらすべての掟を聞くとき、「この大いなる国民は確かに知恵があり、賢明な民である」と言うであろう。7いつ呼び求めても、近くにおられる我々の神、主のような神を持つ大いなる国民がどこにあるだろうか。8またわたしが今日あなたたちに授けるこのすべての律法のように、正しい掟と法を持つ大いなる国民がどこにいるだろうか。 9ただひたすら注意してあなた自身に十分気をつけ、目で見たことを忘れず、生涯心から離すことなく、子や孫たちにも語り伝えなさい。 答唱詩編詩編147・12+13、20+12主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編147147・12エルサレムよ、神をほめたたえよ。 20神はほかの民にまだ示されず、 福音朗読マタイ5・17-19主よ、あなたのことばは霊であり、いのちです。あなたは永遠の命のことばをもっておられる。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・17「わたしが来たのは律法や預言者を廃止するためだ、と思ってはならない。廃止するためではなく、完成するためである。18はっきり言っておく。すべてのことが実現し、天地が消えうせるまで、律法の文字から一点一画も消え去ることはない。19だから、これらの最も小さな掟を一つでも破り、そうするようにと人に教える者は、天の国で最も小さい者と呼ばれる。しかし、それを守り、そうするように教える者は、天の国で大いなる者と呼ばれる。」 |
|||
四旬節第3木曜日 | 3月27日(木) | 四旬節 | |
第一朗読エレミヤ7・23-28わたしの声に聞き従え。 エレミヤの預言主は言われる。7・23わたしは次のことをわたしの民に命じた。「わたしの声に聞き従え。そうすれば、わたしはあなたたちの神となり、あなたたちはわたしの民となる。わたしが命じる道にのみ歩むならば、あなたたちは幸いを得る。」24しかし、彼らは聞き従わず、耳を傾けず、彼らのかたくなで悪い心のたくらみに従って歩み、わたしに背を向け、顔を向けなかった。25お前たちの先祖がエジプトの地から出たその日から、今日に至るまで、わたしの僕である預言者らを、常に繰り返しお前たちに遣わした。26それでも、わたしに聞き従わず、耳を傾けず、かえって、うなじを固くし、先祖よりも悪い者となった。 27あなたが彼らにこれらすべての言葉を語っても、彼らはあなたに聞き従わず、呼びかけても答えないであろう。28それゆえあなたは彼らに言うがよい。「これは、その神、主の声に聞き従わず、懲らしめを受け入れず、その口から真実が失われ、断たれている民だ。」 答唱詩編詩編95・5+6、7+8神に向かって喜びうたい、感謝の歌をささげよう。 詩編9595・5海は神のもの、神に造られたもの。 7神は、わたしたちの神。 福音朗読ルカ11・14-23心からわたしに立ち戻りなさい。わたしはいつくしみと恵みにあふれる神。 ルカによる福音そのとき、11・14イエスは悪霊を追い出しておられたが、それは口を利けなくする悪霊であった。悪霊が出て行くと、口の利けない人がものを言い始めたので、群衆は驚嘆した。15しかし、中には、「あの男は悪霊の頭ベルゼブルの力で悪霊を追い出している」と言う者や、16イエスを試そうとして、天からのしるしを求める者がいた。17しかし、イエスは彼らの心を見抜いて言われた。「内輪で争えば、どんな国でも荒れ果て、家は重なり合って倒れてしまう。18あなたたちは、わたしがベルゼブルの力で悪霊を追い出していると言うけれども、サタンが内輪もめすれば、どうしてその国は成り立って行くだろうか。19わたしがベルゼブルの力で悪霊を追い出すのなら、あなたたちの仲間は何の力で追い出すのか。だから、彼ら自身があなたたちを裁く者となる。20しかし、わたしが神の指で悪霊を追い出しているのであれば、神の国はあなたたちのところに来ているのだ。21強い人が武装して自分の屋敷を守っているときには、その持ち物は安全である。22しかし、もっと強い者が襲って来てこの人に勝つと、頼みの武具をすべて奪い取り、分捕り品を分配する。23わたしに味方しない者はわたしに敵対し、わたしと一緒に集めない者は散らしている。」 |
|||
四旬節第3金曜日 | 3月28日(金) | 四旬節 | |
第一朗読ホセア14・2-10イスラエルよ、立ち帰れ、あなたの神、主のもとへ。 ホセアの預言主は言われる。 主に立ち帰って言え。 5わたしは背く彼らをいやし 9ああエフライム 10知恵ある者はこれらのことをわきまえよ。 答唱詩編詩編81・9+10、14+17わたしが受けた神のことば。 詩編8181・9「民よ、聞け、わたしの戒めを。 14「民がわたしのことばに従い、 福音朗読マルコ12・28b-34「神に立ち戻りなさい。神の国は来ている」と主は仰せになる。 マルコによる福音そのとき、一人の律法学者が進み出てイエスに訪ねた。12・28b「あらゆる掟のうちで、どれが第一でしょうか。」29イエスはお答えになった。「第一の掟は、これである。『イスラエルよ、聞け、わたしたちの神である主は、唯一の主である。30心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』31第二の掟は、これである。『隣人を自分のように愛しなさい。』この二つにまさる掟はほかにない。」32律法学者はイエスに言った。「先生、おっしゃるとおりです。『神は唯一である。ほかに神はない』とおっしゃったのは、本当です。33そして、『心を尽くし、知恵を尽くし、力を尽くして神を愛し、また隣人を自分のように愛する』ということは、どんな焼き尽くす献げ物やいけにえよりも優れています。」34イエスは律法学者が適切な答えをしたのを見て、「あなたは、神の国から遠くない」と言われた。もはや、あえて質問する者はなかった。 |
|||
四旬節第3土曜日 | 3月29日(土) | 四旬節 | |
第一朗読ホセア6・1-6わたしの行う裁きは光のように現れる。 ホセアの預言6・1「さあ、我々は主のもとに帰ろう。 4エフライムよわたしはお前をどうしたらよいのか。 答唱詩編詩編51・18+19、20+21あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。 詩編5151・18あなたはいけにえを望まれず、 20み旨のままにシオンを恵みで潤し、 福音朗読ルカ18・9-14神に心を閉じてはならない。きょうこそ神のことばを聞こう。 ルカによる福音そのとき、18・9自分は正しい人間だとうぬぼれて、他人を見下している人々に対しても、イエスは次のたとえを話された。10「二人の人が祈るために神殿に上った。一人はファリサイ派の人で、もう一人は徴税人だった。11ファリサイ派の人は立って、心の中でこのように祈った。『神様、わたしはほかの人たちのように、奪い取る者、不正な者、姦通を犯す者でなく、また、この徴税人のような者でもないことを感謝します。12わたしは週に二度断食し、全収入の十分の一を献げています。』13ところが、徴税人は遠くに立って、目を天に上げようともせず、胸を打ちながら言った。『神様、罪人のわたしを憐れんでください。』14言っておくが、義とされて家に帰ったのは、この人であって、あのファリサイ派の人ではない。だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。」 |
|||
四旬節第4主日 | 3月30日(日) | 四旬節 | |
第一朗読ヨシュア5・9a、10-12約束の地に着いた神の民が過越祭を祝う ヨシュア記その日、5・9a主はヨシュアに言われた。「今日、わたしはあなたたちから、エジプトでの恥辱を取り除いた。」 10イスラエルの人々はギルガルに宿営していたが、その月の十四日の夕刻、エリコの平野で過越祭を祝った。11過越祭の翌日、その日のうちに彼らは土地の産物を、酵母を入れないパンや炒り麦にして食べた。12彼らが土地の産物を食べ始めたその日以来、マナは絶え、イスラエルの人々に、もはやマナはなくなった。彼らは、その年にカナンの土地で取れた収穫物を食べた。 答唱詩編詩編34・2+3、4+5、7+8主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編3434・2主をたたえよう、 4心を合わせて主をあがめ、 7主は貧しい者の叫びを聞き、 第二朗読二コリント5・17-21神は、キリストを通してわたしたちを御自分と和解させられた。 使徒パウロのコリントの教会への手紙5・17皆さん、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた。18これらはすべて神から出ることであって、神は、キリストを通してわたしたちを御自分と和解させ、また、和解のために奉仕する任務をわたしたちにお授けになりました。19つまり、神はキリストによって世を御自分と和解させ、人々の罪の責任を問うことなく、和解の言葉をわたしたちにゆだねられたのです。20ですから、神がわたしたちを通して勧めておられるので、わたしたちはキリストの使者の務めを果たしています。キリストに代わってお願いします。神と和解させていただきなさい。21罪と何のかかわりもない方を、神はわたしたちのために罪となさいました。わたしたちはその方によって神の義を得ることができたのです。 福音朗読ルカ15・1-3、11-32父のもとに帰って言おう。「わたしは神にもあなたにも罪を犯しました。」 ルカによる福音15・1徴税人や罪人が皆、話を聞こうとしてイエスに近寄って来た。2すると、ファリサイ派の人々や律法学者たちは、「この人は罪人たちを迎えて、食事まで一緒にしている」と不平を言いだした。3そこで、イエスは次のたとえを話された。 11「ある人に息子が二人いた。12弟の方が父親に、『お父さん、わたしが頂くことになっている財産の分け前をください』と言った。それで、父親は財産を二人に分けてやった。13何日もたたないうちに、下の息子は全部を金に換えて、遠い国に旅立ち、そこで放蕩の限りを尽くして、財産を無駄遣いしてしまった。14何もかも使い果たしたとき、その地方にひどい飢饉が起こって、彼は食べるにも困り始めた。15それで、その地方に住むある人のところに身を寄せたところ、その人は彼を畑にやって豚の世話をさせた。16彼は豚の食べるいなご豆を食べてでも腹を満たしたかったが、食べ物をくれる人はだれもいなかった。17そこで、彼は我に返って言った。『父のところでは、あんなに大勢の雇い人に、有り余るほどパンがあるのに、わたしはここで飢え死にしそうだ。18ここをたち、父のところに行って言おう。「お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。19もう息子と呼ばれる資格はありません。雇い人の一人にしてください」と。』20そして、彼はそこをたち、父親のもとに行った。ところが、まだ遠く離れていたのに、父親は息子を見つけて、憐れに思い、走り寄って首を抱き、接吻した。21息子は言った。『お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません。』22しかし、父親は僕たちに言った。『急いでいちばん良い服を持って来て、この子に着せ、手に指輪をはめてやり、足に履物を履かせなさい。23それから、肥えた子牛を連れて来て屠りなさい。食べて祝おう。24この息子は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったからだ。』そして、祝宴を始めた。25ところで、兄の方は畑にいたが、家の近くに来ると、音楽や踊りのざわめきが聞こえてきた。26そこで、僕の一人を呼んで、これはいったい何事かと尋ねた。27僕は言った。『弟さんが帰って来られました。無事な姿で迎えたというので、お父上が肥えた子牛を屠られたのです。』28兄は怒って家に入ろうとはせず、父親が出て来てなだめた。29しかし、兄は父親に言った。『このとおり、わたしは何年もお父さんに仕えています。言いつけに背いたことは一度もありません。それなのに、わたしが友達と宴会をするために、子山羊一匹すらくれなかったではありませんか。30ところが、あなたのあの息子が、娼婦どもと一緒にあなたの身上を食いつぶして帰って来ると、肥えた子牛を屠っておやりになる。』31すると、父親は言った。『子よ、お前はいつもわたしと一緒にいる。わたしのものは全部お前のものだ。32だが、お前のあの弟は死んでいたのに生き返った。いなくなっていたのに見つかったのだ。祝宴を開いて楽しみ喜ぶのは当たり前ではないか。』」 |
|||
四旬節第4月曜日 | 3月31日(月) | 四旬節 | |
第一朗読イザヤ65・17-21わたしは新しい天と新しい地を創造する。 イザヤの預言主は言われる。 21彼らは家を建てて住み 答唱詩編詩編30・2b+4、13神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。 詩編3030・2b神よ、あなたはわたしを救い、 13わたしの心はあなたをたたえ、 福音朗読ヨハネ4・43-54生きるために悪ではなく善を求めなさい。主はあなたがたとともにおられる。 ヨハネによる福音そのとき、イエスはサマリア4・43を出発して、ガリラヤへ行かれた。44イエスは自ら、「預言者は自分の故郷では敬われないものだ」とはっきり言われたことがある。45ガリラヤにお着きになると、ガリラヤの人たちはイエスを歓迎した。彼らも祭りに行ったので、そのときエルサレムでイエスがなさったことをすべて、見ていたからである。 46イエスは、再びガリラヤのカナに行かれた。そこは、前にイエスが水をぶどう酒に変えられた所である。さて、カファルナウムに王の役人がいて、その息子が病気であった。47この人は、イエスがユダヤからガリラヤに来られたと聞き、イエスのもとに行き、カファルナウムまで下って来て息子をいやしてくださるように頼んだ。息子が死にかかっていたからである。48イエスは役人に、「あなたがたは、しるしや不思議な業を見なければ、決して信じない」と言われた。49役人は、「主よ、子供が死なないうちに、おいでください」と言った。50イエスは言われた。「帰りなさい。あなたの息子は生きる。」その人は、イエスの言われた言葉を信じて帰って行った。51ところが、下って行く途中、僕たちが迎えに来て、その子が生きていることを告げた。52そこで、息子の病気が良くなった時刻を尋ねると、僕たちは、「きのうの午後一時に熱が下がりました」と言った。53それは、イエスが「あなたの息子は生きる」と言われたのと同じ時刻であることを、この父親は知った。そして、彼もその家族もこぞって信じた。54これは、イエスがユダヤからガリラヤに来てなされた、二回目のしるしである。 |
|||
04月 | |||
四旬節第4火曜日 | 4月1日(火) | 四旬節 | |
第一朗読エゼキエル47・1-9、12主の使いはわたしを神殿の入り口に連れ戻した。 エゼキエルの預言その日、主の使いは47・1わたしを神殿の入り口に連れ戻した。すると見よ、水が神殿の敷居の下から湧き上がって、東の方へ流れていた。神殿の正面は東に向いていた。水は祭壇の南側から出て神殿の南壁の下を流れていた。2彼はわたしを北の門から外へ回らせ、東に向かう外の門に導いた。見よ、水は南壁から流れていた。3その人は、手に測り縄を持って東の方に出て行き、一千アンマを測り、わたしに水の中を渡らせると、水はくるぶしまであった。4更に一千アンマを測って、わたしに水を渡らせると、水は膝に達した。更に、一千アンマを測って、わたしに水を渡らせると、水は腰に達した。5更に彼が一千アンマを測ると、もはや渡ることのできない川になり、水は増えて、泳がなければ渡ることのできない川になった。6彼はわたしに、「人の子よ、見ましたか」と言って、わたしを川岸へ連れ戻した。7わたしが戻って来ると、川岸には、こちら側にもあちら側にも、非常に多くの木が生えていた。8彼はわたしに言った。「これらの水は東の地域へ流れ、アラバに下り、海、すなわち汚れた海に入って行く。すると、その水はきれいになる。9川が流れて行く所ではどこでも、群がるすべての生き物は生き返り、魚も非常に多くなる。この水が流れる所では、水がきれいになるからである。この川が流れる所では、すべてのものが生き返る。12川のほとり、その岸には、こちら側にもあちら側にも、あらゆる果樹が大きくなり、葉は枯れず、果実は絶えることなく、月ごとに実をつける。水が聖所から流れ出るからである。その果実は食用となり、葉は薬用となる。」 答唱詩編イザヤ35・6cd+7ab、10喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。 イザヤ3535・6cd荒れ野に水が湧き出て、砂漠に川が流れる。 10cd楽しみと喜びが彼らにあふれ、 福音朗読ヨハネ5・1-3a、5-16神よ、わたしのうちに清い心を造り、あなたの救いの喜びをわたしに返してください。 ヨハネによる福音ユダヤ人の祭りの日に、5・1イエスはエルサレムに上られた。2エルサレムには羊の門の傍らに、ヘブライ語で「ベトザタ」と呼ばれる池があり、そこには五つの回廊があった。3この回廊には、病気の人、目の見えない人、足の不自由な人、体の麻痺した人などが、大勢横たわっていた。5さて、そこに三十八年も病気で苦しんでいる人がいた。6イエスは、その人が横たわっているのを見、また、もう長い間病気であるのを知って、「良くなりたいか」と言われた。7病人は答えた。「主よ、水が動くとき、わたしを池の中に入れてくれる人がいないのです。わたしが行くうちに、ほかの人が先に降りて行くのです。」8イエスは言われた。「起き上がりなさい。床を担いで歩きなさい。」9すると、その人はすぐに良くなって、床を担いで歩きだした。 その日は安息日であった。10そこで、ユダヤ人たちは病気をいやしていただいた人に言った。「今日は安息日だ。だから床を担ぐことは、律法で許されていない。」11しかし、その人は、「わたしをいやしてくださった方が、『床を担いで歩きなさい』と言われたのです」と答えた。12彼らは、「お前に『床を担いで歩きなさい』と言ったのはだれだ」と尋ねた。13しかし、病気をいやしていただいた人は、それがだれであるか知らなかった。イエスは、群衆がそこにいる間に、立ち去られたからである。14その後、イエスは、神殿の境内でこの人に出会って言われた。「あなたは良くなったのだ。もう、罪を犯してはいけない。さもないと、もっと悪いことが起こるかもしれない。」15この人は立ち去って、自分をいやしたのはイエスだと、ユダヤ人たちに知らせた。16そのために、ユダヤ人たちはイエスを迫害し始めた。イエスが、安息日にこのようなことをしておられたからである。 |
|||
四旬節第4水曜日 | 4月2日(水) | 四旬節 | |
第一朗読イザヤ49・8-15見よ、人々が北から、西から、また、シニムの地から来る。 イザヤの預言49・8主はこう言われる。 彼らは家畜を飼いつつ道を行き 11わたしはすべての山に道をひらき 14シオンは言う。 答唱詩編詩編145・13cd+14、17+18神は恵みとあわれみに満ち、怒るに遅く、いつくしみ深い。 詩編145145・13cd神のことばは正しく、 17神の行われることはすべて正しく、 福音朗読ヨハネ5・17-30わたしは復活であり、いのちである。わたしを信じる人は永遠に死ぬことはない。 ヨハネによる福音そのとき、イエスはユダヤ人たちにお答えになった。5・17「わたしの父は今もなお働いておられる。だから、わたしも働くのだ。」18このために、ユダヤ人たちは、ますますイエスを殺そうとねらうようになった。イエスが安息日を破るだけでなく、神を御自分の父と呼んで、御自身を神と等しい者とされたからである。 19そこで、イエスは彼らに言われた。「はっきり言っておく。子は、父のなさることを見なければ、自分からは何事もできない。父がなさることはなんでも、子もそのとおりにする。20父は子を愛して、御自分のなさることをすべて子に示されるからである。また、これらのことよりも大きな業を子にお示しになって、あなたたちが驚くことになる。21すなわち、父が死者を復活させて命をお与えになるように、子も、与えたいと思う者に命を与える。22また、父はだれをも裁かず、裁きは一切子に任せておられる。23すべての人が、父を敬うように、子をも敬うようになるためである。子を敬わない者は、子をお遣わしになった父をも敬わない。24はっきり言っておく。わたしの言葉を聞いて、わたしをお遣わしになった方を信じる者は、永遠の命を得、また、裁かれることなく、死から命へと移っている。25はっきり言っておく。死んだ者が神の子の声を聞く時が来る。今やその時である。その声を聞いた者は生きる。26父は、御自身の内に命を持っておられるように、子にも自分の内に命を持つようにしてくださったからである。27また、裁きを行う権能を子にお与えになった。子は人の子だからである。28驚いてはならない。時が来ると、墓の中にいる者は皆、人の子の声を聞き、29善を行った者は復活して命を受けるために、悪を行った者は復活して裁きを受けるために出て来るのだ。 30わたしは自分では何もできない。ただ、父から聞くままに裁く。わたしの裁きは正しい。わたしは自分の意志ではなく、わたしをお遣わしになった方の御心を行おうとするからである。」 |
|||
四旬節第4木曜日 | 4月3日(木) | 四旬節 | |
第一朗読出エジプト32・7-14イスラエルよ、これこそあなたをエジプトの国から導き上った神々だ 出エジプト記その日、32・7主はモーセに仰せになった。「直ちに下山せよ。あなたがエジプトの国から導き上った民は堕落し、8早くもわたしが命じた道からそれて、若い雄牛の鋳像を造り、それにひれ伏し、いけにえをささげて、『イスラエルよ、これこそあなたをエジプトの国から導き上った神々だ』と叫んでいる。」9主は更に、モーセに言われた。「わたしはこの民を見てきたが、実にかたくなな民である。10今は、わたしを引き止めるな。わたしの怒りは彼らに対して燃え上がっている。わたしは彼らを滅ぼし尽くし、あなたを大いなる民とする。」11モーセは主なる神をなだめて言った。「主よ、どうして御自分の民に向かって怒りを燃やされるのですか。あなたが大いなる御力と強い御手をもってエジプトの国から導き出された民ではありませんか。12どうしてエジプト人に、『あの神は、悪意をもって彼らを山で殺し、地上から滅ぼし尽くすために導き出した』と言わせてよいでしょうか。どうか、燃える怒りをやめ、御自分の民にくだす災いを思い直してください。13どうか、あなたの僕であるアブラハム、イサク、イスラエルを思い起こしてください。あなたは彼らに自ら誓って、『わたしはあなたたちの子孫を天の星のように増やし、わたしが与えると約束したこの土地をことごとくあなたたちの子孫に授け、永久にそれを継がせる』と言われたではありませんか。」14主は御自身の民にくだす、と告げられた災いを思い直された。 答唱詩編詩編130・1+2+3、7+8神はわたしの唯一の望み、わたしはあなたにより頼む。 詩編130130・1神よ、深いふちからあなたに叫び、 7イスラエルよ、神により頼め、 福音朗読ヨハネ5・31-47神はひとり子をお与えになるほど、世を愛してくださった。神を信じる人は永遠の命に生きる。 ヨハネによる福音そのとき、イエスはユダヤ人たちに言われた。5・31「もし、わたしが自分自身について証しをするなら、その証しは真実ではない。32わたしについて証しをなさる方は別におられる。そして、その方がわたしについてなさる証しは真実であることを、わたしは知っている。33あなたたちはヨハネのもとへ人を送ったが、彼は真理について証しをした。34わたしは、人間による証しは受けない。しかし、あなたたちが救われるために、これらのことを言っておく。35ヨハネは、燃えて輝くともし火であった。あなたたちは、しばらくの間その光のもとで喜び楽しもうとした。36しかし、わたしにはヨハネの証しにまさる証しがある。父がわたしに成し遂げるようにお与えになった業、つまり、わたしが行っている業そのものが、父がわたしをお遣わしになったことを証ししている。37また、わたしをお遣わしになった父が、わたしについて証しをしてくださる。あなたたちは、まだ父のお声を聞いたこともなければ、お姿を見たこともない。38また、あなたたちは、自分の内に父のお言葉をとどめていない。父がお遣わしになった者を、あなたたちは信じないからである。39あなたたちは聖書の中に永遠の命があると考えて、聖書を研究している。ところが、聖書はわたしについて証しをするものだ。40それなのに、あなたたちは、命を得るためにわたしのところへ来ようとしない。 41わたしは、人からの誉れは受けない。42しかし、あなたたちの内には神への愛がないことを、わたしは知っている。43わたしは父の名によって来たのに、あなたたちはわたしを受け入れない。もし、ほかの人が自分の名によって来れば、あなたたちは受け入れる。44互いに相手からの誉れは受けるのに、唯一の神からの誉れは求めようとしないあなたたちには、どうして信じることができようか。45わたしが父にあなたたちを訴えるなどと、考えてはならない。あなたたちを訴えるのは、あなたたちが頼りにしているモーセなのだ。46あなたたちは、モーセを信じたのであれば、わたしをも信じたはずだ。モーセは、わたしについて書いているからである。47しかし、モーセの書いたことを信じないのであれば、どうしてわたしが語ることを信じることができようか。」 |
|||
四旬節第4金曜日 | 4月4日(金) | 四旬節 | |
第一朗読知恵2・1a、12-22神を信じない者はこのように考える。 知恵の書神を信じない者は2・1こう言い合うが、その考えは誤っている。 答唱詩編詩編34・16+18、19+23主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編3434・16主のまなざしは正しい人に、 19主はしいたげにあう者のそばにおられ、 福音朗読ヨハネ7・1-2、10、25-30人はパンによるだけではなく、神の言葉によって生きている。 ヨハネによる福音そのとき、7・1イエスはガリラヤを巡っておられた。ユダヤ人が殺そうとねらっていたので、ユダヤを巡ろうとは思われなかった。2ときに、ユダヤ人の仮庵祭が近づいていた。 10兄弟たちが祭りに上って行ったとき、イエス御自身も、人目を避け、隠れるようにして上って行かれた。 25さて、エルサレムの人々の中には次のように言う者たちがいた。「これは、人々が殺そうとねらっている者ではないか。26あんなに公然と話しているのに、何も言われない。議員たちは、この人がメシアだということを、本当に認めたのではなかろうか。27しかし、わたしたちは、この人がどこの出身かを知っている。メシアが来られるときは、どこから来られるのか、だれも知らないはずだ。」28すると、神殿の境内で教えていたイエスは、大声で言われた。「あなたたちはわたしのことを知っており、また、どこの出身かも知っている。わたしは自分勝手に来たのではない。わたしをお遣わしになった方は真実であるが、あなたたちはその方を知らない。29わたしはその方を知っている。わたしはその方のもとから来た者であり、その方がわたしをお遣わしになったのである。」30人々はイエスを捕らえようとしたが、手をかける者はいなかった。イエスの時はまだ来ていなかったからである。 |
|||
四旬節第4土曜日 | 4月5日(土) | 四旬節 | |
第一朗読エレミヤ11・18-20主が知らせてくださったのでわたしは知った。 エレミヤの預言11・18主が知らせてくださったので 答唱詩編詩編56・2+3、4+10わたしは神により頼み、そのみことばをたたえよう。 詩編5656・2神よ、あわれみを注いでください。 4恐れにとらえられるとき、 福音朗読ヨハネ7・40-53よい心で神のことばを保ち、忍耐を持って実を結ぶ人は幸い。 ヨハネによる福音そのとき、イエスの7・40言葉を聞いて、群衆の中には、「この人は、本当にあの預言者だ」と言う者や、41「この人はメシアだ」と言う者がいたが、このように言う者もいた。「メシアはガリラヤから出るだろうか。42メシアはダビデの子孫で、ダビデのいた村ベツレヘムから出ると、聖書に書いてあるではないか。」43こうして、イエスのことで群衆の間に対立が生じた。44その中にはイエスを捕らえようと思う者もいたが、手をかける者はなかった。 45さて、祭司長たちやファリサイ派の人々は、下役たちが戻って来たとき、「どうして、あの男を連れて来なかったのか」と言った。46下役たちは、「今まで、あの人のように話した人はいません」と答えた。47すると、ファリサイ派の人々は言った。「お前たちまでも惑わされたのか。48議員やファリサイ派の人々の中に、あの男を信じた者がいるだろうか。49だが、律法を知らないこの群衆は、呪われている。」50彼らの中の一人で、以前イエスを訪ねたことのあるニコデモが言った。51「我々の律法によれば、まず本人から事情を聞き、何をしたかを確かめたうえでなければ、判決を下してはならないことになっているではないか。」52彼らは答えて言った。「あなたもガリラヤ出身なのか。よく調べてみなさい。ガリラヤからは預言者の出ないことが分かる。」 53人々はおのおの家へ帰って行った。 |
|||
四旬節第5主日 | 4月6日(日) | 四旬節 | |
第一朗読イザヤ43・16-21見よ、新しい事をわたしは行う。わたしはわたしの民に水を飲ませる。 イザヤの預言43・16主はこう言われる。 21わたしはこの民をわたしのために造った。 答唱詩編詩編126・1+2ab、2cd+3、4+6涙のうちに種まく人は、喜びのうちに刈り取る。 詩編126126・1神が捕らわれびとをシオンにもどされたとき、 2cd国々の民も叫んで言った、 4雨のあとにネゲブの川が流れを取りもどすように、 第二朗読フィリピ3・8-14わたしはキリストの死の姿にあやかりながら、キリストのゆえにすべてを失った。 使徒パウロのフィリピの教会への手紙皆さん、わたしは、3・8わたしの主キリスト・イエスを知ることのあまりのすばらしさに、今では他の一切を損失とみています。キリストのゆえに、わたしはすべてを失いましたが、それらを塵あくたと見なしています。キリストを得、9キリストの内にいる者と認められるためです。わたしには、律法から生じる自分の義ではなく、キリストへの信仰による義、信仰に基づいて神から与えられる義があります。10わたしは、キリストとその復活の力とを知り、その苦しみにあずかって、その死の姿にあやかりながら、11何とかして死者の中からの復活に達したいのです。 12わたしは、既にそれを得たというわけではなく、既に完全な者となっているわけでもありません。何とかして捕らえようと努めているのです。自分がキリスト・イエスに捕らえられているからです。13兄弟たち、わたし自身は既に捕らえたとは思っていません。なすべきことはただ一つ、後ろのものを忘れ、前のものに全身を向けつつ、14神がキリスト・イエスによって上へ召して、お与えになる賞を得るために、目標を目指してひたすら走ることです。 福音朗読ヨハネ8・1-11心からわたしに立ち戻りなさい。わたしはいつくしみと恵みにあふれる神。 ヨハネによる福音そのとき、8・1イエスはオリーブ山へ行かれた。2朝早く、再び神殿の境内に入られると、民衆が皆、御自分のところにやって来たので、座って教え始められた。3そこへ、律法学者たちやファリサイ派の人々が、姦通の現場で捕らえられた女を連れて来て、真ん中に立たせ、4イエスに言った。「先生、この女は姦通をしているときに捕まりました。5こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。ところで、あなたはどうお考えになりますか。」6イエスを試して、訴える口実を得るために、こう言ったのである。イエスはかがみ込み、指で地面に何か書き始められた。7しかし、彼らがしつこく問い続けるので、イエスは身を起こして言われた。「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」8そしてまた、身をかがめて地面に書き続けられた。9これを聞いた者は、年長者から始まって、一人また一人と、立ち去ってしまい、イエスひとりと、真ん中にいた女が残った。10イエスは、身を起こして言われた。「婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。だれもあなたを罪に定めなかったのか。」11女が、「主よ、だれも」と言うと、イエスは言われた。「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない。」 |
|||
四旬節第5月曜日 | 4月7日(月) | 四旬節 | |
第一朗読ダニエル補遺・スザンナ1-9、15-17、19-30、33-62(長い形)永遠の神、隠されたことを知り、あらゆることをその起こる前から知っておられる方よ。 ダニエルの預言1バビロンにヨアキムという男が住んでいた。2男は妻をめとった。ケルキアの娘で、名をスザンナといい、大層美しく、主を畏れるひとであった。3また、彼女の両親も正しい人で、自分たちの娘をモーセの律法に従って教育した。4夫ヨアキムは、大変裕福で、その家の隣に美しい庭園を持っていた。ヨアキムは、この上なく評判の良い人であったので、ユダヤ人たちはよく彼の所に集まった。5さて、その年、民の中から裁判官として二人の長老が選ばれた。「バビロンで、民を治めるはずの裁判官である長老から不法が始まった」と主が語られたのは、この二人についてである。6二人はいつもヨアキムの家に詰めており、裁きを求める人々は皆、彼らのもとにやって来た。7正午になり人々が立ち去ると、スザンナは、夫の庭園に入り散策するのが常であった。8二人の長老は、彼女が毎日庭に入り散策するのを見て、彼女に欲情を抱くようになった。9二人は理性を失い、天から目を背けて仰ぎ見ることもせず、正しい裁きに心を用いることもしなくなった。 15彼らが、折をうかがっていると、彼女がいつものように侍女二人だけを伴って庭に出て来たが、非常に暑い日であったので、水浴びをしようと思った。16そこには、隠れてのぞいている二人の長老のほかは、だれもいなかった。17スザンナは侍女に、「オリーブ油と香油を持って来なさい。水浴びをしますから庭園の戸は閉めておきなさい」と言った。 19侍女たちが出て行くと、二人の長老は立ち上がり、スザンナのもとに走り寄った。20彼らは言った。「ごらん。庭園の戸は閉じている。だれも見ていません。わたしたちは、あなたが欲しくてたまりません。言うことを聞いて身を任せなさい。21さもなければ、わたしたちは、『あなたが、若い男と一緒にいたので、侍女たちを下がらせたのだ』と証言します。」22そこで、スザンナは嘆息して言った。「わたしには逃げ道がありません。もし身を任せれば、わたしは死を免れません。もしそうしなければ、今度はあなたたちの罠にかかることになります。23そんなことをして主の前に罪を犯すよりは、あなたたちの罠にかかる方がましです。」24こう言って、スザンナは大声で叫びたてた。すると二人の長老も彼女に負けじと叫びたて、25一人が走って行き、庭園の戸を開け放った。26庭園の叫び声を聞きつけて、家の者たちは彼女の身に何事が起きたのかと、わきの戸口から駆け込んで来た。27そこで、長老たちは自分らの作り話をしたが、召し使いたちは非常に恥ずかしい思いでこれを聞いた。そのようなことは、スザンナについて言われたことがなかったからである。28翌日、人々が彼女の夫ヨアキムの家に集まったとき、二人の長老らもやって来た。二人は、スザンナを死罪に定めようというよこしまな考えを抱いていたのである。人々を前にして彼らは言った。29「ケルキアの娘、ヨアキムの妻スザンナを呼んで来なさい。」人々は彼女を呼びにやった。30スザンナは、両親や子供たち、それに親族の者たち皆と一緒にやって来た。 33彼女の身内の者も、見ていた人たちも皆泣いた。34二人の長老は、人々の中央に立ち、彼女の頭に手を置いた。35彼女は泣きながら天を仰いだ。心から主を信頼していたからである。36長老は言った。「我々が庭園を歩いておりますと、この女が二人のはしためを伴って入って来て、庭園の戸を閉め、彼女らを下がらせました。37すると、隠れていた一人の若者が彼女に近づき、彼女と一緒に横たわりました。38我々は庭園の片隅にいたのですが、このよこしまな行為を見て、彼らの方に走って行きました。39我々は、二人が情を交わしているのを見ましたが、その男を取り押さえることはできませんでした。彼は我々より力が強く、戸を開けて逃げてしまったのです。40そこで、我々はこの女を捕らえて、あの若者がだれかと問いただしましたが、41答えようとしませんでした。我々は、この事実を証言します。」集まっていた人々は、二人が民の長老であり、裁判官であるゆえに、その言葉を信じ、彼女を死罪に定めた。42すると、スザンナは、大声で叫んだ。「ああ、永遠の神、隠されたことを知り、あらゆることをその起こる前から知っておられる方よ。43彼らがわたしについて偽証したことをあなたはご存じです。御覧ください。この人たちが悪意をもって作り上げたことをわたしは何一つしませんでした。それなのに死なねばなりません。」44主は彼女の声を聞かれた。45彼女が処刑のために引かれて行くとき、神はダニエルという若者の内にある、聖なる霊を呼び覚まされた。46彼は大声で、「わたしは、この婦人の血について責任はない」と叫んだ。47それで、人々は皆、ダニエルの方を向いて、「あなたが言ったことは、いったい、どういうことなのか」と言った。48ダニエルは人々の真ん中に立って言った。「イスラエルの子らよ、あなたがたは、それほど愚かなのですか。究明もせず、真実も知らずに、イスラエルの娘を断罪するのですか。49もう一度、裁きの場に戻りなさい。なぜならこの二人は彼女について偽証したからです。」50そこで、人々は皆、急いで戻った。ほかの長老たちはダニエルに言った。「こちらへ来て我々の真ん中に座りなさい。そしてわたしたちにはっきり言いなさい。神があなたに長老の特権を与えられたのだから。」51ダニエルは彼らに言った。「あの二人を遠く引き離してください。わたしが審問いたします。」52それで、二人が別々に引き離されると、ダニエルはそのうちの一人を呼んで言った。「悪の日々を重ねてきた老いぼれよ、今や、あなたが過去に犯した罪の報いがやってきた。53主が、『罪なき人、正しい人を殺してはならない』と言っておられるにもかかわらず、あなたは不正な裁きを行い、罪なき人を断罪し、責めある者を見逃した。54あなたが彼女を見たと言うのなら言っていただきましょう。二人が一緒にいたのはどんな木の下でしたか。」それで彼は、「乳香樹の下だ」と答えた。55ダニエルは言った。「まさしくあなたは致命的な偽証をしたのだ。今や、神の使いが、神の判決を受け取り、あなたを二つに裂く。」56次にダニエルは彼を去らせ、他の一人を連れて来るよう命じた。ダニエルは彼に言った。「カナンの末裔よ、あなたはユダ族の子孫である資格はない。あなたは美貌に目がくらみ、欲情に心を迷わせた。57あなたたちはいつもこのように、イスラエルの娘たちにしていたのだ。彼女らは恐ろしさのあまりあなたたちに身を任せた。しかし、ユダの娘の中に一人、あなたたちのよこしまなふるまいに、屈服しなかった者がいる。58さて、わたしに答えていただきましょう。二人が一緒のところをあなたが捕らえたのは、どんな木の下でしたか。」彼は、「かしわの木の下だ」と答えた。59ダニエルは言った。「まさしくあなたも致命的な偽証をした。神の使いが剣を持ち、あなたを真っ二つに切り裂こうと待ち構え、あなたたちを討ち滅ぼす。」60すると全会衆は大声で叫び、神を、すなわち御自分に望みを置く人々を救われる神を賛美した。61人々は二人の長老に対して立ち上がった。なぜなら、彼らが偽証人であったことをダニエルが彼ら自身の証言によって明らかにしたからである。人々は二人がその隣人を陥れようとしたのと同じことを彼らに対して行った。62すなわちモーセの律法に従って二人を死刑に処したのである。こうしてこの日、無実の人の血が流されずにすんだ。 答唱詩編詩編23・2+3、4主はわれらの牧者、わたしは乏しいことがない。 詩編2323・2神はわたしを緑のまきばに伏させ、 4たとえ死の陰の谷を歩んでも、 福音朗読ヨハネ8・12-20悪を行う人が死ぬことなく、神に立ち戻って生きることを神は望んでおられる。 ヨハネによる福音そのとき、イエスはファリサイ派の人々に言われた。12「わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ。」13それで、ファリサイ派の人々が言った。「あなたは自分について証しをしている。その証しは真実ではない。」14イエスは答えて言われた。「たとえわたしが自分について証しをするとしても、その証しは真実である。自分がどこから来たのか、そしてどこへ行くのか、わたしは知っているからだ。しかし、あなたたちは、わたしがどこから来てどこへ行くのか、知らない。15あなたたちは肉に従って裁くが、わたしはだれをも裁かない。16しかし、もしわたしが裁くとすれば、わたしの裁きは真実である。なぜならわたしはひとりではなく、わたしをお遣わしになった父と共にいるからである。17あなたたちの律法には、二人が行う証しは真実であると書いてある。18わたしは自分について証しをしており、わたしをお遣わしになった父もわたしについて証しをしてくださる。」19彼らが「あなたの父はどこにいるのか」と言うと、イエスはお答えになった。「あなたたちは、わたしもわたしの父も知らない。もし、わたしを知っていたら、わたしの父をも知るはずだ。」20イエスは神殿の境内で教えておられたとき、宝物殿の近くでこれらのことを話された。しかし、だれもイエスを捕らえなかった。イエスの時がまだ来ていなかったからである。 |
|||
四旬節第5火曜日 | 4月8日(火) | 四旬節 | |
第一朗読民数記21・4-9なぜ、我々をエジプトから導き上ったのですか。 民数記その日、イスラエルの民は21・4ホル山を旅立ち、エドムの領土を迂回し、葦の海の道を通って行った。しかし、民は途中で耐えきれなくなって、5神とモーセに逆らって言った。「なぜ、我々をエジプトから導き上ったのですか。荒れ野で死なせるためですか。パンも水もなく、こんな粗末な食物では、気力もうせてしまいます。」6主は炎の蛇を民に向かって送られた。蛇は民をかみ、イスラエルの民の中から多くの死者が出た。7民はモーセのもとに来て言った。「わたしたちは主とあなたを非難して、罪を犯しました。主に祈って、わたしたちから蛇を取り除いてください。」モーセは民のために主に祈った。8主はモーセに言われた。「あなたは炎の蛇を造り、旗竿の先に掲げよ。蛇にかまれた者がそれを見上げれば、命を得る。」9モーセは青銅で一つの蛇を造り、旗竿の先に掲げた。蛇が人をかんでも、その人が青銅の蛇を仰ぐと、命を得た。 答唱詩編詩編78・5+10+11、32+35神のわざを思い起こそう、力ある不思議なわざ。 詩編7878・5神はヤコブにおきてを与え、 32それでも、彼らは罪を犯し、 福音朗読ヨハネ8・21-30種は神のことば、蒔く人はキリスト。キリストを見いだす人は永遠に生きる。 ヨハネによる福音そのとき、イエスはファリサイ派の人々に言われた。8・21「わたしは去って行く。あなたたちはわたしを捜すだろう。だが、あなたたちは自分の罪のうちに死ぬことになる。わたしの行く所に、あなたたちは来ることができない。」22ユダヤ人たちが、「『わたしの行く所に、あなたたちは来ることができない』と言っているが、自殺でもするつもりなのだろうか」と話していると、23イエスは彼らに言われた。「あなたたちは下のものに属しているが、わたしは上のものに属している。あなたたちはこの世に属しているが、わたしはこの世に属していない。24だから、あなたたちは自分の罪のうちに死ぬことになると、わたしは言ったのである。『わたしはある』ということを信じないならば、あなたたちは自分の罪のうちに死ぬことになる。」25彼らが、「あなたは、いったい、どなたですか」と言うと、イエスは言われた。「それは初めから話しているではないか。26あなたたちについては、言うべきこと、裁くべきことがたくさんある。しかし、わたしをお遣わしになった方は真実であり、わたしはその方から聞いたことを、世に向かって話している。」27彼らは、イエスが御父について話しておられることを悟らなかった。28そこで、イエスは言われた。「あなたたちは、人の子を上げたときに初めて、『わたしはある』ということ、また、わたしが、自分勝手には何もせず、ただ、父に教えられたとおりに話していることが分かるだろう。29わたしをお遣わしになった方は、わたしと共にいてくださる。わたしをひとりにしてはおかれない。わたしは、いつもこの方の御心に適うことを行うからである。」30これらのことを語られたとき、多くの人々がイエスを信じた。 |
|||
四旬節第5水曜日 | 4月9日(水) | 四旬節 | |
第一朗読ダニエル3・14-20、24-25、28お前たちがわたしの神に仕えず、わたしの建てた金の像を拝まないというのは本当か。 ダニエルの預言その日、ネブカドネツァル王は言った。3・14「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴ、お前たちがわたしの神に仕えず、わたしの建てた金の像を拝まないというのは本当か。15今、角笛、横笛、六絃琴、竪琴、十三絃琴、風琴などあらゆる楽器の音楽が聞こえると同時にひれ伏し、わたしの建てた金の像を拝むつもりでいるなら、それでよい。もしも拝まないなら、直ちに燃え盛る炉に投げ込ませる。お前たちをわたしの手から救い出す神があろうか。」 16シャドラク、メシャク、アベド・ネゴはネブカドネツァル王に答えた。 「このお定めにつきまして、お答えする必要はございません。17わたしたちのお仕えする神は、その燃え盛る炉や王様の手からわたしたちを救うことができますし、必ず救ってくださいます。18そうでなくとも、御承知ください。わたしたちは王様の神々に仕えることも、お建てになった金の像を拝むことも、決していたしません。」 19ネブカドネツァル王はシャドラク、メシャク、アベド・ネゴに対して血相を変えて怒り、炉をいつもの七倍も熱く燃やすように命じた。20そして兵士の中でも特に強い者に命じて、シャドラク、メシャク、アベド・ネゴを縛り上げ、燃え盛る炉に投げ込ませた。 24間もなく王は驚きの色を見せ、急に立ち上がり、側近たちに尋ねた。 「あの三人の男は、縛ったまま炉に投げ込んだはずではなかったか。」 彼らは答えた。 「王様、そのとおりでございます。」 25王は言った。 「だが、わたしには四人の者が火の中を自由に歩いているのが見える。そして何の害も受けていない。それに四人目の者は神の子のような姿をしている。」 28ネブカドネツァル王は言った。 「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの神をたたえよ。彼らは王の命令に背き、体を犠牲にしても自分の神に依り頼み、自分の神以外にはいかなる神にも仕えず、拝もうともしなかったので、この僕たちを、神は御使いを送って救われた。」 答唱詩編ダニエル補遺・アザルヤ29、30+32神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。 ダニエル補遺・アザルヤ29わたしたちの先祖の神である主よ、あなたに賛美。 30あなたの栄光、聖なる神殿の中であなたに賛美。 福音朗読ヨハネ8・31-42よい心で神のことばを保ち、忍耐を持って実を結ぶ人は幸い。 ヨハネによる福音そのとき、8・31イエスは、御自分を信じたユダヤ人たちに言われた。「わたしの言葉にとどまるならば、あなたたちは本当にわたしの弟子である。32あなたたちは真理を知り、真理はあなたたちを自由にする。」33すると、彼らは言った。「わたしたちはアブラハムの子孫です。今までだれかの奴隷になったことはありません。『あなたたちは自由になる』とどうして言われるのですか。」34イエスはお答えになった。「はっきり言っておく。罪を犯す者はだれでも罪の奴隷である。35奴隷は家にいつまでもいるわけにはいかないが、子はいつまでもいる。36だから、もし子があなたたちを自由にすれば、あなたたちは本当に自由になる。37あなたたちがアブラハムの子孫だということは、分かっている。だが、あなたたちはわたしを殺そうとしている。わたしの言葉を受け入れないからである。38わたしは父のもとで見たことを話している。ところが、あなたたちは父から聞いたことを行っている。」 39彼らが答えて、「わたしたちの父はアブラハムです」と言うと、イエスは言われた。「アブラハムの子なら、アブラハムと同じ業をするはずだ。40ところが、今、あなたたちは、神から聞いた真理をあなたたちに語っているこのわたしを、殺そうとしている。アブラハムはそんなことはしなかった。41あなたたちは、自分の父と同じ業をしている。」そこで彼らが、「わたしたちは姦淫によって生まれたのではありません。わたしたちにはただひとりの父がいます。それは神です」と言うと、42イエスは言われた。「神があなたたちの父であれば、あなたたちはわたしを愛するはずである。なぜなら、わたしは神のもとから来て、ここにいるからだ。わたしは自分勝手に来たのではなく、神がわたしをお遣わしになったのである。」 |
|||
四旬節第5木曜日 | 4月10日(木) | 四旬節 | |
第一朗読創世記17・3-9あなたは、もはやアブラムではなく、アブラハムと名乗りなさい。 創世記その日、神は、ひれ伏しているアブラハムに17・3語りかけて言われた。 4「これがあなたと結ぶわたしの契約である。あなたは多くの国民の父となる。5あなたは、もはやアブラムではなく、アブラハムと名乗りなさい。あなたを多くの国民の父とするからである。 6わたしは、あなたをますます繁栄させ、諸国民の父とする。王となる者たちがあなたから出るであろう。7わたしは、あなたとの間に、また後に続く子孫との間に契約を立て、それを永遠の契約とする。そして、あなたとあなたの子孫の神となる。8わたしは、あなたが滞在しているこのカナンのすべての土地を、あなたとその子孫に、永久の所有地として与える。わたしは彼らの神となる。」 9神はまた、アブラハムに言われた。 答唱詩編詩編105・3b+4+5、6+7+8a+10b心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編105105・3b神を捜し求める者よ、心から喜べ。 6神のしもべ、選ばれた者よ、 福音朗読ヨハネ8・51-59神に心を閉じてはならない。今日こそ神のことばを聞こう。 ヨハネによる福音そのとき、イエスはユダヤ人たちに言われた。8・51「はっきり言っておく。わたしの言葉を守るなら、その人は決して死ぬことがない。」52ユダヤ人たちは言った。「あなたが悪霊に取りつかれていることが、今はっきりした。アブラハムは死んだし、預言者たちも死んだ。ところが、あなたは、『わたしの言葉を守るなら、その人は決して死を味わうことがない』と言う。53わたしたちの父アブラハムよりも、あなたは偉大なのか。彼は死んだではないか。預言者たちも死んだ。いったい、あなたは自分を何者だと思っているのか。」54イエスはお答えになった。「わたしが自分自身のために栄光を求めようとしているのであれば、わたしの栄光はむなしい。わたしに栄光を与えてくださるのはわたしの父であって、あなたたちはこの方について、『我々の神だ』と言っている。55あなたたちはその方を知らないが、わたしは知っている。わたしがその方を知らないと言えば、あなたたちと同じくわたしも偽り者になる。しかし、わたしはその方を知っており、その言葉を守っている。56あなたたちの父アブラハムは、わたしの日を見るのを楽しみにしていた。そして、それを見て、喜んだのである。」57ユダヤ人たちが、「あなたは、まだ五十歳にもならないのに、アブラハムを見たのか」と言うと、58イエスは言われた。「はっきり言っておく。アブラハムが生まれる前から、『わたしはある。』」59すると、ユダヤ人たちは、石を取り上げ、イエスに投げつけようとした。しかし、イエスは身を隠して、神殿の境内から出て行かれた。 |
|||
聖スタニスラオ 司教殉教者 | 4月11日(金) | 記念日 | |
第一朗読エレミヤ20・10-13主に向かって歌い、主を賛美せよ。 エレミヤの預言20・10わたしには聞こえています 11しかし主は、恐るべき勇士として 13主に向かって歌い、主を賛美せよ。 答唱詩編詩編18・3、33+37神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。 詩編1818・3神はわたしのとりで、わたしの岩、 33神はわたしに力を与え、 福音朗読ヨハネ10・31-42主よ、あなたのことばは霊であり、いのちです。あなたは永遠の命のことばをもっておられる。 ヨハネによる福音そのとき、10・31ユダヤ人たちは、イエスを石で打ち殺そうとして、また石を取り上げた。32すると、イエスは言われた。「わたしは、父が与えてくださった多くの善い業をあなたたちに示した。その中のどの業のために、石で打ち殺そうとするのか。」33ユダヤ人たちは答えた。「善い業のことで、石で打ち殺すのではない。神を冒涜したからだ。あなたは、人間なのに、自分を神としているからだ。」34そこで、イエスは言われた。「あなたたちの律法に、『わたしは言う。あなたたちは神々である』と書いてあるではないか。35神の言葉を受けた人たちが、『神々』と言われている。そして、聖書が廃れることはありえない。36それなら、父から聖なる者とされて世に遣わされたわたしが、『わたしは神の子である』と言ったからとて、どうして『神を冒涜している』と言うのか。37もし、わたしが父の業を行っていないのであれば、わたしを信じなくてもよい。38しかし、行っているのであれば、わたしを信じなくても、その業を信じなさい。そうすれば、父がわたしの内におられ、わたしが父の内にいることを、あなたたちは知り、また悟るだろう。」39そこで、ユダヤ人たちはまたイエスを捕らえようとしたが、イエスは彼らの手を逃れて、去って行かれた。 40イエスは、再びヨルダンの向こう側、ヨハネが最初に洗礼を授けていた所に行って、そこに滞在された。41多くの人がイエスのもとに来て言った。「ヨハネは何のしるしも行わなかったが、彼がこの方について話したことは、すべて本当だった。」42そこでは、多くの人がイエスを信じた。 |
|||
四旬節第5土曜日 | 4月12日(土) | 四旬節 | |
第一朗読エゼキエル37・21-28わたしがイスラエルを聖別する主であることを知るようになる。 エゼキエル預言37・21主なる神はこう言われる。「わたしはイスラエルの子らを、彼らが行っていた国々の中から取り、周囲から集め、彼らの土地に連れて行く。22わたしはわたしの地、イスラエルの山々で彼らを一つの国とする。一人の王が彼らすべての王となる。彼らは二度と二つの国となることなく、二度と二つの王国に分かれることはない。23彼らは二度と彼らの偶像や憎むべきもの、もろもろの背きによって汚されることはない。わたしは、彼らが過ちを犯したすべての背信から彼らを救い清める。そして、彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。24わたしの僕ダビデは彼らの王となり、一人の牧者が彼らすべての牧者となる。彼らはわたしの裁きに従って歩み、わたしの掟を守り行う。25彼らはわたしがわが僕ヤコブに与えた土地に住む。そこはお前たちの先祖が住んだ土地である。彼らも、その子らも、孫たちも、皆、永遠に至るまでそこに住む。そして、わが僕ダビデが永遠に彼らの支配者となる。26わたしは彼らと平和の契約を結ぶ。それは彼らとの永遠の契約となる。わたしは彼らの住居を定め、彼らを増し加える。わたしはまた、永遠に彼らの真ん中にわたしの聖所を置く。27わたしの住まいは彼らと共にあり、わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。28わたしの聖所が永遠に彼らの真ん中に置かれるとき、諸国民は、わたしがイスラエルを聖別する主であることを知るようになる。」 答唱詩編詩編65・5、6われらはシオンで神をたたえ、豊かな恵みを喜びうたう。 詩編6565・5あなたの庭に住むように選ばれ、 6わたしたちの救い、わたしたちの神よ、 福音朗読ヨハネ11・45-56わたしにはむかう心を捨てて、新しい霊と心を身につけよ。 ヨハネによる福音そのとき、11・45マリアのところに来て、イエスのなさったことを目撃したユダヤ人の多くは、イエスを信じた。46しかし、中には、ファリサイ派の人々のもとへ行き、イエスのなさったことを告げる者もいた。47そこで、祭司長たちとファリサイ派の人々は最高法院を召集して言った。「この男は多くのしるしを行っているが、どうすればよいか。48このままにしておけば、皆が彼を信じるようになる。そして、ローマ人が来て、我々の神殿も国民も滅ぼしてしまうだろう。」49彼らの中の一人で、その年の大祭司であったカイアファが言った。「あなたがたは何も分かっていない。50一人の人間が民の代わりに死に、国民全体が滅びないで済む方が、あなたがたに好都合だとは考えないのか。」51これは、カイアファが自分の考えから話したのではない。その年の大祭司であったので預言して、イエスが国民のために死ぬ、と言ったのである。52国民のためばかりでなく、散らされている神の子たちを一つに集めるためにも死ぬ、と言ったのである。53この日から、彼らはイエスを殺そうとたくらんだ。 54それで、イエスはもはや公然とユダヤ人たちの間を歩くことはなく、そこを去り、荒れ野に近い地方のエフライムという町に行き、弟子たちとそこに滞在された。 55さて、ユダヤ人の過越祭が近づいた。多くの人が身を清めるために、過越祭の前に地方からエルサレムへ上った。56彼らはイエスを捜し、神殿の境内で互いに言った。「どう思うか。あの人はこの祭りには来ないのだろうか。」 |
|||
受難の主日[枝の主日] | 4月13日(日) | 四旬節 | |
入城の福音ルカ19・28-40主の名によって来られる方に、祝福があるように。 ルカによる福音そのとき、19・28イエスは先に立って進み、エルサレムに上って行かれた。29そして、「オリーブ畑」と呼ばれる山のふもとにあるベトファゲとベタニアに近づいたとき、二人の弟子を使いに出そうとして、30言われた。「向こうの村へ行きなさい。そこに入ると、まだだれも乗ったことのない子ろばのつないであるのが見つかる。それをほどいて、引いて来なさい。31もし、だれかが、『なぜほどくのか』と尋ねたら、『主がお入り用なのです』と言いなさい。」32使いに出された者たちが出かけて行くと、言われたとおりであった。33ろばの子をほどいていると、その持ち主たちが、「なぜ、子ろばをほどくのか」と言った。34二人は、「主がお入り用なのです」と言った。35そして、子ろばをイエスのところに引いて来て、その上に自分の服をかけ、イエスをお乗せした。36イエスが進んで行かれると、人々は自分の服を道に敷いた。37イエスがオリーブ山の下り坂にさしかかられたとき、弟子の群れはこぞって、自分の見たあらゆる奇跡のことで喜び、声高らかに神を賛美し始めた。 第一朗読イザヤ50・4-7わたしは顔を隠さずに、嘲りを受けた。しかしわたしは知っている。わたしが辱められることはない、と。 イザヤの預言50・4主なる神は、弟子としての舌をわたしに与え 答唱詩編詩編22・8+9、17+18、19+20、23+24わたしの神、わたしの神、どうしてわたしを見捨てられるのか。 詩編2222・8わたしを見る者はみなあざ笑い、 17犬がわたしを取り囲み、 19彼らはわたしの衣を分け合い、 23わたしはあなたの名を兄弟に告げ、 第二朗読フィリピ2・6-11キリストはへりくだった。このため神はキリストを高く上げた。 使徒パウロのフィリピの教会への手紙2・6イエス・キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、7かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、8へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。9このため、神はキリストを高く上げ、あらゆる名にまさる名をお与えになりました。10こうして、天上のもの、地上のもの、地下のものがすべて、イエスの御名にひざまずき、11すべての舌が、「イエス・キリストは主である」と公に宣べて、父である神をたたえるのです。 受難の朗読ルカ23・1-49「キリストは人間の姿で」 ルカによる主イエス・キリストの受難C そのとき、23・1民の長老会、祭司長たちや律法学者たちは立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。2そして、イエスをこう訴え始めた。 S 「この男はわが民族を惑わし、皇帝に税を納めるのを禁じ、また、自分が王たるメシアだと言っていることが分かりました。」 C 3そこで、ピラトがイエスに尋問した。 A 「お前がユダヤ人の王なのか。」 C イエスはお答えになった。 十 「それは、あなたが言っていることです。」 C 4ピラトは祭司長たちと群衆に言った。 A 「わたしはこの男に何の罪も見いだせない。」 C 5しかし、彼らは言い張った。 S 「この男は、ガリラヤから始めてこの都に至るまで、ユダヤ全土で教えながら、民衆を扇動しているのです。」 C 6これを聞いたピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ね、7ヘロデの支配下にあることを知ると、イエスをヘロデのもとに送った。へロデも当時、エルサレムに滞在していたのである。8彼はイエスを見ると、非常に喜んだ。というのは、イエスのうわさを聞いて、ずっと以前から会いたいと思っていたし、イエスが何かしるしを行うのを見たいと望んでいたからである。9それで、いろいろと尋問したが、イエスは何もお答えにならなかった。10祭司長たちと律法学者たちはそこにいて、イエスを激しく訴えた。11ヘロデも自分の兵士たちと一緒にイエスをあざけり、侮辱したあげく、派手な衣を着せてピラトに送り返した。12この日、ヘロデとピラトは仲がよくなった。それまでは互いに敵対していたのである。13ピラトは、祭司長たちと議員たちと民衆とを呼び集めて、14言った。 A 「あなたたちは、この男を民衆を惑わす者としてわたしのところに連れて来た。わたしはあなたたちの前で取り調べたが、訴えているような犯罪はこの男には何も見つからなかった。15ヘロデとても同じであった。それで、我々のもとに送り返してきたのだが、この男は死刑に当たるようなことは何もしていない。16だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」 C 18しかし、人々は一斉に叫んだ。 S 「その男を殺せ。バラバを釈放しろ。」 C 19このバラバは、都に起こった暴動と殺人のかどで投獄されていたのである。20ピラトはイエスを釈放しようと思って、改めて呼びかけた。21しかし、人々は叫び続けた。 S 「十字架につけろ、十字架につけろ。」 C 22ピラトは三度目に言った。 A 「いったい、どんな悪事を働いたと言うのか。この男には死刑に当たる犯罪は何も見つからなかった。だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」 C 23ところが人々は、イエスを十字架につけるようにあくまでも大声で要求し続けた。その声はますます強くなった。24そこで、ピラトは彼らの要求をいれる決定を下した。25そして、暴動と殺人のかどで投獄されていたバラバを要求どおりに釈放し、イエスの方は彼らに引き渡して、好きなようにさせた。26人々はイエスを引いて行く途中、田舎から出て来たシモンというキレネ人を捕まえて、十字架を背負わせ、イエスの後ろから運ばせた。27民衆と嘆き悲しむ婦人たちが大きな群れを成して、イエスに従った。28イエスは婦人たちの方を振り向いて言われた。 十 「エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子供たちのために泣け。29人々が、『子を産めない女、産んだことのない胎、乳を飲ませたことのない乳房は幸いだ』と言う日が来る。30そのとき、人々は山に向かっては、『我々の上に崩れ落ちてくれ』と言い、丘に向かっては、『我々を覆ってくれ』と言い始める。31『生の木』さえこうされるのなら、『枯れた木』はいったいどうなるのだろうか。」 C 32ほかにも、二人の犯罪人が、イエスと一緒に死刑にされるために、引かれて行った。33「されこうべ」と呼ばれている所に来ると、そこで人々はイエスを十字架につけた。犯罪人も、一人は右に一人は左に、十字架につけた。34そのとき、イエスは言われた。 十 「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」 C 人々はくじを引いて、イエスの服を分け合った。35民衆は立って見つめていた。議員たちも、あざ笑って言った。 A 「他人を救ったのだ。もし神からのメシアで、選ばれた者なら、自分を救うがよい。」 C 36兵士たちもイエスに近寄り、酸いぶどう酒を突きつけながら侮辱して、37言った。 A 「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ。」 C 38イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札も掲げてあった。39十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。 A 「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」 C 40すると、もう一人の方がたしなめた。 A 「お前は神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。41我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」 C 42そして、言った。 A 「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください。」 C 43すると、イエスは言われた。 十 「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる。」 C 44既に昼の十二時ごろであった。全地は暗くなり、それが三時まで続いた。45太陽は光を失っていた。神殿の垂れ幕が真ん中から裂けた。46イエスは大声で叫ばれた。 十 「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」 C こう言って息を引き取られた。 47百人隊長はこの出来事を見て、神を賛美して言った。 A 「本当に、この人は正しい人だった。」 C 48見物に集まっていた群衆も皆、これらの出来事を見て、胸を打ちながら帰って行った。49イエスを知っていたすべての人たちと、ガリラヤから従って来た婦人たちとは遠くに立って、これらのことを見ていた。 |
|||
受難の月曜日 | 4月14日(月) | 四旬節 | |
第一朗読イザヤ42・1-7主であるわたしは、恵みをもってあなたを呼び、あなたの手を取った。 イザヤの預言42・1見よ、わたしの僕、わたしが支える者を。 5主である神はこう言われる。 答唱詩編詩編27・1、13+14神よ、あなたの顔の光を、わたしたちの上に照らしてください。 詩編2727・1神はわたしの光、わたしの救い、 13神に生きる人々の中で 福音朗読ヨハネ12・1-11わたしたちの王である主よ、わたしたちの過ちをあわれんでくださったのはあなただけです。 ヨハネによる福音12・1過越祭の六日前に、イエスはベタニアに行かれた。そこには、イエスが死者の中からよみがえらせたラザロがいた。2イエスのためにそこで夕食が用意され、マルタは給仕をしていた。ラザロは、イエスと共に食事の席に着いた人々の中にいた。3そのとき、マリアが純粋で非常に高価なナルドの香油を一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐった。家は香油の香りでいっぱいになった。4弟子の一人で、後にイエスを裏切るイスカリオテのユダが言った。5「なぜ、この香油を三百デナリオンで売って、貧しい人々に施さなかったのか。」6彼がこう言ったのは、貧しい人々のことを心にかけていたからではない。彼は盗人であって、金入れを預かっていながら、その中身をごまかしていたからである。7イエスは言われた。「この人のするままにさせておきなさい。わたしの葬りの日のために、それを取って置いたのだから。8貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、わたしはいつも一緒にいるわけではない。」 9イエスがそこにおられるのを知って、ユダヤ人の大群衆がやって来た。それはイエスだけが目当てではなく、イエスが死者の中からよみがえらせたラザロを見るためでもあった。10祭司長たちはラザロをも殺そうと謀った。11多くのユダヤ人がラザロのことで離れて行って、イエスを信じるようになったからである。 |
|||
受難の火曜日 | 4月15日(火) | 四旬節 | |
第一朗読イザヤ49・1-6わたしはあなたを国々の光とする。 イザヤの預言49・1島々よ、わたしに聞け 答唱詩編詩編71・3b+4+5a、6b+15+16父よ、あなたこそわたしの神、わたしのすべてをあなたに。 詩編7171・3b神よ、あなたはわたしの岩、わたしのとりで。 6b神よ、あなたの正義と救いのわざを 福音朗読ヨハネ13・21-33、36-38わたしたちの王である主よ、父に従ってあなたは十字架につけられるため、子羊のように連れて行かれた。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは、弟子たちとともに食事の席についておられたが13・21心を騒がせ、断言された。「はっきり言っておく。あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている。」22弟子たちは、だれについて言っておられるのか察しかねて、顔を見合わせた。23イエスのすぐ隣には、弟子たちの一人で、イエスの愛しておられた者が食事の席に着いていた。24シモン・ペトロはこの弟子に、だれについて言っておられるのかと尋ねるように合図した。25その弟子が、イエスの胸もとに寄りかかったまま、「主よ、それはだれのことですか」と言うと、26イエスは、「わたしがパン切れを浸して与えるのがその人だ」と答えられた。それから、パン切れを浸して取り、イスカリオテのシモンの子ユダにお与えになった。27ユダがパン切れを受け取ると、サタンが彼の中に入った。そこでイエスは、「しようとしていることを、今すぐ、しなさい」と彼に言われた。28座に着いていた者はだれも、なぜユダにこう言われたのか分からなかった。29ある者は、ユダが金入れを預かっていたので、「祭りに必要な物を買いなさい」とか、貧しい人に何か施すようにと、イエスが言われたのだと思っていた。30ユダはパン切れを受け取ると、すぐ出て行った。夜であった。 31さて、ユダが出て行くと、イエスは言われた。「今や、人の子は栄光を受けた。神も人の子によって栄光をお受けになった。32神が人の子によって栄光をお受けになったのであれば、神も御自身によって人の子に栄光をお与えになる。しかも、すぐにお与えになる。33子たちよ、いましばらく、わたしはあなたがたと共にいる。あなたがたはわたしを捜すだろう。『わたしが行く所にあなたたちは来ることができない』とユダヤ人たちに言ったように、今、あなたがたにも同じことを言っておく。」 36シモン・ペトロがイエスに言った。「主よ、どこへ行かれるのですか。」イエスが答えられた。「わたしの行く所に、あなたは今ついて来ることはできないが、後でついて来ることになる。」37ペトロは言った。「主よ、なぜ今ついて行けないのですか。あなたのためなら命を捨てます。」38イエスは答えられた。「わたしのために命を捨てると言うのか。はっきり言っておく。鶏が鳴くまでに、あなたは三度わたしのことを知らないと言うだろう。」 |
|||
受難の水曜日 | 4月16日(水) | 四旬節 | |
第一朗読イザヤ50・4-9a見よ、主なる神が助けてくださる。 イザヤの預言50・4主なる神は、弟子としての舌をわたしに与え 答唱詩編詩編69・31+33、34+35主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編6969・31神の名をたたえてわたしはうたい、 34神は貧しい人々に耳を傾け、 福音朗読マタイ26・14-25わたしたちの王である主よ、わたしたちの過ちをあわれんでくださったのはあなただけです。 マタイによる福音26・14そのとき、十二人の一人で、イスカリオテのユダという者が、祭司長たちのところへ行き、15「あの男をあなたたちに引き渡せば、幾らくれますか」と言った。そこで、彼らは銀貨三十枚を支払うことにした。16そのときから、ユダはイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。 17除酵祭の第一日に、弟子たちがイエスのところに来て、「どこに、過越の食事をなさる用意をいたしましょうか」と言った。18イエスは言われた。「都のあの人のところに行ってこう言いなさい。『先生が、「わたしの時が近づいた。お宅で弟子たちと一緒に過越の食事をする」と言っています。』」19弟子たちは、イエスに命じられたとおりにして、過越の食事を準備した。20夕方になると、イエスは十二人と一緒に食事の席に着かれた。21一同が食事をしているとき、イエスは言われた。「はっきり言っておくが、あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている。」22弟子たちは非常に心を痛めて、「主よ、まさかわたしのことでは」と代わる代わる言い始めた。23イエスはお答えになった。「わたしと一緒に手で鉢に食べ物を浸した者が、わたしを裏切る。24人の子は、聖書に書いてあるとおりに、去って行く。だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。生まれなかった方が、その者のためによかった。」25イエスを裏切ろうとしていたユダが口をはさんで、「先生、まさかわたしのことでは」と言うと、イエスは言われた。「それはあなたの言ったことだ。」 |
|||
聖木曜日・聖香油のミサ | 4月17日(木) | 四旬節 | |
第一朗読イザヤ61・1-3a、6a、8b-9わたしを遣わして貧しい人に良い知らせを伝えさせるために。 イザヤの預言61・1主はわたしに油を注ぎ 6あなたたちは主の祭司と呼ばれ 8主なるわたしはまことをもって彼らの労苦に報い 答唱詩編詩編詩編89・21+22、25+27神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。 詩編89・21わたしはしもべダビドを選び、 25いつくしみとまことは彼とともにあり、 第二朗読黙示録1・5-8わたしはアルファであり、オメガである。 ヨハネの黙示1・5証人であり、誠実な方、死者の中から最初に復活した方、地上の王たちの支配者、イエス・キリストから恵みと平和があなたがたにあるように。わたしたちを愛し、御自分の血によって罪から解放してくださった方に、6わたしたちを王とし、御自身の父である神に仕える祭司としてくださった方に、栄光と力が世々限りなくありますように、アーメン。 7見よ、その方が雲に乗って来られる。 8神である主、今おられ、かつておられ、やがて来られる方、全能者がこう言われる。「わたしはアルファであり、オメガである。」 福音朗読ルカ4・16-21神の霊はわたしの上にある。貧しい人に福音を告げるため、神はわたしを選ばれた。 ルカによる福音そのとき、4・16イエスはお育ちになったナザレに来て、いつものとおり安息日に会堂に入り、聖書を朗読しようとしてお立ちになった。17預言者イザヤの巻物が渡され、お開きになると、次のように書いてある個所が目に留まった。 18「主の霊がわたしの上におられる。 20イエスは巻物を巻き、係の者に返して席に座られた。会堂にいるすべての人の目がイエスに注がれていた。21そこでイエスは、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」と話し始められた。 |
|||
聖木曜日・主の晩餐の夕べのミサ | 4月17日(木) | 四旬節 | |
第一朗読出エジプト記12・1-8、11-14過越の食事についての規定 出エジプト記その日、12・1エジプトの国で、主はモーセとアロンに言われた。2「この月をあなたたちの正月とし、年の初めの月としなさい。3イスラエルの共同体全体に次のように告げなさい。『今月の十日、人はそれぞれ父の家ごとに、すなわち家族ごとに小羊を一匹用意しなければならない。4もし、家族が少人数で小羊一匹を食べきれない場合には、隣の家族と共に、人数に見合うものを用意し、めいめいの食べる量に見合う小羊を選ばねばならない。5その小羊は、傷のない一歳の雄でなければならない。用意するのは羊でも山羊でもよい。6それは、この月の十四日まで取り分けておき、イスラエルの共同体の会衆が皆で夕暮れにそれを屠り、7その血を取って、小羊を食べる家の入り口の二本の柱と鴨居に塗る。8そしてその夜、肉を火で焼いて食べる。また、酵母を入れないパンを苦菜を添えて食べる。 11それを食べるときは、腰帯を締め、靴を履き、杖を手にし、急いで食べる。これが主の過越である。12その夜、わたしはエジプトの国を巡り、人であれ、家畜であれ、エジプトの国のすべての初子を撃つ。また、エジプトのすべての神々に裁きを行う。わたしは主である。13あなたたちのいる家に塗った血は、あなたたちのしるしとなる。血を見たならば、わたしはあなたたちを過ぎ越す。わたしがエジプトの国を撃つとき、滅ぼす者の災いはあなたたちに及ばない。14この日は、あなたたちにとって記念すべき日となる。あなたたちは、この日を主の祭りとして祝い、代々にわたって守るべき不変の定めとして祝わねばならない。』」 答唱詩編詩編116・12+13、15+16b、17+18このパンを食べ、この杯を飲み、わたしは主の死を告げ知らせる。 詩編116116・12神が与えてくださったすべての恵みに、 15神を敬う人の死は、 17わたしは感謝のいけにえをささげ、 第二朗読①コリント11・23-26あなたがたは食べ、飲むごとに主の死を告げ知らせるのである。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、11・23わたしがあなたがたに伝えたことは、わたし自身、主から受けたものです。すなわち、主イエスは、引き渡される夜、パンを取り、24感謝の祈りをささげてそれを裂き、「これは、あなたがたのためのわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい」と言われました。25また、食事の後で、杯も同じようにして、「この杯は、わたしの血によって立てられる新しい契約である。飲む度に、わたしの記念としてこのように行いなさい」と言われました。26だから、あなたがたは、このパンを食べこの杯を飲むごとに、主が来られるときまで、主の死を告げ知らせるのです。 福音朗読ヨハネ13・1-15新しい掟をあなたがたに与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように。 ヨハネによる福音13・1過越祭の前のことである。イエスは、この世から父のもとへ移る御自分の時が来たことを悟り、世にいる弟子たちを愛して、この上なく愛し抜かれた。2夕食のときであった。既に悪魔は、イスカリオテのシモンの子ユダに、イエスを裏切る考えを抱かせていた。3イエスは、父がすべてを御自分の手にゆだねられたこと、また、御自分が神のもとから来て、神のもとに帰ろうとしていることを悟り、4食事の席から立ち上がって上着を脱ぎ、手ぬぐいを取って腰にまとわれた。5それから、たらいに水をくんで弟子たちの足を洗い、腰にまとった手ぬぐいでふき始められた。6シモン・ペトロのところに来ると、ペトロは、「主よ、あなたがわたしの足を洗ってくださるのですか」と言った。7イエスは答えて、「わたしのしていることは、今あなたには分かるまいが、後で、分かるようになる」と言われた。8ペトロが「わたしの足など、決して洗わないでください」と言うと、イエスは、「もしわたしがあなたを洗わないなら、あなたはわたしと何のかかわりもないことになる」と答えられた。9そこでシモン・ペトロが言った。「主よ、足だけでなく、手も頭も。」10イエスは言われた。「既に体を洗った者は、全身清いのだから、足だけ洗えばよい。あなたがたは清いのだが、皆が清いわけではない。」11イエスは、御自分を裏切ろうとしている者がだれであるかを知っておられた。それで、「皆が清いわけではない」と言われたのである。 12さて、イエスは、弟子たちの足を洗ってしまうと、上着を着て、再び席に着いて言われた。「わたしがあなたがたにしたことが分かるか。13あなたがたは、わたしを『先生』とか『主』とか呼ぶ。そのように言うのは正しい。わたしはそうである。14ところで、主であり、師であるわたしがあなたがたの足を洗ったのだから、あなたがたも互いに足を洗い合わなければならない。15わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするようにと、模範を示したのである。」 |
|||
聖金曜日・主の受難 | 4月18日(金) | 四旬節 | |
第一朗読イザヤ52・13-53・12彼が刺し貫かれたのは、わたしたちの背きのためであった。 イザヤの預言主は言われる。 53・1わたしたちの聞いたことを、誰が信じえようか。 答唱詩編詩編31・2+6、12+13、15+16、24+25父よ、あなたこそわたしの神。わたしのすべてをあなたに。 詩編3131・2神よ、あなたのもとにわたしはのがれる。 12敵はみなわたしをあざけり、まわりの人はわたしをのけものにする。 15神よ、わたしはあなたにより頼む。 24神を信じるすべての人よ、神を愛せ。 第二朗読ヘブライ4・14-16、5・7-9キリストは従順を学ばれ、御自分に従順であるすべての人々に対して救いの源となった。 ヘブライ人の手紙皆さん、4・14わたしたちには、もろもろの天を通過された偉大な大祭司、神の子イエスが与えられているのですから、わたしたちの公に言い表している信仰をしっかり保とうではありませんか。15この大祭司は、わたしたちの弱さに同情できない方ではなく、罪を犯されなかったが、あらゆる点において、わたしたちと同様に試練に遭われたのです。16だから、憐れみを受け、恵みにあずかって、時宜にかなった助けをいただくために、大胆に恵みの座に近づこうではありませんか。 5・7キリストは、肉において生きておられたとき、激しい叫び声をあげ、涙を流しながら、御自分を死から救う力のある方に、祈りと願いとをささげ、その畏れ敬う態度のゆえに聞き入れられました。8キリストは御子であるにもかかわらず、多くの苦しみによって従順を学ばれました。9そして、完全な者となられたので、御自分に従順であるすべての人々に対して、永遠の救いの源となったのです。 受難の朗読ヨハネ18・1-19・42「キリストは人間の姿で」 ヨハネによる主イエス・キリストの受難C 18・1夕食のあと、イエスは弟子たちと一緒に、キドロンの谷の向こうへ出て行かれた。そこには園があり、イエスは弟子たちとその中に入られた。2イエスを裏切ろうとしていたユダも、その場所を知っていた。イエスは、弟子たちと共に度々ここに集まっておられたからである。3それでユダは、一隊の兵士と、祭司長たちやファリサイ派の人々の遣わした下役たちを引き連れて、そこにやって来た。松明やともし火や武器を手にしていた。4イエスは御自分の身に起こることを何もかも知っておられ、進み出て、言われた。 十 「だれを捜しているのか。」 C 5彼らは答えた。 S 「ナザレのイエスだ。」 C イエスは言われた。 十 「わたしである。」 C イエスを裏切ろうとしていたユダも彼らと一緒にいた。6イエスが「わたしである」と言われたとき、彼らは後ずさりして、地に倒れた。7そこで、イエスは重ねてお尋ねになった。 十 「だれを捜しているのか。」 C 彼らは言った。 S 「ナザレのイエスだ。」 C 8すると、イエスは言われた。 十 「『わたしである』と言ったではないか。わたしを捜しているのなら、この人々は去らせなさい。」 C 9それは、「あなたが与えてくださった人を、わたしは一人も失いませんでした」と言われたイエスの言葉が実現するためであった。10シモン・ペトロは剣を持っていたので、それを抜いて大祭司の手下に打ってかかり、その右の耳を切り落とした。手下の名はマルコスであった。11イエスはペトロに言われた。 十 「剣をさやに納めなさい。父がお与えになった杯は、飲むべきではないか。」 C 12そこで一隊の兵士と千人隊長、およびユダヤ人の下役たちは、イエスを捕らえて縛り、13まず、アンナスのところへ連れて行った。彼が、その年の大祭司カイアファのしゅうとだったからである。14一人の人間が民の代わりに死ぬ方が好都合だと、ユダヤ人たちに助言したのは、このカイアファであった。 15シモン・ペトロともう一人の弟子は、イエスに従った。この弟子は大祭司の知り合いだったので、イエスと一緒に大祭司の屋敷の中庭に入ったが、16ペトロは門の外に立っていた。大祭司の知り合いである、そのもう一人の弟子は、出て来て門番の女に話し、ペトロを中に入れた。17門番の女中はペトロに言った。 A 「あなたも、あの人の弟子の一人ではありませんか。」 C ペトロは言った。 A 「違う。」 C 18僕や下役たちは、寒かったので炭火をおこし、そこに立って火にあたっていた。ペトロも彼らと一緒に立って、火にあたっていた。19大祭司はイエスに弟子のことや教えについて尋ねた。20イエスは答えられた。 十 「わたしは、世に向かって公然と話した。わたしはいつも、ユダヤ人が皆集まる会堂や神殿の境内で教えた。ひそかに話したことは何もない。21なぜ、わたしを尋問するのか。わたしが何を話したかは、それを聞いた人々に尋ねるがよい。その人々がわたしの話したことを知っている。」 C 22イエスがこう言われると、そばにいた下役の一人が、イエスを平手で打って言った。 A 「大祭司に向かって、そんな返事のしかたがあるか。」 C 23イエスは答えられた。 十 「何か悪いことをわたしが言ったのなら、その悪いところを証明しなさい。正しいことを言ったのなら、なぜわたしを打つのか。」 C 24アンナスは、イエスを縛ったまま、大祭司カイアファのもとに送った。25シモン・ペトロは立って火にあたっていた。人々は言った。 A 「お前もあの男の弟子の一人ではないのか。」 C ペトロは打ち消して、言った。 A 「違う。」 C 26大祭司の僕の一人で、ペトロに片方の耳を切り落とされた人の身内の者が言った。 A 「園であの男と一緒にいるのを、わたしに見られたではないか。」 C 27ペトロは、再び打ち消した。するとすぐ、鶏が鳴いた。 28人々は、イエスをカイアファのところから総督官邸に連れて行った。明け方であった。しかし、彼らは自分では官邸に入らなかった。汚れないで過越の食事をするためである。29そこで、ピラトが彼らのところへ出て来て、言った。 A 「どういう罪でこの男を訴えるのか。」 C 30彼らは答えて、言った。 S 「この男が悪いことをしていなかったら、あなたに引き渡しはしなかったでしょう。」 C 31ピラトは言った。 A 「あなたたちが引き取って、自分たちの律法に従って裁け。」 C ユダヤ人たちは言った。 S 「わたしたちには、人を死刑にする権限がありません。」 C 32それは、御自分がどのような死を遂げるかを示そうとして、イエスの言われた言葉が実現するためであった。33そこで、ピラトはもう一度官邸に入り、イエスを呼び出して、言った。 A 「お前がユダヤ人の王なのか。」 C 34イエスはお答えになった。 十 「あなたは自分の考えで、そう言うのですか。それとも、ほかの者がわたしについて、あなたにそう言ったのですか。」 C 35ピラトは言い返した。 A 「わたしはユダヤ人なのか。お前の同胞や祭司長たちが、お前をわたしに引き渡したのだ。いったい何をしたのか。」 C 36イエスはお答えになった。 十 「わたしの国は、この世には属していない。もし、わたしの国がこの世に属していれば、わたしがユダヤ人に引き渡されないように、部下が戦ったことだろう。しかし、実際、わたしの国はこの世には属していない。」 C 37そこでピラトが言った。 A 「それでは、やはり王なのか。」 C イエスはお答えになった。 十 「わたしが王だとは、あなたが言っていることです。わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く。」 C 38ピラトは言った。 A 「真理とは何か。」 C ピラトは、こう言ってからもう一度、ユダヤ人たちの前に出て来て言った。 A 「わたしはあの男に何の罪も見いだせない。39ところで、過越祭にはだれか一人をあなたたちに釈放するのが慣例になっている。あのユダヤ人の王を釈放してほしいか。」 C 40すると、彼らは、大声で言い返した。 S 「その男ではない。バラバを。」 C バラバは強盗であった。19・1そこで・ピラトはイエスを捕らえ、鞭で打たせた。2兵士たちは茨で冠を編んでイエスの頭に載せ、紫の服をまとわせ、3そばにやって来ては、平手で打って言った。 A 「ユダヤ人の王、万歳。」 C 4ピラトはまた出て来て、言った。 A 「見よ、あの男をあなたたちのところへ引き出そう。そうすれば、わたしが彼に何の罪も見いだせないわけが分かるだろう。」 C 5イエスは茨の冠をかぶり、紫の服を着けて出て来られた。ピラトは言った。 A 「見よ、この男だ。」 C 6祭司長たちや下役たちは、イエスを見ると叫んだ。 S 「十字架につけろ。十字架につけろ。」 C ピラトは言った。 A 「あなたたちが引き取って、十字架につけるがよい。わたしはこの男に罪を見いだせない。」 C 7ユダヤ人たちは答えた。 S 「わたしたちには律法があります。律法によれば、この男は死罪に当たります。神の子と自称したからです。」 C 8ピラトは、この言葉を聞いてますます恐れ、9再び総督官邸の中に入って、イエスに言った。 A 「お前はどこから来たのか。」 C しかし、イエスは答えようとされなかった。10そこで、ピラトは言った。 A 「わたしに答えないのか。お前を釈放する権限も、十字架につける権限も、このわたしにあることを知らないのか。」 C 11イエスは答えられた。 十 「神から与えられていなければ、わたしに対して何の権限もないはずだ。だから、わたしをあなたに引き渡した者の罪はもっと重い。」 C 12そこで、ピラトはイエスを釈放しようと努めた。しかし、ユダヤ人たちは叫んだ。 S 「もし、この男を釈放するなら、あなたは皇帝の友ではない。王と自称する者は皆、皇帝に背いています。」 C 13ピラトは、これらの言葉を聞くと、イエスを外に連れ出し、ヘブライ語でガバタ、すなわち「敷石」という場所で、裁判の席に着かせた。14それは過越祭の準備の日の、正午ごろであった。ピラトはユダヤ人たちに言った。 A 「見よ、あなたたちの王だ。」 C 15彼らは叫んだ。 S 「殺せ。殺せ。十字架につけろ。」 C ピラトは言った。 A 「あなたたちの王をわたしが十字架につけるのか。」 C 祭司長たちは答えた。 S 「わたしたちには、皇帝のほかに王はありません。」 C 16そこで、ピラトは、十字架につけるために、イエスを彼らに引き渡した。こうして、彼らはイエスを引き取った。17イエスは、自ら十字架を背負い、いわゆる「されこうべの場所」、すなわちヘブライ語でゴルゴタという所へ向かわれた。18そこで、彼らはイエスを十字架につけた。また、イエスと一緒にほかの二人をも、イエスを真ん中にして両側に、十字架につけた。19ピラトは罪状書きを書いて、十字架の上に掛けた。それには、「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と書いてあった。20イエスが十字架につけられた場所は都に近かったので、多くのユダヤ人がその罪状書きを読んだ。それは、ヘブライ語、ラテン語、ギリシア語で書かれていた。21ユダヤ人の祭司長たちはピラトに言った。 A 「『ユダヤ人の王』と書かず、『この男は「ユダヤ人の王」と自称した』と書いてください。」 C 22しかし、ピラトは答えた。 A 「わたしが書いたものは、書いたままにしておけ。」 C 23兵士たちは、イエスを十字架につけてから、その服を取り、四つに分け、各自に一つずつ渡るようにした。下着も取ってみたが、それには縫い目がなく、上から下まで一枚織りであった。24そこで、話し合った。 A 「これは裂かないで、だれのものになるか、くじ引きで決めよう。」 C それは、「彼らはわたしの服を分け合い、わたしの衣服のことでくじを引いた」という聖書の言葉が実現するためであった。兵士たちはこのとおりにしたのである。25イエスの十字架のそばには、その母と母の姉妹、クロパの妻マリアとマグダラのマリアとが立っていた。26イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に言われた。 十 「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です。」 C 27それから弟子に言われた。 十 「見なさい。あなたの母です。」 C そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。28この後、イエスは、すべてのことが今や成し遂げられたのを知り、言われた。 十 「渇く。」 C こうして、聖書の言葉が実現した。29そこには、酸いぶどう酒を満たした器が置いてあった。人々は、このぶどう酒をいっぱい含ませた海綿をヒソプに付け、イエスの口もとに差し出した。30イエスは、このぶどう酒を受けると、言われた。 十 「成し遂げられた。」 C そして、頭を垂れて息を引き取られた。
31その日は準備の日で、翌日は特別の安息日であったので、ユダヤ人たちは、安息日に遺体を十字架の上に残しておかないために、足を折って取り降ろすように、ピラトに願い出た。32そこで、兵士たちが来て、イエスと一緒に十字架につけられた最初の男と、もう一人の男との足を折った。33イエスのところに来てみると、既に死んでおられたので、その足は折らなかった。34しかし、兵士の一人が槍でイエスのわき腹を刺した。すると、すぐ血と水とが流れ出た。35それを目撃した者が証ししており、その証しは真実である。その者は、あなたがたにも信じさせるために、自分が真実を語っていることを知っている。36これらのことが起こったのは、「その骨は一つも砕かれない」という聖書の言葉が実現するためであった。37また、聖書の別の所に、「彼らは、自分たちの突き刺した者を見る」とも書いてある。38その後、イエスの弟子でありながら、ユダヤ人たちを恐れて、そのことを隠していたアリマタヤ出身のヨセフが、イエスの遺体を取り降ろしたいと、ピラトに願い出た。ピラトが許したので、ヨセフは行って遺体を取り降ろした。39そこへ、かつてある夜、イエスのもとに来たことのあるニコデモも、没薬と沈香を混ぜた物を百リトラばかり持って来た。40彼らはイエスの遺体を受け取り、ユダヤ人の埋葬の習慣に従い、香料を添えて亜麻布で包んだ。41イエスが十字架につけられた所には園があり、そこには、だれもまだ葬られたことのない新しい墓があった。42その日はユダヤ人の準備の日であり、この墓が近かったので、そこにイエスを納めた。 |
|||
復活祭・復活の聖なる徹夜祭 | 4月19日(土) | 復活節 | |
第一朗読創世記1・1-2・2神は、お造りになったすべてのものを御覧になった。それは極めて良かった。 創世記1・1初めに、神は天地を創造された。2地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。3神は言われた。 「光あれ。」 こうして、光があった。4神は光を見て、良しとされた。神は光と闇を分け、5光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた。夕べがあり、朝があった。第一の日である。 6神は言われた。 「水の中に大空あれ。水と水を分けよ。」 7神は大空を造り、大空の下と大空の上に水を分けさせられた。そのようになった。8神は大空を天と呼ばれた。夕べがあり、朝があった。第二の日である。 9神は言われた。 「天の下の水は一つ所に集まれ。乾いた所が現れよ。」 そのようになった。10神は乾いた所を地と呼び、水の集まった所を海と呼ばれた。神はこれを見て、良しとされた。 11神は言われた。 「地は草を芽生えさせよ。種を持つ草と、それぞれの種を持つ実をつける果樹を、地に芽生えさせよ。」そのようになった。12地は草を芽生えさせ、それぞれの種を持つ草と、それぞれの種を持つ実をつける木を芽生えさせた。神はこれを見て、良しとされた。13夕べがあり、朝があった。第三の日である。 14神は言われた。 「天の大空に光る物があって、昼と夜を分け、季節のしるし、日や年のしるしとなれ。15天の大空に光る物があって、地を照らせ。」 そのようになった。16神は二つの大きな光る物と星を造り、大きな方に昼を治めさせ、小さな方に夜を治めさせられた。17神はそれらを天の大空に置いて、地を照らさせ、18昼と夜を治めさせ、光と闇を分けさせられた。神はこれを見て、良しとされた。19夕べがあり、朝があった。第四の日である。 20神は言われた。 「生き物が水の中に群がれ。鳥は地の上、天の大空の面を飛べ。」21神は水に群がるもの、すなわち大きな怪物、うごめく生き物をそれぞれに、また、翼ある鳥をそれぞれに創造された。神はこれを見て、良しとされた。 22神はそれらのものを祝福して言われた。 「産めよ、増えよ、海の水に満ちよ。鳥は地の上に増えよ。」 23夕べがあり、朝があった。第五の日である。 24神は言われた。 「地は、それぞれの生き物を産み出せ。家畜、適うもの、地の獣をそれぞれに産み出せ。」 そのようになった。25神はそれぞれの地の獣、それぞれの家畜、それぞれの土を這うものを造られた。神はこれを見て、良しとされた。 26神は言われた。 「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう。」 27神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。28神は彼らを祝福して言われた。 「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。」 29神は言われた。 「見よ、全地に生える、種を持つ草と種を持つ実をつける木を、すべてあなたたちに与えよう。それがあなたたちの食べ物となる。30地の獣、空の鳥、地を這うものなど、すべて命あるものにはあらゆる青草を食べさせよう。」 そのようになった。31神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。夕べがあり、朝があった。第六の日である。 2・1天地万物は完成された。2第七の日に、神は御自分の仕事を完成され、第七の日に、神は御自分の仕事を離れ、安息なさった。 答唱詩編詩編104・1+2a、24+33神よ、あなたのいぶきを地のおもてに。 詩編104104・1心を尽くして神をたたえよう。 24神よ、あなたが造られたものは数えきれない。 第二朗読創世記22・1-18先祖アブラハムの献げ物 創世記その日、22・1神はアブラハムを試された。神が、「アブラハムよ」と呼びかけ、彼が、「はい」と答えると、2神は命じられた。「あなたの息子、あなたの愛する独り子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。わたしが命じる山の一つに登り、彼を焼き尽くす献げ物としてささげなさい。」 3次の朝早く、アブラハムはろばに鞍を置き、献げ物に用いる薪を割り、二人の若者と息子イサクを連れ、神の命じられた所に向かって行った。4三日目になって、アブラハムが目を凝らすと、遠くにその場所が見えたので、5アブラハムは若者に言った。「お前たちは、ろばと一緒にここで待っていなさい。わたしと息子はあそこへ行って、礼拝をして、また戻ってくる。」6アブラハムは、焼き尽くす献げ物に用いる薪を取って、息子イサクに背負わせ、自分は火と刃物を手に持った。二人は一緒に歩いて行った。7イサクは父アブラハムに、「わたしのお父さん」と呼びかけた。彼が、「ここにいる。わたしの子よ」と答えると、イサクは言った。「火と薪はここにありますが、焼き尽くす献げ物にする小羊はどこにいるのですか。」8アブラハムは答えた。「わたしの子よ、焼き尽くす献げ物の小羊はきっと神が備えてくださる。」二人は一緒に歩いて行った。 9神が命じられた場所に着くと、アブラハムはそこに祭壇を築き、薪を並べ、息子イサクを織って祭壇の薪の上に載せた。10そしてアブラハムは、手を伸ばして刃物を取り、息子を屠ろうとした。11そのとき、天から主の御使いが、「アブラハム、アブラハム」と呼びかけた。彼が、「はい」と答えると、12御使いは言った。「その子に手を下すな。何もしてはならない。あなたが神を畏れる者であることが、今、分かったからだ。あなたは、自分の独り子である息子すら、わたしにささげることを惜しまなかった。」13アブラハムは目を凝らして見回した。すると、後ろの木の茂みに一匹の雄羊が角をとられていた。アブラハムは行ってその雄羊を捕まえ、息子の代わりに焼き尽くす献げ物としてささげた。 14アブラハムはその場所をヤーウェ・イルエ(主は備えてくださる)と名付けた。そこで、人々は今日でも「主の山に、備えあり(イエラエ)」と言っている。 15主の御使いは、再び天からアブラハムに呼びかけた。16御使いは言った。 「わたしは自らにかけて誓う、と主は言われる。あなたがこの事を行い、自分の独り子である息子すら惜しまなかったので、17あなたを豊かに祝福し、あなたの子孫を天の星のように、海辺の砂のように増やそう。あなたの子孫は敵の城門を勝ち取る。18地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る。あなたがわたしの声に聞き従ったからである。」 答唱詩編詩編16・5、8、11しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。 詩編1616・5神よ、あなたはわたしの受けるゆずり、 8わたしは絶えず神を思う。 11あなたはいのちの道を示してくださる。 第三朗読出エジプト14・15-15・1aイスラエルの人々は海の中の乾いた所を進んで行った。 出エジプト記その日、追い迫るエジプト軍を見て、イスラエルの人々が非常に恐れたとき、14・15主はモーセに言われた。「なぜ、わたしに向かって叫ぶのか。イスラエルの人々に命じて出発させなさい。16杖を高く上げ、手を海に向かって差し伸べて、海を二つに分けなさい。そうすれば、イスラエルの民は海の中の乾いた所を通ることができる。17しかし、わたしはエジプト人の心をかたくなにするから、彼らはお前たちの後を追って来る。そのとき、18わたしはファラオとその全軍、戦車と騎兵を破って栄光を現す。わたしがファラオとその戦車、騎兵を破って栄光を現すとき、エジプト人は、わたしが主であることを知るようになる。」 19イスラエルの部隊に先立って進んでいた神の御使いは、移動して彼らの後ろを行き、彼らの前にあった雲の柱も移動して後ろに立ち、20エジプトの陣とイスラエルの陣との間に入った。真っ黒な雲が立ちこめ、光が闇夜を貫いた。両軍は、一晩中、互いに近づくことはなかった。21モーセが手を海に向かって差し伸べると、主は夜もすがら激しい東風をもって海を押し返されたので、海は乾いた地に変わり、水は分かれた。22イスラエルの人々は海の中の乾いた所を進んで行き、水は彼らの右と左に壁のようになった。23エジプト軍は彼らを追い、ファラオの馬、戦車、騎兵がことごとく彼らに従って海の中に入って来た。24朝の見張りのころ、主は火と雲の柱からエジプト軍を見下ろし、エジプト軍をかき乱された。25戦車の車輪をはずし、進みにくくされた。エジプト人は言った。「イスラエルの前から退却しよう。主が彼らのためにエジプトと戦っておられる。」 26主はモーセに言われた。「海に向かって手を差し伸べなさい。水がエジプト軍の上に、戦車、騎兵の上に流れ返るであろう。」27モーセが手を海に向かって差し伸べると、夜が明ける前に海は元の場所へ流れ返った。エジプト軍は水の流れに逆らって逃げたが、主は彼らを海の中に投げ込まれた。28水は元に戻り、戦車と騎兵、彼らの後を追って海に入ったファラオの全軍を覆い、一人も残らなかった。29イスラエルの人々は海の中の乾いた所を進んだが、そのとき、水は彼らの右と左に壁となった。30主はこうして、その日、イスラエルをエジプト人の手から救われた。イスラエルはエジプト人が海辺で死んでいるのを見た。31イスラエルは、主がエジプト人に行われた大いなる御業を見た。民は主を畏れ、主とその僕モーセを信じた。15・1aモーセとイスラエルの民は主を賛美して、歌をうたった。 答唱詩編出エジプト15・1b+2b、3+4+5、6+16bc神よ、あなたはわたしの力、わたしの守り、救い。 出エジプト1515・1b神をたたえよう、神は栄光を現し、 3神は勇者、その名は主。 6神よ、あなたの右の手には力がみなぎり、 第四朗読イザヤ54・5-14あなたを贖う主は、とこしえの慈しみをもってあなたを憐れむ。 イザヤの預言54・5エルサレムよ、 11苦しめられ、嵐にもてあそばれ 答唱詩編詩編30・2b+4、13神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。 詩編3030・2b神よ、あなたはわたしを救い、 13わたしの心はあなたをたたえ、 第五朗読イザヤ55・1-11わたしのもとに来るがよい。魂に命を得よ。わたしはあなたたちととこしえの契約を結ぶ。 イザヤの預言55・1主は言われる。 6主を尋ね求めよ、見いだしうるときに。 答唱詩編イザヤ12・2、4、5喜びに心をはずませ、救いの泉から水を汲む。 イザヤ1212・2神はわたしの救い、わたしは信頼して恐れない。 4神をたたえ、その名を呼ぼう。 5神は不思議なわざをなしとげられた。 第六朗読バルク3・9-15、32-4・4主の輝きに向かって歩め。 バルクの預言3・9聞け、イスラエルよ、命をもたらす戒めを。 15いったいだれが知恵の在りかを見いだしただろうか。 答唱詩編詩編19・8、9主よ、あなたは永遠のいのちのことば。 詩編1919・8神の教えは完全で、魂を生き返らせ、 9神の定めは正しく、心の喜びであり、 第七朗読エゼキエル36・16-17a、18-28わたしは清い水をお前たちの上に振りかけ、新しい心を与える。 エゼキエルの預言36・16主の言葉がわたしに臨んだ。17「人の子よ、イスラエルの家は自分の土地に住んでいたとき、それを自分の歩みと行いによって汚した。18それゆえ、わたしは憤りを彼らの上に注いだ。彼らが地の上に血を流し、偶像によってそれを汚したからである。19わたしは彼らを国々の中に散らし、諸国に追いやり、その歩みと行いに応じて裁いた。20彼らはその行く先の国々に行って、わが聖なる名を汚した。事実、人々は彼らについて、『これは主の民だ、彼らは自分の土地から追われて来たのだ』と言った。21そこでわたしは、イスラエルの家がその行った先の国々で汚したわが聖なる名を惜しんだ。 22それゆえ、イスラエルの家に言いなさい。主なる神はこう言われる。イスラエルの家よ、わたしはお前たちのためではなく、お前たちが行った先の国々で汚したわが聖なる名のために行う。23わたしは、お前たちが国々で汚したため、彼らの間で汚されたわが大いなる名を聖なるものとする。わたしが彼らの目の前で、お前たちを通して聖なるものとされるとき、諸国民は、わたしが主であることを知るようになる、と主なる神は言われる。24わたしはお前たちを国々の間から取り、すべての地から集め、お前たちの土地に導き入れる。 25わたしが清い水をお前たちの上に振りかけるとき、お前たちは清められる。わたしはお前たちを、すべての汚れとすべての偶像から清める。26わたしはお前たちに新しい心を与え、お前たちの中に新しい霊を置く。わたしはお前たちの体から石の心を取り除き、肉の心を与える。27また、わたしの霊をお前たちの中に置き、わたしの掟に従って歩ませ、わたしの裁きを守り行わせる。28お前たちは、わたしが先祖に与えた地に住むようになる。お前たちはわたしの民となりわたしはお前たちの神となる。」 答唱詩編詩編51・12+13、18+19あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。 詩編5151・12神よ、わたしのうちに清い心を造り、@あなたのいぶきでわたしを強め、新たにしてください。 18あなたはいけにえを望まれず、 使徒書の朗読ローマ6・3-11死者の中から復活させられたキリストはもはや死ぬことがない。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、6・3あなたがたは知らないのですか。キリスト・イエスに結ばれるために洗礼を受けたわたしたちが皆、またその死にあずかるために洗礼を受けたことを。4わたしたちは洗礼によってキリストと共に葬られ、その死にあずかるものとなりました。それは、キリストが御父の栄光によって死者の中から復活させられたように、わたしたちも新しい命に生きるためなのです。5もし、わたしたちがキリストと一体になってその死の姿にあやかるならば、その復活の姿にもあやかれるでしょう。6わたしたちの古い自分がキリストと共に十字架につけられたのは、罪に支配された体が滅ぼされ、もはや罪の奴隷にならないためであると知っています。7死んだ者は、罪から解放されています。8わたしたちは、キリストと共に死んだのなら、キリストと共に生きることにもなると信じます。9そして、死者の中から復活させられたキリストはもはや死ぬことがない、と知っています。死は、もはやキリストを支配しません。10キリストが死なれたのは、ただ一度罪に対して死なれたのであり、生きておられるのは、神に対して生きておられるのです。11このように、あなたがたも自分は罪に対して死んでいるが、キリスト・イエスに結ばれて、神に対して生きているのだと考えなさい。 福音朗読ルカ24・1-12アレルヤ、アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音24・1週の初めの日の明け方早く、婦人たちは、準備しておいた香料を持って墓に行った。2見ると、石が墓のわきに転がしてあり、3中に入っても、主イエスの遺体が見当たらなかった。4そのため途方に暮れていると、輝く衣を着た二人の人がそばに現れた。5婦人たちが恐れて地に顔を伏せると、二人は言った。「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのか。6あの方は、ここにはおられない。復活なさったのだ。まだガリラヤにおられたころ、お話しになったことを思い出しなさい。7人の子は必ず、罪人の手に渡され、十字架につけられ、三日目に復活することになっている、と言われたではないか。」8そこで、婦人たちはイエスの言葉を思い出した。9そして、墓から帰って、十一人とほかの人皆に一部始終を知らせた。10それは、マグダラのマリア、ヨハナ、ヤコブの母マリア、そして一緒にいた他の婦人たちであった。11婦人たちはこれらのことを使徒たちに話したが、使徒たちは、この話がたわ言のように思われたので、婦人たちを信じなかった。12しかし、ペトロは立ち上がって墓へ走り、身をかがめて中をのぞくと、亜麻布しかなかったので、この出来事に驚きながら家に帰った。 |
|||
復活の主日・日中のミサ | 4月20日(日) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録10・34a、37-43イエスが死者の中から復活した後、わたしたちはイエスと一緒に食事をした。 使徒たちの宣教その日、10・34aペトロは口を開きこう言った。37「あなたがたはこのことをご存じでしょう。ヨハネが洗礼を宣べ伝えた後に、ガリラヤから始まってユダヤ全土に起きた出来事です。38つまり、ナザレのイエスのことです。神は、聖霊と力によってこの方を油注がれた者となさいました。イエスは、方々を巡り歩いて人々を助け、悪魔に苦しめられている人たちをすべていやされたのですが、それは、神が御一緒だったからです。39わたしたちは、イエスがユダヤ人の住む地方、特にエルサレムでなさったことすべての証人です。人々はイエスを木にかけて殺してしまいましたが、40神はこのイエスを三日目に復活させ、人々の前に現してくださいました。41しかし、それは民全体に対してではなく、前もって神に選ばれた証人、つまり、イエスが死者の中から復活した後、御一緒に食事をしたわたしたちに対してです。42そしてイエスは、御自分が生きている者と死んだ者との審判者として神から定められた者であることを、民に宣べ伝え、力強く証しするようにと、わたしたちにお命じになりました。43また預言者も皆、イエスについて、この方を信じる者はだれでもその名によって罪の赦しが受けられる、と証ししています。」 答唱詩編詩編118・1+2、16+17、22+23きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。 詩編118118・1恵み深い神に感謝せよ。 16神の右の手は高く上がり、 22家造りの捨てた石が、 第二朗読コロサイ3・1-4上にあるものを求めなさい。そこにはキリストがおられる。 使徒パウロのコロサイの教会への手紙皆さん、3・1あなたがたは、キリストと共に復活させられたのですから、上にあるものを求めなさい。そこでは、キリストが神の右の座に着いておられます。2上にあるものに心を留め、地上のものに心を引かれないようにしなさい。3あなたがたは死んだのであって、あなたがたの命は、キリストと共に神の内に隠されているのです。4あなたがたの命であるキリストが現れるとき、あなたがたも、キリストと共に栄光に包まれて現れるでしょう。 または①コリント5・6b-8新しい練り粉のままでいられるように、古いパン種をきれいに取り除きなさい。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、5・6bわずかなパン種が練り粉全体を膨らませることを、知らないのですか。7いつも新しい練り粉のままでいられるように、古いパン種をきれいに取り除きなさい。現に、あなたがたはパン種の入っていない者なのです。キリストが、わたしたちの過越の小羊として屠られたからです。8だから、古いパン種や悪意と邪悪のパン種を用いないで、パン種の入っていない、純粋で真実のパンで過越祭を祝おうではありませんか。 福音朗読ヨハネ20・1-9アレルヤ、アレルヤ。わたしの過越、キリストはほふられた。主のうちにともに喜び楽しもう。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音20・1週の初めの日、朝早く、まだ暗いうちに、マグダラのマリアは墓に行った。そして、墓から石が取りのけてあるのを見た。2そこで、シモン・ペトロのところへ、また、イエスが愛しておられたもう一人の弟子のところへ走って行って彼らに告げた。「主が墓から取り去られました。どこに置かれているのか、わたしたちには分かりません。」3そこで、ペトロとそのもう一人の弟子は、外に出て墓へ行った。4二人は一緒に走ったが、もう一人の弟子の方が、ペトロより速く走って、先に墓に着いた。5身をかがめて中をのぞくと、亜麻布が置いてあった。しかし、彼は中には入らなかった。6続いて、シモン・ペトロも着いた。彼は墓に入り、亜麻布が置いてあるのを見た。7イエスの頭を包んでいた覆いは、亜麻布と同じ所には置いてなく、離れた所に丸めてあった。8それから、先に墓に着いたもう一人の弟子も入って来て、見て、信じた。9イエスは必ず死者の中から復活されることになっているという聖書の言葉を、二人はまだ理解していなかったのである。 または、ミサが、夕刻の場合ルカ24・13-35アレルヤ、アレルヤ。わたしの過越、キリストはほふられた。主のうちにともに喜び楽しもう。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音24・13この日、すなわち週の初めの日、二人の弟子が、エルサレムから六十スタディオン離れたエマオという村へ向かって歩きながら、14この一切の出来事について話し合っていた。15話し合い論じ合っていると、イエス御自身が近づいて来て、一緒に歩き始められた。16しかし、二人の目は遮られていて、イエスだとは分からなかった。17イエスは、「歩きながら、やり取りしているその話は何のことですか」と言われた。二人は暗い顔をして立ち止まった。18その一人のクレオパという人が答えた。「エルサレムに滞在していながら、この数日そこで起こったことを、あなただけはご存じなかったのですか。」19イエスが、「どんなことですか」と言われると、二人は言った。「ナザレのイエスのことです。この方は、神と民全体の前で、行いにも言葉にも力のある預言者でした。20それなのに、わたしたちの祭司長たちや議員たちは、死刑にするため引き渡して、十字架につけてしまったのです。21わたしたちは、あの方こそイスラエルを解放してくださると望みをかけていました。しかも、そのことがあってから、もう今日で三日目になります。22ところが、仲間の婦人たちがわたしたちを驚かせました。婦人たちは朝早く墓へ行きましたが、23遺体を見つけずに戻って来ました。そして、天使たちが現れ、『イエスは生きておられる』と告げたと言うのです。24仲間の者が何人か墓へ行ってみたのですが、婦人たちが言ったとおりで、あの方は見当たりませんでした。」25そこで、イエスは言われた。「ああ、物分かりが悪く、心が鈍く預言者たちの言ったことすべてを信じられない者たち、26メシアはこういう苦しみを受けて、栄光に入るはずだったのではないか。」27そして、モーセとすべての預言者から始めて、聖書全体にわたり、御自分について書かれていることを説明された。 28一行は目指す村に近づいたが、イエスはなおも先へ行こうとされる様子だった。29二人が、「一緒にお泊まりください。そろそろ夕方になりますし、もう日も傾いていますから」と言って、無理に引き止めたので、イエスは共に泊まるため家に入られた。30一緒に食事の席に着いたとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱え、パンを裂いてお渡しになった。31すると、二人の目が開け、イエスだと分かったが、その姿は見えなくなった。32二人は、「道で話しておられるとき、また聖書を説明してくださったとき、わたしたちの心は燃えていたではないか」と語り合った。33そして、時を移さず出発して、エルサレムに戻ってみると、十一人とその仲間が集まって、34本当に主は復活して、シモンに現れたと言っていた。35二人も、道で起こったことや、パンを裂いてくださったときにイエスだと分かった次第を話した。 |
|||
復活の月曜日 | 4月21日(月) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録2・14、22-32神はこのイエスを死の苦しみから解放して、復活させられました。 使徒たちの宣教五旬祭の日に、2・14ペトロは十一人と共に立って、声を張り上げ、話し始めた。「ユダヤの方々、またエルサレムに住むすべての人たち、知っていただきたいことがあります。わたしの言葉に耳を傾けてください。22イスラエルの人たち、これから話すことを聞いてください。ナザレの人イエスこそ、神から遣わされた方です。神は、イエスを通してあなたがたの間で行われた奇跡と、不思議な業と、しるしとによって、そのことをあなたがたに証明なさいました。あなたがた自身が既に知っているとおりです。23このイエスを神は、お定めになった計画により、あらかじめご存じのうえで、あなたがたに引き渡されたのですが、あなたがたは律法を知らない者たちの手を借りて、十字架につけて殺してしまったのです。24しかし、神はこのイエスを死の苦しみから解放して、復活させられました。イエスが死に支配されたままでおられるなどということは、ありえなかったからです。25ダビデは、イエスについてこう言っています。 『わたしは、いつも目の前に主を見ていた。 29兄弟たち、先祖ダビデについては、彼は死んで葬られ、その墓は今でもわたしたちのところにあると、はっきり言えます。30ダビデは預言者だったので、彼から生まれる子孫の一人をその王座に着かせると、神がはっきり誓ってくださったことを知っていました。31そして、キリストの復活について前もって知り、『彼は陰府に捨てておかれず、その体は朽ち果てることがない』と語りました。32神はこのイエスを復活させられたのです。わたしたちは皆、そのことの証人です。」 答唱詩編詩編16・10、11しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。 詩編1616・10あなたはわたしを死の国に見捨てられず、 11あなたはいのちの道を示してくださる。 福音朗読マタイ28・8-15アレルヤ、アレルヤ。きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、28・8婦人たちは、恐れながらも大いに喜び、急いで墓を立ち去り、弟子たちに知らせるために走って行った。9すると、イエスが行く手に立っていて、「おはよう」と言われたので、婦人たちは近寄り、イエスの足を抱き、その前にひれ伏した。10イエスは言われた。「恐れることはない。行って、わたしの兄弟たちにガリラヤへ行くように言いなさい。そこでわたしに会うことになる。」 11婦人たちが行き着かないうちに、数人の番兵は都に帰り、この出来事をすべて祭司長たちに報告した。12そこで、祭司長たちは長老たちと集まって相談し、兵士たちに多額の金を与えて、13言った。「『弟子たちが夜中にやって来て、我々の寝ている間に死体を盗んで行った』と言いなさい。14もしこのことが総督の耳に入っても、うまく総督を説得して、あなたがたには心配をかけないようにしよう。」15兵士たちは金を受け取って、教えられたとおりにした。この話は、今日に至るまでユダヤ人の間に広まっている。 |
|||
復活の火曜日 | 4月22日(火) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録2・36-41あなたがたが十字架につけて殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったのです。 使徒たちの宣教五旬祭の日に、ペトロはユダヤ人たちに言った。2・36イスラエルの全家は、はっきり知らなくてはなりません。あなたがたが十字架につけて殺したイエスを、神は主とし、またメシアとなさったのです。」 37人々はこれを聞いて大いに心を打たれ、ペトロとほかの使徒たちに、「兄弟たち、わたしたちはどうしたらよいのですか」と言った。38すると、ペトロは彼らに言った。「悔い改めなさい。めいめい、イエス・キリストの名によって洗礼を受け、罪を赦していただきなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けます。39この約束は、あなたがたにも、あなたがたの子供にも、遠くにいるすべての人にも、つまり、わたしたちの神である主が招いてくださる者ならだれにでも、与えられているものなのです。」40ペトロは、このほかにもいろいろ話をして、力強く証しをし、「邪悪なこの時代から救われなさい」と勧めていた。41ペトロの言葉を受け入れた人々は洗礼を受け、その日に三千人ほどが仲間に加わった。 答唱詩編詩編33・4+5、20+21神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。 詩編3333・4神のことばはただしく、 20神はたて、神はすくい、 福音朗読ヨハネ20・11-18アレルヤ、アレルヤ。きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、20・11マリアは墓の外に立って泣いていた。泣きながら身をかがめて墓の中を見ると、12イエスの遺体の置いてあった所に、白い衣を着た二人の天使が見えた。一人は頭の方に、もう一人は足の方に座っていた。13天使たちが、「婦人よ、なぜ泣いているのか」と言うと、マリアは言った。「わたしの主が取り去られました。どこに置かれているのか、わたしには分かりません。」14こう言いながら後ろを振り向くと、イエスの立っておられるのが見えた。しかし、それがイエスだとは分からなかった。15イエスは言われた。「婦人よ、なぜ泣いているのか。だれを捜しているのか。」マリアは、園丁だと思って言った。「あなたがあの方を運び去ったのでしたら、どこに置いたのか教えてください。わたしが、あの方を引き取ります。」16イエスが、「マリア」と言われると、彼女は振り向いて、ヘブライ語で、「ラボニ」と言った。「先生」という意味である。17イエスは言われた。「わたしにすがりつくのはよしなさい。まだ父のもとへ上っていないのだから。わたしの兄弟たちのところへ行って、こう言いなさい。『わたしの父であり、あなたがたの父である方、また、わたしの神であり、あなたがたの神である方のところへわたしは上る』と。」18マグダラのマリアは弟子たちのところへ行って、「わたしは主を見ました」と告げ、また、主から言われたことを伝えた。 |
|||
復活の水曜日 | 4月23日(水) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録3・1-10わたしには金や銀はないが、持っているものをあげよう。 使徒たちの宣教その日、3・1ペトロとヨハネが、午後三時の祈りの時に神殿に上って行った。2すると、生まれながら足の不自由な男が運ばれて来た。神殿の境内に入る人に施しを乞うため、毎日「美しい門」という神殿の門のそばに置いてもらっていたのである。3彼はペトロとヨハネが境内に入ろうとするのを見て、施しを乞うた。4ペトロはヨハネと一緒に彼をじっと見て、「わたしたちを見なさい」と言った。5その男が、何かもらえると思って二人を見つめていると、6ペトロは言った。「わたしには金や銀はないが、持っているものをあげよう。ナザレの人イエス・キリストの名によって立ち上がり、歩きなさい。」7そして、右手を取って彼を立ち上がらせた。すると、たちまち、その男は足やくるぶしがしっかりして、8躍り上がって立ち、歩きだした。そして、歩き回ったり躍ったりして神を賛美し、二人と一緒に境内に入って行った。9民衆は皆、彼が歩き回り、神を賛美しているのを見た。10彼らは、それが神殿の「美しい門」のそばに座って施しを乞うていた者だと気づき、その身に起こったことに我を忘れるほど驚いた。 答唱詩編詩編105・1+2、3+4わたしの心は神のうちに喜び、その救いに喜びおどる。 詩編105105・1神に感謝してその名をたたえよ。 3尊いその名をたたえよ。 福音朗読ルカ24・13-35アレルヤ、アレルヤ。きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音ちょうどこの日は週の初めの日であったが、24・13二人の弟子が、エルサレムから六十スタディオン離れたエマオという村へ向かって歩きながら、14この一切の出来事について話し合っていた。15話し合い論じ合っていると、イエス御自身が近づいて来て、一緒に歩き始められた。16しかし、二人の目は遮られていて、イエスだとは分からなかった。17イエスは、「歩きながら、やり取りしているその話は何のことですか」と言われた。二人は暗い顔をして立ち止まった。18その一人のクレオパという人が答えた。「エルサレムに滞在していながら、この数日そこで起こったことを、あなただけはご存じなかったのですか。」19イエスが、「どんなことですか」と言われると、二人は言った。「ナザレのイエスのことです。この方は、神と民全体の前で、行いにも言葉にも力のある預言者でした。20それなのに、わたしたちの祭司長たちや議員たちは、死刑にするため引き渡して、十字架につけてしまったのです。21わたしたちは、あの方こそイスラエルを解放してくださると望みをかけていました。しかも、そのことがあってから、もう今日で三日目になります。22ところが、仲間の婦人たちがわたしたちを驚かせました。婦人たちは朝早く墓へ行きましたが、23遺体を見つけずに戻って来ました。そして、天使たちが現れ、『イエスは生きておられる』と告げたと言うのです。24仲間の者が何人か墓へ行ってみたのですが、婦人たちが言ったとおりで、あの方は見当たりませんでした。」25そこで、イエスは言われた。「ああ、物分かりが悪く、心が鈍く預言者たちの言ったことすべてを信じられない者たち、26メシアはこういう苦しみを受けて、栄光に入るはずだったのではないか。」27そして、モーセとすべての預言者から始めて、聖書全体にわたり、御自分について書かれていることを説明された。 28一行は目指す村に近づいたが、イエスはなおも先へ行こうとされる様子だった。29二人が、「一緒にお泊まりください。そろそろ夕方になりますし、もう日も傾いていますから」と言って、無理に引き止めたので、イエスは共に泊まるため家に入られた。30一緒に食事の席に着いたとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱え、パンを裂いてお渡しになった。31すると、二人の目が開け、イエスだと分かったが、その姿は見えなくなった。32二人は、「道で話しておられるとき、また聖書を説明してくださったとき、わたしたちの心は燃えていたではないか」と語り合った。33そして、時を移さず出発して、エルサレムに戻ってみると、十一人とその仲間が集まって、34本当に主は復活して、シモンに現れたと言っていた。35二人も、道で起こったことや、パンを裂いてくださったときにイエスだと分かった次第を話した。 |
|||
復活の木曜日 | 4月24日(木) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録3・11-26あなたがたは預言者の子孫であり、神があなたがたの先祖と結ばれた契約の子です。 使徒たちの宣教その日、いやされて歩けるようになった3・11男がペトロとヨハネに付きまとっていると、民衆は皆非常に驚いて、「ソロモンの回廊」と呼ばれる所にいる彼らの方へ、一斉に集まって来た。12これを見たペトロは、民衆に言った。「イスラエルの人たち、なぜこのことに驚くのですか。また、わたしたちがまるで自分の力や信心によって、この人を歩かせたかのように、なぜ、わたしたちを見つめるのですか。13アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神、わたしたちの先祖の神は、その僕イエスに栄光をお与えになりました。ところが、あなたがたはこのイエスを引き渡し、ピラトが釈放しようと決めていたのに、その面前でこの方を拒みました。14聖なる正しい方を拒んで、人殺しの男を赦すように要求したのです。15あなたがたは、命への導き手である方を殺してしまいましたが、神はこの方を死者の中から復活させてくださいました。わたしたちは、このことの証人です。16あなたがたの見て知っているこの人を、イエスの名が強くしました。それは、その名を信じる信仰によるものです。イエスによる信仰が、あなたがた一同の前でこの人を完全にいやしたのです。17ところで、兄弟たち、あなたがたがあんなことをしてしまったのは、指導者たちと同様に無知のためであったと、わたしには分かっています。18しかし、神はすべての預言者の口を通して予告しておられたメシアの苦しみを、このようにして実現なさったのです。19だから、自分の罪が消し去られるように、悔い改めて立ち帰りなさい。20こうして、主のもとから慰めの時が訪れ、主はあなたがたのために前もって決めておられた、メシアであるイエスを遣わしてくださるのです。21このイエスは、神が聖なる預言者たちの口を通して昔から語られた、万物が新しくなるその時まで、必ず天にとどまることになっています。22モーセは言いました。『あなたがたの神である主は、あなたがたの同胞の中から、わたしのような預言者をあなたがたのために立てられる。彼が語りかけることには、何でも聞き従え。23この預言者に耳を傾けない者は皆、民の中から滅ぼし絶やされる。』24預言者は皆、サムエルをはじめその後に預言した者も、今の時について告げています。25あなたがたは預言者の子孫であり、神があなたがたの先祖と結ばれた契約の子です。『地上のすべての民族は、あなたから生まれる者によって祝福を受ける』と、神はアブラハムに言われました。26それで、神は御自分の僕を立て、まず、あなたがたのもとに遣わしてくださったのです。それは、あなたがた一人一人を悪から離れさせ、その祝福にあずからせるためでした。」 答唱詩編詩編8・4+5・6+7神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。 詩編88・4あなたの指のわざである天を仰ぎ、 6あなたは人を神の使いに近い者として造り、 福音朗読ルカ24・35-48アレルヤ、アレルヤ。きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、エルサレムに戻った二人の弟子は、24・35道で起こったことや、パンを裂いてくださったときにイエスだと分かった次第を話した。 36こういうことを話していると、イエス御自身が彼らの真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。37彼らは恐れおののき、亡霊を見ているのだと思った。38そこで、イエスは言われた。「なぜ、うろたえているのか。どうして心に疑いを起こすのか。39わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしだ。触ってよく見なさい。亡霊には肉も骨もないが、あなたがたに見えるとおり、わたしにはそれがある。」40こう言って、イエスは手と足をお見せになった。41彼らが喜びのあまりまだ信じられず、不思議がっているので、イエスは、「ここに何か食べ物があるか」と言われた。42そこで、焼いた魚を一切れ差し出すと、43イエスはそれを取って、彼らの前で食べられた。 44イエスは言われた。「わたしについてモーセの律法と預言者の書と詩編に書いてある事柄は、必ずすべて実現する。これこそ、まだあなたがたと一緒にいたころ、言っておいたことである。」45そしてイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いて、46言われた。「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。47また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。エルサレムから始めて、48あなたがたはこれらのことの証人となる。」 |
|||
復活の金曜日 | 4月25日(金) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録4・1-12この方こそ、『あなたがた家を建てる者に捨てられたが、隅の親石となった石』です。 使徒たちの宣教その日、4・1ペトロとヨハネが民衆に話をしていると、祭司たち、神殿守衛長、サドカイ派の人々が近づいて来た。2二人が民衆に教え、イエスに起こった死者の中からの復活を宣べ伝えているので、彼らはいらだち、3二人を捕らえて翌日まで牢に入れた。既に日暮れだったからである。4しかし、二人の語った言葉を聞いて信じた人は多く、男の数が五千人ほどになった。 5次の日、議員、長老、律法学者たちがエルサレムに集まった。6大祭司アンナスとカイアファとヨハネとアレクサンドロと大祭司一族が集まった。7そして、使徒たちを真ん中に立たせて、「お前たちは何の権威によって、だれの名によってああいうことをしたのか」と尋問した。8そのとき、ペトロは聖霊に満たされて言った。「民の議員、また長老の方々、9今日わたしたちが取り調べを受けているのは、病人に対する善い行いと、その人が何によっていやされたかということについてであるならば、10あなたがたもイスラエルの民全体も知っていただきたい。この人が良くなって、皆さんの前に立っているのは、あなたがたが十字架につけて殺し、神が死者の中から復活させられたあのナザレの人、イエス・キリストの名によるものです。11この方こそ、 答唱詩編詩編118・1+2、22+23きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。 詩編118118・1恵み深い神に感謝せよ。 22家造りの捨てた石が、 福音朗読ヨハネ21・1-14アレルヤ、アレルヤ。きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音21・1その後、イエスはティベリアス湖畔で、また弟子たちに御自身を現された。その次第はこうである。2シモン・ペトロ、ディディモと呼ばれるトマス、ガリラヤのカナ出身のナタナエル、ゼベダイの子たち、それに、ほかの二人の弟子が一緒にいた。3シモン・ペトロが、「わたしは漁に行く」と言うと、彼らは、「わたしたちも一緒に行こう」と言った。彼らは出て行って、舟に乗り込んだ。しかし、その夜は何もとれなかった。4既に夜が明けたころ、イエスが岸に立っておられた。だが、弟子たちは、それがイエスだとは分からなかった。5イエスが、「子たちよ、何か食べる物があるか」と言われると、彼らは、「ありません」と答えた。6イエスは言われた。「舟の右側に網を打ちなさい。そうすればとれるはずだ。」そこで、網を打ってみると、魚があまり多くて、もはや網を引き上げることができなかった。7イエスの愛しておられたあの弟子がペトロに、「主だ」と言った。シモン・ペトロは「主だ」と聞くと、裸同然だったので、上着をまとって湖に飛び込んだ。8ほかの弟子たちは魚のかかった網を引いて、舟で戻って来た。陸から二百ペキスばかりしか離れていなかったのである。9さて、陸に上がってみると、炭火がおこしてあった。その上に魚がのせてあり、パンもあった。10イエスが、「今とった魚を何匹か持って来なさい」と言われた。11シモン・ペトロが舟に乗り込んで網を陸に引き上げると、百五十三匹もの大きな魚でいっぱいであった。それほど多くとれたのに、網は破れていなかった。12イエスは、「さあ、来て、朝の食事をしなさい」と言われた。弟子たちはだれも、「あなたはどなたですか」と問いただそうとはしなかった。主であることを知っていたからである。13イエスは来て、パンを取って弟子たちに与えられた。魚も同じようにされた。14イエスが死者の中から復活した後、弟子たちに現れたのは、これでもう三度目である。 |
|||
復活の土曜日 | 4月26日(土) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録4・13-21わたしたちは、見たことや聞いたことを話さないではいられないのです。 使徒たちの宣教その日、4・13議員や他の者たちは、ペトロとヨハネの大胆な態度を見、しかも二人が無学な普通の人であることを知って驚き、また、イエスと一緒にいた者であるということも分かった。14しかし、足をいやしていただいた人がそばに立っているのを見ては、ひと言も言い返せなかった。15そこで、二人に議場を去るように命じてから、相談して、16言った。「あの者たちをどうしたらよいだろう。彼らが行った目覚ましいしるしは、エルサレムに住むすべての人に知れ渡っており、それを否定することはできない。17しかし、このことがこれ以上民衆の間に広まらないように、今後あの名によってだれにも話すなと脅しておこう。」18そして、二人を呼び戻し、決してイエスの名によって話したり、教えたりしないようにと命令した。19しかし、ペトロとヨハネは答えた。「神に従わないであなたがたに従うことが、神の前に正しいかどうか、考えてください。20わたしたちは、見たことや聞いたことを話さないではいられないのです。」21議員や他の者たちは、二人を更に脅してから釈放した。皆の者がこの出来事について神を賛美していたので、民衆を恐れて、どう処罰してよいか分からなかったからである。 答唱詩編詩編118・1+2、16+17きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。 詩編118118・1恵み深い神に感謝せよ。 16神の右の手は高く上がり、 福音朗読マルコ16・9-15アレルヤ、アレルヤ。きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音16・9イエスは週の初めの日の朝早く、復活して、まずマグダラのマリアに御自身を現された。このマリアは、以前イエスに七つの悪霊を追い出していただいた婦人である。10マリアは、イエスと一緒にいた人々が泣き悲しんでいるところへ行って、このことを知らせた。11しかし彼らは、イエスが生きておられること、そしてマリアがそのイエスを見たことを聞いても、信じなかった。 12その後、彼らのうちの二人が田舎の方へ歩いて行く途中、イエスが別の姿で御自身を現された。13この二人も行って残りの人たちに知らせたが、彼らは二人の言うことも信じなかった。 14その後、十一人が食事をしているとき、イエスが現れ、その不信仰とかたくなな心をおとがめになった。復活されたイエスを見た人々の言うことを、信じなかったからである。15それから、イエスは言われた。「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。」 |
|||
復活節第2主日 | 4月27日(日) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録5・12-16多くの男女が主を信じ、その数はますます増えていった。 使徒たちの宣教そのころ、5・12使徒たちの手によって、多くのしるしと不思議な業とが民衆の間で行われていた。一同は心を一つにしてソロモンの回廊に集まっていたが、13ほかの者はだれ一人、あえて仲間に加わろうとはしなかった。しかし、民衆は彼らを称賛していた。14そして、多くの男女が主を信じ、その数はますます増えていった。15人々は病人を大通りに運び出し、担架や床に寝かせた。ペトロが通りかかるとき、せめてその影だけでも病人のだれかにかかるようにした。16また、エルサレム付近の町からも、群衆が病人や汚れた霊に悩まされている人々を連れて集まってきたが、一人残らずいやしてもらった。 答唱詩編詩編118・1+2、16+17、22+23きょうこそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。 詩編118118・1恵み深い神に感謝せよ。 16神の右の手は高くあがり、 22家造りの捨てた石が、 第二朗読黙示録1・9-11a、12-13、17-19わたしは一度死んだが、見よ、世々限りなく生きる。 ヨハネの黙示1・9わたしヨハネは、あなたがたの兄弟であり、共にイエスと結ばれて、その苦難、支配、忍耐にあずかっている者である。わたしは、神の言葉とイエスの証しのゆえに、パトモスと呼ばれる島にいた。10ある主の日のこと、わたしは〝霊〟に満たされていたが、後ろの方でラッパのように響く大声を聞いた。11aその声はこう言った。「あなたの見ていることを巻物に書いて、アジア州にある七つの教会に送れ。」 12わたしは、語りかける声の主を見ようとして振り向いた。振り向くと、七つの金の燭台が見え、13燭台の中央には、人の子のような方がおり、足まで届く衣を着て、胸には金の帯を締めておられた。 17わたしは、その方を見ると、その足もとに倒れて、死んだようになった。すると、その方は右手をわたしの上に置いて言われた。「恐れるな。わたしは最初の者にして最後の者、18また生きている者である。一度は死んだが、見よ、世々限りなく生きて、死と陰府の鍵を持っている。19さあ、見たことを、今あることを、今後起ころうとしていることを書き留めよ。」 福音朗読ヨハネ20・19-31アレルヤ、アレルヤ。トマよ、あなたはわたしを見たので信じた。見ないで信じる人は幸い。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音20・19その日、すなわち週の初めの日の夕方、弟子たちはユダヤ人を恐れて、自分たちのいる家の戸に鍵をかけていた。そこへ、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。20そう言って、手とわき腹とをお見せになった。弟子たちは、主を見て喜んだ。21イエスは重ねて言われた。「あなたがたに平和があるように。父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす。」22そう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた。「聖霊を受けなさい。23だれの罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される。だれの罪でも、あなたがたが赦さなければ、赦されないまま残る。」 24十二人の一人でディディモと呼ばれるトマスは、イエスが来られたとき、彼らと一緒にいなかった。25そこで、ほかの弟子たちが、「わたしたちは主を見た」と言うと、トマスは言った。「あの方の手に釘の跡を見、この指を釘跡に入れてみなければ、また、この手をそのわき腹に入れてみなければ、わたしは決して信じない。」26さて八日の後、弟子たちはまた家の中におり、トマスも一緒にいた。戸にはみな鍵がかけてあったのに、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。27それから、トマスに言われた。「あなたの指をここに当てて、わたしの手を見なさい。また、あなたの手を伸ばし、わたしのわき腹に入れなさい。信じない者ではなく、信じる者になりなさい。」28トマスは答えて、「わたしの主、わたしの神よ」と言った。29イエスはトマスに言われた。「わたしを見たから信じたのか。見ないのに信じる人は、幸いである。」 30このほかにも、イエスは弟子たちの前で、多くのしるしをなさったが、それはこの書物に書かれていない。31これらのことが書かれたのは、あなたがたが、イエスは神の子メシアであると信じるためであり、また、信じてイエスの名により命を受けるためである。 |
|||
復活節第2月曜日 | 4月28日(月) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録4・23-31皆、聖霊に満たされて、大胆に神の言葉を語りだした。 使徒たちの宣教その日、ペトロとヨハネは、4・23釈放されると仲間のところへ行き、祭司長たちや長老たちの言ったことを残らず話した。24これを聞いた人たちは心を一つにし、神に向かって声をあげて言った。「主よ、あなたは天と地と海と、そして、そこにあるすべてのものを造られた方です。25あなたの僕であり、また、わたしたちの父であるダビデの口を通し、あなたは聖霊によってこうお告げになりました。 『なぜ、異邦人は騒ぎ立ち、 27事実、この都でヘロデとポンティオ・ピラトは、異邦人やイスラエルの民と一緒になって、あなたが油を注がれた聖なる僕イエスに逆らいました。28そして、実現するようにと御手と御心によってあらかじめ定められていたことを、すべて行ったのです。29主よ、今こそ彼らの脅しに目を留め、あなたの僕たちが、思い切って大胆に御言葉を語ることができるようにしてください。30どうか、御手を伸ばし聖なる僕イエスの名によって、病気がいやされ、しるしと不思議な業が行われるようにしてください。」31祈りが終わると、一同の集まっていた場所が揺れ動き、皆、聖霊に満たされて、大胆に神の言葉を語りだした。 答唱詩編詩編2・1+2、4+5神は王を立てたもう、聖なるシオンの山のうえに。 詩編22・1なぜ異邦の民は騒ぎ、 4彼らの企ては空しく、 福音朗読ヨハネ3・1-8アレルヤ、アレルヤ。キリストとともに復活したなら上のことを求めよう。キリストは神の右に座しておられる。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音3・1さて、ファリサイ派に属する、ニコデモという人がいた。ユダヤ人たちの議員であった。2ある夜、イエスのもとに来て言った。「ラビ、わたしどもは、あなたが神のもとから来られた教師であることを知っています。神が共におられるのでなければ、あなたのなさるようなしるしを、だれも行うことはできないからです。」3イエスは答えて言われた。「はっきり言っておく。人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない。」4ニコデモは言った。「年をとった者が、どうして生まれることができましょう。もう一度母親の胎内に入って生まれることができるでしょうか。」5イエスはお答えになった。「はっきり言っておく。だれでも水と霊とによって生まれなければ、神の国に入ることはできない。6肉から生まれたものは肉である。霊から生まれたものは霊である。7『あなたがたは新たに生まれねばならない』とあなたに言ったことに、驚いてはならない。8風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くかを知らない。霊から生まれた者も皆そのとおりである。」 |
|||
聖カタリナ(シエナ) おとめ教会博士 | 4月29日(火) | 記念日 | |
第一朗読使徒言行録4・32-37ヨセフも、持っていた畑を売り、その代金を持って来て使徒たちの足もとに置いた。 使徒たちの宣教4・32信じた人々の群れは心も思いも一つにし、一人として持ち物を自分のものだと言う者はなく、すべてを共有していた。33使徒たちは、大いなる力をもって主イエスの復活を証しし、皆、人々から非常に好意を持たれていた。34信者の中には、一人も貧しい人がいなかった。土地や家を持っている人が皆、それを売っては代金を持ち寄り、35使徒たちの足もとに置き、その金は必要に応じて、おのおのに分配されたからである。36たとえば、レビ族の人で、使徒たちからバルナバ――「慰めの子」という意味――と呼ばれていた、キプロス島生まれのヨセフも、37持っていた畑を売り、その代金を持って来て使徒たちの足もとに置いた。 答唱詩編詩編93・1+2、5+栄唱神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。 詩編9393・1神は王。栄光に満ち、 5神よ、あなたのことばは変わることなく、 福音朗読ヨハネ3・7a、8-15アレルヤ、アレルヤ。主はわたしたちのために十字架の木にかかり、墓の中から復活された。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスはニコデモに言われた。3・7「あなたがたは新たに生まれねばならない。8風は思いのままに吹く。あなたはその音を聞いても、それがどこから来て、どこへ行くかを知らない。霊から生まれた者も皆そのとおりである。」9するとニコデモは、「どうして、そんなことがありえましょうか」と言った。10イエスは答えて言われた。「あなたはイスラエルの教師でありながら、こんなことが分からないのか。11はっきり言っておく。わたしたちは知っていることを語り、見たことを証ししているのに、あなたがたはわたしたちの証しを受け入れない。12わたしが地上のことを話しても信じないとすれば、天上のことを話したところで、どうして信じるだろう。13天から降って来た者、すなわち人の子のほかには、天に上った者はだれもいない。14そして、モーセが荒れ野で蛇を上げたように、人の子も上げられねばならない。15それは、信じる者が皆、人の子によって永遠の命を得るためである。」 |
|||
復活節第2水曜日 | 4月30日(水) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録5・17-26行って神殿の境内に立ち、この命の言葉を残らず民衆に告げなさい 使徒たちの宣教その日、5・17大祭司とその仲間のサドカイ派の人々は皆立ち上がり、ねたみに燃えて、18使徒たちを捕らえて公の牢に入れた。19ところが、夜中に主の天使が牢の戸を開け、彼らを外に連れ出し、20「行って神殿の境内に立ち、この命の言葉を残らず民衆に告げなさい」と言った。21これを聞いた使徒たちは、夜明けごろ境内に入って教え始めた。一方、大祭司とその仲間が集まり、最高法院、すなわちイスラエルの子らの長老会全体を召集し、使徒たちを引き出すために、人を牢に差し向けた。22下役たちが行ってみると、使徒たちは牢にいなかった。彼らは戻って来て報告した。23「牢にはしっかり鍵がかかっていたうえに、戸の前には番兵が立っていました。ところが、開けてみると、中にはだれもいませんでした。」24この報告を聞いた神殿守衛長と祭司長たちは、どうなることかと、使徒たちのことで思い惑った。25そのとき、人が来て、「御覧ください。あなたがたが牢に入れた者たちが、境内にいて民衆に教えています」と告げた。26そこで、守衛長は下役を率いて出て行き、使徒たちを引き立てて来た。しかし、民衆に石を投げつけられるのを恐れて、手荒なことはしなかった。 答唱詩編詩編34・2+3、4+5主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編3434・2主をたたえよう、 4心を合わせて主をあがめ、 福音朗読ヨハネ3・16-21アレルヤ、アレルヤ。神はひとり子をお与えになるほど世を愛された。神を信じるすべての人が永遠のいのちを得るために。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音3・16神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。17神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである。18御子を信じる者は裁かれない。信じない者は既に裁かれている。神の独り子の名を信じていないからである。19光が世に来たのに、人々はその行いが悪いので、光よりも闇の方を好んだ。それが、もう裁きになっている。20悪を行う者は皆、光を憎み、その行いが明るみに出されるのを恐れて、光の方に来ないからである。21しかし、真理を行う者は光の方に来る。その行いが神に導かれてなされたということが、明らかになるために。 |
|||
05月 | |||
復活節第2木曜日 | 5月1日(木) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録5・27-33人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません。 使徒たちの宣教その日、神殿守衛長と下役たちが5・27使徒たちを引いて来て最高法院の中に立たせると、大祭司が尋問した。28「あの名によって教えてはならないと、厳しく命じておいたではないか。それなのに、お前たちはエルサレム中に自分の教えを広め、あの男の血を流した責任を我々に負わせようとしている。」29ペトロとほかの使徒たちは答えた。「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません。30わたしたちの先祖の神は、あなたがたが木につけて殺したイエスを復活させられました。31神はイスラエルを悔い改めさせ、その罪を赦すために、この方を導き手とし、救い主として、御自分の右に上げられました。32わたしたちはこの事実の証人であり、また、神が御自分に従う人々にお与えになった聖霊も、このことを証ししておられます。」 33これを聞いた者たちは激しく怒り、使徒たちを殺そうと考えた。 答唱詩編詩編34・9+10、16+18主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編3434・9主により頼む人はしあわせ。 16主のまなざしは正しい人に、 福音朗読ヨハネ3・31-36アレルヤ、アレルヤ。トマよ、あなたはわたしを見たので信じた。見ないで信じる人は幸い。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音3・31上から来られる方は、すべてのものの上におられる。地から出る者は地に属し、地に属する者として語る。天から来られる方は、すべてのものの上におられる。32この方は、見たこと、聞いたことを証しされるが、だれもその証しを受け入れない。33その証しを受け入れる者は、神が真実であることを確認したことになる。34神がお遣わしになった方は、神の言葉を話される。神が〝霊〟を限りなくお与えになるからである。35御父は御子を愛して、その手にすべてをゆだねられた。36御子を信じる人は永遠の命を得ているが、御子に従わない者は、命にあずかることがないばかりか、神の怒りがその上にとどまる。 |
|||
聖アタナシオ 司教教会博士 | 5月2日(金) | 記念日 | |
第一朗読使徒言行録5・34-42毎日、神殿の境内や家々で絶えず教え、メシア・イエスについて福音を告げ知らせていた。 使徒たちの宣教その日、5・34民衆全体から尊敬されている律法の教師で、ファリサイ派に属するガマリエルという人が、議場に立って、使徒たちをしばらく外に出すように命じ、35それから、議員たちにこう言った。「イスラエルの人たち、あの者たちの取り扱いは慎重にしなさい。36以前にもテウダが、自分を何か偉い者のように言って立ち上がり、その数四百人くらいの男が彼に従ったことがあった。彼は殺され、従っていた者は皆散らされて、跡形もなくなった。37その後、住民登録の時、ガリラヤのユダが立ち上がり、民衆を率いて反乱を起こしたが、彼も滅び、つき従った者も皆、ちりぢりにさせられた。38そこで今、申し上げたい。あの者たちから手を引きなさい。ほうっておくがよい。あの計画や行動が人間から出たものなら、自滅するだろうし、39神から出たものであれば、彼らを滅ぼすことはできない。もしかしたら、諸君は神に逆らう者となるかもしれないのだ。」一同はこの意見に従い、40使徒たちを呼び入れて鞭で打ち、イエスの名によって話してはならないと命じたうえ、釈放した。41それで使徒たちは、イエスの名のために辱めを受けるほどの者にされたことを喜び、最高法院から出て行き、42毎日、神殿の境内や家々で絶えず教え、メシア・イエスについて福音を告げ知らせていた。 答唱詩編詩編27・1、13+14神よ、あなたの顔の光を、わたしたちの上に照らしてください。 詩編2727・1神はわたしの光、わたしの救い、 13神に生きる人々の中で 福音朗読ヨハネ6・1-15アレルヤ、アレルヤ。人はパンだけではなく、神の言葉によって生きている。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、6・1イエスはガリラヤ湖、すなわちティベリアス湖の向こう岸に渡られた。2大勢の群衆が後を追った。イエスが病人たちになさったしるしを見たからである。3イエスは山に登り、弟子たちと一緒にそこにお座りになった。4ユダヤ人の祭りである過越祭が近づいていた。5イエスは目を上げ、大勢の群衆が御自分の方へ来るのを見て、フィリポに、「この人たちに食べさせるには、どこでパンを買えばよいだろうか」と言われたが、6こう言ったのはフィリポを試みるためであって、御自分では何をしようとしているか知っておられたのである。7フィリポは、「めいめいが少しずつ食べるためにも、二百デナリオン分のパンでは足りないでしょう」と答えた。8弟子の一人で、シモン・ペトロの兄弟アンデレが、イエスに言った。9「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます。けれども、こんなに大勢の人では、何の役にも立たないでしょう。」10イエスは、「人々を座らせなさい」と言われた。そこには草がたくさん生えていた。男たちはそこに座ったが、その数はおよそ五千人であった。11さて、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えてから、座っている人々に分け与えられた。また、魚も同じようにして、欲しいだけ分け与えられた。12人々が満腹したとき、イエスは弟子たちに、「少しも無駄にならないように、残ったパンの屑を集めなさい」と言われた。13集めると、人々が五つの大麦パンを食べて、なお残ったパンの屑で、十二の籠がいっぱいになった。14そこで、人々はイエスのなさったしるしを見て、「まさにこの人こそ、世に来られる預言者である」と言った。15イエスは、人々が来て、自分を王にするために連れて行こうとしているのを知り、ひとりでまた山に退かれた。 |
|||
聖フィリポ、聖ヤコブ使徒 | 5月3日(土) | 聖人の記念 | |
第一朗読①コリント15・1-8キリストが、わたしたちの罪のために死んで、三日目に復活した。 使徒パウロのコリントの教会への手紙15・1兄弟たち、わたしがあなたがたに告げ知らせた福音を、ここでもう一度知らせます。これは、あなたがたが受け入れ、生活のよりどころとしている福音にほかなりません。2どんな言葉でわたしが福音を告げ知らせたか、しっかり覚えていれば、あなたがたはこの福音によって救われます。さもないと、あなたがたが信じたこと自体が、無駄になってしまうでしょう。3最も大切なこととしてわたしがあなたがたに伝えたのは、わたしも受けたものです。すなわち、キリストが、聖書に書いてあるとおりわたしたちの罪のために死んだこと、4葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおり三日目に復活したこと、5ケファに現れ、その後十二人に現れたことです。6次いで、五百人以上もの兄弟たちに同時に現れました。そのうちの何人かは既に眠りについたにしろ、大部分は今なお生き残っています。7次いで、ヤコブに現れ、その後すべての使徒に現れ、8そして最後に、月足らずで生まれたようなわたしにも現れました。 答唱詩編詩編19・2+3、4+5天は神の栄光を語り、大空はみ手のわざを告げる。 詩編1919・2天は神の栄光を語り、 4ことばでもなく、話でもなく、 福音朗読ヨハネ14・6-14アレルヤ、アレルヤ。わたしは道であり、真理であり、命。フィリポよ、私を見るものは父を見る。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスはトマスに14・6言われた。「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。7あなたがたがわたしを知っているなら、わたしの父をも知ることになる。今から、あなたがたは父を知る。いや、既に父を見ている。」8フィリポが「主よ、わたしたちに御父をお示しください。そうすれば満足できます」と言うと、9イエスは言われた。「フィリポ、こんなに長い間一緒にいるのに、わたしが分かっていないのか。わたしを見た者は、父を見たのだ。なぜ、『わたしたちに御父をお示しください』と言うのか。10わたしが父の内におり、父がわたしの内におられることを、信じないのか。わたしがあなたがたに言う言葉は、自分から話しているのではない。わたしの内におられる父が、その業を行っておられるのである。11わたしが父の内におり、父がわたしの内におられると、わたしが言うのを信じなさい。もしそれを信じないなら、業そのものによって信じなさい。12はっきり言っておく。わたしを信じる者は、わたしが行う業を行い、また、もっと大きな業を行うようになる。わたしが父のもとへ行くからである。13わたしの名によって願うことは、何でもかなえてあげよう。こうして、父は子によって栄光をお受けになる。14わたしの名によってわたしに何かを願うならば、わたしがかなえてあげよう。」 |
|||
復活節第3主日 | 5月4日(日) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録5・27b-32、40b-41私たちはこの事実の証人であり、聖霊もこのことを証ししておられる。 使徒たちの宣教5・27bそのとき、大祭司は使徒たちに尋問した。28「あの名によって教えてはならないと、厳しく命じておいたではないか。それなのに、お前たちはエルサレム中に自分の教えを広め、あの男の血を流した責任を我々に負わせようとしている。」29ペトロとほかの使徒たちは答えた。「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません。30わたしたちの先祖の神は、あなたがたが木につけて殺したイエスを復活させられました。31神はイスラエルを悔い改めさせ、その罪を赦すために、この方を導き手とし、救い主として、御自分の右に上げられました。32わたしたちはこの事実の証人であり、また、神が御自分に従う人々にお与えになった聖霊も、このことを証ししておられます。」 40b議員たちは、イエスの名によって話してはならないと命じたうえ、使徒たちを釈放した。41それで使徒たちは、イエスの名のために辱めを受けるほどの者にされたことを喜び、最高法院から出て行った。 答唱詩編詩編30・2b+4、11+12、13神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。 詩編3030・2b神よ、あなたはわたしを救い、 11神よ、いつくしみ深くわたしを顧み、 13わたしの心はあなたをたたえ、 第二朗読黙示録5・11-14屠られた小羊は力と富を受けるにふさわしい。 ヨハネの黙示5・11わたしヨハネは見た。そして、玉座と生き物と長老たちとの周りに、多くの天使の声を聞いた。その数は万の数万倍、千の数千倍であった。12天使たちは大声でこう言った。 13また、わたしは、天と地と地の下と海にいるすべての被造物、そして、そこにいるあらゆるものがこう言うのを聞いた。 14四つの生き物は「アーメン」と言い、長老たちはひれ伏して礼拝した。 福音朗読ヨハネ21・1-19アレルヤ、アレルヤ。すべてのものを造られたキリストは復活し、人類にあわれみをかけられる。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音21・1その後、イエスはティベリアス湖畔で、また弟子たちに御自身を現された。その次第はこうである。2シモン・ペトロ、ディディモと呼ばれるトマス、ガリラヤのカナ出身のナタナエル、ゼベダイの子たち、それに、ほかの二人の弟子が一緒にいた。3シモン・ペトロが、「わたしは漁に行く」と言うと、彼らは、「わたしたちも一緒に行こう」と言った。彼らは出て行って、舟に乗り込んだ。しかし、その夜は何もとれなかった。4既に夜が明けたころ、イエスが岸に立っておられた。だが、弟子たちは、それがイエスだとは分からなかった。5イエスが、「子たちよ、何か食べる物があるか」と言われると、彼らは、「ありません」と答えた。6イエスは言われた。「舟の右側に網を打ちなさい。そうすればとれるはずだ。」そこで、網を打ってみると、魚があまり多くて、もはや網を引き上げることができなかった。7イエスの愛しておられたあの弟子がペトロに、「主だ」と言った。シモン・ペトロは「主だ」と聞くと、裸同然だったので、上着をまとって湖に飛び込んだ。8ほかの弟子たちは魚のかかった網を引いて、舟で戻って来た。陸から二百ペキスばかりしか離れていなかったのである。9さて、陸に上がってみると、炭火がおこしてあった。その上に魚がのせてあり、パンもあった。10イエスが、「今とった魚を何匹か持って来なさい」と言われた。11シモン・ペトロが舟に乗り込んで網を陸に引き上げると、百五十三匹もの大きな魚でいっぱいであった。それほど多くとれたのに、網は破れていなかった。12イエスは、「さあ、来て、朝の食事をしなさい」と言われた。弟子たちはだれも、「あなたはどなたですか」と問いただそうとはしなかった。主であることを知っていたからである。13イエスは来て、パンを取って弟子たちに与えられた。魚も同じようにされた。14イエスが死者の中から復活した後、弟子たちに現れたのは、これでもう三度目である。 15食事が終わると、イエスはシモン・ペトロに、「ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか」と言われた。ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの小羊を飼いなさい」と言われた。16二度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの羊の世話をしなさい」と言われた。17三度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロは、イエスが三度目も、「わたしを愛しているか」と言われたので、悲しくなった。そして言った。「主よ、あなたは何もかもご存じです。わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます。」イエスは言われた。「わたしの羊を飼いなさい。18はっきり言っておく。あなたは、若いときは、自分で帯を締めて、行きたいところへ行っていた。しかし、年をとると、両手を伸ばして、他の人に帯を締められ、行きたくないところへ連れて行かれる。」19ペトロがどのような死に方で、神の栄光を現すようになるかを示そうとして、イエスはこう言われたのである。このように話してから、ペトロに、「わたしに従いなさい」と言われた。 |
|||
復活節第3月曜日 | 5月5日(月) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録6・8-15ステファノは恵みと力に満ち、すばらしい不思議な業としるしを民衆の間で行っていた。 使徒たちの宣教そのころ、6・8ステファノは恵みと力に満ち、すばらしい不思議な業としるしを民衆の間で行っていた。9ところが、キレネとアレクサンドリアの出身者で、いわゆる「解放された奴隷の会堂」に属する人々、またキリキア州とアジア州出身の人々などのある者たちが立ち上がり、ステファノと議論した。10しかし、彼が知恵と〝霊〟とによって語るので、歯が立たなかった。11そこで、彼らは人々を唆して、「わたしたちは、あの男がモーセと神を冒涜する言葉を吐くのを聞いた」と言わせた。12また、民衆、長老たち、律法学者たちを扇動して、ステファノを襲って捕らえ、最高法院に引いて行った。13そして、偽証人を立てて、次のように訴えさせた。「この男は、この聖なる場所と律法をけなして、一向にやめようとしません。14わたしたちは、彼がこう言っているのを聞いています。『あのナザレの人イエスは、この場所を破壊し、モーセが我々に伝えた慣習を変えるだろう。』」15最高法院の席に着いていた者は皆、ステファノに注目したが、その顔はさながら天使の顔のように見えた。 答唱詩編詩編119・57+58、29+30神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。 詩編119119・57神よ、あなたはわたしのすべて。 29偽りの道からわたしを退け、 福音朗読ヨハネ6・22-29アレルヤ、アレルヤ。人はパンだけではなく、神の言葉によって生きている。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音イエスが五千人の人々に食べ物をお与えになった後、弟子たちはイエスが湖の上を歩いておられるのを見た。6・22その翌日、湖の向こう岸に残っていた群衆は、そこには小舟が一そうしかなかったこと、また、イエスは弟子たちと一緒に舟に乗り込まれず、弟子たちだけが出かけたことに気づいた。23ところが、ほかの小舟が数そうティベリアスから、主が感謝の祈りを唱えられた後に人々がパンを食べた場所へ近づいて来た。24群衆は、イエスも弟子たちもそこにいないと知ると、自分たちもそれらの小舟に乗り、イエスを捜し求めてカファルナウムに来た。25そして、湖の向こう岸でイエスを見つけると、「ラビ、いつ、ここにおいでになったのですか」と言った。26イエスは答えて言われた。「はっきり言っておく。あなたがたがわたしを捜しているのは、しるしを見たからではなく、パンを食べて満腹したからだ。27朽ちる食べ物のためではなく、いつまでもなくならないで、永遠の命に至る食べ物のために働きなさい。これこそ、人の子があなたがたに与える食べ物である。父である神が、人の子を認証されたからである。」28そこで彼らが、「神の業を行うためには、何をしたらよいでしょうか」と言うと、29イエスは答えて言われた。「神がお遣わしになった者を信じること、それが神の業である。」 |
|||
復活節第3火曜日 | 5月6日(火) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録7・51-8・1a主よ、この罪を彼らに負わせないでください 使徒たちの宣教その日、ステファノは、民衆、長老たち、律法学者たちに言った。7・51「かたくなで、心と耳に割礼を受けていない人たち、あなたがたは、いつも聖霊に逆らっています。あなたがたの先祖が逆らったように、あなたがたもそうしているのです。52いったい、あなたがたの先祖が迫害しなかった預言者が、一人でもいたでしょうか。彼らは、正しい方が来られることを預言した人々を殺しました。そして今や、あなたがたがその方を裏切る者、殺す者となった。53天使たちを通して律法を受けた者なのに、それを守りませんでした。」 54人々はこれを聞いて激しく怒り、ステファノに向かって歯ぎしりした。55ステファノは聖霊に満たされ、天を見つめ、神の栄光と神の右に立っておられるイエスとを見て、56「天が開いて、人の子が神の右に立っておられるのが見える」と言った。57人々は大声で叫びながら耳を手でふさぎ、ステファノ目がけて一斉に襲いかかり、58都の外に引きずり出して石を投げ始めた。証人たちは、自分の着ている物をサウロという若者の足もとに置いた。59人々が石を投げつけている間、ステファノは主に呼びかけて、「主イエスよ、わたしの霊をお受けください」と言った。60それから、ひざまずいて、「主よ、この罪を彼らに負わせないでください」と大声で叫んだ。ステファノはこう言って、眠りについた。8・1サウロは、ステファノの殺害に賛成していた。 答唱詩編詩編31・6+7、15+16a+17b神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。 詩編3131・6神よ、あなたの手にわたしの霊をゆだねる。 15神よ、わたしはあなたにより頼む。 福音朗読ヨハネ6・30-35アレルヤ、アレルヤ。わたしは天から下ったいのちの糧。このパンを食べる人は永遠に生きる。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、群衆はイエスに言った。6・30「それでは、わたしたちが見てあなたを信じることができるように、どんなしるしを行ってくださいますか。どのようなことをしてくださいますか。31わたしたちの先祖は、荒れ野でマンナを食べました。『天からのパンを彼らに与えて食べさせた』と書いてあるとおりです。」32すると、イエスは言われた。「はっきり言っておく。モーセが天からのパンをあなたがたに与えたのではなく、わたしの父が天からのまことのパンをお与えになる。33神のパンは、天から降って来て、世に命を与えるものである。」 34そこで、彼らが、「主よ、そのパンをいつもわたしたちにください」と言うと、35イエスは言われた。「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。」 |
|||
復活節第3水曜日 | 5月7日(水) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録8・1b-8散って行った人々は、福音を告げ知らせながら巡り歩いた。 使徒たちの宣教その日、エルサレムの教会に対して大迫害が起こり、使徒たちのほかは皆、ユダヤとサマリアの地方に散って行った。2しかし、信仰深い人々がステファノを葬り、彼のことを思って大変悲しんだ。3一方、サウロは家から家へと押し入って教会を荒らし、男女を問わず引き出して牢に送っていた。 4さて、散って行った人々は、福音を告げ知らせながら巡り歩いた。5フィリポはサマリアの町に下って、人々にキリストを宣べ伝えた。6群衆は、フィリポの行うしるしを見聞きしていたので、こぞってその話に聞き入った。7実際、汚れた霊に取りつかれた多くの人たちからは、その霊が大声で叫びながら出て行き、多くの中風患者や足の不自由な人もいやしてもらった。8町の人々は大変喜んだ。 答唱詩編詩編66・1+2+4、5+9主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編6666・1すべての人よ、神に向かって喜びの声をあげよ。 5神のわざを仰ぎ見よ、 福音朗読ヨハネ6・35-40アレルヤ、アレルヤ。わたしの父の意志は、子を見て信じる者が永遠のいのちを保ち、終わりの日に復活することである。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは人々に言われた。6・35「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。36しかし、前にも言ったように、あなたがたはわたしを見ているのに、信じない。37父がわたしにお与えになる人は皆、わたしのところに来る。わたしのもとに来る人を、わたしは決して追い出さない。38わたしが天から降って来たのは、自分の意志を行うためではなく、わたしをお遣わしになった方の御心を行うためである。39わたしをお遣わしになった方の御心とは、わたしに与えてくださった人を一人も失わないで、終わりの日に復活させることである。40わたしの父の御心は、子を見て信じる者が皆永遠の命を得ることであり、わたしがその人を終わりの日に復活させることだからである。」 |
|||
復活節第3木曜日 | 5月8日(木) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録8・26-40ここに水があります。洗礼を受けるのに、何か妨げがあるでしょうか。 使徒たちの宣教その日、8・26主の天使はフィリポに、「ここをたって南に向かい、エルサレムからガザへ下る道に行け」と言った。そこは寂しい道である。27フィリポはすぐ出かけて行った。折から、エチオピアの女王カンダケの高官で、女王の全財産の管理をしていたエチオピア人の宦官が、エルサレムに礼拝に来て、28帰る途中であった。彼は、馬車に乗って預言者イザヤの書を朗読していた。29すると、〝霊〟がフィリポに、「追いかけて、あの馬車と一緒に行け」と言った。30フィリポが走り寄ると、預言者イザヤの書を朗読しているのが聞こえたので、「読んでいることがお分かりになりますか」と言った。31宦官は、「手引きしてくれる人がなければ、どうして分かりましょう」と言い、馬車に乗ってそばに座るようにフィリポに頼んだ。32彼が朗読していた聖書の個所はこれである。 「彼は、羊のように屠り場に引かれて行った。 34宦官はフィリポに言った。「どうぞ教えてください。預言者は、だれについてこう言っているのでしょうか。自分についてですか。だれかほかの人についてですか。」35そこで、フィリポは口を開き、聖書のこの個所から説きおこして、イエスについて福音を告げ知らせた。36道を進んで行くうちに、彼らは水のある所に来た。宦官は言った。「ここに水があります。洗礼を受けるのに、何か妨げがあるでしょうか。」38そして、車を止めさせた。フィリポと宦官は二人とも水の中に入って行き、フィリポは宦官に洗礼を授けた。39彼らが水の中から上がると、主の霊がフィリポを連れ去った。宦官はもはやフィリポの姿を見なかったが、喜びにあふれて旅を続けた。40フィリポはアゾトに姿を現した。そして、すべての町を巡りながら福音を告げ知らせ、カイサリアまで行った。 答唱詩編詩編66・16+17、1+8b+20神の栄えをほめうたい、その栄光を賛美せよ。 詩編6666・16神をおそれる者は耳を傾けよ。 1すべての人よ、神に向かって喜びの声をあげ、 福音朗読ヨハネ6・44-41アレルヤ、アレルヤ。わたしは天から下ったいのちの糧。このパンを食べる人は永遠に生きる。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは人々に言われた。6・44「わたしをお遣わしになった父が引き寄せてくださらなければ、だれもわたしのもとへ来ることはできない。わたしはその人を終わりの日に復活させる。45預言者の書に、『彼らは皆、神によって教えられる』と書いてある。父から聞いて学んだ者は皆、わたしのもとに来る。46父を見た者は一人もいない。神のもとから来た者だけが父を見たのである。47はっきり言っておく。信じる者は永遠の命を得ている。48わたしは命のパンである。49あなたたちの先祖は荒れ野でマンナを食べたが、死んでしまった。50しかし、これは、天から降って来たパンであり、これを食べる者は死なない。51わたしは、天から降って来た生きたパンである。このパンを食べるならば、その人は永遠に生きる。わたしが与えるパンとは、世を生かすためのわたしの肉のことである。」 |
|||
復活節第3金曜日 | 5月9日(金) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録9・1-20わたしは、あなたが迫害しているイエスである。 使徒たちの宣教その日、9・1サウロはなおも主の弟子たちを脅迫し、殺そうと意気込んで、大祭司のところへ行き、2ダマスコの諸会堂あての手紙を求めた。それは、この道に従う者を見つけ出したら、男女を問わず縛り上げ、エルサレムに連行するためであった。3ところが、サウロが旅をしてダマスコに近づいたとき、突然、天からの光が彼の周りを照らした。4サウロは地に倒れ、「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」と呼びかける声を聞いた。5「主よ、あなたはどなたですか」と言うと、答えがあった。「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。6起きて町に入れ。そうすれば、あなたのなすべきことが知らされる。」7同行していた人たちは、声は聞こえても、だれの姿も見えないので、ものも言えず立っていた。8サウロは地面から起き上がって、目を開けたが、何も見えなかった。人々は彼の手を引いてダマスコに連れて行った。9サウロは三日間、目が見えず、食べも飲みもしなかった。 10ところで、ダマスコにアナニアという弟子がいた。幻の中で主が、「アナニア」と呼びかけると、アナニアは、「主よ、ここにおります」と言った。11すると、主は言われた。「立って、『直線通り』と呼ばれる通りへ行き、ユダの家にいるサウロという名の、タルソス出身の者を訪ねよ。今、彼は祈っている。12アナニアという人が入って来て自分の上に手を置き、元どおり目が見えるようにしてくれるのを、幻で見たのだ。」13しかし、アナニアは答えた。「主よ、わたしは、その人がエルサレムで、あなたの聖なる者たちに対してどんな悪事を働いたか、大勢の人から聞きました。14ここでも、御名を呼び求める人をすべて捕らえるため、祭司長たちから権限を受けています。」15すると、主は言われた。「行け。あの者は、異邦人や王たち、またイスラエルの子らにわたしの名を伝えるために、わたしが選んだ器である。16わたしの名のためにどんなに苦しまなくてはならないかを、わたしは彼に示そう。」17そこで、アナニアは出かけて行ってユダの家に入り、サウロの上に手を置いて言った。「兄弟サウル、あなたがここへ来る途中に現れてくださった主イエスは、あなたが元どおり目が見えるようになり、また、聖霊で満たされるようにと、わたしをお遣わしになったのです。」18すると、たちまち目からうろこのようなものが落ち、サウロは元どおり見えるようになった。そこで、身を起こして洗礼を受け、19食事をして元気を取り戻した。 サウロは数日の間、ダマスコの弟子たちと一緒にいて、20すぐあちこちの会堂で、「この人こそ神の子である」と、イエスのことを宣べ伝えた。 答唱詩編詩編117・1+2、栄唱主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編117117・1すべての国よ、神をたたえ、 栄唱栄光は父と子と聖霊に。 福音朗読ヨハネ6・52-59アレルヤ、アレルヤ。わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む人は、わたしのうちに留まり、わたしもその人のうちにいる。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、6・52ユダヤ人たちは、「どうしてこの人は自分の肉を我々に食べさせることができるのか」と、互いに激しく議論し始めた。53イエスは言われた。「はっきり言っておく。人の子の肉を食べ、その血を飲まなければ、あなたたちの内に命はない。54わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、永遠の命を得、わたしはその人を終わりの日に復活させる。55わたしの肉はまことの食べ物、わたしの血はまことの飲み物だからである。56わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、いつもわたしの内におり、わたしもまたいつもその人の内にいる。57生きておられる父がわたしをお遣わしになり、またわたしが父によって生きるように、わたしを食べる者もわたしによって生きる。58これは天から降って来たパンである。先祖が食べたのに死んでしまったようなものとは違う。このパンを食べる者は永遠に生きる。」59これらは、イエスがカファルナウムの会堂で教えていたときに話されたことである。 |
|||
復活節第3土曜日 | 5月10日(土) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録9・31-42「タビタ、起きなさい」 使徒たちの宣教そのころ、9・31教会はユダヤ、ガリラヤ、サマリアの全地方で平和を保ち、主を畏れ、聖霊の慰めを受け、基礎が固まって発展し、信者の数が増えていった。 32ペトロは方々を巡り歩き、リダに住んでいる聖なる者たちのところへも下って行った。33そしてそこで、中風で八年前から床についていたアイネアという人に会った。34ペトロが、「アイネア、イエス・キリストがいやしてくださる。起きなさい。自分で床を整えなさい」と言うと、アイネアはすぐ起き上がった。35リダとシャロンに住む人は皆アイネアを見て、主に立ち帰った。 36ヤッファにタビタ――訳して言えばドルカス、すなわち「かもしか」――と呼ばれる婦人の弟子がいた。彼女はたくさんの善い行いや施しをしていた。37ところが、そのころ病気になって死んだので、人々は遺体を清めて階上の部屋に安置した。38リダはヤッファに近かったので、弟子たちはペトロがリダにいると聞いて、二人の人を送り、「急いでわたしたちのところへ来てください」と頼んだ。39ペトロはそこをたって、その二人と一緒に出かけた。人々はペトロが到着すると、階上の部屋に案内した。やもめたちは皆そばに寄って来て、泣きながら、ドルカスが一緒にいたときに作ってくれた数々の下着や上着を見せた。40ペトロが皆を外に出し、ひざまずいて祈り、遺体に向かって、「タビタ、起きなさい」と言うと、彼女は目を開き、ペトロを見て起き上がった。41ペトロは彼女に手を貸して立たせた。そして、聖なる者たちとやもめたちを呼び、生き返ったタビタを見せた。42このことはヤッファ中に知れ渡り、多くの人が主を信じた。 答唱詩編詩編116・12+13、15+16bこのパンを食べ、この杯を飲み、わたしは主の死を告げ知らせる。 詩編116116・12神が与えてくださったすべての恵みに、 15神を敬う人の死は、 福音朗読ヨハネ6・60-69アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは霊であり、いのちです。あなたは永遠の命のことばをもっておられる。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、6・60イエスの弟子たちの多くの者は言った。「実にひどい話だ。だれが、こんな話を聞いていられようか。」61イエスは、弟子たちがこのことについてつぶやいているのに気づいて言われた。「あなたがたはこのことにつまずくのか。62それでは、人の子がもといた所に上るのを見るならば……。63命を与えるのは〝霊〟である。肉は何の役にも立たない。わたしがあなたがたに話した言葉は霊であり、命である。64しかし、あなたがたのうちには信じない者たちもいる。」イエスは最初から、信じない者たちがだれであるか、また、御自分を裏切る者がだれであるかを知っておられたのである。65そして、言われた。「こういうわけで、わたしはあなたがたに、『父からお許しがなければ、だれもわたしのもとに来ることはできない』と言ったのだ。」 66このために、弟子たちの多くが離れ去り、もはやイエスと共に歩まなくなった。67そこで、イエスは十二人に、「あなたがたも離れて行きたいか」と言われた。68シモン・ペトロが答えた。「主よ、わたしたちはだれのところへ行きましょうか。あなたは永遠の命の言葉を持っておられます。69あなたこそ神の聖者であると、わたしたちは信じ、また知っています。」 |
|||
復活節第4主日 | 5月11日(日) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録13・14、43-52見なさい、私たちは異邦人の方に行く。 使徒たちの宣教その日、13・14パウロとバルナバはペルゲから進んで、ピシディア州のアンティオキアに到着した。そして、安息日に会堂に入って席に着いた。 43集会が終わってからも、多くのユダヤ人と神をあがめる改宗者とがついて来たので、二人は彼らと語り合い、神の恵みの下に生き続けるように勧めた。 44次の安息日になると、ほとんど町中の人が主の言葉を聞こうとして集まって来た。45しかし、ユダヤ人はこの群衆を見てひどくねたみ、口汚くののしって、パウロの話すことに反対した。46そこで、パウロとバルナバは勇敢に語った。「神の言葉は、まずあなたがたに語られるはずでした。だがあなたがたはそれを拒み、自分自身を永遠の命を得るに値しない者にしている。見なさい、わたしたちは異邦人の方に行く。47主はわたしたちにこう命じておられるからです。 答唱詩編詩編100・1+2、3ab、5わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。 詩編100100・1世界よ、神に喜びの声をあげ、 3ab神こそ、主であると悟れ。 5神はいつくしみ深く、そのあわれみは限りなく、 第二朗読黙示録7・9、14b-17小羊が彼らの牧者となり、命の水の泉へ導く。 ヨハネの黙示7・9わたしヨハネが見ていると、見よ、あらゆる国民、種族、民族、言葉の違う民の中から集まった、だれにも数えきれないほどの大群衆が、白い衣を身に着け、手になつめやしの枝を持ち、玉座の前と小羊の前に立っていた。 14b長老の一人がわたしに言った。「彼らは大きな苦難を通って来た者で、その衣を小羊の血で洗って白くしたのである。 福音朗読ヨハネ10・27-30アレルヤ、アレルヤ。わたしはよい牧者。わたしは羊を知り、羊はわたしを知っている。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは言われた。10・27「わたしの羊はわたしの声を聞き分ける。わたしは彼らを知っており、彼らはわたしに従う。28わたしは彼らに永遠の命を与える。彼らは決して滅びず、だれも彼らをわたしの手から奪うことはできない。29わたしの父がわたしにくださったものは、すべてのものより偉大であり、だれも父の手から奪うことはできない。30わたしと父とは一つである。」 |
|||
復活節第4月曜日 | 5月12日(月) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録11・1-18神は異邦人をも悔い改めさせ、命を与えてくださった 使徒たちの宣教その日、11・1使徒たちとユダヤにいる兄弟たちは、異邦人も神の言葉を受け入れたことを耳にした。2ペトロがエルサレムに上って来たとき、割礼を受けている者たちは彼を非難して、3「あなたは割礼を受けていない者たちのところへ行き、一緒に食事をした」と言った。4そこで、ペトロは事の次第を順序正しく説明し始めた。5「わたしがヤッファの町にいて祈っていると、我を忘れたようになって幻を見ました。大きな布のような入れ物が、四隅でつるされて、天からわたしのところまで下りて来たのです。6その中をよく見ると、地上の獣、野獣、這うもの、空の鳥などが入っていました。7そして、『ペトロよ、身を起こし、屠って食べなさい』と言う声を聞きましたが、8わたしは言いました。『主よ、とんでもないことです。清くない物、汚れた物は口にしたことがありません。』9すると、『神が清めた物を、清くないなどと、あなたは言ってはならない』と、再び天から声が返って来ました。10こういうことが三度あって、また全部の物が天に引き上げられてしまいました。11そのとき、カイサリアからわたしのところに差し向けられた三人の人が、わたしたちのいた家に到着しました。12すると、“霊”がわたしに、『ためらわないで一緒に行きなさい』と言われました。ここにいる六人の兄弟も一緒に来て、わたしたちはその人の家に入ったのです。13彼は、自分の家に天使が立っているのを見たこと、また、その天使が、こう告げたことを話してくれました。『ヤッファに人を送って、ペトロと呼ばれるシモンを招きなさい。14あなたと家族の者すべてを救う言葉をあなたに話してくれる。』15わたしが話しだすと、聖霊が最初わたしたちの上に降ったように、彼らの上にも降ったのです。16そのとき、わたしは、『ヨハネは水で洗礼を授けたが、あなたがたは聖霊によって洗礼を受ける』と言っておられた主の言葉を思い出しました。17こうして、主イエス・キリストを信じるようになったわたしたちに与えてくださったのと同じ賜物を、神が彼らにもお与えになったのなら、わたしのような者が、神がそうなさるのをどうして妨げることができたでしょうか。」18この言葉を聞いて人々は静まり、「それでは、神は異邦人をも悔い改めさせ、命を与えてくださったのだ」と言って、神を賛美した。 答唱詩編詩編42・3+4、6谷川の水を求めて、あえぎさまよう鹿のように、神よ、わたしはあなたを慕う。 詩編4242・3わたしの心はあなたを求め、 6わたしの心はなぜ、うちしずみ、 福音朗読ヨハネ10・1-10アレルヤ、アレルヤ。わたしはよい牧者。わたしは羊を知り、羊はわたしを知っている。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは言われた。10・1「はっきり言っておく。羊の囲いに入るのに、門を通らないでほかの所を乗り越えて来る者は、盗人であり、強盗である。2門から入る者が羊飼いである。3門番は羊飼いには門を開き、羊はその声を聞き分ける。羊飼いは自分の羊の名を呼んで連れ出す。4自分の羊をすべて連れ出すと、先頭に立って行く。羊はその声を知っているので、ついて行く。5しかし、ほかの者には決してついて行かず、逃げ去る。ほかの者たちの声を知らないからである。」6イエスは、このたとえをファリサイ派の人々に話されたが、彼らはその話が何のことか分からなかった。 7イエスはまた言われた。「はっきり言っておく。わたしは良い羊飼いである。8わたしより前に来た者は皆、盗人であり、強盗である。しかし、羊は彼らの言うことを聞かなかった。9わたしは門である。わたしを通って入る者は救われる。その人は、門を出入りして牧草を見つける。10盗人が来るのは、盗んだり、屠ったり、滅ぼしたりするためにほかならない。わたしが来たのは、羊が命を受けるため、しかも豊かに受けるためである。」 |
|||
復活節第4火曜日 | 5月13日(火) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録11・19-26このアンティオキアで、弟子たちが初めてキリスト者と呼ばれるようになったのである。 使徒たちの宣教その日、11・19ステファノの事件をきっかけにして起こった迫害のために散らされた人々は、フェニキア、キプロス、アンティオキアまで行ったが、ユダヤ人以外のだれにも御言葉を語らなかった。20しかし、彼らの中にキプロス島やキレネから来た者がいて、アンティオキアへ行き、ギリシア語を話す人々にも語りかけ、主イエスについて福音を告げ知らせた。21主がこの人々を助けられたので、信じて主に立ち帰った者の数は多かった。22このうわさがエルサレムにある教会にも聞こえてきたので、教会はバルナバをアンティオキアへ行くように派遣した。23バルナバはそこに到着すると、神の恵みが与えられた有様を見て喜び、そして、固い決意をもって主から離れることのないようにと、皆に勧めた。24バルナバは立派な人物で、聖霊と信仰とに満ちていたからである。こうして、多くの人が主へと導かれた。25それから、バルナバはサウロを捜しにタルソスへ行き、26見つけ出してアンティオキアに連れ帰った。二人は、丸一年の間そこの教会に一緒にいて多くの人を教えた。このアンティオキアで、弟子たちが初めてキリスト者と呼ばれるようになったのである。 答唱詩編詩編100・1+2、3abわたしたちは神の民、そのまきばの群れ。 詩編100100・1世界よ、神に喜びの声をあげ、 3ab神こそ 福音朗読ヨハネ10・22-30アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音10・22そのころ、エルサレムで神殿奉献記念祭が行われた。冬であった。23イエスは、神殿の境内でソロモンの回廊を歩いておられた。24すると、ユダヤ人たちがイエスを取り囲んで言った。「いつまで、わたしたちに気をもませるのか。もしメシアなら、はっきりそう言いなさい。」25イエスは答えられた。「わたしは言ったが、あなたたちは信じない。わたしが父の名によって行う業が、わたしについて証しをしている。26しかし、あなたたちは信じない。わたしの羊ではないからである。27わたしの羊はわたしの声を聞き分ける。わたしは彼らを知っており、彼らはわたしに従う。28わたしは彼らに永遠の命を与える。彼らは決して滅びず、だれも彼らをわたしの手から奪うことはできない。29わたしの父がわたしにくださったものは、すべてのものより偉大であり、だれも父の手から奪うことはできない。30わたしと父とは一つである。」 |
|||
聖マチヤ使徒 | 5月14日(水) | 聖人の記念 | |
第一朗読使徒言行録1・15-17、20-26二人のことでくじを引くと、マティアに当たった 使徒たちの宣教その日、1・15ペトロは兄弟たちの中に立って言った。百二十人ほどの人々が一つになっていた。16「兄弟たち、イエスを捕らえた者たちの手引きをしたあのユダについては、聖霊がダビデの口を通して預言しています。この聖書の言葉は、実現しなければならなかったのです。17ユダはわたしたちの仲間の一人であり、同じ任務を割り当てられていました。20詩編にはこう書いてあります。 答唱詩編詩編113・1+2、7+8神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。 詩編113113・1ほめよ、神に仕える者よ、 7神は貧しい人を立ち上がらせ、 福音朗読ヨハネ15・9-17アレルヤ、アレルヤ。あなたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたを選んだのである。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。15・9「父がわたしを愛されたように、わたしもあなたがたを愛してきた。わたしの愛にとどまりなさい。10わたしが父の掟を守り、その愛にとどまっているように、あなたがたも、わたしの掟を守るなら、わたしの愛にとどまっていることになる。 11これらのことを話したのは、わたしの喜びがあなたがたの内にあり、あなたがたの喜びが満たされるためである。12わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。これがわたしの掟である。13友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。14わたしの命じることを行うならば、あなたがたはわたしの友である。15もはや、わたしはあなたがたを僕とは呼ばない。僕は主人が何をしているか知らないからである。わたしはあなたがたを友と呼ぶ。父から聞いたことをすべてあなたがたに知らせたからである。16あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ。あなたがたが出かけて行って実を結び、その実が残るようにと、また、わたしの名によって父に願うものは何でも与えられるようにと、わたしがあなたがたを任命したのである。17互いに愛し合いなさい。これがわたしの命令である。」 |
|||
復活節第4木曜日 | 5月15日(木) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録13・13-25イスラエルの人たち、ならびに神を畏れる方々、聞いてください。 使徒たちの宣教13・13パウロとその一行は、パフォスから船出してパンフィリア州のペルゲに来たが、ヨハネは一行と別れてエルサレムに帰ってしまった。14パウロとバルナバはペルゲから進んで、ピシディア州のアンティオキアに到着した。そして、安息日に会堂に入って席に着いた。15律法と預言者の書が朗読された後、会堂長たちが人をよこして、「兄弟たち、何か会衆のために励ましのお言葉があれば、話してください」と言わせた。16そこで、パウロは立ち上がり、手で人々を制して言った。 「イスラエルの人たち、ならびに神を畏れる方々、聞いてください。17この民イスラエルの神は、わたしたちの先祖を選び出し、民がエジプトの地に住んでいる間に、これを強大なものとし、高く上げた御腕をもってそこから導き出してくださいました。18神はおよそ四十年の間、荒れ野で彼らの行いを耐え忍び、19カナンの地では七つの民族を滅ぼし、その土地を彼らに相続させてくださったのです。20これは、約四百五十年にわたることでした。その後、神は預言者サムエルの時代まで、裁く者たちを任命なさいました。21後に人々が王を求めたので、神は四十年の間、ベニヤミン族の者で、キシュの子サウルをお与えになり、22それからまた、サウルを退けてダビデを王の位につけ、彼について次のように宣言なさいました。『わたしは、エッサイの子でわたしの心に適う者、ダビデを見いだした。彼はわたしの思うところをすべて行う。』23神は約束に従って、このダビデの子孫からイスラエルに救い主イエスを送ってくださったのです。24ヨハネは、イエスがおいでになる前に、イスラエルの民全体に悔い改めの洗礼を宣べ伝えました。25その生涯を終えようとするとき、ヨハネはこう言いました。『わたしを何者だと思っているのか。わたしは、あなたたちが期待しているような者ではない。その方はわたしの後から来られるが、わたしはその足の履物をお脱がせする値打ちもない。』」 答唱詩編詩編89・21+22、29+35神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。 詩編8989・21わたしはしもべダビドを選び、 29わたしのいつくしみは永遠に変わることなく、 福音朗読ヨハネ13・16-20アレルヤ、アレルヤ。イエス・キリスト、まことの証を立てた人、死者の初穂。わたしたちを愛し、ご自分の血で罪を清めてくださったかた。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音イエスは弟子たちの足をお洗いになった後、こう言われた。13・16「はっきり言っておく。僕は主人にまさらず、遣わされた者は遣わした者にまさりはしない。17このことが分かり、そのとおりに実行するなら、幸いである。18わたしは、あなたがた皆について、こう言っているのではない。わたしは、どのような人々を選び出したか分かっている。しかし、『わたしのパンを食べている者が、わたしに逆らった』という聖書の言葉は実現しなければならない。19事の起こる前に、今、言っておく。事が起こったとき、『わたしはある』ということを、あなたがたが信じるようになるためである。20はっきり言っておく。わたしの遣わす者を受け入れる人は、わたしを受け入れ、わたしを受け入れる人は、わたしをお遣わしになった方を受け入れるのである。」 |
|||
復活節第4金曜日 | 5月16日(金) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録13・26-33神はイエスを死者の中から復活させてくださったのです。 使徒たちの宣教その日、パウロはピシディア州のアンティオキアに到着し、会堂で語った。13・26「兄弟たち、アブラハムの子孫の方々、ならびにあなたがたの中にいて神を畏れる人たち、この救いの言葉はわたしたちに送られました。27エルサレムに住む人々やその指導者たちは、イエスを認めず、また、安息日ごとに読まれる預言者の言葉を理解せず、イエスを罪に定めることによって、その言葉を実現させたのです。28そして、死に当たる理由は何も見いだせなかったのに、イエスを死刑にするようにとピラトに求めました。29こうして、イエスについて書かれていることがすべて実現した後、人々はイエスを木から降ろし、墓に葬りました。30しかし、神はイエスを死者の中から復活させてくださったのです。31このイエスは、御自分と一緒にガリラヤからエルサレムに上った人々に、幾日にもわたって姿を現されました。その人たちは、今、民に対してイエスの証人となっています。32わたしたちも、先祖に与えられた約束について、あなたがたに福音を告げ知らせています。33つまり、神はイエスを復活させて、わたしたち子孫のためにその約束を果たしてくださったのです。それは詩編の第二編にも、 答唱詩編詩編2・7、11+12d神は王を立てたもう、聖なるシオンの山のうえに。 詩編22・7これこそ神の定め。 11恐れをもって神に仕え、 福音朗読ヨハネ14・1-6アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行けない。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。14・1「心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい。2わたしの父の家には住む所がたくさんある。もしなければ、あなたがたのために場所を用意しに行くと言ったであろうか。3行ってあなたがたのために場所を用意したら、戻って来て、あなたがたをわたしのもとに迎える。こうして、わたしのいる所に、あなたがたもいることになる。4わたしがどこへ行くのか、その道をあなたがたは知っている。」5トマスが言った。「主よ、どこへ行かれるのか、わたしたちには分かりません。どうして、その道を知ることができるでしょうか。」6イエスは言われた。「わたしは道であり、真理であり、命である。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことができない。」 |
|||
復活節第4土曜日 | 5月17日(土) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録13・44-52永遠の命を得るように定められている人は皆、信仰に入った。 使徒たちの宣教13・44次の安息日になると、ほとんど町中の人が主の言葉を聞こうとして集まって来た。45しかし、ユダヤ人はこの群衆を見てひどくねたみ、口汚くののしって、パウロの話すことに反対した。46そこで、パウロとバルナバは勇敢に語った。「神の言葉は、まずあなたがたに語られるはずでした。だがあなたがたはそれを拒み、自分自身を永遠の命を得るに値しない者にしている。見なさい、わたしたちは異邦人の方に行く。47主はわたしたちにこう命じておられるからです。 答唱詩編詩編98・1、4+5遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・1新しい歌を神にうたえ。 4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、 福音朗読ヨハネ14・7-14アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行けない。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。14・7「あなたがたがわたしを知っているなら、わたしの父をも知ることになる。今から、あなたがたは父を知る。いや、既に父を見ている。」8フィリポが「主よ、わたしたちに御父をお示しください。そうすれば満足できます」と言うと、9イエスは言われた。「フィリポ、こんなに長い間一緒にいるのに、わたしが分かっていないのか。わたしを見た者は、父を見たのだ。なぜ、『わたしたちに御父をお示しください』と言うのか。10わたしが父の内におり、父がわたしの内におられることを、信じないのか。わたしがあなたがたに言う言葉は、自分から話しているのではない。わたしの内におられる父が、その業を行っておられるのである。11わたしが父の内におり、父がわたしの内におられると、わたしが言うのを信じなさい。もしそれを信じないなら、業そのものによって信じなさい。12はっきり言っておく。わたしを信じる者は、わたしが行う業を行い、また、もっと大きな業を行うようになる。わたしが父のもとへ行くからである。13わたしの名によって願うことは、何でもかなえてあげよう。こうして、父は子によって栄光をお受けになる。14わたしの名によってわたしに何かを願うならば、わたしがかなえてあげよう。」 |
|||
復活節第5主日 | 5月18日(日) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録14・21b-27二人は教会の人々を集めて、神が自分たちと共にいて行われたすべてのことを報告した。 使徒たちの宣教その日、パウロとバルナバは、テルベから14・21bリストラ、イコニオン、アンティオキアへと引き返しながら、22弟子たちを力づけ、「わたしたちが神の国に入るには、多くの苦しみを経なくてはならない」と言って、信仰に踏みとどまるように励ました。23また、弟子たちのため教会ごとに長老たちを任命し、断食して祈り、彼らをその信ずる主に任せた。24それから、二人はピシディア州を通り、パンフィリア州に至り、25ペルゲで御言葉を語った後、アタリアに下り、26そこからアンティオキアへ向かって船出した。そこは、二人が今成し遂げた働きのために神の恵みにゆだねられて送り出された所である。27到着するとすぐ教会の人々を集めて、神が自分たちと共にいて行われたすべてのことと、異邦人に信仰の門を開いてくださったことを報告した。 答唱詩編詩編145・8+9、10+11、13ab+14いのちあるすべてのものに、主は食物を恵まれる。 詩編145145・8あなたは恵みとあわれみに満ち、 10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、 13abあなたの国は永遠の国。 第二朗読黙示録21・1-5a神は人の目の涙をことごとくぬぐいとってくださる。 ヨハネの黙示21・1わたしヨハネは、新しい天と新しい地を見た。最初の天と最初の地は去って行き、もはや海もなくなった。2更にわたしは、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために着飾った花嫁のように用意を整えて、神のもとを離れ、天から下って来るのを見た。3そのとき、わたしは玉座から語りかける大きな声を聞いた。「見よ、神の幕屋が人の間にあって、神が人と共に住み、人は神の民となる。神は自ら人と共にいて、その神となり、4彼らの目の涙をことごとくぬぐい取ってくださる。もはや死はなく、もはや悲しみも嘆きも労苦もない。最初のものは過ぎ去ったからである。」5aすると、玉座に座っておられる方が、「見よ、わたしは万物を新しくする」と言った。 福音朗読ヨハネ13・31-33a、34-35アレルヤ、アレルヤ。新しい掟をあなたがたに与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音13・31さて、ユダが晩餐の広間から出て行くと、イエスは言われた。「今や、人の子は栄光を受けた。神も人の子によって栄光をお受けになった。32神が人の子によって栄光をお受けになったのであれば、神も御自身によって人の子に栄光をお与えになる。しかも、すぐにお与えになる。33子たちよ、いましばらく、わたしはあなたがたと共にいる。34あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。35互いに愛し合うならば、それによってあなたがたがわたしの弟子であることを、皆が知るようになる。」 |
|||
復活節第5月曜日 | 5月19日(月) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録14・5-18生ける神に立ち帰るように、わたしたちは福音を告げ知らせているのです。 使徒たちの宣教その日、イコニヨンで14・5異邦人とユダヤ人が、指導者と一緒になってパウロとバルナバに乱暴を働き、石を投げつけようとしたとき、6二人はこれに気づいて、リカオニア州の町であるリストラとデルベ、またその近くの地方に難を避けた。7そして、そこでも福音を告げ知らせていた。 8リストラに、足の不自由な男が座っていた。生まれつき足が悪く、まだ一度も歩いたことがなかった。9この人が、パウロの話すのを聞いていた。パウロは彼を見つめ、いやされるのにふさわしい信仰があるのを認め、10「自分の足でまっすぐに立ちなさい」と大声で言った。すると、その人は躍り上がって歩きだした。11群衆はパウロの行ったことを見て声を張り上げ、リカオニアの方言で、「神々が人間の姿をとって、わたしたちのところにお降りになった」と言った。12そして、バルナバを「ゼウス」と呼び、またおもに話す者であることから、パウロを「ヘルメス」と呼んだ。13町の外にあったゼウスの神殿の祭司が、家の門の所まで雄牛数頭と花輪を運んで来て、群衆と一緒になって二人にいけにえを献げようとした。14使徒たち、すなわちバルナバとパウロはこのことを聞くと、服を裂いて群衆の中へ飛び込んで行き、叫んで15言った。「皆さん、なぜ、こんなことをするのですか。わたしたちも、あなたがたと同じ人間にすぎません。あなたがたが、このような偶像を離れて、生ける神に立ち帰るように、わたしたちは福音を告げ知らせているのです。この神こそ、天と地と海と、そしてその中にあるすべてのものを造られた方です。16神は過ぎ去った時代には、すべての国の人が思い思いの道を行くままにしておかれました。17しかし、神は御自分のことを証ししないでおられたわけではありません。恵みをくださり、天からの雨を降らせて実りの季節を与え、食物を施して、あなたがたの心を喜びで満たしてくださっているのです。」18こう言って、二人は、群衆が自分たちにいけにえを献げようとするのを、やっとやめさせることができた。 答唱詩編詩編97・1+2、6+9栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。 詩編9797・1神は王。世界よ、喜びおどれ。 6天は神の正義を告げ、 福音朗読ヨハネ14・21-26アレルヤ、アレルヤ。聖霊はあなたがたにすべてを教え、話したことをわからせてくださる。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。14・21「わたしの掟を受け入れ、それを守る人は、わたしを愛する者である。わたしを愛する人は、わたしの父に愛される。わたしもその人を愛して、その人にわたし自身を現す。」22イスカリオテでない方のユダが、「主よ、わたしたちには御自分を現そうとなさるのに、世にはそうなさらないのは、なぜでしょうか」と言った。23イエスはこう答えて言われた。「わたしを愛する人は、わたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛され、父とわたしとはその人のところに行き、一緒に住む。24わたしを愛さない者は、わたしの言葉を守らない。あなたがたが聞いている言葉はわたしのものではなく、わたしをお遣わしになった父のものである。 25わたしは、あなたがたといたときに、これらのことを話した。26しかし、弁護者、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え、わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる。」 |
|||
復活節第5火曜日 | 5月20日(火) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録14・19-28弟子たちのため教会ごとに長老たちを任命し、断食して祈り、彼らをその信ずる主に任せた。 使徒たちの宣教その日、14・19ユダヤ人たちがアンティオキアとイコニオンからやって来て、群衆を抱き込み、パウロに石を投げつけ、死んでしまったものと思って、町の外へ引きずり出した。20しかし、弟子たちが周りを取り囲むと、パウロは起き上がって町に入って行った。そして翌日、バルナバと一緒にデルベへ向かった。 21二人はこの町で福音を告げ知らせ、多くの人を弟子にしてから、リストラ、イコニオン、アンティオキアへと引き返しながら、22弟子たちを力づけ、「わたしたちが神の国に入るには、多くの苦しみを経なくてはならない」と言って、信仰に踏みとどまるように励ました。23また、弟子たちのため教会ごとに長老たちを任命し、断食して祈り、彼らをその信ずる主に任せた。24それから、二人はピシディア州を通り、パンフィリア州に至り、25ペルゲで御言葉を語った後、アタリアに下り、26そこからアンティオキアへ向かって船出した。そこは、二人が今成し遂げた働きのために神の恵みにゆだねられて送り出された所である。27到着するとすぐ教会の人々を集めて、神が自分たちと共にいて行われたすべてのことと、異邦人に信仰の門を開いてくださったことを報告した。28そして、しばらくの間、弟子たちと共に過ごした。 答唱詩編詩編145・7+9、10+11神は恵みとあわれみに満ち、怒るに遅く、いつくしみ深い。 詩編145145・7あなたの豊かな恵みを思い、 10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、 福音朗読ヨハネ14・27-31aアレルヤ、アレルヤ。キリストは苦しみを受けて死者のうちから復活し、栄光に入る方。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。14・27「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな。28『わたしは去って行くが、また、あなたがたのところへ戻って来る』と言ったのをあなたがたは聞いた。わたしを愛しているなら、わたしが父のもとに行くのを喜んでくれるはずだ。父はわたしよりも偉大な方だからである。29事が起こったときに、あなたがたが信じるようにと、今、その事の起こる前に話しておく。30もはや、あなたがたと多くを語るまい。世の支配者が来るからである。だが、彼はわたしをどうすることもできない。31わたしが父を愛し、父がお命じになったとおりに行っていることを、世は知るべきである。」 |
|||
復活節第5水曜日 | 5月21日(水) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録15・1-6使徒たちと長老たちは、この問題について協議するために集まった。 使徒たちの宣教その日、15・1ある人々がユダヤから下って来て、「モーセの慣習に従って割礼を受けなければ、あなたがたは救われない」と兄弟たちに教えていた。2それで、パウロやバルナバとその人たちとの間に、激しい意見の対立と論争が生じた。この件について使徒や長老たちと協議するために、パウロとバルナバ、そのほか数名の者がエルサレムへ上ることに決まった。3さて、一行は教会の人々から送り出されて、フェニキアとサマリア地方を通り、道すがら、兄弟たちに異邦人が改宗した次第を詳しく伝え、皆を大いに喜ばせた。4エルサレムに到着すると、彼らは教会の人々、使徒たち、長老たちに歓迎され、神が自分たちと共にいて行われたことを、ことごとく報告した。5ところが、ファリサイ派から信者になった人が数名立って、「異邦人にも割礼を受けさせて、モーセの律法を守るように命じるべきだ」と言った。 6そこで、使徒たちと長老たちは、この問題について協議するために集まった。 答唱詩編詩編122・1+2、3+4ab私たちは神の民、そのまきばの群れ。 詩編122122・1「神の家に行こう」と言われて、 3しげく連なる町、エルサレム、 福音朗読ヨハネ15・1-8アレルヤ、アレルヤ。わたしのうちに留まりなさい。わたしもあなたがたのうちにいる。わたしに留まる人は多くの実を結ぶ。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。15・1「わたしはまことのぶどうの木、わたしの父は農夫である。2わたしにつながっていながら、実を結ばない枝はみな、父が取り除かれる。しかし、実を結ぶものはみな、いよいよ豊かに実を結ぶように手入れをなさる。3わたしの話した言葉によって、あなたがたは既に清くなっている。4わたしにつながっていなさい。わたしもあなたがたにつながっている。ぶどうの枝が、木につながっていなければ、自分では実を結ぶことができないように、あなたがたも、わたしにつながっていなければ、実を結ぶことができない。5わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである。6わたしにつながっていない人がいれば、枝のように外に投げ捨てられて枯れる。そして、集められ、火に投げ入れられて焼かれてしまう。7あなたがたがわたしにつながっており、わたしの言葉があなたがたの内にいつもあるならば、望むものを何でも願いなさい。そうすればかなえられる。8あなたがたが豊かに実を結び、わたしの弟子となるなら、それによって、わたしの父は栄光をお受けになる。」 |
|||
復活節第5木曜日 | 5月22日(木) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録15・7-21主イエスの恵みによって救われると信じているのですが、これは、彼ら異邦人も同じことです。 使徒たちの宣教その日、15・7議論を重ねた後、ペトロが立って使徒たちと長老たちに言った。「兄弟たち、ご存じのとおり、ずっと以前に、神はあなたがたの間でわたしをお選びになりました。それは、異邦人が、わたしの口から福音の言葉を聞いて信じるようになるためです。8人の心をお見通しになる神は、わたしたちに与えてくださったように異邦人にも聖霊を与えて、彼らをも受け入れられたことを証明なさったのです。9また、彼らの心を信仰によって清め、わたしたちと彼らとの間に何の差別をもなさいませんでした。10それなのに、なぜ今あなたがたは、先祖もわたしたちも負いきれなかった軛を、あの弟子たちの首に懸けて、神を試みようとするのですか。11わたしたちは、主イエスの恵みによって救われると信じているのですが、これは、彼ら異邦人も同じことです。」 12すると全会衆は静かになり、バルナバとパウロが、自分たちを通して神が異邦人の間で行われた、あらゆるしるしと不思議な業について話すのを聞いていた。13二人が話を終えると、ヤコブが答えた。「兄弟たち、聞いてください。14神が初めに心を配られ、異邦人の中から御自分の名を信じる民を選び出そうとなさった次第については、シメオンが話してくれました。15預言者たちの言ったことも、これと一致しています。次のように書いてあるとおりです。 答唱詩編詩編96・1+2、3+4遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9696・1新しい歌を神にうたえ。 3すべての国にその栄光をかたり、 福音朗読ヨハネ15・9-11アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。15・9「父がわたしを愛されたように、わたしもあなたがたを愛してきた。わたしの愛にとどまりなさい。10わたしが父の掟を守り、その愛にとどまっているように、あなたがたも、わたしの掟を守るなら、わたしの愛にとどまっていることになる。 11これらのことを話したのは、わたしの喜びがあなたがたの内にあり、あなたがたの喜びが満たされるためである。」 |
|||
復活節第5金曜日 | 5月23日(金) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録15・22-31わたしたちの主イエス・キリストの名のために身を献げている人です。 使徒たちの宣教その日、15・22使徒たちと長老たちは、教会全体と共に、自分たちの中から人を選んで、パウロやバルナバと一緒にアンティオキアに派遣することを決定した。選ばれたのは、バルサバと呼ばれるユダおよびシラスで、兄弟たちの中で指導的な立場にいた人たちである。23使徒たちは、次の手紙を彼らに託した。「使徒と長老たちが兄弟として、アンティオキアとシリア州とキリキア州に住む、異邦人の兄弟たちに挨拶いたします。24聞くところによると、わたしたちのうちのある者がそちらへ行き、わたしたちから何の指示もないのに、いろいろなことを言って、あなたがたを騒がせ動揺させたとのことです。25それで、人を選び、わたしたちの愛するバルナバとパウロとに同行させて、そちらに派遣することを、わたしたちは満場一致で決定しました。26このバルナバとパウロは、わたしたちの主イエス・キリストの名のために身を献げている人たちです。27それで、ユダとシラスを選んで派遣しますが、彼らは同じことを口頭でも説明するでしょう。28聖霊とわたしたちは、次の必要な事柄以外、一切あなたがたに重荷を負わせないことに決めました。29すなわち、偶像に献げられたものと、血と、絞め殺した動物の肉と、みだらな行いとを避けることです。以上を慎めばよいのです。健康を祈ります。」 30さて、彼ら一同は見送りを受けて出発し、アンティオキアに到着すると、信者全体を集めて手紙を手渡した。31彼らはそれを読み、励ましに満ちた決定を知って喜んだ。 答唱詩編詩編57・8+9、10+11栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。 詩編5757・8神よ、わたしの心はひるむことなく、 10神よ、民の中であなたをたたえ、 福音朗読ヨハネ15・12-17アレルヤ、アレルヤ。あなたがたを世から選んだのは、あなたがたが行って実を結び、その実が残るためである。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。15・12「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。これがわたしの掟である。13友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。14わたしの命じることを行うならば、あなたがたはわたしの友である。15もはや、わたしはあなたがたを僕とは呼ばない。僕は主人が何をしているか知らないからである。わたしはあなたがたを友と呼ぶ。父から聞いたことをすべてあなたがたに知らせたからである。16あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ。あなたがたが出かけて行って実を結び、その実が残るようにと、また、わたしの名によって父に願うものは何でも与えられるようにと、わたしがあなたがたを任命したのである。17互いに愛し合いなさい。これがわたしの命令である。」 |
|||
復活節第5土曜日 | 5月24日(土) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録16・1-10マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けてください 使徒たちの宣教そのころ、16・1パウロは、デルベにもリストラにも行った。そこに、信者のユダヤ婦人の子で、ギリシア人を父親に持つ、テモテという弟子がいた。2彼は、リストラとイコニオンの兄弟の間で評判の良い人であった。3パウロは、このテモテを一緒に連れて行きたかったので、その地方に住むユダヤ人の手前、彼に割礼を授けた。父親がギリシア人であることを、皆が知っていたからである。4彼らは方々の町を巡回して、エルサレムの使徒と長老たちが決めた規定を守るようにと、人々に伝えた。5こうして、教会は信仰を強められ、日ごとに人数が増えていった。 6さて、彼らはアジア州で御言葉を語ることを聖霊から禁じられたので、フリギア・ガラテヤ地方を通って行った。7ミシア地方の近くまで行き、ビティニア州に入ろうとしたが、イエスの霊がそれを許さなかった。8それで、ミシア地方を通ってトロアスに下った。9その夜、パウロは幻を見た。その中で一人のマケドニア人が立って、「マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けてください」と言ってパウロに願った。10パウロがこの幻を見たとき、わたしたちはすぐにマケドニアへ向けて出発することにした。マケドニア人に福音を告げ知らせるために、神がわたしたちを召されているのだと、確信するに至ったからである。 答唱詩編詩編100・1+2、3abわたしたちは神の民、そのまきばの群れ。 詩編100100・1世界よ、神に喜びの声をあげ、 3ab神こそ 福音朗読ヨハネ15・18-21アレルヤ、アレルヤ。キリストとともに復活したなら上のことを求めよう。キリストは神の右に座しておられる。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。15・18「世があなたがたを憎むなら、あなたがたを憎む前にわたしを憎んでいたことを覚えなさい。19あなたがたが世に属していたなら、世はあなたがたを身内として愛したはずである。だが、あなたがたは世に属していない。わたしがあなたがたを世から選び出した。だから、世はあなたがたを憎むのである。20『僕は主人にまさりはしない』と、わたしが言った言葉を思い出しなさい。人々がわたしを迫害したのであれば、あなたがたをも迫害するだろう。わたしの言葉を守ったのであれば、あなたがたの言葉をも守るだろう。21しかし人々は、わたしの名のゆえに、これらのことをみな、あなたがたにするようになる。わたしをお遣わしになった方を知らないからである。」 |
|||
復活節第6主日 | 5月25日(日) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録15・1-2、22-29聖霊と私たちは、必要な事柄以外、一切あなたがたに重荷を負わせないことに決めた。 使徒たちの宣教そのころ、15・1ある人々がユダヤからアンティオキアに下って来て、「モーセの慣習に従って割礼を受けなければ、あなたがたは救われない」と兄弟たちに教えていた。2それで、パウロやバルナバとその人たちとの間に、激しい意見の対立と論争が生じた。この件について使徒や長老たちと協議するために、パウロとバルナバ、そのほか数名の者がエルサレムへ上ることに決まった。 この問題について協議するためにエルザレムで集まった22使徒たちと長老たちは、教会全体と共に、自分たちの中から人を選んで、パウロやバルナバと一緒にアンティオキアに派遣することを決定した。選ばれたのは、バルサバと呼ばれるユダおよびシラスで、兄弟たちの中で指導的な立場にいた人たちである。23使徒たちは、次の手紙を彼らに託した。「使徒と長老たちが兄弟として、アンティオキアとシリア州とキリキア州に住む、異邦人の兄弟たちに挨拶いたします。24聞くところによると、わたしたちのうちのある者がそちらへ行き、わたしたちから何の指示もないのに、いろいろなことを言って、あなたがたを騒がせ動揺させたとのことです。25それで、人を選び、わたしたちの愛するバルナバとパウロとに同行させて、そちらに派遣することを、わたしたちは満場一致で決定しました。26このバルナバとパウロは、わたしたちの主イエス・キリストの名のために身を献げている人たちです。27それで、ユダとシラスを選んで派遣しますが、彼らは同じことを口頭でも説明するでしょう。28聖霊とわたしたちは、次の必要な事柄以外、一切あなたがたに重荷を負わせないことに決めました。29すなわち、偶像に献げられたものと、血と、絞め殺した動物の肉と、みだらな行いとを避けることです。以上を慎めばよいのです。健康を祈ります。」 答唱詩編詩編67・2+3、4+5、7+8神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。 詩編6767・2神よ、あわれみと祝福をわたしたちに。 4諸国の民はあなたをたたえ、 7地は豊かに実り、 第二朗読黙示録21・10-14、22-23天使は、聖なる都が天から下って来るのを見せた。 ヨハネの黙示一人の21・10天使が、〝霊〟に満たされたわたしを大きな高い山に連れて行き、聖なる都エルサレムが神のもとを離れて、天から下って来るのを見せた。11都は神の栄光に輝いていた。その輝きは、最高の宝石のようであり、透き通った碧玉のようであった。12都には、高い大きな城壁と十二の門があり、それらの門には十二人の天使がいて、名が刻みつけてあった。イスラエルの子らの十二部族の名であった。13東に三つの門、北に三つの門、南に三つの門、西に三つの門があった。14都の城壁には十二の土台があって、それには小羊の十二使徒の十二の名が刻みつけてあった。 22わたしは、都の中に神殿を見なかった。全能者である神、主と小羊とが都の神殿だからである。23この都には、それを照らす太陽も月も、必要でない。神の栄光が都を照らしており、小羊が都の明かりだからである。 福音朗読ヨハネ14・23-29アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。14・23「わたしを愛する人は、わたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛され、父とわたしとはその人のところに行き、一緒に住む。24わたしを愛さない者は、わたしの言葉を守らない。あなたがたが聞いている言葉はわたしのものではなく、わたしをお遣わしになった父のものである。 25わたしは、あなたがたといたときに、これらのことを話した。26しかし、弁護者、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え、わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる。27わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな。28『わたしは去って行くが、また、あなたがたのところへ戻って来る』と言ったのをあなたがたは聞いた。わたしを愛しているなら、わたしが父のもとに行くのを喜んでくれるはずだ。父はわたしよりも偉大な方だからである。29事が起こったときに、あなたがたが信じるようにと、今、その事の起こる前に話しておく。」 |
|||
聖フィリポ・ネリ 司祭 | 5月26日(月) | 記念日 | |
第一朗読使徒言行録16・11-15私が主を信じる者だとお思いでしたら、どうぞ、私の家に来てお泊まりください 使徒たちの宣教16・11わたしたちはトロアスから船出してサモトラケ島に直航し、翌日ネアポリスの港に着き、12そこから、マケドニア州第一区の都市で、ローマの植民都市であるフィリピに行った。そして、この町に数日間滞在した。13安息日に町の門を出て、祈りの場所があると思われる川岸に行った。そして、わたしたちもそこに座って、集まっていた婦人たちに話をした。14ティアティラ市出身の紫布を商う人で、神をあがめるリディアという婦人も話を聞いていたが、主が彼女の心を開かれたので、彼女はパウロの話を注意深く聞いた。15そして、彼女も家族の者も洗礼を受けたが、そのとき、「私が主を信じる者だとお思いでしたら、どうぞ、私の家に来てお泊まりください」と言ってわたしたちを招待し、無理に承知させた。 答唱詩編詩編149・3+4、5+6a+9bシオンよ、喜べ。エルサレムよ、うたえ。見よ、わたしたちの王、主が来られる。 詩編149149・3舞をささげて神の名をほめ、 5栄光をあびて神の民は喜び、 福音朗読ヨハネ15・26-16・4aアレルヤ、アレルヤ。真理の霊はわたしについて証しする。あなたがたもわたしを証しする。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。15・26「わたしが父のもとからあなたがたに遣わそうとしている弁護者、すなわち、父のもとから出る真理の霊が来るとき、その方がわたしについて証しをなさるはずである。27あなたがたも、初めからわたしと一緒にいたのだから、証しをするのである。 16・1これらのことを話したのは、あなたがたをつまずかせないためである。2人々はあなたがたを会堂から追放するだろう。しかも、あなたがたを殺す者が皆、自分は神に奉仕していると考える時が来る。3彼らがこういうことをするのは、父をもわたしをも知らないからである。4しかし、これらのことを話したのは、その時が来たときに、わたしが語ったということをあなたがたに思い出させるためである。」 |
|||
復活節第6火曜日 | 5月27日(火) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録16・22-34主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたも家族も救われます。 使徒たちの宣教その日、フィリピの町の群衆も一緒になってパウロとシラス16・22を責め立てたので、高官たちは二人の衣服をはぎ取り、「鞭で打て」と命じた。23そして、何度も鞭で打ってから二人を牢に投げ込み、看守に厳重に見張るように命じた。24この命令を受けた看守は、二人をいちばん奥の牢に入れて、足には木の足枷をはめておいた。 25真夜中ごろ、パウロとシラスが賛美の歌をうたって神に祈っていると、ほかの囚人たちはこれに聞き入っていた。26突然、大地震が起こり、牢の土台が揺れ動いた。たちまち牢の戸がみな開き、すべての囚人の鎖も外れてしまった。27目を覚ました看守は、牢の戸が開いているのを見て、囚人たちが逃げてしまったと思い込み、剣を抜いて自殺しようとした。28パウロは大声で叫んだ。「自害してはいけない。わたしたちは皆ここにいる。」29看守は、明かりを持って来させて牢の中に飛び込み、パウロとシラスの前に震えながらひれ伏し、30二人を外へ連れ出して言った。「先生方、救われるためにはどうすべきでしょうか。」31二人は言った。「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたも家族も救われます。」32そして、看守とその家の人たち全部に主の言葉を語った。33まだ真夜中であったが、看守は二人を連れて行って打ち傷を洗ってやり、自分も家族の者も皆すぐに洗礼を受けた。34この後、二人を自分の家に案内して食事を出し、神を信じる者になったことを家族ともども喜んだ。 答唱詩編詩編138・1+2ab、8主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編138138・1神よ、わたしは心を尽くしてあなたに感謝し、 8神はわたしに約束されたことを、 福音朗読ヨハネ16・5-11アレルヤ、アレルヤ。すべての真理を教えてくださる真理の霊を遣わそう。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。16・5「今わたしは、わたしをお遣わしになった方のもとに行こうとしているが、あなたがたはだれも、『どこへ行くのか』と尋ねない。6むしろ、わたしがこれらのことを話したので、あなたがたの心は悲しみで満たされている。7しかし、実を言うと、わたしが去って行くのは、あなたがたのためになる。わたしが去って行かなければ、弁護者はあなたがたのところに来ないからである。わたしが行けば、弁護者をあなたがたのところに送る。8その方が来れば、罪について、義について、また、裁きについて、世の誤りを明らかにする。9罪についてとは、彼らがわたしを信じないこと、10義についてとは、わたしが父のもとに行き、あなたがたがもはやわたしを見なくなること、11また、裁きについてとは、この世の支配者が断罪されることである。」 |
|||
復活節第6水曜日 | 5月28日(水) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録17・15、22-18・1知られざる神に 使徒たちの宣教その日、17・15パウロに付き添った人々は、彼をアテネまで連れて行った。そしてできるだけ早く来るようにという、シラスとテモテに対するパウロの指示を受けて帰って行った。 22パウロは、アレオパゴスの真ん中に立って言った。「アテネの皆さん、あらゆる点においてあなたがたが信仰のあつい方であることを、わたしは認めます。23道を歩きながら、あなたがたが拝むいろいろなものを見ていると、『知られざる神に』と刻まれている祭壇さえ見つけたからです。それで、あなたがたが知らずに拝んでいるもの、それをわたしはお知らせしましょう。24世界とその中の万物とを造られた神が、その方です。この神は天地の主ですから、手で造った神殿などにはお住みになりません。25また、何か足りないことでもあるかのように、人の手によって仕えてもらう必要もありません。すべての人に命と息と、その他すべてのものを与えてくださるのは、この神だからです。26神は、一人の人からすべての民族を造り出して、地上の至るところに住まわせ、季節を決め、彼らの居住地の境界をお決めになりました。27これは、人に神を求めさせるためであり、また、彼らが探し求めさえすれば、神を見いだすことができるようにということなのです。実際、神はわたしたち一人一人から遠く離れてはおられません。28皆さんのうちのある詩人たちも、 32死者の復活ということを聞くと、ある者はあざ笑い、ある者は、「それについては、いずれまた聞かせてもらうことにしよう」と言った。33それで、パウロはその場を立ち去った。34しかし、彼について行って信仰に入った者も、何人かいた。その中にはアレオパゴスの議員ディオニシオ、またダマリスという婦人やその他の人々もいた。 18・1その後、パウロはアテネを去ってコリントへ行った。 答唱詩編詩編148・11+12、13+14いのちあるすベてのものは、神をたたえよ。 詩編148148・11地を治める王、すべての民は神をたたえよ。 13すべての者は神の名をたたえよ。 福音朗読ヨハネ16・12-15アレルヤ、アレルヤ。わたしは父に願い父が与える証しの霊は永遠に、あなたがたとともにとどまってくださる。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。16・12「言っておきたいことは、まだたくさんあるが、今、あなたがたには理解できない。13しかし、その方、すなわち、真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。その方は、自分から語るのではなく、聞いたことを語り、また、これから起こることをあなたがたに告げるからである。14その方はわたしに栄光を与える。わたしのものを受けて、あなたがたに告げるからである。15父が持っておられるものはすべて、わたしのものである。だから、わたしは、『その方がわたしのものを受けて、あなたがたに告げる』と言ったのである。」 |
|||
復活節第6木曜日 | 5月29日(木) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録18・1-8コリントの多くの人々も、パウロの言葉を聞いて信じ、洗礼を受けた。 使徒たちの宣教その日、18・1パウロはアテネを去ってコリントへ行った。2ここで、ポントス州出身のアキラというユダヤ人とその妻プリスキラに出会った。クラウディウス帝が全ユダヤ人をローマから退去させるようにと命令したので、最近イタリアから来たのである。パウロはこの二人を訪ね、3職業が同じであったので、彼らの家に住み込んで、一緒に仕事をした。その職業はテント造りであった。4パウロは安息日ごとに会堂で論じ、ユダヤ人やギリシア人の説得に努めていた。 5シラスとテモテがマケドニア州からやって来ると、パウロは御言葉を語ることに専念し、ユダヤ人に対してメシアはイエスであると力強く証しした。6しかし、彼らが反抗し、口汚くののしったので、パウロは服の塵を振り払って言った。「あなたたちの血は、あなたたちの頭に降りかかれ。わたしには責任がない。今後、わたしは異邦人の方へ行く。」7パウロはそこを去り、神をあがめるティティオ・ユストという人の家に移った。彼の家は会堂の隣にあった。8会堂長のクリスポは、一家をあげて主を信じるようになった。また、コリントの多くの人々も、パウロの言葉を聞いて信じ、洗礼を受けた。 答唱詩編詩編98・1、4+5遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・1新しい歌を神にうたえ。 4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、 福音朗読ヨハネ16・16-20アレルヤ、アレルヤ。わたしはあなたがたを孤児にはしない。今は行くが、また帰って来てあなたがたの喜びとなる。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。16・16「しばらくすると、あなたがたはもうわたしを見なくなるが、またしばらくすると、わたしを見るようになる。」17そこで、弟子たちのある者は互いに言った。「『しばらくすると、あなたがたはわたしを見なくなるが、またしばらくすると、わたしを見るようになる』とか、『父のもとに行く』とか言っておられるのは、何のことだろう。」18また、言った。「『しばらくすると』と言っておられるのは、何のことだろう。何を話しておられるのか分からない。」19イエスは、彼らが尋ねたがっているのを知って言われた。「『しばらくすると、あなたがたはわたしを見なくなるが、またしばらくすると、わたしを見るようになる』と、わたしが言ったことについて、論じ合っているのか。20はっきり言っておく。あなたがたは泣いて悲嘆に暮れるが、世は喜ぶ。あなたがたは悲しむが、その悲しみは喜びに変わる。」 |
|||
復活節第6金曜日 | 5月30日(金) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録18・9-18恐れるな。語り続けよ。黙っているな。わたしがあなたと共にいる。 使徒たちの宣教パウロがコリントに滞在していた18・9ある夜のこと、主は幻の中でパウロにこう言われた。「恐れるな。語り続けよ。黙っているな。10わたしがあなたと共にいる。だから、あなたを襲って危害を加える者はない。この町には、わたしの民が大勢いるからだ。」11パウロは一年六か月の間ここにとどまって、人々に神の言葉を教えた。 12ガリオンがアカイア州の地方総督であったときのことである。ユダヤ人たちが一団となってパウロを襲い、法廷に引き立てて行って、13「この男は、律法に違反するようなしかたで神をあがめるようにと、人々を唆しております」と言った。14パウロが話し始めようとしたとき、ガリオンはユダヤ人に向かって言った。「ユダヤ人諸君、これが不正な行為とか悪質な犯罪とかであるならば、当然諸君の訴えを受理するが、15問題が教えとか名称とか諸君の律法に関するものならば、自分たちで解決するがよい。わたしは、そんなことの審判者になるつもりはない。」16そして、彼らを法廷から追い出した。17すると、群衆は会堂長のソステネを捕まえて、法廷の前で殴りつけた。しかし、ガリオンはそれに全く心を留めなかった。 18パウロは、なおしばらくの間ここに滞在したが、やがて兄弟たちに別れを告げて、船でシリア州へ旅立った。プリスキラとアキラも同行した。パウロは誓願を立てていたので、ケンクレアイで髪を切った。 答唱詩編詩編47・2+3、7+8神に向かって喜び歌い、感謝の歌をささげよう。 詩編4747・2すべての民よ、手を打ち鳴らし、 7神をたたえてほめ歌え。 福音朗読ヨハネ16・20-23aアレルヤ、アレルヤ。キリストは苦しみを受けて死者のうちから復活し、栄光に入る方。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。16・20「はっきり言っておく。あなたがたは泣いて悲嘆に暮れるが、世は喜ぶ。あなたがたは悲しむが、その悲しみは喜びに変わる。21女は子供を産むとき、苦しむものだ。自分の時が来たからである。しかし、子供が生まれると、一人の人間が世に生まれ出た喜びのために、もはやその苦痛を思い出さない。22ところで、今はあなたがたも、悲しんでいる。しかし、わたしは再びあなたがたと会い、あなたがたは心から喜ぶことになる。その喜びをあなたがたから奪い去る者はいない。23その日には、あなたがたはもはや、わたしに何も尋ねない。」 |
|||
聖母の訪問 | 5月31日(土) | 聖人の記念 | |
第一朗読セファニヤ3・14-18娘シオンよ、喜び叫べ。イスラエルよ、歓呼の声をあげよ。 セファニヤの宣教3・14娘シオンよ、喜び叫べ。 16その日、人々はエルサレムに向かって言う。 またはローマ12・9-16a兄弟愛をもって互いに愛しなさい。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、12・9愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、10兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。11怠らず励み、霊に燃えて、主に仕えなさい。12希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい。13聖なる者たちの貧しさを自分のものとして彼らを助け、旅人をもてなすよう努めなさい。14あなたがたを迫害する者のために祝福を祈りなさい。祝福を祈るのであって、呪ってはなりません。15喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。16互いに思いを一つにし、高ぶらず、身分の低い人々と交わりなさい。 答唱詩編イザヤ12・2、5喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。 イザヤ1212・2神はわたしの救い、わたしは信頼して恐れない。 5神は不思議なわざをなしとげられた。 福音朗読ルカ1・39-56アレルヤ、アレルヤ。おとめマリア、信じたあなたは幸い。神からあなたに言われたことは成就される。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音1・39そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。40そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。41マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、42声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。43わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。44あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。45主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」 46そこで、マリアは言った。 「わたしの魂は主をあがめ、 56マリアは、三か月ほどエリサベトのところに滞在してから、自分の家に帰った。 |
|||
06月 | |||
主の昇天 | 6月1日(日) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録1・1-11イエスは彼らが見ているうちに天に上げられた。 使徒たちの宣教1・1-2テオフィロさま、わたしは先に第一巻を著して、イエスが行い、また教え始めてから、お選びになった使徒たちに聖霊を通して指図を与え、天に上げられた日までのすべてのことについて書き記しました。 3イエスは苦難を受けた後、御自分が生きていることを、数多くの証拠をもって使徒たちに示し、四十日にわたって彼らに現れ、神の国について話された。4そして、彼らと食事を共にしていたとき、こう命じられた。「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。5ヨハネは水で洗礼を授けたが、あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授けられるからである。」 6さて、使徒たちは集まって、「主よ、イスラエルのために国を建て直してくださるのは、この時ですか」と尋ねた。7イエスは言われた。「父が御自分の権威をもってお定めになった時や時期は、あなたがたの知るところではない。8あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」9こう話し終わると、イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、雲に覆われて彼らの目から見えなくなった。10イエスが離れ去って行かれるとき、彼らは天を見つめていた。すると、白い服を着た二人の人がそばに立って、11言った。「ガリラヤの人たち、なぜ天を見上げて立っているのか。あなたがたから離れて天に上げられたイエスは、天に行かれるのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになる。」 答唱詩編詩編47・2+3、6+7、8+9主はのぼられた、喜びの叫びのうちに。 詩編4747・2すべての民よ、手を打ち鳴らし、 6主は喜びの叫びのうちに、 8まことに神は世界の王。 第二朗読ヘブライ9・24-28、10・19-23キリストは天そのものに入られた。 ヘブライ人への手紙9・24キリストは、まことのものの写しにすぎない、人間の手で造られた聖所にではなく、天そのものに入り、今やわたしたちのために神の御前に現れてくださったのです。25また、キリストがそうなさったのは、大祭司が年ごとに自分のものでない血を携えて聖所に入るように、度々御自身をお献げになるためではありません。26もしそうだとすれば、天地創造の時から度々苦しまねばならなかったはずです。ところが実際は、世の終わりにただ一度、御自身をいけにえとして献げて罪を取り去るために、現れてくださいました。27また、人間にはただ一度死ぬことと、その後に裁きを受けることが定まっているように、28キリストも、多くの人の罪を負うためにただ一度身を献げられた後、二度目には、罪を負うためではなく、御自分を待望している人たちに、救いをもたらすために現れてくださるのです。 10-19それで、兄弟たち、わたしたちは、イエスの血によって聖所に入れると確信しています。20イエスは、垂れ幕、つまり、御自分の肉を通って、新しい生きた道をわたしたちのために開いてくださったのです。21更に、わたしたちには神の家を支配する偉大な祭司がおられるのですから、22心は清められて、良心のとがめはなくなり、体は清い水で洗われています。信頼しきって、真心から神に近づこうではありませんか。23約束してくださったのは真実な方なのですから、公に言い表した希望を揺るがぬようしっかり保ちましょう。 またはエフェソ1・17-23神はキリストを天において御自分の右の座に着かせた。 使徒パウロのエフェソの教会への手紙皆さん、1・17どうか、わたしたちの主イエス・キリストの神、栄光の源である御父が、あなたがたに知恵と啓示との霊を与え、神を深く知ることができるようにし、18心の目を開いてくださるように。そして、神の招きによってどのような希望が与えられているか、聖なる者たちの受け継ぐものがどれほど豊かな栄光に輝いているか悟らせてくださるように。19また、わたしたち信仰者に対して絶大な働きをなさる神の力が、どれほど大きなものであるか、悟らせてくださるように。20神は、この力をキリストに働かせて、キリストを死者の中から復活させ、天において御自分の右の座に着かせ、21すべての支配、権威、勢力、主権の上に置き、今の世ばかりでなく、来るべき世にも唱えられるあらゆる名の上に置かれました。22神はまた、すべてのものをキリストの足もとに従わせ、キリストをすべてのものの上にある頭として教会にお与えになりました。23教会はキリストの体であり、すべてにおいてすべてを満たしている方の満ちておられる場です。 福音朗読ルカ24・46-53アレルヤ、アレルヤ。全世界に行き、すべての人をわたしの弟子にしなさい。わたしは世の終わりまでいつもあなたがたとともにいる。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。24-46聖書には「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。47また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。エルサレムから始めて、48あなたがたはこれらのことの証人となる。49わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい。」 50イエスは、そこから彼らをベタニアの辺りまで連れて行き、手を上げて祝福された。51そして、祝福しながら彼らを離れ、天に上げられた。52彼らはイエスを伏し拝んだ後、大喜びでエルサレムに帰り、53絶えず神殿の境内にいて、神をほめたたえていた。 |
|||
復活節第7月曜日 | 6月2日(月) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録19・1-8信仰に入ったとき、聖霊を受けましたか 使徒たちの宣教19・1アポロがコリントにいたときのことである。パウロは、内陸の地方を通ってエフェソに下って来て、何人かの弟子に出会い、2彼らに、「信仰に入ったとき、聖霊を受けましたか」と言うと、彼らは、「いいえ、聖霊があるかどうか、聞いたこともありません」と言った。3パウロが、「それなら、どんな洗礼を受けたのですか」と言うと、「ヨハネの洗礼です」と言った。4そこで、パウロは言った。「ヨハネは、自分の後から来る方、つまりイエスを信じるようにと、民に告げて、悔い改めの洗礼を授けたのです。」5人々はこれを聞いて主イエスの名によって洗礼を受けた。 6パウロが彼らの上に手を置くと、聖霊が降り、その人たちは異言を話したり、預言をしたりした。7この人たちは、皆で十二人ほどであった。 7パウロは会堂に入って、三か月間、神の国のことについて大胆に論じ、人々を説得しようとした。 答唱詩編詩編68・4+5ab、6+7bc神に向かって喜び歌い、感謝の歌をささげよう。 詩編6868・4神に従う人は喜びおどり、 6みなしごの父、やもめのたすけ、 福音朗読ヨハネ16・29-33アレルヤ、アレルヤ。キリストとともに復活したなら上のことを求めよう。キリストは神の右に座しておられる。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、弟子たちはイエスに言った。16・29「今は、はっきりとお話しになり、少しもたとえを用いられません。30あなたが何でもご存じで、だれもお尋ねする必要のないことが、今、分かりました。これによって、あなたが神のもとから来られたと、わたしたちは信じます。」31イエスはお答えになった。「今ようやく、信じるようになったのか。32だが、あなたがたが散らされて自分の家に帰ってしまい、わたしをひとりきりにする時が来る。いや、既に来ている。しかし、わたしはひとりではない。父が、共にいてくださるからだ。33これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている。」 |
|||
聖カロロ・ルワンガと同志 殉教者 | 6月3日(火) | 記念日 | |
第一朗読使徒言行録20・17-27わたしは、神の御計画をすべて、ひるむことなくあなたがたに伝えた。 使徒たちの宣教その日、20・17パウロはミレトスからエフェソに人をやって、教会の長老たちを呼び寄せた。18長老たちが集まって来たとき、パウロはこう話した。「アジア州に来た最初の日以来、わたしがあなたがたと共にどのように過ごしてきたかは、よくご存じです。19すなわち、自分を全く取るに足りない者と思い、涙を流しながら、また、ユダヤ人の数々の陰謀によってこの身にふりかかってきた試練に遭いながらも、主にお仕えしてきました。20役に立つことは一つ残らず、公衆の面前でも方々の家でも、あなたがたに伝え、また教えてきました。21神に対する悔い改めと、わたしたちの主イエスに対する信仰とを、ユダヤ人にもギリシア人にも力強く証ししてきたのです。22そして今、わたしは、〝霊〟に促されてエルサレムに行きます。そこでどんなことがこの身に起こるか、何も分かりません。23ただ、投獄と苦難とがわたしを待ち受けているということだけは、聖霊がどこの町でもはっきり告げてくださっています。24しかし、自分の決められた道を走りとおし、また、主イエスからいただいた、神の恵みの福音を力強く証しするという任務を果たすことができさえすれば、この命すら決して惜しいとは思いません。 25そして今、あなたがたが皆もう二度とわたしの顔を見ることがないとわたしには分かっています。わたしは、あなたがたの間を巡回して御国を宣べ伝えたのです。26だから、特に今日はっきり言います。だれの血についても、わたしには責任がありません。27わたしは、神の御計画をすべて、ひるむことなくあなたがたに伝えたからです。」 答唱詩編詩編68・10+11、20+27神に向かって喜びうたい、感謝の歌をささげよう。 詩編6868・10神よ、あなたは豊かに雨を降らせ、 20日ごとにわたしたちの重荷を担われる神、 福音朗読ヨハネ17・1-11aアレルヤ、アレルヤ。わたしは父に願い父が与える証しの霊は永遠に、あなたがたとともにとどまってくださる。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは17・1天を仰いで言われた。「父よ、時が来ました。あなたの子があなたの栄光を現すようになるために、子に栄光を与えてください。2あなたは子にすべての人を支配する権能をお与えになりました。そのために、子はあなたからゆだねられた人すべてに、永遠の命を与えることができるのです。3永遠の命とは、唯一のまことの神であられるあなたと、あなたのお遣わしになったイエス・キリストを知ることです。4わたしは、行うようにとあなたが与えてくださった業を成し遂げて、地上であなたの栄光を現しました。5父よ、今、御前でわたしに栄光を与えてください。世界が造られる前に、わたしがみもとで持っていたあの栄光を。 6世から選び出してわたしに与えてくださった人々に、わたしは御名を現しました。彼らはあなたのものでしたが、あなたはわたしに与えてくださいました。彼らは、御言葉を守りました。7わたしに与えてくださったものはみな、あなたからのものであることを、今、彼らは知っています。8なぜなら、わたしはあなたから受けた言葉を彼らに伝え、彼らはそれを受け入れて、わたしがみもとから出て来たことを本当に知り、あなたがわたしをお遣わしになったことを信じたからです。9彼らのためにお願いします。世のためではなく、わたしに与えてくださった人々のためにお願いします。彼らはあなたのものだからです。10わたしのものはすべてあなたのもの、あなたのものはわたしのものです。わたしは彼らによって栄光を受けました。11わたしは、もはや世にはいません。彼らは世に残りますが、わたしはみもとに参ります。」 |
|||
復活節第7水曜日 | 6月4日(水) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録20・28-38受けるよりは与える方が幸いである 使徒たちの宣教その日、パウロはエフェソの教会の長老たちに言った。20・28「どうか、あなたがた自身と群れ全体とに気を配ってください。聖霊は、神が御子の血によって御自分のものとなさった神の教会の世話をさせるために、あなたがたをこの群れの監督者に任命なさったのです。29わたしが去った後に、残忍な狼どもがあなたがたのところへ入り込んで来て群れを荒らすことが、わたしには分かっています。30また、あなたがた自身の中からも、邪説を唱えて弟子たちを従わせようとする者が現れます。31だから、わたしが三年間、あなたがた一人一人に夜も昼も涙を流して教えてきたことを思い起こして、目を覚ましていなさい。32そして今、神とその恵みの言葉とにあなたがたをゆだねます。この言葉は、あなたがたを造り上げ、聖なる者とされたすべての人々と共に恵みを受け継がせることができるのです。33わたしは、他人の金銀や衣服をむさぼったことはありません。34ご存じのとおり、わたしはこの手で、わたし自身の生活のためにも、共にいた人々のためにも働いたのです。35あなたがたもこのように働いて弱い者を助けるように、また、主イエス御自身が『受けるよりは与える方が幸いである』と言われた言葉を思い出すようにと、わたしはいつも身をもって示してきました。」 36このように話してから、パウロは皆と一緒にひざまずいて祈った。37人々は皆激しく泣き、パウロの首を抱いて接吻した。38特に、自分の顔をもう二度と見ることはあるまいとパウロが言ったので、非常に悲しんだ。人々はパウロを船まで見送りに行った。 答唱詩編詩編68・29+33、34b+35a+36b神に向かって喜びうたい、感謝の歌をささげよう。 詩編6868・29神よ、あなたの力を現し、 34b神の声を聞け、 福音朗読ヨハネ17・11b-19アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは真理。わたしたちを真理のうちに聖なる者にしてください。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは天を仰ぎ、祈って言われた。17・11b「聖なる父よ、わたしに与えてくださった御名によって彼らを守ってください。わたしたちのように、彼らも一つとなるためです。12わたしは彼らと一緒にいる間、あなたが与えてくださった御名によって彼らを守りました。わたしが保護したので、滅びの子のほかは、だれも滅びませんでした。聖書が実現するためです。13しかし、今、わたしはみもとに参ります。世にいる間に、これらのことを語るのは、わたしの喜びが彼らの内に満ちあふれるようになるためです。14わたしは彼らに御言葉を伝えましたが、世は彼らを憎みました。わたしが世に属していないように、彼らも世に属していないからです。15わたしがお願いするのは、彼らを世から取り去ることではなく、悪い者から守ってくださることです。16わたしが世に属していないように、彼らも世に属していないのです。17真理によって、彼らを聖なる者としてください。あなたの御言葉は真理です。18わたしを世にお遣わしになったように、わたしも彼らを世に遣わしました。19彼らのために、わたしは自分自身をささげます。彼らも、真理によってささげられた者となるためです。」 |
|||
聖ボニファチオ 司教殉教者 | 6月5日(木) | 記念日 | |
第一朗読使徒言行録22・30、23・6-11勇気を出せ。エルサレムでわたしのことを力強く証ししたように、ローマでも証しをしなければならない。 使徒たちの宣教その日、22・30千人隊長は、なぜパウロがユダヤ人から訴えられているのか、確かなことを知りたいと思い、彼の鎖を外した。そして、祭司長たちと最高法院全体の召集を命じ、パウロを連れ出して彼らの前に立たせた。 6パウロは、議員の一部がサドカイ派、一部がファリサイ派であることを知って、議場で声を高めて言った。「兄弟たち、わたしは生まれながらのファリサイ派です。死者が復活するという望みを抱いていることで、わたしは裁判にかけられているのです。」7パウロがこう言ったので、ファリサイ派とサドカイ派との間に論争が生じ、最高法院は分裂した。8サドカイ派は復活も天使も霊もないと言い、ファリサイ派はこのいずれをも認めているからである。9そこで、騒ぎは大きくなった。ファリサイ派の数人の律法学者が立ち上がって激しく論じ、「この人には何の悪い点も見いだせない。霊か天使かが彼に話しかけたのだろうか」と言った。10こうして、論争が激しくなったので、千人隊長は、パウロが彼らに引き裂かれてしまうのではないかと心配し、兵士たちに、下りていって人々の中からパウロを力ずくで助け出し、兵営に連れて行くように命じた。 11その夜、主はパウロのそばに立って言われた。「勇気を出せ。エルサレムでわたしのことを力強く証ししたように、ローマでも証しをしなければならない。」 答唱詩編詩編16・5、8しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。 詩編1616・5神よ、あなたはわたしの受けるゆずり、わたしの受ける杯、 8わたしは絶えず神を思う。 福音朗読ヨハネ17・20-26アレルヤ、アレルヤ。わたしは父から出て、世に来たが、世を去って父のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは天を仰ぎ、祈って言われた。17・20「彼らのためだけでなく、彼らの言葉によってわたしを信じる人々のためにも、お願いします。21父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちの内にいるようにしてください。そうすれば、世は、あなたがわたしをお遣わしになったことを、信じるようになります。22あなたがくださった栄光を、わたしは彼らに与えました。わたしたちが一つであるように、彼らも一つになるためです。23わたしが彼らの内におり、あなたがわたしの内におられるのは、彼らが完全に一つになるためです。こうして、あなたがわたしをお遣わしになったこと、また、わたしを愛しておられたように、彼らをも愛しておられたことを、世が知るようになります。24父よ、わたしに与えてくださった人々を、わたしのいる所に、共におらせてください。それは、天地創造の前からわたしを愛して、与えてくださったわたしの栄光を、彼らに見せるためです。25正しい父よ、世はあなたを知りませんが、わたしはあなたを知っており、この人々はあなたがわたしを遣わされたことを知っています。26わたしは御名を彼らに知らせました。また、これからも知らせます。わたしに対するあなたの愛が彼らの内にあり、わたしも彼らの内にいるようになるためです。」 |
|||
復活節第7金曜日 | 6月6日(金) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録25・13-21イエスが生きていると、パウロは主張しているのです。 使徒たちの宣教その日、25・13アグリッパ王とベルニケが、フェストゥスに敬意を表するためにカイサリアに来た。14彼らが幾日もそこに滞在していたので、フェストゥスはパウロの件を王に持ち出して言った。「ここに、フェリクスが囚人として残していった男がいます。15わたしがエルサレムに行ったときに、祭司長たちやユダヤ人の長老たちがこの男を訴え出て、有罪の判決を下すように要求したのです。16わたしは彼らに答えました。『被告が告発されたことについて、原告の面前で弁明する機会も与えられず、引き渡されるのはローマ人の慣習ではない』と。17それで、彼らが連れ立って当地へ来ましたから、わたしはすぐにその翌日、裁判の席に着き、その男を出廷させるように命令しました。18告発者たちは立ち上がりましたが、彼について、わたしが予想していたような罪状は何一つ指摘できませんでした。19パウロと言い争っている問題は、彼ら自身の宗教に関することと、死んでしまったイエスとかいう者のことです。このイエスが生きていると、パウロは主張しているのです。20わたしは、これらのことの調査の方法が分からなかったので、『エルサレムへ行き、そこでこれらの件に関して裁判を受けたくはないか』と言いました。21しかしパウロは、皇帝陛下の判決を受けるときまで、ここにとどめておいてほしいと願い出ましたので、皇帝のもとに護送するまで、彼をとどめておくように命令しました。」 答唱詩編詩編103・11+12、20+21心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編103103・11天が地より高いように、 20神の使いよ、神をたたえよ。 福音朗読ヨハネ21・15-19アレルヤ、アレルヤ。聖霊はあなたがたにすべてを教え、話したことをわからせてくださる。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音イエスは、弟子たちにご自身を表され、食事を共にされた。21・15食事が終わると、イエスはシモン・ペトロに、「ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか」と言われた。ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの小羊を飼いなさい」と言われた。16二度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの羊の世話をしなさい」と言われた。17三度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロは、イエスが三度目も、「わたしを愛しているか」と言われたので、悲しくなった。そして言った。「主よ、あなたは何もかもご存じです。わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます。」イエスは言われた。「わたしの羊を飼いなさい。18はっきり言っておく。あなたは、若いときは、自分で帯を締めて、行きたいところへ行っていた。しかし、年をとると、両手を伸ばして、他の人に帯を締められ、行きたくないところへ連れて行かれる。」19ペトロがどのような死に方で、神の栄光を現すようになるかを示そうとして、イエスはこう言われたのである。このように話してから、ペトロに、「わたしに従いなさい」と言われた。 |
|||
復活節第7土曜日 | 6月7日(土) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録28・16-20、30-31イスラエルが希望していることのために、わたしはこのように鎖でつながれているのです。 使徒たちの宣教28・16わたしたちがローマに入ったとき、パウロは番兵を一人つけられたが、自分だけで住むことを許された。 17三日の後、パウロはおもだったユダヤ人たちを招いた。彼らが集まって来たとき、こう言った。「兄弟たち、わたしは、民に対しても先祖の慣習に対しても、背くようなことは何一つしていないのに、エルサレムで囚人としてローマ人の手に引き渡されてしまいました。18ローマ人はわたしを取り調べたのですが、死刑に相当する理由が何も無かったので、釈放しようと思ったのです。19しかし、ユダヤ人たちが反対したので、わたしは皇帝に上訴せざるをえませんでした。これは、決して同胞を告発するためではありません。20だからこそ、お会いして話し合いたいと、あなたがたにお願いしたのです。イスラエルが希望していることのために、わたしはこのように鎖でつながれているのです。」 30パウロは、自費で借りた家に丸二年間住んで、訪問する者はだれかれとなく歓迎し、31全く自由に何の妨げもなく、神の国を宣べ伝え、主イエス・キリストについて教え続けた。 答唱詩編詩編33・12+13、14+15神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。 詩編3333・12神を王としていただく国、 14神はその住まいから、 福音朗読ヨハネ21・20-25アレルヤ、アレルヤ。すべての真理を教えてくださる真理の霊を遣わそう。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、21・20ペトロが振り向くと、イエスの愛しておられた弟子がついて来るのが見えた。この弟子は、あの夕食のとき、イエスの胸もとに寄りかかったまま、「主よ、裏切るのはだれですか」と言った人である。21ペトロは彼を見て、「主よ、この人はどうなるのでしょうか」と言った。22イエスは言われた。「わたしの来るときまで彼が生きていることを、わたしが望んだとしても、あなたに何の関係があるか。あなたは、わたしに従いなさい。」23それで、この弟子は死なないといううわさが兄弟たちの間に広まった。しかし、イエスは、彼は死なないと言われたのではない。ただ、「わたしの来るときまで彼が生きていることを、わたしが望んだとしても、あなたに何の関係があるか」と言われたのである。 24これらのことについて証しをし、それを書いたのは、この弟子である。わたしたちは、彼の証しが真実であることを知っている。 25イエスのなさったことは、このほかにも、まだたくさんある。わたしは思う。その一つ一つを書くならば、世界もその書かれた書物を収めきれないであろう。 |
|||
聖霊降臨・前晩のミサ | 6月7日(土) | 復活節 | |
第一朗読創世記11・1-9我々は、直ちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう。 創世記そのころ、11・1世界中は同じ言葉を使って、同じように話していた。2東の方から移動してきた人々は、シンアルの地に平野を見つけ、そこに住み着いた。 3彼らは、「れんがを作り、それをよく焼こう」と話し合った。石の代わりにれんがを、しっくいの代わりにアスファルトを用いた。4彼らは、「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう。そして、全地に散らされることのないようにしよう」と言った。 5主は降って来て、人の子らが建てた、塔のあるこの町を見て、6言われた。 「彼らは一つの民で、皆一つの言葉を話しているから、このようなことをし始めたのだ。これでは、彼らが何を企てても、妨げることはできない。7我々は降って行って、直ちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう。」 8主は彼らをそこから全地に散らされたので、彼らはこの町の建設をやめた。9こういうわけで、この町の名はバべルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を混乱(バラル)させ、また、主がそこから彼らを全地に散らされたからである。 または出エジプト記19・3-8a、16-20b主はモーセに語りかけて言われた。「イスラエルの人々に告げなさい…」 出エジプト記その日、19・3モーセが神のもとに登って行くと、山から主は彼に語りかけて言われた。 7モーセは戻って、民の長老たちを呼び集め、主が命じられた言葉をすべて彼らの前で語った。8民は皆、一斉に答えて、「わたしたちは、主が語られたことをすべて、行います」と言った。 16三日目の朝になると、雷鳴と稲妻と厚い雲が山に臨み、角笛の音が鋭く鳴り響いたので、宿営にいた民は皆、震えた。17しかし、モーセが民を神に会わせるために宿営から連れ出したので、彼らは山のふもとに立った。18シナイ山は全山煙に包まれた。主が火の中を山の上に降られたからである。煙は炉の煙のように立ち上り、山全体が激しく震えた。19角笛の音がますます鋭く鳴り響いたとき、モーセが語りかけると、神は雷鳴をもって答えられた。 20主はシナイ山の頂に降り、モーセを山の頂に呼び寄せられた。 またはエゼキエル37・1-14わたしがお前たちの中に霊を吹き込むと、お前たちは生きる。 エゼキエルの預言その日、37・1主の手がわたしの上に臨んだ。わたしは主の霊によって連れ出され、ある谷の真ん中に降ろされた。そこは骨でいっぱいであった。2主はわたしに、その周囲を行き巡らせた。見ると、谷の上には非常に多くの骨があり、また見ると、それらは甚だしく枯れていた。3そのとき、主はわたしに言われた。「人の子よ、これらの骨は生き返ることができるか。」わたしは答えた。「主なる神よ、あなたのみがご存じです。」4そこで、主はわたしに言われた。「これらの骨に向かって預言し、彼らに言いなさい。枯れた骨よ、主の言葉を聞け。5これらの骨に向かって、主なる神はこう言われる。見よ、わたしはお前たちの中に霊を吹き込む。すると、お前たちは生き返る。6わたしは、お前たちの上に筋をおき、肉を付け、皮膚で覆い、霊を吹き込む。すると、お前たちは生き返る。そして、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。」 7わたしは命じられたように預言した。わたしが預言していると、音がした。見よ、カタカタと音を立てて、骨と骨とが近づいた。8わたしが見ていると、見よ、それらの骨の上に筋と肉が生じ、皮膚がその上をすっかり覆った。しかし、その中に霊はなかった。9主はわたしに言われた。「霊に預言せよ。人の子よ、預言して霊に言いなさい。主なる神はこう言われる。霊よ、四方から吹き来れ。霊よ、これらの殺されたものの上に吹きつけよ。そうすれば彼らは生き返る。」 10わたしは命じられたように預言した。すると、霊が彼らの中に入り、彼らは生き返って自分の足で立った。彼らは非常に大きな集団となった。 11主はわたしに言われた。「人の子よ、これらの骨はイスラエルの全家である。彼らは言っている。『我々の骨は枯れた。我々の望みはうせ、我々は滅びる』と。12それゆえ、預言して彼らに語りなさい。主なる神はこう言われる。わたしはお前たちの墓を開く。わが民よ、わたしはお前たちを墓から引き上げ、イスラエルの地へ連れて行く。13わたしが墓を開いて、お前たちを墓から引き上げるとき、わが民よ、お前たちはわたしが主であることを知るようになる。14また、わたしがお前たちの中に霊を吹き込むと、お前たちは生きる。わたしはお前たちを自分の土地に住まわせる。そのとき、お前たちは主であるわたしがこれを語り、行ったことを知るようになる」と主は言われる。 またはヨエル3・1-5わたしはすべての人にわが霊を注ぐ。 ヨエルの預言主は言われる。 答唱詩編詩編104・1+2a、24+33神よ、あなたのいぶきを地のおもてに。 詩編104104・1心を尽くして神をたたえよう。 24神よ、あなたが造られたものは数えきれない。 第ニ朗読ローマ8・22-27〝霊〟の初穂をいただいているわたしたちぱ、神の子とされる。 使徒パウロのローマ教会への手紙皆さん、8・22被造物がすべて今日まで、共にうめき、共に産みの苦しみを味わっていることを、わたしたちは知っています。23被造物だけでなく、〝霊〟の初穂をいただいているわたしたちも、神の子とされること、つまり、体の贖われることを、心の中でうめきながら待ち望んでいます。24わたしたちは、このような希望によって救われているのです。見えるものに対する希望は希望ではありません。現に見ているものをだれがなお望むでしょうか。25わたしたちは、目に見えないものを望んでいるなら、忍耐して待ち望むのです。 26同様に、〝霊〟も弱いわたしたちを助けてくださいます。わたしたちはどう祈るべきかを知りませんが、〝霊〟自らが、言葉に表せないうめきをもって執り成してくださるからです。27人の心を見抜く方は、〝霊〟の思いが何であるかを知っておられます。〝霊〟は、神の御心に従って、聖なる者たちのために執り成してくださるからです。 福音朗読ヨハネ7・37-39アレルヤ、アレルヤ。聖霊来てください。信じる人の心を満たし、あなたの愛の火を燃やしたください。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音7・37祭りが最も盛大に祝われる終わりの日に、イエスは立ち上がって大声で言われた。「渇いている人はだれでも、わたしのところに来て飲みなさい。38わたしを信じる者は、聖書に書いてあるとおり、その人の内から生きた水が川となって流れ出るようになる。」39イエスは、御自分を信じる人々が受けようとしている〝霊〟について言われたのである。イエスはまだ栄光を受けておられなかったので、〝霊〟がまだ降っていなかったからである。 |
|||
聖霊降臨 | 6月8日(日) | 復活節 | |
第一朗読使徒言行録2・1-11一同は聖霊に満たされ、話しだした。 使徒たちの宣教2・1五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、2突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。3そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。4すると、一同は聖霊に満たされ、〝霊〟が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。 5さて、エルサレムには天下のあらゆる国から帰って来た、信心深いユダヤ人が住んでいたが、6この物音に大勢の人が集まって来た。そして、だれもかれも、自分の故郷の言葉が話されているのを聞いて、あっけにとられてしまった。7人々は驚き怪しんで言った。「話をしているこの人たちは、皆ガリラヤの人ではないか。8どうしてわたしたちは、めいめいが生まれた故郷の言葉を聞くのだろうか。9わたしたちの中には、パルティア、メディア、エラムからの者がおり、また、メソポタミア、ユダヤ、カパドキア、ポントス、アジア、10フリギア、パンフィリア、エジプト、キレネに接するリビア地方などに住む者もいる。また、ローマから来て滞在中の者、11ユダヤ人もいれば、ユダヤ教への改宗者もおり、クレタ、アラビアから来た者もいるのに、彼らがわたしたちの言葉で神の偉大な業を語っているのを聞こうとは。」 答唱詩編詩編104・1b+24、29+30、31+34神よ、あなたのいぶきを地のおもてに。 詩編104104・1b主なる神、 29あなたがいぶきを取り去られると、 31神にとわの栄えあれ。 第二朗読ローマ8・8-17神の霊によって導かれる者は皆、神の子である。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、8・8肉の支配下にある者は、神に喜ばれるはずがありません。9神の霊があなたがたの内に宿っているかぎり、あなたがたは、肉ではなく霊の支配下にいます。キリストの霊を持たない者は、キリストに属していません。10キリストがあなたがたの内におられるならば、体は罪によって死んでいても、〝霊〟は義によって命となっています。11もし、イエスを死者の中から復活させた方の霊が、あなたがたの内に宿っているなら、キリストを死者の中から復活させた方は、あなたがたの内に宿っているその霊によって、あなたがたの死ぬはずの体をも生かしてくださるでしょう。 12それで、兄弟たち、わたしたちには一つの義務がありますが、それは、肉に従って生きなければならないという、肉に対する義務ではありません。13肉に従って生きるなら、あなたがたは死にます。しかし、霊によって体の仕業を絶つならば、あなたがたは生きます。14神の霊によって導かれる者は皆、神の子なのです。15あなたがたは、人を奴隷として再び恐れに陥れる霊ではなく、神の子とする霊を受けたのです。この霊によってわたしたちは、「アッバ、父よ」と呼ぶのです。16この霊こそは、わたしたちが神の子供であることを、わたしたちの霊と一緒になって証ししてくださいます。17もし子供であれば、相続人でもあります。神の相続人、しかもキリストと共同の相続人です。キリストと共に苦しむなら、共にその栄光をも受けるからです。 または①コリント12・3b-7、12-13皆一つの体となるために、一つの霊によって洗礼を受けた。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、12・3b聖霊によらなければ、だれも「イエスは主である」とは言えないのです。 4賜物にはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ霊です。5務めにはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ主です。6働きにはいろいろありますが、すべての場合にすべてのことをなさるのは同じ神です。7一人一人に〝霊〟の働きが現れるのは、全体の益となるためです。 12体は一つでも、多くの部分から成り、体のすべての部分の数は多くても、体は一つであるように、キリストの場合も同様である。13つまり、一つの霊によって、わたしたちは、ユダヤ人であろうとギリシア人であろうと、奴隷であろうと自由な身分の者であろうと、皆一つの体となるために洗礼を受け、皆一つの霊をのませてもらったのです。 福音朗読ヨハネ14・15-16、23b-26アレルヤ、アレルヤ。聖霊来てください。信じる人の心を満たし、あなたの愛の火を燃やしたください。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。14・15「あなたがたは、わたしを愛しているならば、わたしの掟を守る。16わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。 23bわたしを愛する人は、わたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛され、父とわたしとはその人のところに行き、一緒に住む。24わたしを愛さない者は、わたしの言葉を守らない。あなたがたが聞いている言葉はわたしのものではなく、わたしをお遣わしになった父のものである。 25わたしは、あなたがたといたときに、これらのことを話した。26しかし、弁護者、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え、わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる。」 またはヨハネ20・19-23アレルヤ、アレルヤ。聖霊来てください。信じる人の心を満たし、あなたの愛の火を燃やしたください。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音20・19その日、すなわち週の初めの日の夕方、弟子たちはユダヤ人を恐れて、自分たちのいる家の戸に鍵をかけていた。そこへ、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。20そう言って、手とわき腹とをお見せになった。弟子たちは、主を見て喜んだ。21イエスは重ねて言われた。「あなたがたに平和があるように。父がわたしをお遣わしになったように、わたしもあなたがたを遣わす。」22そう言ってから、彼らに息を吹きかけて言われた。「聖霊を受けなさい。23だれの罪でも、あなたがたが赦せば、その罪は赦される。だれの罪でも、あなたがたが赦さなければ、赦されないまま残る。」 |
|||
教会の母聖マリア | 6月9日(月) | 年間の主の祝祭日 | |
第一朗読創世記3・9-15、20命あるすべてのものの母 創世記アダムが木の実を食べた後に、3・9主なる神は彼を呼ばれた。 「どこにいるのか。」 10彼は答えた。 「あなたの足音が園の中に聞こえたので、恐ろしくなり、隠れております。わたしは裸ですから。」 11神は言われた。 「お前が裸であることを誰が告げたのか。取って食べるなと命じた木から食べたのか。」 12アダムは答えた。 「あなたがわたしと共にいるようにしてくださった女が、木から取って与えたので、食べました。」 13主なる神は女に向かって言われた。 「何ということをしたのか。」 女は答えた。 「蛇がだましたので、食べてしまいました。」 14主なる神は、蛇に向かって言われた。 「このようなことをしたお前は 20アダムは女をエバ(命)と名付けた。彼女がすべて命あるものの母となったからである。 または使徒言行録1・12-14彼らはイエスの母マリアと熱心に祈っていた。 使徒たちの宣教イエスが天に昇られた後、1・12使徒たちは、「オリーブ畑」と呼ばれる山からエルサレムに戻って来た。この山はエルサレムに近く、安息日にも歩くことが許される距離の所にある。13彼らは都に入ると、泊まっていた家の上の部屋に上がった。それは、ペトロ、ヨハネ、ヤコブ、アンデレ、フィリポ、トマス、バルトロマイ、マタイ、アルファイの子ヤコブ、熱心党のシモン、ヤコブの子ユダであった。14彼らは皆、婦人たちやイエスの母マリア、またイエスの兄弟たちと心を合わせて熱心に祈っていた。 答唱詩編詩編87・1+2、3+5、6+7神の町シオンよ、お前に示された神のことばはすばらしい。 詩編8787・1神はシオンの町をとうとい山の上に建て、 3神の町シオンよ、お前に示された神のことばはすばらしい。 6神は民を数えられる時、すべての人をシオンの民に加えられる。 歌う場合詩編65・3+4、5、6われらはシオンで神をたたえ、豊かな恵みを喜び歌う。 詩編6565・3祈りを聞いてくださる神、罪に苦しむ人はみな、あなたのもとをたずねる。 5あなたの庭に住むように選ばれ、招かれた人はしあわせ。 6わたしたちの救い、わたしたちの神よ、あなたは地の果ての望み、遠い島々の希望。 福音朗読ヨハネ19・25-34アレルヤ、アレルヤ。幸せなかた、主を産んだおとめ、教会の母よ。あなたはわたしたちのうちにイエス・キリストの霊をはぐくんでくださる。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、19・25イエスの十字架のそばには、その母と母の姉妹、クロパの妻マリアとマグダラのマリアとが立っていた。26イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」と言われた。27それから弟子に言われた。「見なさい。あなたの母です。」そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。 28この後、イエスは、すべてのことが今や成し遂げられたのを知り、「渇く」と言われた。こうして、聖書の言葉が実現した。29そこには、酸いぶどう酒を満たした器が置いてあった。人々は、このぶどう酒をいっぱい含ませた海綿をヒソプに付け、イエスの口もとに差し出した。30イエスは、このぶどう酒を受けると、「成し遂げられた」と言い、頭を垂れて息を引き取られた。 31その日は準備の日で、翌日は特別の安息日であったので、ユダヤ人たちは、安息日に遺体を十字架の上に残しておかないために、足を折って取り降ろすように、ピラトに願い出た。32そこで、兵士たちが来て、イエスと一緒に十字架につけられた最初の男と、もう一人の男との足を折った。33イエスのところに来てみると、既に死んでおられたので、その足は折らなかった。34しかし、兵士の一人が槍でイエスのわき腹を刺した。すると、すぐ血と水とが流れ出た。 |
|||
年間第10火曜日 | 6月10日(火) | 年間 | |
第一朗読②コリント1・18-22保証としてわたしたちの心に〝霊〟を与えてくださいました。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、1・18神は真実な方です。だから、あなたがたに向けたわたしたちの言葉は、「然り」であると同時に「否」であるというものではありません。19わたしたち、つまり、わたしとシルワノとテモテが、あなたがたの間で宣べ伝えた神の子イエス・キリストは、「然り」と同時に「否」となったような方ではありません。この方においては「然り」だけが実現したのです。20神の約束は、ことごとくこの方において「然り」となったからです。それで、わたしたちは神をたたえるため、この方を通して「アーメン」と唱えます。21わたしたちとあなたがたとをキリストに固く結び付け、わたしたちに油を注いでくださったのは、神です。22神はまた、わたしたちに証印を押して、保証としてわたしたちの心に〝霊〟を与えてくださいました。 答唱詩編詩編119・57+72、127+129主よ、あなたは永遠のいのちのことば。 詩編119119・57神よ、あなたはわたしのすべて。 127金よりも純金よりも、 福音朗読マタイ5・13-16アレルヤ、アレルヤ。あなたがたはいのちのことばを保って、ともし火のように世を照らしなさい。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・13「あなたがたは地の塩である。だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味が付けられよう。もはや、何の役にも立たず、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけである。14あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることができない。15また、ともし火をともして升の下に置く者はいない。燭台の上に置く。そうすれば、家の中のものすべてを照らすのである。16そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。人々が、あなたがたの立派な行いを見て、あなたがたの天の父をあがめるようになるためである。」 |
|||
聖バルナバ使徒 | 6月11日(水) | 聖人の記念 | |
第一朗読使徒言行録11・21b-26、13・1-3教会はバルナバをアンティオキアへ行くように派遣した。 使徒たちの宣教その日、11・21信じて主に立ち帰った者の数は多かった。22このうわさがエルサレムにある教会にも聞こえてきたので、教会はバルナバをアンティオキアへ行くように派遣した。23バルナバはそこに到着すると、神の恵みが与えられた有様を見て喜び、そして、固い決意をもって主から離れることのないようにと、皆に勧めた。24バルナバは立派な人物で、聖霊と信仰とに満ちていたからである。こうして、多くの人が主へと導かれた。25それから、バルナバはサウロを捜しにタルソスへ行き、26見つけ出してアンティオキアに連れ帰った。二人は、丸一年の間そこの教会に一緒にいて多くの人を教えた。このアンティオキアで、弟子たちが初めてキリスト者と呼ばれるようになったのである。 13・1アンティオキアでは、そこの教会にバルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、キレネ人のルキオ、領主ヘロデと一緒に育ったマナエン、サウロなど、預言する者や教師たちがいた。2彼らが主を礼拝し、断食していると、聖霊が告げた。「さあ、バルナバとサウロをわたしのために選び出しなさい。わたしが前もって二人に決めておいた仕事に当たらせるために。」3そこで、彼らは断食して祈り、二人の上に手を置いて出発させた。 答唱詩編詩編98・1、2+3a遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・1新しい歌を神にうたえ。 2神は救いを示し、 福音朗読マタイ10・7-13アレルヤ、アレルヤ。全世界に行き、すべての人をわたしの弟子にしなさい。わたしは世の終わりまでいつもあなたがたとともにいる。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは使徒たちに言われた。10・7「行って、『天の国は近づいた』と宣べ伝えなさい。8病人をいやし、死者を生き返らせ、重い皮膚病を患っている人を清くし、悪霊を追い払いなさい。ただで受けたのだから、ただで与えなさい。9帯の中に金貨も銀貨も銅貨も入れて行ってはならない。10旅には袋も二枚の下着も、履物も杖も持って行ってはならない。働く者が食べ物を受けるのは当然である。11町や村に入ったら、そこで、ふさわしい人はだれかをよく調べ、旅立つときまで、その人のもとにとどまりなさい。12その家に入ったら、『平和があるように』と挨拶しなさい。13家の人々がそれを受けるにふさわしければ、あなたがたの願う平和は彼らに与えられる。もし、ふさわしくなければ、その平和はあなたがたに返ってくる。」 |
|||
年間第10木曜日 | 6月12日(木) | 年間 | |
第一朗読②コリント3・15-4・1、3-6イエス・キリストの御顔に輝く神の栄光を悟る光を与えてくださいました。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、3・15今日に至るまでモーセの書が読まれるときは、いつでも彼らの心には覆いが掛かっています。16しかし、主の方に向き直れば、覆いは取り去られます。17ここでいう主とは、〝霊〟のことですが、主の霊のおられるところに自由があります。18わたしたちは皆、顔の覆いを除かれて、鏡のように主の栄光を映し出しながら、栄光から栄光へと、主と同じ姿に造りかえられていきます。これは主の霊の働きによることです。 4・1こういうわけで、わたしたちは、憐れみを受けた者としてこの務めをゆだねられているのですから、落胆しません。3わたしたちの福音に覆いが掛かっているとするなら、それは、滅びの道をたどる人々に対して覆われているのです。4この世の神が、信じようとはしないこの人々の心の目をくらまし、神の似姿であるキリストの栄光に関する福音の光が見えないようにしたのです。5わたしたちは、自分自身を宣べ伝えるのではなく、主であるイエス・キリストを宣べ伝えています。わたしたち自身は、イエスのためにあなたがたに仕える僕なのです。6「闇から光が輝き出よ」と命じられた神は、わたしたちの心の内に輝いて、イエス・キリストの御顔に輝く神の栄光を悟る光を与えてくださいました。 答唱詩編詩編85・9、12+13+14神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。 詩編8585・9神の語られることばを聞こう。 13まことは地から芽ばえ、正義は天から見守る。 福音朗読マタイ5・20-26アレルヤ、アレルヤ。新しい掟をあなたがたに与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・20「言っておくが、あなたがたの義が律法学者やファリサイ派の人々の義にまさっていなければ、あなたがたは決して天の国に入ることができない。」 21「あなたがたも聞いているとおり、昔の人は『殺すな。人を殺した者は裁きを受ける』と命じられている。22しかし、わたしは言っておく。兄弟に腹を立てる者はだれでも裁きを受ける。兄弟に『ばか』と言う者は、最高法院に引き渡され、『愚か者』と言う者は、火の地獄に投げ込まれる。23だから、あなたが祭壇に供え物を献げようとし、兄弟が自分に反感を持っているのをそこで思い出したなら、24その供え物を祭壇の前に置き、まず行って兄弟と仲直りをし、それから帰って来て、供え物を献げなさい。25あなたを訴える人と一緒に道を行く場合、途中で早く和解しなさい。さもないと、その人はあなたを裁判官に引き渡し、裁判官は下役に引き渡し、あなたは牢に投げ込まれるにちがいない。26はっきり言っておく。最後の一クァドランスを返すまで、決してそこから出ることはできない。」 |
|||
聖アントニオ(パドバ) 司祭教会博士 | 6月13日(金) | 記念日 | |
第一朗読②コリント4・7-15主イエスを復活させた神が、イエスと共にわたしたちをも復活させ、あなたがたと一緒に御前に立たせてくださると、わたしたちは知っています。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、4・7わたしたちは、このような宝を土の器に納めています。この並外れて偉大な力が神のものであって、わたしたちから出たものでないことが明らかになるために。8わたしたちは、四方から苦しめられても行き詰まらず、途方に暮れても失望せず、9虐げられても見捨てられず、打ち倒されても滅ぼされない。10わたしたちは、いつもイエスの死を体にまとっています、イエスの命がこの体に現れるために。11わたしたちは生きている間、絶えずイエスのために死にさらされています、死ぬはずのこの身にイエスの命が現れるために。12こうして、わたしたちの内には死が働き、あなたがたの内には命が働いていることになります。13「わたしは信じた。それで、わたしは語った」と書いてあるとおり、それと同じ信仰の霊を持っているので、わたしたちも信じ、それだからこそ語ってもいます。14主イエスを復活させた神が、イエスと共にわたしたちをも復活させ、あなたがたと一緒に御前に立たせてくださると、わたしたちは知っています。15すべてこれらのことは、あなたがたのためであり、多くの人々が豊かに恵みを受け、感謝の念に満ちて神に栄光を帰すようになるためです。 答唱詩編詩編116・15+16b、17+18このパンを食べ、この杯を飲み、わたしは主の死を告げ知らせる。 詩編11615神を敬う人の死は 17わたしは感謝のいけにえをささげ、 福音朗読マタイ5・27-32アレルヤ、アレルヤ。あなたがたはいのちのことばを保ち、ともし火のように世を照らしなさい。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・27「あなたがたも聞いているとおり、『姦淫するな』と命じられている。28しかし、わたしは言っておく。みだらな思いで他人の妻を見る者はだれでも、既に心の中でその女を犯したのである。29もし、右の目があなたをつまずかせるなら、えぐり出して捨ててしまいなさい。体の一部がなくなっても、全身が地獄に投げ込まれない方がましである。30もし、右の手があなたをつまずかせるなら、切り取って捨ててしまいなさい。体の一部がなくなっても、全身が地獄に落ちない方がましである。 31『妻を離縁する者は、離縁状を渡せ』と命じられている。32しかし、わたしは言っておく。不法な結婚でもないのに妻を離縁する者はだれでも、その女に姦通の罪を犯させることになる。離縁された女を妻にする者も、姦通の罪を犯すことになる。」 |
|||
年間第10土曜日 | 6月14日(土) | 年間 | |
第一朗読②コリント5・14-21キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、5・14キリストの愛がわたしたちを駆り立てているからです。わたしたちはこう考えます。すなわち、一人の方がすべての人のために死んでくださった以上、すべての人も死んだことになります。15その一人の方はすべての人のために死んでくださった。その目的は、生きている人たちが、もはや自分自身のために生きるのではなく、自分たちのために死んで復活してくださった方のために生きることなのです。 16それで、わたしたちは、今後だれをも肉に従って知ろうとはしません。肉に従ってキリストを知っていたとしても、今はもうそのように知ろうとはしません。17だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた。18これらはすべて神から出ることであって、神は、キリストを通してわたしたちを御自分と和解させ、また、和解のために奉仕する任務をわたしたちにお授けになりました。19つまり、神はキリストによって世を御自分と和解させ、人々の罪の責任を問うことなく、和解の言葉をわたしたちにゆだねられたのです。20ですから、神がわたしたちを通して勧めておられるので、わたしたちはキリストの使者の務めを果たしています。キリストに代わってお願いします。神と和解させていただきなさい。21罪と何のかかわりもない方を、神はわたしたちのために罪となさいました。わたしたちはその方によって神の義を得ることができたのです。 答唱詩編詩編103・3+4、11+12心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編103103・3神はわたしの罪をゆるし、 11天が地より高いように、 福音朗読マタイ5・33-37アレルヤ、アレルヤ。あなたの顔をわたしの上に輝かせ、掟を授けてください。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・33「あなたがたも聞いているとおり、昔の人は、『偽りの誓いを立てるな。主に対して誓ったことは、必ず果たせ』と命じられている。34しかし、わたしは言っておく。一切誓いを立ててはならない。天にかけて誓ってはならない。そこは神の玉座である。35地にかけて誓ってはならない。そこは神の足台である。エルサレムにかけて誓ってはならない。そこは大王の都である。36また、あなたの頭にかけて誓ってはならない。髪の毛一本すら、あなたは白くも黒くもできないからである。37あなたがたは、『然り、然り』『否、否』と言いなさい。それ以上のことは、悪い者から出るのである。」 |
|||
三位一体 | 6月15日(日) | 年間の主の祝祭日 | |
第一朗読箴言8・22-31大地に先立って、知恵は生み出されていた。 箴言神の知恵は語る。 答唱詩編詩編8・4+5、6+7神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。 詩編88・4あなたの指のわざである天を仰ぎ、 6あなたは人を神の使いに近い者として造り、 第二朗読ローマ5・1-5聖霊によって注がれた愛のうちに、キリストを通して神へ 使徒パウロのローマ教会への手紙皆さん、5・1わたしたちは信仰によって義とされたのだから、わたしたちの主イエス・キリストによって神との間に平和を得ており、2このキリストのお陰で、今の恵みに信仰によって導き入れられ、神の栄光にあずかる希望を誇りにしています。3そればかりでなく、苦難をも誇りとします。わたしたちは知っているのです、苦難は忍耐を、4忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。5希望はわたしたちを欺くことがありません。わたしたちに与えられた聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからです。 福音朗読ヨハネ16・12-15アレルヤ、アレルヤ。栄光は父と子と聖霊に。神は今あり、かつてあり、また来られる方。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。16・12「言っておきたいことは、まだたくさんあるが、今、あなたがたには理解できない。13しかし、その方、すなわち、真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。その方は、自分から語るのではなく、聞いたことを語り、また、これから起こることをあなたがたに告げるからである。14その方はわたしに栄光を与える。わたしのものを受けて、あなたがたに告げるからである。15父が持っておられるものはすべて、わたしのものである。だから、わたしは、『その方がわたしのものを受けて、あなたがたに告げる』と言ったのである。」 |
|||
年間第11月曜日 | 6月16日(月) | 年間 | |
第一朗読②コリント6・1-10恵みの時に、わたしはあなたの願いを聞き入れた。救いの日に、わたしはあなたを助けた 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、6・1わたしたちはまた、神の協力者としてあなたがたに勧めます。神からいただいた恵みを無駄にしてはいけません。2なぜなら、 答唱詩編詩編98・1、2+3a遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・1新しい歌を神にうたえ。 2神は救いを示し、 福音朗読マタイ5・38-42アレルヤ、アレルヤ。あなたがたはいのちのことばを保ち、ともし火のように世を照らしなさい。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・38「あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている。39しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。40あなたを訴えて下着を取ろうとする者には、上着をも取らせなさい。41だれかが、一ミリオン行くように強いるなら、一緒に二ミリオン行きなさい。42求める者には与えなさい。あなたから借りようとする者に、背を向けてはならない。」 |
|||
年間第11火曜日 | 6月17日(火) | 年間 | |
第一朗読②コリント8・1-9それは、主の貧しさによって、あなたがたが豊かになるためだったのです。 使徒パウロのコリントの教会への手紙8・1兄弟たち、マケドニア州の諸教会に与えられた神の恵みについて知らせましょう。2彼らは苦しみによる激しい試練を受けていたのに、その満ち満ちた喜びと極度の貧しさがあふれ出て、人に惜しまず施す豊かさとなったということです。3わたしは証ししますが、彼らは力に応じて、また力以上に、自分から進んで、4聖なる者たちを助けるための慈善の業と奉仕に参加させてほしいと、しきりにわたしたちに願い出たのでした。5また、わたしたちの期待以上に、彼らはまず主に、次いで、神の御心にそってわたしたちにも自分自身を献げたので、6わたしたちはテトスに、この慈善の業をあなたがたの間で始めたからには、やり遂げるようにと勧めました。7あなたがたは信仰、言葉、知識、あらゆる熱心、わたしたちから受ける愛など、すべての点で豊かなのですから、この慈善の業においても豊かな者となりなさい。 8わたしは命令としてこう言っているのではありません。他の人々の熱心に照らしてあなたがたの愛の純粋さを確かめようとして言うのです。9あなたがたは、わたしたちの主イエス・キリストの恵みを知っています。すなわち、主は豊かであったのに、あなたがたのために貧しくなられた。それは、主の貧しさによって、あなたがたが豊かになるためだったのです。 答唱詩編詩編146・1+2+10a、6c+7いのちあるすべてのものは、神をたたえよ。 詩編146146・1心を尽くして神をたたえよ。 6c神はとこしえにまことを示し、 福音朗読マタイ5・43-48アレルヤ、アレルヤ。新しい掟をあなたがたに与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。5・43「あなたがたも聞いているとおり、『隣人を愛し、敵を憎め』と命じられている。44しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。45あなたがたの天の父の子となるためである。父は悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださるからである。46自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな報いがあろうか。徴税人でも、同じことをしているではないか。47自分の兄弟にだけ挨拶したところで、どんな優れたことをしたことになろうか。異邦人でさえ、同じことをしているではないか。48だから、あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい。」 |
|||
年間第11水曜日 | 6月18日(水) | 年間 | |
第一朗読②コリント6-11種を蒔く人に種を与え、パンを糧としてお与えになる方は、あなたがたに種を与えて、それを増やし、あなたがたの慈しみが結ぶ実を成長させてくださいます。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、9・6惜しんでわずかしか種を蒔かない者は、刈り入れもわずかで、惜しまず豊かに蒔く人は、刈り入れも豊かなのです。7各自、不承不承ではなく、強制されてでもなく、こうしようと心に決めたとおりにしなさい。喜んで与える人を神は愛してくださるからです。8神は、あなたがたがいつもすべての点ですべてのものに十分で、あらゆる善い業に満ちあふれるように、あらゆる恵みをあなたがたに満ちあふれさせることがおできになります。 9「彼は惜しみなく分け与え、貧しい人に施した。 答唱詩編詩編112・1、4しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。 詩編112112・1しあわせな人、神をおそれ、 4光はやみの中に輝き、 福音朗読マタイ6・1-6、16-18アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・1「見てもらおうとして、人の前で善行をしないように注意しなさい。さもないと、あなたがたの天の父のもとで報いをいただけないことになる。2だから、あなたは施しをするときには、偽善者たちが人からほめられようと会堂や街角でするように、自分の前でラッパを吹き鳴らしてはならない。はっきりあなたがたに言っておく。彼らは既に報いを受けている。3施しをするときは、右の手のすることを左の手に知らせてはならない。4あなたの施しを人目につかせないためである。そうすれば、隠れたことを見ておられる父が、あなたに報いてくださる。 5祈るときにも、あなたがたは偽善者のようであってはならない。偽善者たちは、人に見てもらおうと、会堂や大通りの角に立って祈りたがる。はっきり言っておく。彼らは既に報いを受けている。6だから、あなたが祈るときは、奥まった自分の部屋に入って戸を閉め、隠れたところにおられるあなたの父に祈りなさい。そうすれば、隠れたことを見ておられるあなたの父が報いてくださる。 16断食するときには、あなたがたは偽善者のように沈んだ顔つきをしてはならない。偽善者は、断食しているのを人に見てもらおうと、顔を見苦しくする。はっきり言っておく。彼らは既に報いを受けている。17あなたは、断食するとき、頭に油をつけ、顔を洗いなさい。18それは、あなたの断食が人に気づかれず、隠れたところにおられるあなたの父に見ていただくためである。そうすれば、隠れたことを見ておられるあなたの父が報いてくださる。」 |
|||
年間第11木曜日 | 6月19日(木) | 年間 | |
第一朗読②コリント11・1-11あなたがたは我慢してくれています。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、11・1わたしの少しばかりの愚かさを我慢してくれたらよいが。いや、あなたがたは我慢してくれています。2あなたがたに対して、神が抱いておられる熱い思いをわたしも抱いています。なぜなら、わたしはあなたがたを純潔な処女として一人の夫と婚約させた、つまりキリストに献げたからです。3ただ、エバが蛇の悪だくみで欺かれたように、あなたがたの思いが汚されて、キリストに対する真心と純潔とからそれてしまうのではないかと心配しています。4なぜなら、あなたがたは、だれかがやって来てわたしたちが宣べ伝えたのとは異なったイエスを宣べ伝えても、あるいは、自分たちが受けたことのない違った霊や、受け入れたことのない違った福音を受けることになっても、よく我慢しているからです。5あの大使徒たちと比べて、わたしは少しも引けは取らないと思う。6たとえ、話し振りは素人でも、知識はそうではない。そして、わたしたちはあらゆる点あらゆる面で、このことをあなたがたに示してきました。 7それとも、あなたがたを高めるため、自分を低くして神の福音を無報酬で告げ知らせたからといって、わたしは罪を犯したことになるでしょうか。8わたしは、他の諸教会からかすめ取るようにしてまでも、あなたがたに奉仕するための生活費を手に入れました。9あなたがたのもとで生活に不自由したとき、だれにも負担をかけませんでした。マケドニア州から来た兄弟たちが、わたしの必要を満たしてくれたからです。そして、わたしは何事においてもあなたがたに負担をかけないようにしてきたし、これからもそうするつもりです。10わたしの内にあるキリストの真実にかけて言います。このようにわたしが誇るのを、アカイア地方で妨げられることは決してありません。11なぜだろうか。わたしがあなたがたを愛していないからだろうか。神がご存じです。 答唱詩編詩編111・1+2、7+8神は残された、不思議なわざの記念を。 詩編111111・1心を尽くして神に感謝しよう、 7神のわざにはまことと恵み。 福音朗読マタイ6・7-15アレルヤ、アレルヤ。神の子とする霊のうちにあって、わたしたちは「アバ、父よ」と呼ぶ。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・7「あなたがたが祈るときは、異邦人のようにくどくどと述べてはならない。異邦人は、言葉数が多ければ、聞き入れられると思い込んでいる。8彼らのまねをしてはならない。あなたがたの父は、願う前から、あなたがたに必要なものをご存じなのだ。9だから、こう祈りなさい。 『天におられるわたしたちの父よ、 11わたしたちに必要な糧を今日与えてください。 13わたしたちを誘惑に遭わせず、 14もし人の過ちを赦すなら、あなたがたの天の父もあなたがたの過ちをお赦しになる。15しかし、もし人を赦さないなら、あなたがたの父もあなたがたの過ちをお赦しにならない。」 |
|||
年間第11金曜日 | 6月20日(金) | 年間 | |
第一朗読②コリント11・18、21b-30誇る必要があるなら、わたしの弱さにかかわる事柄を誇りましょう。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、11・18多くの者が肉に従って誇っているので、わたしも誇ることにしよう。だれかが何かのことであえて誇ろうとするなら、愚か者になったつもりで言いますが、わたしもあえて誇ろう。22彼らはヘブライ人なのか。わたしもそうです。イスラエル人なのか。わたしもそうです。アブラハムの子孫なのか。わたしもそうです。23キリストに仕える者なのか。気が変になったように言いますが、わたしは彼ら以上にそうなのです。苦労したことはずっと多く、投獄されたこともずっと多く、鞭打たれたことは比較できないほど多く、死ぬような目に遭ったことも度々でした。24ユダヤ人から四十に一つ足りない鞭を受けたことが五度。25鞭で打たれたことが三度、石を投げつけられたことが一度、難船したことが三度。一昼夜海上に漂ったこともありました。26しばしば旅をし、川の難、盗賊の難、同胞からの難、異邦人からの難、町での難、荒れ野での難、海上の難、偽の兄弟たちからの難に遭い、27苦労し、骨折って、しばしば眠らずに過ごし、飢え渇き、しばしば食べずにおり、寒さに凍え、裸でいたこともありました。28このほかにもまだあるが、その上に、日々わたしに迫るやっかい事、あらゆる教会についての心配事があります。29だれかが弱っているなら、わたしは弱らないでいられるでしょうか。だれかがつまずくなら、わたしが心を燃やさないでいられるでしょうか。30誇る必要があるなら、わたしの弱さにかかわる事柄を誇りましょう。 答唱詩編詩編34・2+3、4+5主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編3434・2主をたたえよう、 4心を合わせて主をあがめ、 福音朗読マタイ6・19-23アレルヤ、アレルヤ。心の貧しい人は幸い。天の国はその人のもの。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・19「あなたがたは地上に富を積んではならない。そこでは、虫が食ったり、さび付いたりするし、また、盗人が忍び込んで盗み出したりする。20富は、天に積みなさい。そこでは、虫が食うことも、さび付くこともなく、また、盗人が忍び込むことも盗み出すこともない。21あなたの富のあるところに、あなたの心もあるのだ。 22体のともし火は目である。目が澄んでいれば、あなたの全身が明るいが、23濁っていれば、全身が暗い。だから、あなたの中にある光が消えれば、その暗さはどれほどであろう。」 |
|||
聖アロイジオ・ゴンザカ 修道者 | 6月21日(土) | 記念日 | |
第一朗読②コリント12・1-10わたしは弱いときにこそ強いからです 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、12・1わたしは誇らずにいられません。誇っても無益ですが、主が見せてくださった事と啓示してくださった事について語りましょう。2わたしは、キリストに結ばれていた一人の人を知っていますが、その人は十四年前、第三の天にまで引き上げられたのです。体のままか、体を離れてかは知りません。神がご存じです。3わたしはそのような人を知っています。体のままか、体を離れてかは知りません。神がご存じです。4彼は楽園にまで引き上げられ、人が口にするのを許されない、言い表しえない言葉を耳にしたのです。5このような人のことをわたしは誇りましょう。しかし、自分自身については、弱さ以外には誇るつもりはありません。6仮にわたしが誇る気になったとしても、真実を語るのだから、愚か者にはならないでしょう。だが、誇るまい。わたしのことを見たり、わたしから話を聞いたりする以上に、わたしを過大評価する人がいるかもしれないし、7また、あの啓示された事があまりにもすばらしいからです。それで、そのために思い上がることのないようにと、わたしの身に一つのとげが与えられました。それは、思い上がらないように、わたしを痛めつけるために、サタンから送られた使いです。8この使いについて、離れ去らせてくださるように、わたしは三度主に願いました。9すると主は、「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」と言われました。だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。10それゆえ、わたしは弱さ、侮辱、窮乏、迫害、そして行き詰まりの状態にあっても、キリストのために満足しています。なぜなら、わたしは弱いときにこそ強いからです。 答唱詩編詩編34・7+8、9+10主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編3434・7主は貧しい者の叫びを聞き、 9主により頼む人はしあわせ。 福音朗読マタイ6・24-34アレルヤ、アレルヤ。イエス・キリストは富んでおられたのに、貧しくなられた。あなたがたがキリストの貧しさによって富むように。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・24「だれも、二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。」 25「だから、言っておく。自分の命のことで何を食べようか何を飲もうかと、また自分の体のことで何を着ようかと思い悩むな。命は食べ物よりも大切であり、体は衣服よりも大切ではないか。26空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。だが、あなたがたの天の父は鳥を養ってくださる。あなたがたは、鳥よりも価値あるものではないか。27あなたがたのうちだれが、思い悩んだからといって、寿命をわずかでも延ばすことができようか。28なぜ、衣服のことで思い悩むのか。野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。29しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。30今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことではないか、信仰の薄い者たちよ。31だから、『何を食べようか』『何を飲もうか』『何を着ようか』と言って、思い悩むな。32それはみな、異邦人が切に求めているものだ。あなたがたの天の父は、これらのものがみなあなたがたに必要なことをご存じである。33何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。34だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である。」 |
|||
キリストの聖体 | 6月22日(日) | 年間の主の祝祭日 | |
第一朗読創世記14・18-20メルキセデクパンと葡萄酒を持って来た。 創世記その日、14・18いと高き神の祭司であったサレムの王メルキゼデクも、パンとぶどう酒を持って来た。19彼はアブラムを祝福して言った。 答唱詩編詩編110・1+2、3+4門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。 詩編110110・1神はわたしの主に仰せになる。 3生まれた日からあなたには王の威厳が備わっている。 第二朗読①コリント11・23-26あなたがたは食べ、飲むごとに、主の死を告げ知らせる。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、11・23わたしがあなたがたに伝えたことは、わたし自身、主から受けたものです。すなわち、主イエスは、引き渡される夜、パンを取り、24感謝の祈りをささげてそれを裂き、「これは、あなたがたのためのわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい」と言われました。25また、食事の後で、杯も同じようにして、「この杯は、わたしの血によって立てられる新しい契約である。飲む度に、わたしの記念としてこのように行いなさい」と言われました。26だから、あなたがたは、このパンを食べこの杯を飲むごとに、主が来られるときまで、主の死を告げ知らせるのです。 福音朗読ルカ9・11b-17アレルヤ、アレルヤ。わたしは天から下ったいのちの糧。このパンを食べる人は永遠に生きる。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは群衆に9・11b神の国について語り、治療の必要な人々をいやしておられた。12日が傾きかけたので、十二人はそばに来てイエスに言った。「群衆を解散させてください。そうすれば、周りの村や里へ行って宿をとり、食べ物を見つけるでしょう。わたしたちはこんな人里離れた所にいるのです。」13しかし、イエスは言われた。「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい。」彼らは言った。「わたしたちにはパン五つと魚二匹しかありません、このすべての人々のために、わたしたちが食べ物を買いに行かないかぎり。」14というのは、男が五千人ほどいたからである。イエスは弟子たちに、「人々を五十人ぐらいずつ組にして座らせなさい」と言われた。15弟子たちは、そのようにして皆を座らせた。16すると、イエスは五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで、それらのために賛美の祈りを唱え、裂いて弟子たちに渡しては群衆に配らせた。17すべての人が食べて満腹した。そして、残ったパンの屑を集めると、十二籠もあった。 |
|||
年間第12月曜日 | 6月23日(月) | 年間 | |
第一朗読創世記12・1-9あなたは生まれ故郷、父の家を離れてわたしが示す地に行きなさい。 創世記その日、12・1主はアブラムに言われた。 4アブラムは、主の言葉に従って旅立った。ロトも共に行った。 アブラムは、ハランを出発したとき七十五歳であった。5アブラムは妻のサライ、甥のロトを連れ、蓄えた財産をすべて携え、ハランで加わった人々と共にカナン地方へ向かって出発し、カナン地方に入った。6アブラムはその地を通り、シケムの聖所、モレの樫の木まで来た。当時、その地方にはカナン人が住んでいた。 7主はアブラムに現れて、言われた。 アブラムは、彼に現れた主のために、そこに祭壇を築いた。 8アブラムは、そこからべテルの東の山へ移り、西にべテル、東にアイを望む所に天幕を張って、そこにも主のために祭壇を築き、主の御名を呼んだ。9アブラムは更に旅を続け、ネゲブ地方へ移った。 答唱詩編詩編33・12+13、20+21神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。 詩編3333・12神を王としていただく国、 20神は盾、神は救い、 福音朗読マタイ7・1-5アレルヤ、アレルヤ。神のことばは生きていて力があり、心の思いと計画をわきまえる。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。7・1「人を裁くな。あなたがたも裁かれないようにするためである。2あなたがたは、自分の裁く裁きで裁かれ、自分の量る秤で量り与えられる。3あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。4兄弟に向かって、『あなたの目からおが屑を取らせてください』と、どうして言えようか。自分の目に丸太があるではないか。5偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からおが屑を取り除くことができる。」 |
|||
洗礼者ヨハネの誕生・前晩のミサ | 6月23日(月) | 聖人の記念 | |
第一朗読エレミヤ1・4-10母の胎から生まれる前にわたしはあなたを聖別し諸国民の預言者として立てた。 エレミヤの預言1・4主の言葉がわたしに臨んだ。 9主は手を伸ばして、わたしの口に触れ 答唱詩編詩編71・1a+2+3a、6b+15+16父よ、あなたこそわたしの神、わたしのすべてをあなたに。 詩編7171・1a神よ、あなたのもとにわたしはのがれる。 6b神よ、あなたの正義と救いのわざを 第二朗読①ペトロ1・8-12あなたがたは、すばらしい喜びに満ちあふれています。 ペトロの手紙愛する皆さん、1・8あなたがたは、キリストを見たことがないのに愛し、今見なくても信じており、言葉では言い尽くせないすばらしい喜びに満ちあふれています。9それは、あなたがたが信仰の実りとして魂の救いを受けているからです。10この救いについては、あなたがたに与えられる恵みのことをあらかじめ語った預言者たちも、探求し、注意深く調べました。11預言者たちは、自分たちの内におられるキリストの霊が、キリストの苦難とそれに続く栄光についてあらかじめ証しされた際、それがだれを、あるいは、どの時期を指すのか調べたのです。12彼らは、それらのことが、自分たちのためではなく、あなたがたのためであるとの啓示を受けました。それらのことは、天から遣わされた聖霊に導かれて福音をあなたがたに告げ知らせた人たちが、今、あなたがたに告げ知らせており、天使たちも見て確かめたいと願っているものなのです。 福音朗読ルカ1・5-17アレルヤ、アレルヤ。幼子よ、お前も神の預言者と呼ばれ、主の前を歩み、その道を整える。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音1・5ユダヤの王ヘロデの時代、アビヤ組の祭司にザカリアという人がいた。その妻はアロン家の娘の一人で、名をエリサベトといった。6二人とも神の前に正しい人で、主の掟と定めをすべて守り、非のうちどころがなかった。7しかし、エリサベトは不妊の女だったので、彼らには、子供がなく、二人とも既に年をとっていた。8さて、ザカリアは自分の組が当番で、神の御前で祭司の務めをしていたとき、9祭司職のしきたりによってくじを引いたところ、主の聖所に入って香をたくことになった。10香をたいている間、大勢の民衆が皆外で祈っていた。11すると、主の天使が現れ、香壇の右に立った。12ザカリアはそれを見て不安になり、恐怖の念に襲われた。13天使は言った。「恐れることはない。ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻エリサベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい。14その子はあなたにとって喜びとなり、楽しみとなる。多くの人もその誕生を喜ぶ。15彼は主の御前に偉大な人になり、ぶどう酒や強い酒を飲まず、既に母の胎にいるときから聖霊に満たされていて、16イスラエルの多くの子らをその神である主のもとに立ち帰らせる。17彼はエリヤの霊と力で主に先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に正しい人の分別を持たせて、準備のできた民を主のために用意する。」 |
|||
洗礼者ヨハネの誕生・当日のミサ | 6月24日(火) | 聖人の記念 | |
第一朗読イザヤ49・1-6わたしはあなたを国々の光とする。 イザヤの預言49・1島々よ、わたしに聞け 答唱詩編詩編139・1+2、3+4、13+14神のはからいは限りなく、生涯わたしはその中に生きる。 詩編139139・1神よ、あなたはわたしをこころにかけ、 3歩むときも、休むときも見守り、 13あなたはわたしのからだをつくり、 第二朗読使徒言行録13・22-26ヨハネは、イエスがおいでになる前に宣べ伝えた。 使徒たちの宣教13・22その日、パウロは言った。「神は、サウルを退けてダビデを王の位につけ、彼について次のように宣言なさいました。『わたしは、エッサイの子でわたしの心に適う者、ダビデを見いだした。彼はわたしの思うところをすべて行う。』23神は約束に従って、このダビデの子孫からイスラエルに救い主イエスを送ってくださったのです。24ヨハネは、イエスがおいでになる前に、イスラエルの民全体に悔い改めの洗礼を宣べ伝えました。25その生涯を終えようとするとき、ヨハネはこう言いました。『わたしを何者だと思っているのか。わたしは、あなたたちが期待しているような者ではない。その方はわたしの後から来られるが、わたしはその足の履物をお脱がせする値打ちもない。』 26兄弟たち、アブラハムの子孫の方々、ならびにあなたがたの中にいて神を畏れる人たち、この救いの言葉はわたしたちに送られたのです。」 福音朗読ルカ1・57-66、80アレルヤ、アレルヤ。幼子よ、お前も神の預言者と呼ばれ、主の前を歩み、その道を整える。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音1・57さて、月が満ちて、エリサベトは男の子を産んだ。58近所の人々や親類は、主がエリサベトを大いに慈しまれたと聞いて喜び合った。59八日目に、その子に割礼を施すために来た人々は、父の名を取ってザカリアと名付けようとした。60ところが、母は、「いいえ、名はヨハネとしなければなりません」と言った。61しかし人々は、「あなたの親類には、そういう名の付いた人はだれもいない」と言い、62父親に、「この子に何と名を付けたいか」と手振りで尋ねた。63父親は字を書く板を出させて、「この子の名はヨハネ」と書いたので、人々は皆驚いた。64すると、たちまちザカリアは口が開き、舌がほどけ、神を賛美し始めた。65近所の人々は皆恐れを感じた。そして、このことすべてが、ユダヤの山里中で話題になった。66聞いた人々は皆これを心に留め、「いったい、この子はどんな人になるのだろうか」と言った。この子には主の力が及んでいたのである。 80幼子は身も心も健やかに育ち、イスラエルの人々の前に現れるまで荒れ野にいた。 |
|||
年間第12水曜日 | 6月25日(水) | 年間 | |
第一朗読創世記15・1-12、17-18あなたの子孫にこの土地を与える。エジプトの川から大河ユーフラテスに至るまで。 創世記その日、15・1主の言葉が幻の中でアブラムに臨んだ。 「恐れるな、アブラムよ。 2アブラムは尋ねた。「わが神、主よ。わたしに何をくださるというのですか。わたしには子供がありません。家を継ぐのはダマスコのエリエゼルです。」3アブラムは言葉をついだ。「御覧のとおり、あなたはわたしに子孫を与えてくださいませんでしたから、家の僕が跡を継ぐことになっています。」 4見よ、主の言葉があった。 「その者があなたの跡を継ぐのではなく、あなたから生まれる者が跡を継ぐ。」 5主は彼を外に連れ出して言われた。「天を仰いで、星を数えることができるなら、数えてみるがよい。」そして言われた。「あなたの子孫はこのようになる。」 6アブラムは主を信じた。主はそれを彼の義と認められた。 7主は言われた。 「わたしはあなたをカルデアのウルから導き出した主である。わたしはあなたにこの土地を与え、それを継がせる。」 8アブラムは尋ねた。 「わが神、主よ。この土地をわたしが継ぐことを、何によって知ることができましょうか。」 9主は言われた。 「三歳の雌牛と、三歳の雌山羊と、三歳の雄羊と、山鳩と、鳩の雛とをわたしのもとに持って来なさい。」 10アブラムはそれらのものをみな持って来て、真っ二つに切り裂き、それぞれを互いに向かい合わせて置いた。ただ、鳥は切り裂かなかった。11はげ鷹がこれらの死体をねらって降りて来ると、アブラムは追い払った。 12日が沈みかけたころ、アブラムは深い眠りに襲われた。すると、恐ろしい大いなる暗黒が彼に臨んだ。 17日が沈み、暗闇に覆われたころ、突然、煙を吐く炉と燃える松明が二つに裂かれた動物の間を通り過ぎた。18その日、主はアブラムと契約を結んで言われた。 「あなたの子孫にこの土地を与える。エジプトの川から大河ユーフラテスに至るまで。」 答唱詩編詩編105・1+2、6+7+8a+10b心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編105105・1神に感謝してその名をたたえよ。 6神のしもべ、選ばれた者よ、 福音朗読マタイ7・15-20アレルヤ、アレルヤ。わたしのうちに留まりなさい。わたしもあなたがたのうちにいる。わたしに留まる人は多くの実を結ぶ。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。7・15「偽預言者を警戒しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたのところに来るが、その内側は貪欲な狼である。16あなたがたは、その実で彼らを見分ける。茨からぶどうが、あざみからいちじくが採れるだろうか。17すべて良い木は良い実を結び、悪い木は悪い実を結ぶ。18良い木が悪い実を結ぶことはなく、また、悪い木が良い実を結ぶこともできない。19良い実を結ばない木はみな、切り倒されて火に投げ込まれる。20このように、あなたがたはその実で彼らを見分ける。」 |
|||
年間第12木曜日 | 6月26日(木) | 年間 | |
第一朗読創世記16・1-12、15-16アブラムは、ハガルが産んだ男の子をイシュマエルと名付けた。 創世記16・1アブラムの妻サライには、子供が生まれなかった。彼女には、ハガルというエジプト人の女奴隷がいた。2サライはアブラムに言った。「主はわたしに子供を授けてくださいません。どうぞ、わたしの女奴隷のところに入ってください。わたしは彼女によって、子供を与えられるかもしれません。」アブラムは、サライの願いを聞き入れた。3アブラムの妻サライは、エジプト人の女奴隷ハガルを連れて来て、夫アブラムの側女とした。アブラムがカナン地方に住んでから、十年後のことであった。4アブラムはハガルのところに入り、彼女は身ごもった。ところが、自分が身ごもったのを知ると、彼女は女主人を軽んじた。5サライはアブラムに言った。「わたしが不当な目に遭ったのは、あなたのせいです。女奴隷をあなたのふところに与えたのはわたしなのに、彼女は自分が身ごもったのを知ると、わたしを軽んじるようになりました。主がわたしとあなたとの間を裁かれますように。」6アブラムはサライに答えた。「あなたの女奴隷はあなたのものだ。好きなようにするがいい。」サライは彼女につらく当たったので、彼女はサライのもとから逃げた。7主の御使いが荒れ野の泉のほとり、シュル街道に沿う泉のほとりで彼女と出会って、8言った。「サライの女奴隷ハガルよ。あなたはどこから来て、どこへ行こうとしているのか。」「女主人サライのもとから逃げているところです」と答えると、9主の御使いは言った。「女主人のもとに帰り、従順に仕えなさい。」10主の御使いは更に言った。「わたしは、あなたの子孫を数えきれないほど多く増やす。」11主の御使いはまた言った。「今、あなたは身ごもっている。やがてあなたは男の子を産む。その子をイシュマエルと名付けなさい主があなたの悩みをお聞きになられたから。12彼は野生のろばのような人になる。彼があらゆる人にこぶしを振りかざすので人々は皆、彼にこぶしを振るう。彼は兄弟すべてに敵対して暮らす。」 15ハガルはアブラムとの間に男の子を産んだ。アブラムは、ハガルが産んだ男の子をイシュマエルと名付けた。16ハガルがイシュマエルを産んだとき、アブラムは八十六歳であった。 答唱詩編詩編112・1、2a+3bしあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。 詩編112112・1しあわせな人、神をおそれ、 2aその子らは地において強くなり、 福音朗読マタイ7・21-29アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。7・21「わたしに向かって、『主よ、主よ』と言う者が皆、天の国に入るわけではない。わたしの天の父の御心を行う者だけが入るのである。22かの日には、大勢の者がわたしに、『主よ、主よ、わたしたちは御名によって預言し、御名によって悪霊を追い出し、御名によって奇跡をいろいろ行ったではありませんか』と言うであろう。23そのとき、わたしはきっぱりとこう言おう。『あなたたちのことは全然知らない。不法を働く者ども、わたしから離れ去れ。』 24そこで、わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。25雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家を襲っても、倒れなかった。岩を土台としていたからである。26わたしのこれらの言葉を聞くだけで行わない者は皆、砂の上に家を建てた愚かな人に似ている。27雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家に襲いかかると、倒れて、その倒れ方がひどかった。」 28イエスがこれらの言葉を語り終えられると、群衆はその教えに非常に驚いた。29彼らの律法学者のようにではなく、権威ある者としてお教えになったからである。 |
|||
イエスのみ心 | 6月27日(金) | 年間の主の祝祭日 | |
第一朗読エゼキエル34・11-16私が私の群れを養い、憩わせる。 エゼキエルの預言34・11まことに、主なる神はこう言われる。見よ、わたしは自ら自分の群れを探し出し、彼らの世話をする。12牧者が、自分の羊がちりぢりになっているときに、その群れを探すように、わたしは自分の羊を探す。わたしは雲と密雲の日に散らされた群れを、すべての場所から救い出す。13わたしは彼らを諸国の民の中から連れ出し、諸国から集めて彼らの土地に導く。わたしはイスラエルの山々、谷間、また居住地で彼らを養う。14わたしは良い牧草地で彼らを養う。イスラエルの高い山々は彼らの牧場となる。彼らはイスラエルの山々で憩い、良い牧場と肥沃な牧草地で養われる。15わたしがわたしの群れを養い、憩わせる、と主なる神は言われる。16わたしは失われたものを尋ね求め、追われたものを連れ戻し、傷ついたものを包み、弱ったものを強くする。しかし、肥えたものと強いものを滅ぼす。わたしは公平をもって彼らを養う。 答唱詩編詩編23・2+3、4主はわれらの牧者、わたしは乏しいことがない。 詩編2323・2神はわたしを緑のまきばに伏させ、 4たとえ死の陰の谷を歩んでも、 第二朗読ローマ5・5b-11神は私たちに対する愛を示された。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、5・5bわたしたちに与えられた聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれています。6実にキリストは、わたしたちがまだ弱かったころ、定められた時に、不信心な者のために死んでくださった。7正しい人のために死ぬ者はほとんどいません。善い人のために命を惜しまない者ならいるかもしれません。8しかし、わたしたちがまだ罪人であったとき、キリストがわたしたちのために死んでくださったことにより、神はわたしたちに対する愛を示されました。9それで今や、わたしたちはキリストの血によって義とされたのですから、キリストによって神の怒りから救われるのは、なおさらのことです。10敵であったときでさえ、御子の死によって神と和解させていただいたのであれば、和解させていただいた今は、御子の命によって救われるのはなおさらです。11それだけでなく、わたしたちの主イエス・キリストによって、わたしたちは神を誇りとしています。今やこのキリストを通して和解させていただいたからです。 福音朗読ルカ15・3-7アレルヤ、アレルヤ。わたしはよい牧者。わたしは羊を知り、羊はわたしを知っている。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音15・3そのとき、イエスはファリサイ派の人々や律法学者たちに次のたとえを話された。4「あなたがたの中に、百匹の羊を持っている人がいて、その一匹を見失ったとすれば、九十九匹を野原に残して、見失った一匹を見つけ出すまで捜し回らないだろうか。5そして、見つけたら、喜んでその羊を担いで、6家に帰り、友達や近所の人々を呼び集めて、『見失った羊を見つけたので、一緒に喜んでください』と言うであろう。7言っておくが、このように、悔い改める一人の罪人については、悔い改める必要のない九十九人の正しい人についてよりも大きな喜びが天にある。」 |
|||
聖イレネオ 司教殉教者 | 6月28日(土) | 記念日 | |
第一朗読イザヤ61・9-11わたしの魂はわたしの神にあって喜び躍る。 イザヤの預言9彼らの一族は国々に知られ 10わたしは主によって喜び楽しみ 答唱詩編詩編105・1+2、3+4わたしの心は神のうちに喜び、その救いに喜びおどる。 詩編105105・1神に感謝してその名をたたえよ。 3尊いその名をたたえよ。 福音朗読ルカ2・41-51わたしが自分の父の家にいるのは当たり前だということを、知らなかったのですか。 ルカによる福音イエスの2・41両親は過越祭には毎年エルサレムへ旅をした。42イエスが十二歳になったときも、両親は祭りの慣習に従って都に上った。43祭りの期間が終わって帰路についたとき、少年イエスはエルサレムに残っておられたが、両親はそれに気づかなかった。44イエスが道連れの中にいるものと思い、一日分の道のりを行ってしまい、それから、親類や知人の間を捜し回ったが、45見つからなかったので、捜しながらエルサレムに引き返した。46三日の後、イエスが神殿の境内で学者たちの真ん中に座り、話を聞いたり質問したりしておられるのを見つけた。47聞いている人は皆、イエスの賢い受け答えに驚いていた。48両親はイエスを見て驚き、母が言った。「なぜこんなことをしてくれたのです。御覧なさい。お父さんもわたしも心配して捜していたのです。」49すると、イエスは言われた。「どうしてわたしを捜したのですか。わたしが自分の父の家にいるのは当たり前だということを、知らなかったのですか。」50しかし、両親にはイエスの言葉の意味が分からなかった。51それから、イエスは一緒に下って行き、ナザレに帰り、両親に仕えてお暮らしになった。母はこれらのことをすべて心に納めていた。52イエスは知恵が増し、背丈も伸び、神と人とに愛された。 |
|||
聖ペトロ、聖パウロ使徒・前晩のミサ | 6月28日(土) | 聖人の記念 | |
第一朗読使徒言行録3・1-10わたしには金や銀はないが、持っているものをあげよう。ナザレの人イエス・キリストの名によって立ち上がり、歩きなさい。 使徒たちの宣教その日、3・1ペトロとヨハネが、午後三時の祈りの時に神殿に上って行った。2すると、生まれながら足の不自由な男が運ばれて来た。神殿の境内に入る人に施しを乞うため、毎日「美しい門」という神殿の門のそばに置いてもらっていたのである。3彼はペトロとヨハネが境内に入ろうとするのを見て、施しを乞うた。4ペトロはヨハネと一緒に彼をじっと見て、「わたしたちを見なさい」と言った。5その男が、何かもらえると思って二人を見つめていると、6ペトロは言った。「わたしには金や銀はないが、持っているものをあげよう。ナザレの人イエス・キリストの名によって立ち上がり、歩きなさい。」7そして、右手を取って彼を立ち上がらせた。すると、たちまち、その男は足やくるぶしがしっかりして、8躍り上がって立ち、歩きだした。そして、歩き回ったり躍ったりして神を賛美し、二人と一緒に境内に入って行った。9民衆は皆、彼が歩き回り、神を賛美しているのを見た。10彼らは、それが神殿の「美しい門」のそばに座って施しを乞うていた者だと気づき、その身に起こったことに我を忘れるほど驚いた。 答唱詩編詩編19・2+3、4+5天は神の栄光を語り、大空はみ手のわざを告げる。 詩編1919・2天は神の栄光を語り、 4ことばでもなく、話でもなく、 第ニ朗読ガラテヤ1・11-20わたしが告げ知らせた福音は、人によるものではありません。 使徒パウロのガラテヤの教会ヘの手紙1・11兄弟たち、あなたがたにはっきり言います。わたしが告げ知らせた福音は、人によるものではありません。12わたしはこの福音を人から受けたのでも教えられたのでもなく、イエス・キリストの啓示によって知らされたのです。13あなたがたは、わたしがかつてユダヤ教徒としてどのようにふるまっていたかを聞いています。わたしは、徹底的に神の教会を迫害し、滅ぼそうとしていました。14また、先祖からの伝承を守るのに人一倍熱心で、同胞の間では同じ年ごろの多くの者よりもユダヤ教に徹しようとしていました。15しかし、わたしを母の胎内にあるときから選び分け、恵みによって召し出してくださった神が、御心のままに、16御子をわたしに示して、その福音を異邦人に告げ知らせるようにされたとき、わたしは、すぐ血肉に相談するようなことはせず、17また、エルサレムに上って、わたしより先に使徒として召された人たちのもとに行くこともせず、アラビアに退いて、そこから再びダマスコに戻ったのでした。18それから三年後、ケファと知り合いになろうとしてエルサレムに上り、十五日間彼のもとに滞在しましたが、19ほかの使徒にはだれにも会わず、ただ主の兄弟ヤコブにだけ会いました。20わたしがこのように書いていることは、神の御前で断言しますが、うそをついているのではありません。 福音朗読ヨハネ21・15-19アレルヤ、アレルヤ。あなたはいわお。この岩の上にわたしの教会を建てよう。地獄の門もこれに勝つことはできない。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音イエスは、弟子たちに御自身を表され、食事を共にされた。21・15食事が終わると、イエスはシモン・ペトロに、「ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか」と言われた。ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの小羊を飼いなさい」と言われた。16二度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの羊の世話をしなさい」と言われた。17三度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロは、イエスが三度目も、「わたしを愛しているか」と言われたので、悲しくなった。そして言った。「主よ、あなたは何もかもご存じです。わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます。」イエスは言われた。「わたしの羊を飼いなさい。18はっきり言っておく。あなたは、若いときは、自分で帯を締めて、行きたいところへ行っていた。しかし、年をとると、両手を伸ばして、他の人に帯を締められ、行きたくないところへ連れて行かれる。」19ペトロがどのような死に方で、神の栄光を現すようになるかを示そうとして、イエスはこう言われたのである。このように話してから、ペトロに、「わたしに従いなさい」と言われた。 |
|||
聖ペトロ、聖パウロ使徒 | 6月29日(日) | 聖人の記念 | |
第一朗読使徒言行録12・1-11今、本当のことが分かった。主がへロデの手からわたしを救い出してくださったのだ。 使徒たちの宣教12・1そのころ、ヘロデ王は教会のある人々に迫害の手を伸ばし、2ヨハネの兄弟ヤコブを剣で殺した。3そして、それがユダヤ人に喜ばれるのを見て、更にペトロをも捕らえようとした。それは、除酵祭の時期であった。4ヘロデはペトロを捕らえて牢に入れ、四人一組の兵士四組に引き渡して監視させた。過越祭の後で民衆の前に引き出すつもりであった。5こうして、ペトロは牢に入れられていた。教会では彼のために熱心な祈りが神にささげられていた。 6ヘロデがペトロを引き出そうとしていた日の前夜、ペトロは二本の鎖でつながれ、二人の兵士の間で眠っていた。番兵たちは戸口で牢を見張っていた。7すると、主の天使がそばに立ち、光が牢の中を照らした。天使はペトロのわき腹をつついて起こし、「急いで起き上がりなさい」と言った。すると、鎖が彼の手から外れ落ちた。8天使が、「帯を締め、履物を履きなさい」と言ったので、ペトロはそのとおりにした。また天使は、「上着を着て、ついて来なさい」と言った。9それで、ペトロは外に出てついて行ったが、天使のしていることが現実のこととは思われなかった。幻を見ているのだと思った。10第一、第二の衛兵所を過ぎ、町に通じる鉄の門の所まで来ると、門がひとりでに開いたので、そこを出て、ある通りを進んで行くと、急に天使は離れ去った。11ペトロは我に返って言った。「今、初めて本当のことが分かった。主が天使を遣わして、ヘロデの手から、またユダヤ民衆のあらゆるもくろみから、わたしを救い出してくださったのだ。」 答唱詩編詩編34・2+3、4+5、7+8主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編3434・2主をたたえよう、 4心を合わせて主をあがめ、 7主は貧しい者の叫びを聞き、 第ニ朗読②テモテ4・6-8、17-18今や、義の栄冠を受けるばかりです。 使徒パウロのテモテヘの手紙愛する者よ、4・6わたしは、既にいけにえとして献げられています。世を去る時が近づきました。7わたしは、戦いを立派に戦い抜き、決められた道を走りとおし、信仰を守り抜きました。8今や、義の栄冠を受けるばかりです。正しい審判者である主が、かの日にそれをわたしに授けてくださるのです。17しかし、わたしだけでなく、主が来られるのをひたすら待ち望む人には、だれにでも授けてくださいます。 わたしを通して福音があまねく宣べ伝えられ、すべての民族がそれを聞くようになるために、主はわたしのそばにいて、力づけてくださいました。そして、わたしは獅子の口から救われました。18主はわたしをすべての悪い業から助け出し、天にある御自分の国へ救い入れてくださいます。主に栄光が世々限りなくありますように、アーメン。 福音朗読マタイ16・13-19アレルヤ、アレルヤ。あなたはいわお。この岩の上にわたしの教会を建てよう。地獄の門もこれに勝つことはできない。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音16・13イエスは、フィリポ・カイサリア地方に行ったとき、弟子たちに、「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。14弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言う人も、『エリヤだ』と言う人もいます。ほかに、『エレミヤだ』とか、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」15イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」16シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。17すると、イエスはお答えになった。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。18わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。19わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」 |
|||
年間第13月曜日 | 6月30日(月) | 年間 | |
第一朗読創世記18・16-33その十人のためにわたしは滅ぼさない。 創世記18・16その人たちはマムレの樫の木の所を立って、ソドムを見下ろす所まで来た。アブラハムも、彼らを見送るために一緒に行った。17主は言われた。 「わたしが行おうとしていることをアブラハムに隠す必要があろうか。18アブラハムは大きな強い国民になり、世界のすべての国民は彼によって祝福に入る。19わたしがアブラハムを選んだのは、彼が息子たちとその子孫に、主の道を守り、主に従って正義を行うよう命じて、主がアブラハムに約束したことを成就するためである。」 20主は言われた。 「ソドムとゴモラの罪は非常に重い、と訴える叫びが実に大きい。21わたしは降って行き、彼らの行跡が、果たして、わたしに届いた叫びのとおりかどうか見て確かめよう。」 22その人たちは、更にソドムの方へ向かったが、アブラハムはなお、主の御前にいた。23アブラハムは進み出て言った。 「まことにあなたは、正しい者を悪い者と一緒に滅ぼされるのですか。24あの町に正しい者が五十人いるとしても、それでも滅ぼし、その五十人の正しい者のために、町をお赦しにはならないのですか。25正しい者を悪い者と一緒に殺し、正しい者を悪い者と同じ目に遭わせるようなことを、あなたがなさるはずはございません。全くありえないことです。全世界を裁くお方は、正義を行われるべきではありませんか。」 26主は言われた。 「もしソドムの町に正しい者が五十人いるならば、その者たちのために、町全部を赦そう。」 27アブラハムは答えた。 「塵あくたにすぎないわたしですが、あえて、わが主に申し上げます。28もしかすると、五十人の正しい者に五人足りないかもしれません。それでもあなたは、五人足りないために、町のすべてを滅ぼされますか。」 主は言われた。 「もし、四十五人いれば滅ぼさない。」 29アブラハムは重ねて言った。 「もしかすると、四十人しかいないかもしれません。」 主は言われた。 「その四十人のためにわたしはそれをしない。」 30アブラハムは言った。 「主よ、どうかお怒りにならずに、もう少し言わせてください。もしかすると、そこには三十人しかいないかもしれません。」 主は言われた。 「もし三十人いるならわたしはそれをしない。」 31アブラハムは言った。 「あえて、わが主に申し上げます。もしかすると、二十人しかいないかもしれません。」 主は言われた。 「その二十人のためにわたしは滅ぼさない。」 32アブラハムは言った。 「主よ、どうかお怒りにならずに、もう一度だけ言わせてください。もしかすると、十人しかいないかもしれません。」 主は言われた。 「その十人のためにわたしは滅ぼさない。」 33主はアブラハムと語り終えると、去って行かれた。アブラハムも自分の住まいに帰った。 答唱詩編詩編103・3+4、8+13心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編103103・3神はわたしの罪をゆるし、 8神は恵み豊かに、あわれみ深く、 福音朗読マタイ8・18-22アレルヤ、アレルヤ。神に心を閉じてはならない。今日こそ神のことばを聞こう。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、8・18イエスは、自分を取り囲んでいる群衆を見て、弟子たちに向こう岸に行くように命じられた。19そのとき、ある律法学者が近づいて、「先生、あなたがおいでになる所なら、どこへでも従って参ります」と言った。20イエスは言われた。「狐には穴があり、空の鳥には巣がある。だが、人の子には枕する所もない。」21ほかに、弟子の一人がイエスに、「主よ、まず、父を葬りに行かせてください」と言った。22イエスは言われた。「わたしに従いなさい。死んでいる者たちに、自分たちの死者を葬らせなさい。」 |
|||
07月 | |||
福者ペトロ岐部司祭と一八七殉教者 殉教者 | 7月1日(火) | 記念日 | |
第一朗読創世記19・15-29あなたの妻とここにいる二人の娘を連れて行きなさい。 創世記19・15夜が明けるころ、御使いたちはロトをせきたてて言った。 「さあ早く、あなたの妻とここにいる二人の娘を連れて行きなさい。さもないと、この町に下る罰の巻き添えになって滅ぼされてしまう。」 16ロトはためらっていた。主は憐れんで、二人の客にロト、妻、二人の娘の手をとらせて町の外へ避難するようにされた。17彼らがロトたちを町外れへ連れ出したとき、主は言われた。 「命がけで逃れよ。後ろを振り返ってはいけない。低地のどこにもとどまるな。山へ逃げなさい。さもないと、滅びることになる。」 18ロトは言った。 「主よ、できません。19あなたは僕に目を留め、慈しみを豊かに示し、命を救おうとしてくださいます。しかし、わたしは山まで逃げ延びることはできません。恐らく、災害に巻き込まれて、死んでしまうでしょう。20御覧ください、あの町を。あそこなら近いので、逃げて行けると思います。あれは小さな町です。あそこへ逃げさせてください。あれはほんの小さな町です。どうか、そこでわたしの命を救ってください。」 21主は言われた。 「よろしい。そのこともあなたの願いを聞き届け、あなたの言うその町は滅ぼさないことにしよう。22急いで逃げなさい。あなたがあの町に着くまでは、わたしは何も行わないから。」 そこで、その町はツォアル(小さい)と名付けられた。 23太陽が地上に昇ったとき、ロトはツォアルに着いた。24主はソドムとゴモラの上に天から、主のもとから硫黄の火を降らせ、25これらの町と低地一帯を、町の全住民、地の草木もろとも滅ぼした。26ロトの妻は後ろを振り向いたので、塩の柱になった。 27アブラハムは、その朝早く起きて、さきに主と対面した場所へ行き、28ソドムとゴモラ、および低地一帯を見下ろすと、炉の煙のように地面から煙が立ち上っていた。 29こうして、ロトの住んでいた低地の町々は滅ぼされたが、神はアブラハムを御心に留め、ロトを破滅のただ中から救い出された。 答唱詩編詩編17・1+2、6+7主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編1717・1神よ、わたしの正しい訴えと叫びに心を留め、 6神よ、あなたに叫ぶわたしに答え、 福音朗読マタイ8・23-27アレルヤ、アレルヤ。神はわたしの希望、わたしの望み。わたしはその言葉により頼む。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、8・23イエスが舟に乗り込まれると、弟子たちも従った。24すると、湖に激しい嵐が起こり、舟は波にのまれそうになった。イエスは眠っておられた。25弟子たちは近寄って起こし、「主よ、助けてください。おぼれそうです」と言った。26イエスは言われた。「なぜ怖がるのか。信仰の薄い者たちよ。」そして、起き上がって風と湖とをお叱りになると、すっかり凪になった。27人々は驚いて、「いったい、この方はどういう方なのだろう。風や湖さえも従うではないか」と言った。 |
|||
年間第13水曜日 | 7月2日(水) | 年間 | |
第一朗読創世記21・5、8-20息子イサクが生まれたとき、アブラハムは百歳であった。 創世記5息子イサクが生まれたとき、アブラハムは百歳であった。 8やがて、子供は育って乳離れした。アブラハムはイサクの乳離れの日に盛大な祝宴を開いた。 9サラは、エジプトの女ハガルがアブラハムとの間に産んだ子が、イサクをからかっているのを見て、10アブラハムに訴えた。 「あの女とあの子を追い出してください。あの女の息子は、わたしの子イサクと同じ跡継ぎとなるべきではありません。」 11このことはアブラハムを非常に苦しめた。その子も自分の子であったからである。12神はアブラハムに言われた。 「あの子供とあの女のことで苦しまなくてもよい。すべてサラが言うことに聞き従いなさい。あなたの子孫はイサクによって伝えられる。13しかし、あの女の息子も一つの国民の父とする。彼もあなたの子であるからだ。」 14アブラハムは、次の朝早く起き、パンと水の革袋を取ってハガルに与え、背中に負わせて子供を連れ去らせた。ハガルは立ち去り、べエル・シェバの荒れ野をさまよった。15革袋の水が無くなると、彼女は子供を一本の灌木の下に寝かせ、16「わたしは子供が死ぬのを見るのは忍びない」と言って、矢の届くほど離れ、子供の方を向いて座り込んだ。彼女は子供の方を向いて座ると、声をあげて泣いた。17神は子供の泣き声を聞かれ、天から神の御使いがハガルに呼びかけて言った。 「ハガルよ、どうしたのか。恐れることはない。神はあそこにいる子供の泣き声を聞かれた。18立って行って、あの子を抱き上げ、お前の腕でしっかり抱き締めてやりなさい。わたしは、必ずあの子を大きな国民とする。」 19神がハガルの目を開かれたので、彼女は水のある井戸を見つけた。彼女は行って革袋に水を満たし、子供に飲ませた。20神がその子と共におられたので、その子は成長し、荒れ野に住んで弓を射る者となった。 答唱詩編詩編34・7+8、9+10主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編3434・7主は貧しい者の叫びを聞き、 9主により頼む人はしあわせ。 福音朗読マタイ8・28-34アレルヤ、アレルヤ。父はみ心のままに真理のことばによってわたしたちを生み、被造物の初穂とされた。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、8・28イエスが向こう岸のガダラ人の地方に着かれると、悪霊に取りつかれた者が二人、墓場から出てイエスのところにやって来た。二人は非常に狂暴で、だれもその辺りの道を通れないほどであった。29突然、彼らは叫んだ。「神の子、かまわないでくれ。まだ、その時ではないのにここに来て、我々を苦しめるのか。」30はるかかなたで多くの豚の群れがえさをあさっていた。31そこで、悪霊どもはイエスに、「我々を追い出すのなら、あの豚の中にやってくれ」と願った。32イエスが、「行け」と言われると、悪霊どもは二人から出て、豚の中に入った。すると、豚の群れはみな崖を下って湖になだれ込み、水の中で死んだ。33豚飼いたちは逃げ出し、町に行って、悪霊に取りつかれた者のことなど一切を知らせた。34すると、町中の者がイエスに会おうとしてやって来た。そして、イエスを見ると、その地方から出て行ってもらいたいと言った。 |
|||
聖トマ使徒 | 7月3日(木) | 聖人の記念 | |
第一朗読エフェソ2・19-22あなたがたはもはや、外国人でも寄留者でもなく、聖なる民に属する者 使徒バウロのエフェソの教会への手紙皆さん、2・19あなたがたはもはや、外国人でも寄留者でもなく、聖なる民に属する者、神の家族であり、20使徒や預言者という土台の上に建てられています。そのかなめ石はキリスト・イエス御自身であり、21キリストにおいて、この建物全体は組み合わされて成長し、主における聖なる神殿となります。22キリストにおいて、あなたがたも共に建てられ、霊の働きによって神の住まいとなるのです。 答唱詩編詩編117・1+2、栄唱主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編117117・1すべての国よ、神をたたえ、すべての民よ、神をほめよ。 栄唱栄光は父と子と聖霊に。 福音朗読ヨハネ20・24-29アレルヤ、アレルヤ。トマよ、あなたはわたしを見たので信じた。見ないで信じる人は幸い。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音20・24十二人の一人でディディモと呼ばれるトマスは、イエスが来られたとき、彼らと一緒にいなかった。25そこで、ほかの弟子たちが、「わたしたちは主を見た」と言うと、トマスは言った。「あの方の手に釘の跡を見、この指を釘跡に入れてみなければ、また、この手をそのわき腹に入れてみなければ、わたしは決して信じない。」26さて八日の後、弟子たちはまた家の中におり、トマスも一緒にいた。戸にはみな鍵がかけてあったのに、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。27それから、トマスに言われた。「あなたの指をここに当てて、わたしの手を見なさい。また、あなたの手を伸ばし、わたしのわき腹に入れなさい。信じない者ではなく、信じる者になりなさい。」28トマスは答えて、「わたしの主、わたしの神よ」と言った。29イエスはトマスに言われた。「わたしを見たから信じたのか。見ないのに信じる人は、幸いである。」 |
|||
年間第13金曜日 | 7月4日(金) | 年間 | |
第一朗読創世記23・1-4、19、24・1-8、62-67イサクは、リべカを愛して、亡くなった母に代わる慰めを得た。 創世記23・1サラの生涯は百二十七年であった。これがサラの生きた年数である。2サラは、カナン地方のキルヤト・アルバ、すなわちヘブロンで死んだ。アブラハムは、サラのために胸を打ち、嘆き悲しんだ。3アブラハムは遺体の傍らから立ち上がり、ヘトの人々に頼んだ。 4「わたしは、あなたがたのところに一時滞在する寄留者ですが、あなたがたが所有する墓地を譲ってくださいませんか。亡くなった妻を葬ってやりたいのです。」 19その後アブラハムは、カナン地方のヘブロンにあるマムレの前のマクペラの畑の洞穴に妻のサラを葬った。 24-1アブラハムは多くの日を重ね老人になり、主は何事においてもアブラハムに祝福をお与えになっていた。 2アブラハムは家の全財産を任せている年寄りの僕に言った。 「手をわたしの腿の間に入れ、3天の神、地の神である主にかけて誓いなさい。あなたはわたしの息子の嫁をわたしが今住んでいるカナンの娘から取るのではなく、4わたしの一族のいる故郷へ行って、嫁を息子イサクのために連れて来るように。」 5僕は尋ねた。 「もしかすると、その娘がわたしに従ってこの土地へ来たくないと言うかもしれません。その場合には、御子息をあなたの故郷にお連れしてよいでしょうか。」 6アブラハムは答えた。 「決して、息子をあちらへ行かせてはならない。7天の神である主は、わたしを父の家、生まれ故郷から連れ出し、『あなたの子孫にこの土地を与える』と言って、わたしに誓い、約束してくださった。その方がお前の行く手に御使いを遣わして、そこから息子に嫁を連れて来ることができるようにしてくださる。8もし女がお前に従ってこちらへ来たくないと言うならば、お前は、わたしに対するこの誓いを解かれる。ただわたしの息子をあちらへ行かせることだけはしてはならない。」 62イサクはネゲブ地方に住んでいた。そのころ、べエル・ラハイ・ロイから帰ったところであった。63夕方暗くなるころ、野原を散策していた。目を上げて眺めると、らくだがやって来るのが見えた。64リべカも目を上げて眺め、イサクを見た。リべカはらくだから下り、65「野原を歩いて、わたしたちを迎えに来るあの人は誰ですか」と僕に尋ねた。「あの方がわたしの主人です」と僕が答えると、リべカはべールを取り出してかぶった。66僕は、自分が成し遂げたことをすべてイサクに報告した。67イサクは、母サラの天幕に彼女を案内した。彼はリべカを迎えて妻とした。イサクは、リべカを愛して、亡くなった母に代わる慰めを得た。 答唱詩編詩編112・1、2a+3bしあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。 詩編112112・1しあわせな人、神をおそれ、 2aその子らは地において強くなり、 福音朗読マタイ9・9-13アレルヤ、アレルヤ。労苦して重荷を負っている者はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを回復させよう。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは9・9通りがかりに、マタイという人が収税所に座っているのを見かけて、「わたしに従いなさい」と言われた。彼は立ち上がってイエスに従った。10イエスがその家で食事をしておられたときのことである。徴税人や罪人も大勢やって来て、イエスや弟子たちと同席していた。11ファリサイ派の人々はこれを見て、弟子たちに、「なぜ、あなたたちの先生は徴税人や罪人と一緒に食事をするのか」と言った。12イエスはこれを聞いて言われた。「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。13『わたしが求めるのは憐れみであって、いけにえではない』とはどういう意味か、行って学びなさい。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」 |
|||
年間第13土曜日 | 7月5日(土) | 年間 | |
第一朗読創世記27・1-5、15-29イサクは年をとり、目がかすんで見えなくなってきた。 創世記そのころ、27・1イサクは年をとり、目がかすんで見えなくなってきた。そこで上の息子のエサウを呼び寄せて、「息子よ」と言った。エサウが、「はい」と答えると、2イサクは言った。 「こんなに年をとったので、わたしはいつ死ぬか分からない。3今すぐに、弓と矢筒など、狩りの道具を持って野に行き、獲物を取って来て、4わたしの好きなおいしい料理を作り、ここへ持って来てほしい。死ぬ前にそれを食べて、わたし自身の祝福をお前に与えたい。」 5リべカは、イサクが息子のエサウに話しているのを聞いていた。エサウが獲物を取りに野に行くと、15リべカは、家にしまっておいた上の息子エサウの晴れ着を取り出して、下の息子ヤコブに着せ、16子山羊の毛皮を彼の腕や滑らかな首に巻きつけて、17自分が作ったおいしい料理とパンを息子ヤコブに渡した。 18ヤコブは、父のもとへ行き、「わたしのお父さん」と呼びかけた。父が、「ここにいる。わたしの子よ。誰だ、お前は」と尋ねると、19ヤコブは言った。「長男のエサウです。お父さんの言われたとおりにしてきました。さあ、どうぞ起きて、座ってわたしの獲物を召し上がり、お父さん自身の祝福をわたしに与えてください。」20「わたしの子よ、どうしてまた、こんなに早くしとめられたのか」と、イサクが息子に尋ねると、ヤコブは答えた。「あなたの神、主がわたしのために計らってくださったからです。」21イサクはヤコブに言った。「近寄りなさい。わたしの子に触って、本当にお前が息子のエサウかどうか、確かめたい。」 22ヤコブが父イサクに近寄ると、イサクは彼に触りながら言った。「声はヤコブの声だが、腕はエサウの腕だ。」23イサクは、ヤコブの腕が兄エサウの腕のように毛深くなっていたので、見破ることができなかった。そこで、彼は祝福しようとして、24言った。「お前は本当にわたしの子エサウなのだな。」ヤコブは、「もちろんです」と答えた。25イサクは言った。「では、お前の獲物をここへ持って来なさい。それを食べて、わたし自身の祝福をお前に与えよう。」ヤコブが料理を差し出すと、イサクは食べ、ぶどう酒をつぐと、それを飲んだ。26それから、父イサクは彼に言った。「わたしの子よ、近寄ってわたしに口づけをしなさい。」27ヤコブが近寄って口づけをすると、イサクは、ヤコブの着物の匂いをかいで、祝福して言った。 「ああ、わたしの子の香りは 答唱詩編詩編146・1+2+10a、5+6abいのちあるすベてのものは、神をたたえよ。 詩編146146・1心を尽くして神をたたえよ。 5ヤコブの神を助けとし、 福音朗読マタイ9・14-17アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、9・14ヨハネの弟子たちがイエスのところに来て、「わたしたちとファリサイ派の人々はよく断食しているのに、なぜ、あなたの弟子たちは断食しないのですか」と言った。15イエスは言われた。「花婿が一緒にいる間、婚礼の客は悲しむことができるだろうか。しかし、花婿が奪い取られる時が来る。そのとき、彼らは断食することになる。16だれも、織りたての布から布切れを取って、古い服に継ぎを当てたりはしない。新しい布切れが服を引き裂き、破れはいっそうひどくなるからだ。17新しいぶどう酒を古い革袋に入れる者はいない。そんなことをすれば、革袋は破れ、ぶどう酒は流れ出て、革袋もだめになる。新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。そうすれば、両方とも長もちする。」 |
|||
年間第14主日 | 7月6日(日) | 年間 | |
第一朗読イザヤ66・10-14エルサレムと共に喜び祝い… イザヤの預言66・10エルサレムと共に喜び祝い 答唱詩編詩編66・1+2+4、5+9、16+17主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編6666・1すべての人よ、神に向かって喜びの声をあげよ。 5神のわざを仰ぎ見よ、 16神をおそれる者は耳を傾けよ。 第二朗読ガラテヤ6・14-18神のイスラエルの上に平和と憐れみがあるように。 使徒パウロのガラテヤの教会への手紙6・14皆さん、このわたしには、わたしたちの主イエス・キリストの十字架のほかに、誇るものが決してあってはなりません。この十字架によって、世はわたしに対し、わたしは世に対してはりつけにされているのです。15割礼の有無は問題ではなく、大切なのは、新しく創造されることです。16このような原理に従って生きていく人の上に、つまり、神のイスラエルの上に平和と憐れみがあるように。 17これからは、だれもわたしを煩わさないでほしい。わたしは、イエスの焼き印を身に受けているのです。 18兄弟たち、わたしたちの主イエス・キリストの恵みが、あなたがたの霊と共にあるように、アーメン。 福音朗読ルカ10・1-12、17-20アレルヤ、アレルヤ。キリストの平和があなたがたの心を満たし、キリストのことばが豊かに宿りますように。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、10・1主はほかに七十二人を任命し、御自分が行くつもりのすべての町や村に二人ずつ先に遣わされた。2そして、彼らに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。3行きなさい。わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに小羊を送り込むようなものだ。4財布も袋も履物も持って行くな。途中でだれにも挨拶をするな。5どこかの家に入ったら、まず、『この家に平和があるように』と言いなさい。6平和の子がそこにいるなら、あなたがたの願う平和はその人にとどまる。もし、いなければ、その平和はあなたがたに戻ってくる。7その家に泊まって、そこで出される物を食べ、また飲みなさい。働く者が報酬を受けるのは当然だからである。家から家へと渡り歩くな。8どこかの町に入り、迎え入れられたら、出される物を食べ、9その町の病人をいやし、また、『神の国はあなたがたに近づいた』と言いなさい。10しかし、町に入っても、迎え入れられなければ、広場に出てこう言いなさい。11『足についたこの町の埃さえも払い落として、あなたがたに返す。しかし、神の国が近づいたことを知れ』と。12言っておくが、かの日には、その町よりまだソドムの方が軽い罰で済む。」 17七十二人は喜んで帰って来て、こう言った。「主よ、お名前を使うと、悪霊さえもわたしたちに屈服します。」18イエスは言われた。「わたしは、サタンが稲妻のように天から落ちるのを見ていた。19蛇やさそりを踏みつけ、敵のあらゆる力に打ち勝つ権威を、わたしはあなたがたに授けた。だから、あなたがたに害を加えるものは何一つない。20しかし、悪霊があなたがたに服従するからといって、喜んではならない。むしろ、あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい。」 |
|||
年間第14月曜日 | 7月7日(月) | 年間 | |
第一朗読創世記28・10-22わたしが記念碑として立てたこの石を神の家とし、すべて、あなたがわたしに与えられるものの十分の一をささげます。 創世記その日、28・10ヤコブはべエル・シェバを立ってハランへ向かった。11とある場所に来たとき、日が沈んだので、そこで一夜を過ごすことにした。ヤコブはその場所にあった石を一つ取って枕にして、その場所に横たわった。12すると、彼は夢を見た。先端が天まで達する階段が地に向かって伸びており、しかも、神の御使いたちがそれを上ったり下ったりしていた。13見よ、主が傍らに立って言われた。 「わたしは、あなたの父祖アブラハムの神、イサクの神、主である。あなたが今横たわっているこの土地を、あなたとあなたの子孫に与える。14あなたの子孫は大地の砂粒のように多くなり、西へ、東へ、北へ、南へと広がっていくであろう。地上の氏族はすべて、あなたとあなたの子孫によって祝福に入る。15見よ、わたしはあなたと共にいる。あなたがどこへ行っても、わたしはあなたを守り、必ずこの土地に連れ帰る。わたしは、あなたに約束したことを果たすまで決して見捨てない。」 16ヤコブは眠りから覚めて言った。 「まことに主がこの場所におられるのに、わたしは知らなかった。」 17そして、恐れおののいて言った。 「ここは、なんと畏れ多い場所だろう。これはまさしく神の家である。そうだ、ここは天の門だ。」 18ヤコブは次の朝早く起きて、枕にしていた石を取り、それを記念碑として立て、先端に油を注いで、19その場所をべテル(神の家)と名付けた。ちなみに、その町の名はかつてルズと呼ばれていた。 20ヤコブはまた、誓願を立てて言った。 「神がわたしと共におられ、わたしが歩むこの旅路を守り、食べ物、着る物を与え、21無事に父の家に帰らせてくださり、主がわたしの神となられるなら、22わたしが記念碑として立てたこの石を神の家とし、すべて、あなたがわたしに与えられるものの十分の一をささげます。」 答唱詩編詩編91・2+4ab、14+15主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編9191・2「神はわたしののがれ場、わたしのとりで、 14神は仰せになる。「わたしに頼る者をわたしはすくい、 福音朗読マタイ9・18-26アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、9・18イエスが話しておられると、ある指導者がそばに来て、ひれ伏して言った。「わたしの娘がたったいま死にました。でも、おいでになって手を置いてやってください。そうすれば、生き返るでしょう。」19そこで、イエスは立ち上がり、彼について行かれた。弟子たちも一緒だった。20すると、そこへ十二年間も患って出血が続いている女が近寄って来て、後ろからイエスの服の房に触れた。21「この方の服に触れさえすれば治してもらえる」と思ったからである。22イエスは振り向いて、彼女を見ながら言われた。「娘よ、元気になりなさい。あなたの信仰があなたを救った。」そのとき、彼女は治った。23イエスは指導者の家に行き、笛を吹く者たちや騒いでいる群衆を御覧になって、24言われた。「あちらへ行きなさい。少女は死んだのではない。眠っているのだ。」人々はイエスをあざ笑った。25群衆を外に出すと、イエスは家の中に入り、少女の手をお取りになった。すると、少女は起き上がった。26このうわさはその地方一帯に広まった。 |
|||
年間第14火曜日 | 7月8日(火) | 年間 | |
第一朗読創世記32・23-33その場所をペヌエル(神の顔)と名付けた。 創世記32・23その夜、ヤコブは起きて、二人の妻と二人の側女、それに十一人の子供を連れてヤボクの渡しを渡った。24皆を導いて川を渡らせ、持ち物も渡してしまうと、25ヤコブは独り後に残った。そのとき、何者かが夜明けまでヤコブと格闘した。26ところが、その人はヤコブに勝てないとみて、ヤコブの腿の関節を打ったので、格闘をしているうちに腿の関節がはずれた。27「もう去らせてくれ。夜が明けてしまうから」とその人は言ったが、ヤコブは答えた。「いいえ、祝福してくださるまでは離しません。」28「お前の名は何というのか」とその人が尋ね、「ヤコブです」と答えると、29その人は言った。「お前の名はもうヤコブではなく、これからはイスラエルと呼ばれる。お前は神と人と闘って勝ったからだ。」30「どうか、あなたのお名前を教えてください」とヤコブが尋ねると、「どうして、わたしの名を尋ねるのか」と言って、ヤコブをその場で祝福した。31ヤコブは、「わたしは顔と顔とを合わせて神を見たのに、なお生きている」と言って、その場所をペヌエル(神の顔)と名付けた。 32ヤコブがペヌエルを過ぎたとき、太陽は彼の上に昇った。ヤコブは腿を痛めて足を引きずっていた。33こういうわけで、イスラエルの人々は今でも腿の関節の上にある腰の筋を食べない。かの人がヤコブの腿の関節、つまり腰の筋のところを打ったからである。 答唱詩編詩編17・3+5、13ab+15主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編1717・3あなたは夜、わたしを訪れ、心をためされる。 13ab神よ、力を現し、彼らに立ち向かってください。 福音朗読マタイ9・32-38アレルヤ、アレルヤ。わたしはよい牧者。わたしは羊を知り、羊はわたしを知っている。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、9・32悪霊に取りつかれて口の利けない人が、イエスのところに連れられて来た。33悪霊が追い出されると、口の利けない人がものを言い始めたので、群衆は驚嘆し、「こんなことは、今までイスラエルで起こったためしがない」と言った。34しかし、ファリサイ派の人々は、「あの男は悪霊の頭の力で悪霊を追い出している」と言った。 35イエスは町や村を残らず回って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、ありとあらゆる病気や患いをいやされた。36また、群衆が飼い主のいない羊のように弱り果て、打ちひしがれているのを見て、深く憐れまれた。37そこで、弟子たちに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。38だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。」 |
|||
年間第14水曜日 | 7月9日(水) | 年間 | |
第一朗読創世記41・55-57、42・5-7a、17-24aエジプト全国にも飢饉が広がり、民がファラオに食物を叫び求めた。 創世記そのころ、41・55エジプト全国にも飢饉が広がり、民がファラオに食物を叫び求めた。ファラオはすべてのエジプト人に、「ヨセフのもとに行って、ヨセフの言うとおりにせよ」と命じた。56飢饉は世界各地に及んだ。ヨセフはすべての穀倉を開いてエジプト人に穀物を売ったが、エジプトの国の飢饉は激しくなっていった。57また、世界各地の人々も、穀物を買いにエジプトのヨセフのもとにやって来るようになった。世界各地の飢饉も激しくなったからである。 42・5イスラエルの息子たちは、他の人々に混じって穀物を買いに出かけた。カナン地方にも飢饉が襲っていたからである。 6ところで、ヨセフはエジプトの司政者として、国民に穀物を販売する監督をしていた。ヨセフの兄たちは来て、地面にひれ伏し、ヨセフを拝した。7ヨセフは一目で兄たちだと気づいたが、そしらぬ振りをして厳しい口調で、「お前たちは、どこからやって来たのか」と問いかけた。 17ヨセフは、彼らを三日間、牢獄に監禁しておいた。 18三日目になって、ヨセフは彼らに言った。 「こうすれば、お前たちの命を助けてやろう。わたしは神を畏れる者だ。19お前たちが本当に正直な人間だというのなら、兄弟のうち一人だけを牢獄に監禁するから、ほかの者は皆、飢えているお前たちの家族のために穀物を持って帰り、20末の弟をここへ連れて来い。そうして、お前たちの言い分が確かめられたら、殺されはしない。」 彼らは同意して、21互いに言った。 「ああ、我々は弟のことで罰を受けているのだ。弟が我々に助けを求めたとき、あれほどの苦しみを見ながら、耳を貸そうともしなかった。それで、この苦しみが我々にふりかかった。」 22すると、ルべンが答えた。 「あのときわたしは、『あの子に悪いことをするな』と言ったではないか。お前たちは耳を貸そうともしなかった。だから、あの子の血の報いを受けるのだ。」 23彼らはヨセフが聞いているのを知らなかった。ヨセフと兄弟たちの間に、通訳がいたからである。24ヨセフは彼らから遠ざかって泣いた。 答唱詩編詩編33・6+11、14+15神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。 詩編3333・6天は神のことばによってつくられ、 14神はその住まいから、 福音朗読マタイ10・1-7アレルヤ、アレルヤ。神の国は近づいた。回心して福音を信じなさい。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、10・1イエスは十二人の弟子を呼び寄せ、汚れた霊に対する権能をお授けになった。汚れた霊を追い出し、あらゆる病気や患いをいやすためであった。2十二使徒の名は次のとおりである。まずペトロと呼ばれるシモンとその兄弟アンデレ、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネ、3フィリポとバルトロマイ、トマスと徴税人のマタイ、アルファイの子ヤコブとタダイ、4熱心党のシモン、それにイエスを裏切ったイスカリオテのユダである。 5イエスはこの十二人を派遣するにあたり、次のように命じられた。「異邦人の道に行ってはならない。また、サマリア人の町に入ってはならない。6むしろ、イスラエルの家の失われた羊のところへ行きなさい。7行って、『天の国は近づいた』と宣べ伝えなさい。 |
|||
年間第14木曜日 | 7月10日(木) | 年間 | |
第一朗読創世記44・18-21a、23b-29、45・1-5わたしはあなたたちがエジプトへ売った弟のヨセフです。 創世記その日、44・18ユダはヨセフの前に進み出て言った。 「ああ、御主君様。何とぞお怒りにならず、僕の申し上げますことに耳を傾けてください。あなたはファラオに等しいお方でいらっしゃいますから。 19御主君は僕どもに向かって、『父や兄弟がいるのか』とお尋ねになりましたが、20そのとき、御主君に、『年とった父と、それに父の年寄り子である末の弟がおります。その兄は亡くなり、同じ母の子で残っているのはその子だけですから、父は彼をかわいがっております』と申し上げました。21すると、あなたさまは、『その子をここへ連れて来い。自分の目で確かめることにする。23bその末の弟が一緒に来なければ、再びわたしの顔を見ることは許さぬ』と僕どもにおっしゃいました。24わたしどもは、あなたさまの僕である父のところへ帰り、御主君のお言葉を伝えました。25そして父が、『もう一度行って、我々の食糧を少し買って来い』と申しました折にも、26『行くことはできません。もし、末の弟が一緒なら、行って参ります。末の弟が一緒でないかぎり、あの方の顔を見ることはできないのです』と答えました。27すると、あなたさまの僕である父は、『お前たちも知っているように、わたしの妻は二人の息子を産んだ。28ところが、そのうちの一人はわたしのところから出て行ったきりだ。きっとかみ裂かれてしまったと思うが、それ以来、会っていない。29それなのに、お前たちはこの子までも、わたしから取り上げようとする。もしも、何か不幸なことがこの子の身に起こりでもしたら、お前たちはこの白髪の父を、苦しめて陰府に下らせることになるのだ』と申しました。 45・1ヨセフは、そばで仕えている者の前で、もはや平静を装っていることができなくなり、「みんな、ここから出て行ってくれ」と叫んだ。だれもそばにいなくなってから、ヨセフは兄弟たちに自分の身を明かした。2ヨセフは、声をあげて泣いたので、エジプト人はそれを聞き、ファラオの宮廷にも伝わった。 3ヨセフは、兄弟たちに言った。 「わたしはヨセフです。お父さんはまだ生きておられますか。」 兄弟たちはヨセフの前で驚きのあまり、答えることができなかった。 4ヨセフは兄弟たちに言った。 「どうか、もっと近寄ってください。」 兄弟たちがそばへ近づくと、ヨセフはまた言った。 「わたしはあなたたちがエジプトへ売った弟のヨセフです。5しかし、今は、わたしをここへ売ったことを悔やんだり、責め合ったりする必要はありません。命を救うために、神がわたしをあなたたちより先にお遣わしになったのです。 答唱詩編詩編146・1+2+5b、9ab+8c+9cわが主をたたえよう、声を合わせてたたえよう。 詩編146146・1心を尽くして神をたたえよ。 9ab神は他国から来ている人を守り、 福音朗読マタイ10・7-15アレルヤ、アレルヤ。神の国は近づいた。回心して福音を信じなさい。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは使徒たちに言われた。10・7「行って、『天の国は近づいた』と宣べ伝えなさい。8病人をいやし、死者を生き返らせ、重い皮膚病を患っている人を清くし、悪霊を追い払いなさい。ただで受けたのだから、ただで与えなさい。9帯の中に金貨も銀貨も銅貨も入れて行ってはならない。10旅には袋も二枚の下着も、履物も杖も持って行ってはならない。働く者が食べ物を受けるのは当然である。11町や村に入ったら、そこで、ふさわしい人はだれかをよく調べ、旅立つときまで、その人のもとにとどまりなさい。12その家に入ったら、『平和があるように』と挨拶しなさい。13家の人々がそれを受けるにふさわしければ、あなたがたの願う平和は彼らに与えられる。もし、ふさわしくなければ、その平和はあなたがたに返ってくる。14あなたがたを迎え入れもせず、あなたがたの言葉に耳を傾けようともしない者がいたら、その家や町を出て行くとき、足の埃を払い落としなさい。15はっきり言っておく。裁きの日には、この町よりもソドムやゴモラの地の方が軽い罰で済む。」 |
|||
聖ベネディクト 修道院長 | 7月11日(金) | 記念日 | |
第一朗読創世記46・1-7、28-30わたしはもう死んでもよい。お前がまだ生きていて、お前の顔を見ることができたのだから。 創世記その日、46・1イスラエルは、一家を挙げて旅立った。そして、べエル・シェバに着くと、父イサクの神にいけにえをささげた。2その夜、幻の中で神がイスラエルに、「ヤコブ、ヤコブ」と呼びかけた。彼が、「はい」と答えると、3神は言われた。 「わたしは神、あなたの父の神である。エジプトへ下ることを恐れてはならない。わたしはあなたをそこで大いなる国民にする。4わたしがあなたと共にエジプトへ下り、わたしがあなたを必ず連れ戻す。ヨセフがあなたのまぶたを閉じてくれるであろう。」 5ヤコブはべエル・シェバを出発した。イスラエルの息子たちは、ファラオが遣わした馬車に父ヤコブと子供や妻たちを乗せた。6ヤコブとその子孫は皆、カナン地方で得た家畜や財産を携えてエジプトへ向かった。7こうしてヤコブは、息子や孫、娘や孫娘など、子孫を皆連れてエジプトへ行った。 28ヤコブは、ヨセフをゴシェンに連れて来るために、ユダを一足先にヨセフのところへ遣わした。そして一行はゴシェンの地に到着した。29ヨセフは車を用意させると、父イスラエルに会いにゴシェンへやって来た。ヨセフは父を見るやいなや、父の首に抱きつき、その首にすがったまま、しばらく泣き続けた。30イスラエルはヨセフに言った。 「わたしはもう死んでもよい。お前がまだ生きていて、お前の顔を見ることができたのだから。」 答唱詩編詩編37・4、17b+18b喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。 詩編3737・4神のうちにあって喜べ 17b神に従う人は神に支えられる。 福音朗読マタイ10・16-23アレルヤ、アレルヤ。真理の霊はわたしについて証しする。あなたがたもわたしを証しする。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは使徒たちに言われた。10・16「わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに羊を送り込むようなものだ。だから、蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい。17人々を警戒しなさい。あなたがたは地方法院に引き渡され、会堂で鞭打たれるからである。18また、わたしのために総督や王の前に引き出されて、彼らや異邦人に証しをすることになる。19引き渡されたときは、何をどう言おうかと心配してはならない。そのときには、言うべきことは教えられる。20実は、話すのはあなたがたではなく、あなたがたの中で語ってくださる、父の霊である。21兄弟は兄弟を、父は子を死に追いやり、子は親に反抗して殺すだろう。22また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。23一つの町で迫害されたときは、他の町へ逃げて行きなさい。はっきり言っておく。あなたがたがイスラエルの町を回り終わらないうちに、人の子は来る。」 |
|||
年間第14土曜日 | 7月12日(土) | 年間 | |
第一朗読創世記49・29-33、50・15-26aヨセフはこうして、百十歳で死んだ。 創世記その日、49・29ヤコブは息子たちに命じた。 「間もなくわたしは、先祖の列に加えられる。わたしをヘト人エフロンの畑にある洞穴に、先祖たちと共に葬ってほしい。30それはカナン地方のマムレの前のマクペラの畑にある洞穴で、アブラハムがヘト人エフロンから買い取り、墓地として所有するようになった。31そこに、アブラハムと妻サラが葬られている。そこに、イサクと妻リべカも葬られている。そこに、わたしもレアを葬った。32あの畑とあそこにある洞穴は、ヘトの人たちから買い取ったものだ。」 33ヤコブは、息子たちに命じ終えると、寝床の上に足をそろえ、息を引き取り、先祖の列に加えられた。 50・15ヨセフの兄弟たちは、父が死んでしまったので、ヨセフがことによると自分たちをまだ恨み、昔ヨセフにしたすべての悪に仕返しをするのではないかと思った。16そこで、人を介してヨセフに言った。 「お父さんは亡くなる前に、こう言っていました。17『お前たちはヨセフにこう言いなさい。確かに、兄たちはお前に悪いことをしたが、どうか兄たちの咎と罪を赦してやってほしい。』お願いです。どうか、あなたの父の神に仕える僕たちの咎を赦してください。」 これを聞いて、ヨセフは涙を流した。18やがて、兄たち自身もやって来て、ヨセフの前にひれ伏して、「このとおり、私どもはあなたの僕です」と言うと、19ヨセフは兄たちに言った。 「恐れることはありません。わたしが神に代わることができましょうか。20あなたがたはわたしに悪をたくらみましたが、神はそれを善に変え、多くの民の命を救うために、今日のようにしてくださったのです。21どうか恐れないでください。このわたしが、あなたたちとあなたたちの子供を養いましょう。」 ヨセフはこのように、兄たちを慰め、優しく語りかけた。 22ヨセフは父の家族と共にエジプトに住み、百十歳まで生き、23エフライムの三代の子孫を見ることができた。マナセの息子マキルの子供たちも生まれると、ヨセフの膝に抱かれた。 24ヨセフは兄弟たちに言った。 「わたしは間もなく死にます。しかし、神は必ずあなたたちを顧みてくださり、この国からアブラハム、イサク、ヤコブに誓われた土地に導き上ってくださいます。」 25それから、ヨセフはイスラエルの息子たちにこう言って誓わせた。 「神は、必ずあなたたちを顧みてくださいます。そのときには、わたしの骨をここから携えて上ってください。」 26ヨセフはこうして、百十歳で死んだ。 答唱詩編詩編105・1+2、6+7+8a+10b心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編105105・1神に感謝してその名をたたえよ。 6神のしもべ、選ばれた者よ、 福音朗読マタイ10・24-33アレルヤ、アレルヤ。あなたがたの父は天におられる方、ただひとり。あなたがたの師はキリストただひとり。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは使徒たちに言われた。10・24「弟子は師にまさるものではなく、僕は主人にまさるものではない。25弟子は師のように、僕は主人のようになれば、それで十分である。家の主人がベルゼブルと言われるのなら、その家族の者はもっとひどく言われることだろう。 26人々を恐れてはならない。覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはないからである。27わたしが暗闇であなたがたに言うことを、明るみで言いなさい。耳打ちされたことを、屋根の上で言い広めなさい。28体は殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。むしろ、魂も体も地獄で滅ぼすことのできる方を恐れなさい。29二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。30あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。31だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。 32だから、だれでも人々の前で自分をわたしの仲間であると言い表す者は、わたしも天の父の前で、その人をわたしの仲間であると言い表す。33しかし、人々の前でわたしを知らないと言う者は、わたしも天の父の前で、その人を知らないと言う。」 |
|||
年間第15主日 | 7月13日(日) | 年間 | |
第一朗読申命記30・10-14御言葉はあなたのごく近くにあり、あなたの口と心にあるのだから、それを行うことができる。 申命記モーセは民に言った。30・10あなたは、あなたの神、主の御声に従って、この律法の書に記されている戒めと掟を守り、心を尽くし、魂を尽くして、あなたの神、主に立ち帰りなさい。 11わたしが今日あなたに命じるこの戒めは難しすぎるものでもなく、遠く及ばぬものでもない。12それは天にあるものではないから、「だれかが天に昇り、わたしたちのためにそれを取って来て聞かせてくれれば、それを行うことができるのだが」と言うには及ばない。13海のかなたにあるものでもないから、「だれかが海のかなたに渡り、わたしたちのためにそれを取って来て聞かせてくれれば、それを行うことができるのだが」と言うには及ばない。14御言葉はあなたのごく近くにあり、あなたの口と心にあるのだから、それを行うことができる。 答唱詩編詩編69・14、31+33、36abc+37a主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編6969・14神よ、わたしはあなたに祈る。 31神の名をたたえてわたしはうたい、 36abc神は必ずシオンを救い、 第二朗読コロサイ1・15-20御子は、見えない神の姿であり、すべてのものが造られる前に生まれた方です。 使徒パウロのコロサイ教会への手紙1・15御子は、見えない神の姿であり、すべてのものが造られる前に生まれた方です。16天にあるものも地にあるものも、見えるものも見えないものも、王座も主権も、支配も権威も、万物は御子において造られたからです。つまり、万物は御子によって、御子のために造られました。17御子はすべてのものよりも先におられ、すべてのものは御子によって支えられています。18また、御子はその体である教会の頭です。御子は初めの者、死者の中から最初に生まれた方です。こうして、すべてのことにおいて第一の者となられたのです。19神は、御心のままに、満ちあふれるものを余すところなく御子の内に宿らせ、20その十字架の血によって平和を打ち立て、地にあるものであれ、天にあるものであれ、万物をただ御子によって、御自分と和解させられました。 福音朗読ルカ10・25-37アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは霊であり、いのちです。あなたは永遠の命のことばをもっておられる。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、10・25ある律法の専門家が立ち上がり、イエスを試そうとして言った。「先生、何をしたら、永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか。」26イエスが、「律法には何と書いてあるか。あなたはそれをどう読んでいるか」と言われると、27彼は答えた。「『心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい』とあります。」28イエスは言われた。「正しい答えだ。それを実行しなさい。そうすれば命が得られる。」29しかし、彼は自分を正当化しようとして、「では、わたしの隣人とはだれですか」と言った。30イエスはお答えになった。「ある人がエルサレムからエリコへ下って行く途中、追いはぎに襲われた。追いはぎはその人の服をはぎ取り、殴りつけ、半殺しにしたまま立ち去った。31ある祭司がたまたまその道を下って来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。32同じように、レビ人もその場所にやって来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。33ところが、旅をしていたあるサマリア人は、そばに来ると、その人を見て憐れに思い、34近寄って傷に油とぶどう酒を注ぎ、包帯をして、自分のろばに乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。35そして、翌日になると、デナリオン銀貨二枚を取り出し、宿屋の主人に渡して言った。『この人を介抱してください。費用がもっとかかったら、帰りがけに払います。』36さて、あなたはこの三人の中で、だれが追いはぎに襲われた人の隣人になったと思うか。」37律法の専門家は言った。「その人を助けた人です。」そこで、イエスは言われた。「行って、あなたも同じようにしなさい。」 |
|||
年間第15月曜日 | 7月14日(月) | 年間 | |
第一朗読出エジプト記1・8-14、22生まれた男の子は、一人残らずナイル川にほうり込め 出エジプト記8そのころ、ヨセフのことを知らない新しい王が出てエジプトを支配し、9国民に警告した。 「イスラエル人という民は、今や、我々にとってあまりに数多く、強力になりすぎた。10抜かりなく取り扱い、これ以上の増加を食い止めよう。一度戦争が起これば、敵側に付いて我々と戦い、この国を取るかもしれない。」 11エジプト人はそこで、イスラエルの人々の上に強制労働の監督を置き、重労働を課して虐待した。イスラエルの人々はファラオの物資貯蔵の町、ピトムとラメセスを建設した。12しかし、虐待されればされるほど彼らは増え広がったので、エジプト人はますますイスラエルの人々を嫌悪し、13イスラエルの人々を酷使し、14粘土こね、れんが焼き、あらゆる農作業などの重労働によって彼らの生活を脅かした。彼らが従事した労働はいずれも過酷を極めた。 22ファラオは全国民に命じた。「生まれた男の子は、一人残らずナイル川にほうり込め。女の子は皆、生かしておけ。」 答唱詩編詩編121・1+2、3+4神よ、あなたの顔の光をわたしたちの上に照らしてください。 詩編121121・1目をあげてわたしは山々を仰ぐ。 3神はおまえの足を堅く立て、 福音朗読マタイ10・34-11・1アレルヤ、アレルヤ。喜びおどれ、天においてあなたがたの報いは大きい。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは使徒たちに言われた。10・34「わたしが来たのは地上に平和をもたらすためだ、と思ってはならない。平和ではなく、剣をもたらすために来たのだ。35わたしは敵対させるために来たからである。 40あなたがたを受け入れる人は、わたしを受け入れ、わたしを受け入れる人は、わたしを遣わされた方を受け入れるのである。41預言者を預言者として受け入れる人は、預言者と同じ報いを受け、正しい者を正しい者として受け入れる人は、正しい者と同じ報いを受ける。42はっきり言っておく。わたしの弟子だという理由で、この小さな者の一人に、冷たい水一杯でも飲ませてくれる人は、必ずその報いを受ける。」 11・1イエスは十二人の弟子に指図を与え終わると、そこを去り、方々の町で教え、宣教された。 |
|||
聖ボナベントゥラ 司教教会博士 | 7月15日(火) | 記念日 | |
第一朗読出エジプト記2・1-15a王女は彼をモーセと名付けて言った。 出エジプト記そのころ、2・1レビの家の出のある男が同じレビ人の娘をめとった。2彼女は身ごもり、男の子を産んだが、その子がかわいかったのを見て、三か月の間隠しておいた。3しかし、もはや隠しきれなくなったので、パピルスの籠を用意し、アスファルトとピッチで防水し、その中に男の子を入れ、ナイル河畔の葦の茂みの間に置いた。 4その子の姉が遠くに立って、どうなることかと様子を見ていると、5そこへ、ファラオの王女が水浴びをしようと川に下りて来た。その間侍女たちは川岸を行き来していた。王女は、葦の茂みの間に籠を見つけたので、仕え女をやって取って来させた。6開けてみると赤ん坊がおり、しかも男の子で、泣いていた。王女はふびんに思い、「これは、きっと、ヘブライ人の子です」と言った。7そのとき、その子の姉がファラオの王女に申し出た。「この子に乳を飲ませるヘブライ人の乳母を呼んで参りましょうか。」 8「そうしておくれ」と、王女が頼んだので、娘は早速その子の母を連れて来た。9王女が、「この子を連れて行って、わたしに代わって乳を飲ませておやり。手当てはわたしが出しますから」と言ったので、母親はその子を引き取って乳を飲ませ、10その子が大きくなると、王女のもとへ連れて行った。その子はこうして、王女の子となった。王女は彼をモーセと名付けて言った。「水の中からわたしが引き上げた(マーシャー)のですから。」 11モーセが成人したころのこと、彼は同胞のところへ出て行き、彼らが重労働に服しているのを見た。そして一人のエジプト人が、同胞であるヘブライ人の一人を打っているのを見た。12モーセは辺りを見回し、だれもいないのを確かめると、そのエジプト人を打ち殺して死体を砂に埋めた。13翌日、また出て行くと、今度はヘブライ人どうしが二人でけんかをしていた。モーセが、「どうして自分の仲間を殴るのか」と悪い方をたしなめると、14「誰がお前を我々の監督や裁判官にしたのか。お前はあのエジプト人を殺したように、このわたしを殺すつもりか」と言い返したので、モーセは恐れ、さてはあの事が知れたのかと思った。15ファラオはこの事を聞き、モーセを殺そうと尋ね求めたが、モーセはファラオの手を逃れてミディアン地方にたどりついた。 答唱詩編詩編69・14、19+30主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編6969・14神よ、わたしはあなたに祈る。 19わたしに近づき、わたしを助け、 福音朗読マタイ11・20-24アレルヤ、アレルヤ。神に心を閉じてはならない。今日こそ神のことばを聞こう。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、11・20イエスは、数多くの奇跡の行われた町々が悔い改めなかったので、叱り始められた。21「コラジン、お前は不幸だ。ベトサイダ、お前は不幸だ。お前たちのところで行われた奇跡が、ティルスやシドンで行われていれば、これらの町はとうの昔に粗布をまとい、灰をかぶって悔い改めたにちがいない。22しかし、言っておく。裁きの日にはティルスやシドンの方が、お前たちよりまだ軽い罰で済む。23また、カファルナウム、お前は、 |
|||
年間第15水曜日 | 7月16日(水) | 年間 | |
第一朗読出エジプト記3・1-6、9-12わたしは必ずあなたと共にいる 出エジプト記そのころ、3・1モーセは、しゅうとでありミディアンの祭司であるエトロの羊の群れを飼っていたが、あるとき、その群れを荒れ野の奥へ追って行き、神の山ホレブに来た。2そのとき、柴の間に燃え上がっている炎の中に主の御使いが現れた。彼が見ると、見よ、柴は火に燃えているのに、柴は燃え尽きない。3モーセは言った。「道をそれて、この不思議な光景を見届けよう。どうしてあの柴は燃え尽きないのだろう。」 4主は、モーセが道をそれて見に来るのを御覧になった。神は柴の間から声をかけられ、「モーセよ、モーセよ」と言われた。彼が、「はい」と答えると、5神が言われた。「ここに近づいてはならない。足から履物を脱ぎなさい。あなたの立っている場所は聖なる土地だから。」6神は続けて言われた。「わたしはあなたの父の神である。アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である。」モーセは、神を見ることを恐れて顔を覆った。 主は言われた。9「見よ、イスラエルの人々の叫び声が、今、わたしのもとに届いた。また、エジプト人が彼らを圧迫する有様を見た。10今、行きなさい。わたしはあなたをファラオのもとに遣わす。わが民イスラエルの人々をエジプトから連れ出すのだ。」 11モーセは神に言った。「わたしは何者でしょう。どうして、ファラオのもとに行き、しかもイスラエルの人々をエジプトから導き出さねばならないのですか。」 12神は言われた。「わたしは必ずあなたと共にいる。このことこそ、わたしがあなたを遣わすしるしである。あなたが民をエジプトから導き出したとき、あなたたちはこの山で神に仕える。」 答唱詩編詩編103・3+4、6+7心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編103103・3神はわたしの罪をゆるし、 6神は正義のわざを行い、 福音朗読マタイ11・25-27アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音11・25そのとき、イエスはこう言われた。「天地の主である父よ、あなたをほめたたえます。これらのことを知恵ある者や賢い者には隠して、幼子のような者にお示しになりました。26そうです、父よ、これは御心に適うことでした。27すべてのことは、父からわたしに任せられています。父のほかに子を知る者はなく、子と、子が示そうと思う者のほかには、父を知る者はいません。」 |
|||
年間第15木曜日 | 7月17日(木) | 年間 | |
第一朗読出エジプト記13-20「わたしはある。わたしはあるという者だ」 出エジプト記その日、柴の間から語りかける神の声を聞いた3・13モーセは神に尋ねた。 「わたしは、今、イスラエルの人々のところへ参ります。彼らに、『あなたたちの先祖の神が、わたしをここに遣わされたのです』と言えば、彼らは、『その名は一体何か』と問うにちがいありません。彼らに何と答えるべきでしょうか。」 14神はモーセに、「わたしはある。わたしはあるという者だ」と言われ、また、「イスラエルの人々にこう言うがよい。『わたしはある』という方がわたしをあなたたちに遣わされたのだと。」15神は、更に続けてモーセに命じられた。 「イスラエルの人々にこう言うがよい。あなたたちの先祖の神、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である主がわたしをあなたたちのもとに遣わされた。 これこそ、とこしえにわたしの名、 16さあ、行って、イスラエルの長老たちを集め、言うがよい。『あなたたちの先祖の神、アブラハム、イサク、ヤコブの神である主がわたしに現れて、こう言われた。わたしはあなたたちを顧み、あなたたちがエジプトで受けてきた仕打ちをつぶさに見た。17あなたたちを苦しみのエジプトから、カナン人、ヘト人、アモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の住む乳と蜜の流れる土地へ導き上ろうと決心した』と。18彼らはあなたの言葉に従うであろう。あなたはイスラエルの長老たちを伴い、エジプト王のもとに行って彼に言いなさい。『ヘブライ人の神、主がわたしたちに出現されました。どうか、今、三日の道のりを荒れ野に行かせて、わたしたちの神、主に犠牲をささげさせてください。』19しかしわたしは、強い手を用いなければ、エジプト王が行かせないことを知っている。20わたしは自ら手を下しあらゆる驚くべき業をエジプトの中で行い、これを打つ。その後初めて、王はあなたたちを去らせるであろう。 答唱詩編詩編105・1+2、3b+4+5心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編105105・1神に感謝してその名をたたえよ。 3b神をさがし求める者よ、心から喜べ。 福音朗読マタイ11・28-30アレルヤ、アレルヤ。労苦して重荷を負っている者はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを回復させよう。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは言われた。11・28疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。29わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる。30わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである。」 |
|||
年間第15金曜日 | 7月18日(金) | 年間 | |
第一朗読出エジプト記11・10-12・14これが主の過越である。 出エジプト記その日、11・10モーセとアロンはファラオの前でこれらの奇跡をすべて行ったが、主がファラオの心をかたくなにされたため、ファラオはイスラエルの人々を国から去らせなかった。 12・1エジプトの国で、主はモーセとアロンに言われた。2「この月をあなたたちの正月とし、年の初めの月としなさい。3イスラエルの共同体全体に次のように告げなさい。『今月の十日、人はそれぞれ父の家ごとに、すなわち家族ごとに小羊を一匹用意しなければならない。4もし、家族が少人数で小羊一匹を食べきれない場合には、隣の家族と共に、人数に見合うものを用意し、めいめいの食べる量に見合う小羊を選ばねばならない。5その小羊は、傷のない一歳の雄でなければならない。用意するのは羊でも山羊でもよい。6それは、この月の十四日まで取り分けておき、イスラエルの共同体の会衆が皆で夕暮れにそれを屠り、7その血を取って、小羊を食べる家の入り口の二本の柱と鴨居に塗る。8そしてその夜、肉を火で焼いて食べる。また、酵母を入れないパンを苦菜を添えて食べる。9肉は生で食べたり、煮て食べてはならない。必ず、頭も四肢も内臓も切り離さずに火で焼かねばならない。10それを翌朝まで残しておいてはならない。翌朝まで残った場合には、焼却する。11それを食べるときは、腰帯を締め、靴を履き、杖を手にし、急いで食べる。これが主の過越である。12その夜、わたしはエジプトの国を巡り、人であれ、家畜であれ、エジプトの国のすべての初子を撃つ。また、エジプトのすべての神々に裁きを行う。わたしは主である。13あなたたちのいる家に塗った血は、あなたたちのしるしとなる。血を見たならば、わたしはあなたたちを過ぎ越す。わたしがエジプトの国を撃つとき、滅ぼす者の災いはあなたたちに及ばない。14この日は、あなたたちにとって記念すべき日となる。あなたたちは、この日を主の祭りとして祝い、代々にわたって守るべき不変の定めとして祝わねばならない。』」 答唱詩編詩編116・12+13、17+18このパンを食べ、この杯を飲み、わたしは主の死を告げ知らせる。 詩編116116・12神が与えてくださったすべての恵みに 17わたしは感謝のいけにえをささげ、 福音朗読マタイ12・1-8アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音12・1そのころ、ある安息日にイエスは麦畑を通られた。弟子たちは空腹になったので、麦の穂を摘んで食べ始めた。2ファリサイ派の人々がこれを見て、イエスに、「御覧なさい。あなたの弟子たちは、安息日にしてはならないことをしている」と言った。3そこで、イエスは言われた。「ダビデが自分も供の者たちも空腹だったときに何をしたか、読んだことがないのか。4神の家に入り、ただ祭司のほかには、自分も供の者たちも食べてはならない供えのパンを食べたではないか。5安息日に神殿にいる祭司は、安息日の掟を破っても罪にならない、と律法にあるのを読んだことがないのか。6言っておくが、神殿よりも偉大なものがここにある。7もし、『わたしが求めるのは憐れみであって、いけにえではない』という言葉の意味を知っていれば、あなたたちは罪もない人たちをとがめなかったであろう。8人の子は安息日の主なのである。」 |
|||
年間第15土曜日 | 7月19日(土) | 年間 | |
第一朗読出エジプト記37-42彼らがエジプトから追放された 出エジプト記その日、12・37イスラエルの人々はラメセスからスコトに向けて出発した。一行は、妻子を別にして、壮年男子だけでおよそ六十万人であった。38そのほか、種々雑多な人々もこれに加わった。羊、牛など、家畜もおびただしい数であった。39彼らはエジプトから持ち出した練り粉で、酵母を入れないパン菓子を焼いた。練り粉には酵母が入っていなかった。彼らがエジプトから追放されたとき、ぐずぐずしていることはできなかったし、道中の食糧を用意するいとまもなかったからである。 40イスラエルの人々が、エジプトに住んでいた期間は四百三十年であった。41四百三十年を経たちょうどその日に、主の部隊は全軍、エジプトの国を出発した。42その夜、主は、彼らをエジプトの国から導き出すために寝ずの番をされた。それゆえ、イスラエルの人々は代々にわたって、この夜、主のために寝ずの番をするのである。 答唱詩編詩編136・3+4+5+6、16+23+25+26主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編136136・3すべてを治められる主に感謝せよ。 16民を率いて荒れ野を導かれ、 福音朗読マタイ12・14-21アレルヤ、アレルヤ。神はキリストのうちに世をご自分に和解させ、和解のことばをわたしたちにゆだねられた。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、12・14ファリサイ派の人々は出て行き、どのようにしてイエスを殺そうかと相談した。 15イエスはそれを知って、そこを立ち去られた。大勢の群衆が従った。イエスは皆の病気をいやして、16御自分のことを言いふらさないようにと戒められた。17それは、預言者イザヤを通して言われていたことが実現するためであった。 18「見よ、わたしの選んだ僕。 |
|||
年間第16主日 | 7月20日(日) | 年間 | |
第一朗読創世記18・1-10aお客様、僕のもとを通り過ぎないでください 創世記その日、18・1主はマムレの樫の木の所でアブラハムに現れた。暑い真昼に、アブラハムは天幕の入り口に座っていた。2目を上げて見ると、三人の人が彼に向かって立っていた。アブラハムはすぐに天幕の入り口から走り出て迎え、地にひれ伏して、3言った。 「お客様、よろしければ、どうか、僕のもとを通り過ぎないでください。4水を少々持って来させますから、足を洗って、木陰でどうぞひと休みなさってください。5何か召し上がるものを調えますので、疲れをいやしてから、お出かけください。せっかく、僕の所の近くをお通りになったのですから。」 その人たちは言った。 6アブラハムは急いで天幕に戻り、サラのところに来て言った。 「早く、上等の小麦粉を三セアほどこねて、パン菓子をこしらえなさい。」 7アブラハムは牛の群れのところへ走って行き、柔らかくておいしそうな子牛を選び、召し使いに渡し、急いで料理させた。8アブラハムは、凝乳、乳、出来立ての子牛の料理などを運び、彼らの前に並べた。そして、彼らが木陰で食事をしている間、そばに立って給仕をした。 9彼らはアブラハムに尋ねた。 「あなたの妻のサラはどこにいますか。」 「わたしは来年の今ごろ、必ずここにまた来ますが、そのころには、あなたの妻のサラに男の子が生まれているでしょう。」 答唱詩編詩編15・1+2、3+4a+6しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩むもの。 詩編1515・1神よ、あなたの幕屋に泊まる人、 3ことばで人をきずつけず、 第二朗読コロサイ1・24-28世の初めから隠されていた秘められた計画が、今や、聖なる者たちに明らかにされた 使徒パウロのコロサイの教会への手紙皆さん、1・24今やわたしは、あなたがたのために苦しむことを喜びとし、キリストの体である教会のために、キリストの苦しみの欠けたところを身をもって満たしています。25神は御言葉をあなたがたに余すところなく伝えるという務めをわたしにお与えになり、この務めのために、わたしは教会に仕える者となりました。26世の初めから代々にわたって隠されていた、秘められた計画が、今や、神の聖なる者たちに明らかにされたのです。27この秘められた計画が異邦人にとってどれほど栄光に満ちたものであるかを、神は彼らに知らせようとされました。その計画とは、あなたがたの内におられるキリスト、栄光の希望です。28このキリストを、わたしたちは宣べ伝えており、すべての人がキリストに結ばれて完全な者となるように、知恵を尽くしてすべての人を諭し、教えています。 福音朗読ルカ10・38-42アレルヤ、アレルヤ。よい心で神のことばを保ち、忍耐を持って実を結ぶ人は幸い。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、10・38イエスはある村にお入りになった。すると、マルタという女が、イエスを家に迎え入れた。39彼女にはマリアという姉妹がいた。マリアは主の足もとに座って、その話に聞き入っていた。40マルタは、いろいろのもてなしのためせわしく立ち働いていたが、そばに近寄って言った。「主よ、わたしの姉妹はわたしだけにもてなしをさせていますが、何ともお思いになりませんか。手伝ってくれるようにおっしゃってください。」41主はお答えになった。「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。42しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」 |
|||
年間第16月曜日 | 7月21日(月) | 年間 | |
第一朗読出エジプト記14・5-18なぜ、わたしに向かって叫ぶのか。イスラエルの人々に命じて出発させなさい。 出エジプト記その日、14・5民が逃亡したとの報告を受けると、エジプト王ファラオとその家臣は、民に対する考えを一変して言った。「ああ、我々は何ということをしたのだろう。イスラエル人を労役から解放して去らせてしまったとは。」6ファラオは戦車に馬をつなぎ、自ら軍勢を率い、7えり抜きの戦車六百をはじめ、エジプトの戦車すべてを動員し、それぞれに士官を乗り込ませた。8主がエジプト王ファラオの心をかたくなにされたので、王はイスラエルの人々の後を追った。イスラエルの人々は、意気揚々と出て行ったが、9エジプト軍は彼らの後を追い、ファラオの馬と戦車、騎兵と歩兵は、ピ・ハヒロトの傍らで、バアル・ツェフォンの前の海辺に宿営している彼らに追いついた。10ファラオは既に間近に迫り、イスラエルの人々が目を上げて見ると、エジプト軍は既に背後に襲いかかろうとしていた。イスラエルの人々は非常に恐れて主に向かって叫び、11また、モーセに言った。「我々を連れ出したのは、エジプトに墓がないからですか。荒れ野で死なせるためですか。一体、何をするためにエジプトから導き出したのですか。12我々はエジプトで、『ほうっておいてください。自分たちはエジプト人に仕えます。荒れ野で死ぬよりエジプト人に仕える方がましです』と言ったではありませんか。」13モーセは民に答えた。「恐れてはならない。落ち着いて、今日、あなたたちのために行われる主の救いを見なさい。あなたたちは今日、エジプト人を見ているが、もう二度と、永久に彼らを見ることはない。14主があなたたちのために戦われる。あなたたちは静かにしていなさい。」 15主はモーセに言われた。「なぜ、わたしに向かって叫ぶのか。イスラエルの人々に命じて出発させなさい。16杖を高く上げ、手を海に向かって差し伸べて、海を二つに分けなさい。そうすれば、イスラエルの民は海の中の乾いた所を通ることができる。17しかし、わたしはエジプト人の心をかたくなにするから、彼らはお前たちの後を追って来る。そのとき、わたしはファラオとその全軍、戦車と騎兵を破って栄光を現す。18わたしがファラオとその戦車、騎兵を破って栄光を現すとき、エジプト人は、わたしが主であることを知るようになる。」 答唱詩編出エジプト記15・1b+2b、3+4+5神よ、あなたはわたしの力、わたしの守り、救い。 出エジプト記1515・1b神をたたえよう。神は栄光を現し、 3神は勇者、その名は主。 福音朗読マタイ12・38-42アレルヤ、アレルヤ。神に心を閉じてはならない。今日こそ神のことばを聞こう。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、12・38何人かの律法学者とファリサイ派の人々がイエスに、「先生、しるしを見せてください」と言った。39イエスはお答えになった。「よこしまで神に背いた時代の者たちはしるしを欲しがるが、預言者ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられない。40つまり、ヨナが三日三晩、大魚の腹の中にいたように、人の子も三日三晩、大地の中にいることになる。41ニネベの人たちは裁きの時、今の時代の者たちと一緒に立ち上がり、彼らを罪に定めるであろう。ニネベの人々は、ヨナの説教を聞いて悔い改めたからである。ここに、ヨナにまさるものがある。42また、南の国の女王は裁きの時、今の時代の者たちと一緒に立ち上がり、彼らを罪に定めるであろう。この女王はソロモンの知恵を聞くために、地の果てから来たからである。ここに、ソロモンにまさるものがある。」 |
|||
聖マリア(マグダラ) | 7月22日(火) | 聖人の記念 | |
第一朗読雅歌3・1-4a恋い慕う人を求めよう。 雅歌おとめは歌う。 求めても、あの人は見つかりません。 4a彼らに別れるとすぐに恋い慕う人が見つかりました。 または②コリント5・14−17キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、5・14キリストの愛がわたしたちを駆り立てています。わたしたちはこう考えます。すなわち、一人の方がすべての人のために死んでくださった以上、すべての人も死んだことになります。15その一人の方はすべての人のために死んでくださった。その目的は、生きている人たちが、もはや自分自身のために生きるのではなく、自分たちのために死んで復活してくださった方のために生きることなのです。 16それで、わたしたちは、今後だれをも肉に従って知ろうとはしません。肉に従ってキリストを知っていたとしても、今はもうそのように知ろうとはしません。17だから、キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じたのです。 答唱詩編詩編63・2、7+8わが心、喜びに満ちあふれ、主を待ち望む。 詩編6363・2神よ、わたしの神よ、わたしはあなたを慕う。 7床の中であなたを思い起こし、 福音朗読ヨハネ20・1-2、11-18アレルヤ、アレルヤ。主・キリストは復活された。勝利の王、キリストよ、あふれるいつくしみをわたしたちに。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音20・1週の初めの日、朝早く、まだ暗いうちに、マグダラのマリアは墓に行った。そして、墓から石が取りのけてあるのを見た。2そこで、シモン・ペトロのところへ、また、イエスが愛しておられたもう一人の弟子のところへ走って行って彼らに告げた。「主が墓から取り去られました。どこに置かれているのか、わたしたちには分かりません。」 11マリアは墓の外に立って泣いていた。泣きながら身をかがめて墓の中を見ると、12イエスの遺体の置いてあった所に、白い衣を着た二人の天使が見えた。一人は頭の方に、もう一人は足の方に座っていた。13天使たちが、「婦人よ、なぜ泣いているのか」と言うと、マリアは言った。「わたしの主が取り去られました。どこに置かれているのか、わたしには分かりません。」14こう言いながら後ろを振り向くと、イエスの立っておられるのが見えた。しかし、それがイエスだとは分からなかった。15イエスは言われた。「婦人よ、なぜ泣いているのか。だれを捜しているのか。」マリアは、園丁だと思って言った。「あなたがあの方を運び去ったのでしたら、どこに置いたのか教えてください。わたしが、あの方を引き取ります。」16イエスが、「マリア」と言われると、彼女は振り向いて、ヘブライ語で、「ラボニ」と言った。「先生」という意味である。17イエスは言われた。「わたしにすがりつくのはよしなさい。まだ父のもとへ上っていないのだから。わたしの兄弟たちのところへ行って、こう言いなさい。『わたしの父であり、あなたがたの父である方、また、わたしの神であり、あなたがたの神である方のところへわたしは上る』と。」18マグダラのマリアは弟子たちのところへ行って、「わたしは主を見ました」と告げ、また、主から言われたことを伝えた。 |
|||
年間第16水曜日 | 7月23日(水) | 年間 | |
第一朗読出エジプト記16・1-5、9-15これこそ、主があなたたちに食物として与えられたパンである。 出エジプト記16・1イスラエルの人々の共同体全体はエリムを出発し、エリムとシナイとの間にあるシンの荒れ野に向かった。それはエジプトの国を出た年の第二の月の十五日であった。2荒れ野に入ると、イスラエルの人々の共同体全体はモーセとアロンに向かって不平を述べ立てた。3イスラエルの人々は彼らに言った。 「我々はエジプトの国で、主の手にかかって、死んだ方がましだった。あのときは肉のたくさん入った鍋の前に座り、パンを腹いっぱい食べられたのに。あなたたちは我々をこの荒れ野に連れ出し、この全会衆を飢え死にさせようとしている。」 4主はモーセに言われた。 「見よ、わたしはあなたたちのために、天からパンを降らせる。民は出て行って、毎日必要な分だけ集める。わたしは、彼らがわたしの指示どおりにするかどうかを試す。5ただし、六日目に家に持ち帰ったものを整えれば、毎日集める分の二倍になっている。」 9モーセがアロンに、「あなたはイスラエルの人々の共同体全体に向かって、主があなたたちの不平を聞かれたから、主の前に集まれと命じなさい」と言うと、10アロンはイスラエルの人々の共同体全体にそのことを命じた。彼らが荒れ野の方を見ると、見よ、主の栄光が雲の中に現れた。11主はモーセに仰せになった。 12「わたしは、イスラエルの人々の不平を聞いた。彼らに伝えるがよい。『あなたたちは夕暮れには肉を食べ、朝にはパンを食べて満腹する。あなたたちはこうして、わたしがあなたたちの神、主であることを知るようになる』と。」 13夕方になると、うずらが飛んで来て、宿営を覆い、朝には宿営の周りに露が降りた。14この降りた露が蒸発すると、見よ、荒れ野の地表を覆って薄くて壊れやすいものが大地の霜のように薄く残っていた。15イスラエルの人々はそれを見て、これは一体何だろうと、口々に言った。彼らはそれが何であるか知らなかったからである。モーセは彼らに言った。 「これこそ、主があなたたちに食物として与えられたパンである。」 答唱詩編詩編78・23+24、26+27神のわざを思い起こそう、力ある不思議なわざ。 詩編7878・23神は天の大空に命じて、 26神は東風を天に起こし、 福音朗読マタイ13・1-9アレルヤ、アレルヤ。種は神のことば、蒔く人はキリスト。キリストを見いだす人は永遠に生きる。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音13・1その日、イエスは家を出て、湖のほとりに座っておられた。2すると、大勢の群衆がそばに集まって来たので、イエスは舟に乗って腰を下ろされた。群衆は皆岸辺に立っていた。3イエスはたとえを用いて彼らに多くのことを語られた。「種を蒔く人が種蒔きに出て行った。4蒔いている間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べてしまった。5ほかの種は、石だらけで土の少ない所に落ち、そこは土が浅いのですぐ芽を出した。6しかし、日が昇ると焼けて、根がないために枯れてしまった。7ほかの種は茨の間に落ち、茨が伸びてそれをふさいでしまった。8ところが、ほかの種は、良い土地に落ち、実を結んで、あるものは百倍、あるものは六十倍、あるものは三十倍にもなった。9耳のある者は聞きなさい。」 |
|||
年間第16木曜日 | 7月24日(木) | 年間 | |
第一朗読出エジプト記19・1-2、9-11、16-20民のところに行き、今日と明日、彼らを聖別し、衣服を洗わせ、三日目のために準備させなさい。 出エジプト記19・1イスラエルの人々は、エジプトの国を出て三月目のその日に、シナイの荒れ野に到着した。2彼らはレフィディムを出発して、シナイの荒れ野に着き、荒れ野に天幕を張った。イスラエルは、そこで、山に向かって宿営した。 9主はモーセに言われた。「見よ、わたしは濃い雲の中にあってあなたに臨む。わたしがあなたと語るのを民が聞いて、いつまでもあなたを信じるようになるためである。」モーセは民の言葉を主に告げた。10主はモーセに言われた。「民のところに行き、今日と明日、彼らを聖別し、衣服を洗わせ、11三日目のために準備させなさい。三日目に、民全員の見ている前で、主はシナイ山に降られるからである。 16三日目の朝になると、雷鳴と稲妻と厚い雲が山に臨み、角笛の音が鋭く鳴り響いたので、宿営にいた民は皆、震えた。17しかし、モーセが民を神に会わせるために宿営から連れ出したので、彼らは山のふもとに立った。18シナイ山は全山煙に包まれた。主が火の中を山の上に降られたからである。煙は炉の煙のように立ち上り、山全体が激しく震えた。19角笛の音がますます鋭く鳴り響いたとき、モーセが語りかけると、神は雷鳴をもって答えられた。 20主はシナイ山の頂に降り、モーセを山の頂に呼び寄せられた。 答唱詩編ダニエル補遺・アザルヤ29、30+32神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。 ダニエル補遺・アザルヤ29わたしたちの先祖の神である主よ、あなたに賛美。 30あなたの栄光、聖なる神殿の中であなたに賛美。 福音朗読マタイ13・10-17アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、13・10弟子たちはイエスに近寄って、「なぜ、あの人たちにはたとえを用いてお話しになるのですか」と言った。11イエスはお答えになった。「あなたがたには天の国の秘密を悟ることが許されているが、あの人たちには許されていないからである。12持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。13だから、彼らにはたとえを用いて話すのだ。見ても見ず、聞いても聞かず、理解できないからである。14イザヤの預言は、彼らによって実現した。 『あなたたちは聞くには聞くが、決して理解せず、 16しかし、あなたがたの目は見ているから幸いだ。あなたがたの耳は聞いているから幸いだ。17はっきり言っておく。多くの預言者や正しい人たちは、あなたがたが見ているものを見たかったが、見ることができず、あなたがたが聞いているものを聞きたかったが、聞けなかったのである。」 |
|||
聖ヤコブ使徒 | 7月25日(金) | 聖人の記念 | |
第一朗読②コリント4・7-15わたしは信じた。それで、わたしは語った 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、4・7わたしたちは、このような宝を土の器に納めています。この並外れて偉大な力が神のものであって、わたしたちから出たものでないことが明らかになるために。8わたしたちは、四方から苦しめられても行き詰まらず、途方に暮れても失望せず、9虐げられても見捨てられず、打ち倒されても滅ぼされない。10わたしたちは、いつもイエスの死を体にまとっています、イエスの命がこの体に現れるために。11わたしたちは生きている間、絶えずイエスのために死にさらされています、死ぬはずのこの身にイエスの命が現れるために。12こうして、わたしたちの内には死が働き、あなたがたの内には命が働いていることになります。13「わたしは信じた。それで、わたしは語った」と書いてあるとおり、それと同じ信仰の霊を持っているので、わたしたちも信じ、それだからこそ語ってもいます。14主イエスを復活させた神が、イエスと共にわたしたちをも復活させ、あなたがたと一緒に御前に立たせてくださると、わたしたちは知っています。15すべてこれらのことは、あなたがたのためであり、多くの人々が豊かに恵みを受け、感謝の念に満ちて神に栄光を帰すようになるためです。 答唱詩編詩編126・1+2、6+3主とともに働くわれらは、主とともにその実りを味わう。 詩編126126・1神が捕われびとをシオンにもどされたとき、 6種を手に涙を流して出て行く人は、 福音朗読マタイ20・20-28アレルヤ、アレルヤ。あなたがたを世から選んだのは、あなたがたが行って実を結び、その実が残るためである。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音20・20そのとき、ゼベダイの息子たちの母が、その二人の息子と一緒にイエスのところに来て、ひれ伏し、何かを願おうとした。21イエスが、「何が望みか」と言われると、彼女は言った。「王座にお着きになるとき、この二人の息子が、一人はあなたの右に、もう一人は左に座れるとおっしゃってください。」22イエスはお答えになった。「あなたがたは、自分が何を願っているか、分かっていない。このわたしが飲もうとしている杯を飲むことができるか。」二人が、「できます」と言うと、23イエスは言われた。「確かに、あなたがたはわたしの杯を飲むことになる。しかし、わたしの右と左にだれが座るかは、わたしの決めることではない。それは、わたしの父によって定められた人々に許されるのだ。」24ほかの十人の者はこれを聞いて、この二人の兄弟のことで腹を立てた。25そこで、イエスは一同を呼び寄せて言われた。「あなたがたも知っているように、異邦人の間では支配者たちが民を支配し、偉い人たちが権力を振るっている。26しかし、あなたがたの間では、そうであってはならない。あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、27いちばん上になりたい者は、皆の僕になりなさい。28人の子が、仕えられるためではなく仕えるために、また、多くの人の身代金として自分の命を献げるために来たのと同じように。」 |
|||
聖マリアの両親聖ヨアキムと聖アンナ | 7月26日(土) | 記念日 | |
第一朗読出エジプト記24・3-8わたしたちは、主が語られた言葉をすべて行います 出エジプト記その日、24・3モーセは戻って、主のすべての言葉とすべての法を民に読み聞かせると、民は皆、声を一つにして答え、「わたしたちは、主が語られた言葉をすべて行います」と言った。4モーセは主の言葉をすべて書き記し、朝早く起きて、山のふもとに祭壇を築き、十二の石の柱をイスラエルの十二部族のために建てた。5彼はイスラエルの人々の若者を遣わし、焼き尽くす献げ物をささげさせ、更に和解の献げ物として主に雄牛をささげさせた。6モーセは血の半分を取って鉢に入れて、残りの半分を祭壇に振りかけると、7契約の書を取り、民に読んで聞かせた。彼らが、「わたしたちは主が語られたことをすべて行い、守ります」と言うと、8モーセは血を取り、民に振りかけて言った。「見よ、これは主がこれらの言葉に基づいてあなたたちと結ばれた契約の血である。」 答唱詩編詩編50・5+6、15+23わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。 詩編5050・5「わたしの民を集めよ、 15苦悩の日にわたしを呼び求めよ。 福音朗読マタイ13・24-30アレルヤ、アレルヤ。よい心で神のことばを保ち、忍耐を持って実を結ぶ人は幸い。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、13・24イエスは、別のたとえを持ち出して言われた。「天の国は次のようにたとえられる。ある人が良い種を畑に蒔いた。25人々が眠っている間に、敵が来て、麦の中に毒麦を蒔いて行った。26芽が出て、実ってみると、毒麦も現れた。27僕たちが主人のところに来て言った。『だんなさま、畑には良い種をお蒔きになったではありませんか。どこから毒麦が入ったのでしょう。』28主人は、『敵の仕業だ』と言った。そこで、僕たちが、『では、行って抜き集めておきましょうか』と言うと、29主人は言った。『いや、毒麦を集めるとき、麦まで一緒に抜くかもしれない。30刈り入れまで、両方とも育つままにしておきなさい。刈り入れの時、「まず毒麦を集め、焼くために束にし、麦の方は集めて倉に入れなさい」と、刈り取る者に言いつけよう。』」 |
|||
年間第17主日 | 7月27日(日) | 年間 | |
第一朗読創世記18・20-32主よ、どうかお怒りにならずに、もう少し言わせてください 創世記その日、主は言われた。 18・20「ソドムとゴモラの罪は非常に重い、と訴える叫びが実に大きい。21わたしは降って行き、彼らの行跡が、果たして、わたしに届いた叫びのとおりかどうか見て確かめよう。」 22その人たちは、更にソドムの方へ向かったが、アブラハムはなお、主の御前にいた。23アブラハムは進み出て言った。 「まことにあなたは、正しい者を悪い者と一緒に滅ぼされるのですか。24あの町に正しい者が五十人いるとしても、それでも滅ぼし、その五十人の正しい者のために、町をお赦しにはならないのですか。25正しい者を悪い者と一緒に殺し、正しい者を悪い者と同じ目に遭わせるようなことを、あなたがなさるはずはございません。全くありえないことです。全世界を裁くお方は、正義を行われるべきではありませんか。」 26主は言われた。 「もしソドムの町に正しい者が五十人いるならば、その者たちのために、町全部を赦そう。」 27アブラハムは答えた。 「塵あくたにすぎないわたしですが、あえて、わが主に申し上げます。28もしかすると、五十人の正しい者に五人足りないかもしれません。それでもあなたは、五人足りないために、町のすべてを滅ぼされますか。」 主は言われた。 「もし、四十五人いれば滅ぼさない。」 29アブラハムは重ねて言った。 「もしかすると、四十人しかいないかもしれません。」 主は言われた。 「その四十人のためにわたしはそれをしない。」 30アブラハムは言った。 「主よ、どうかお怒りにならずに、もう少し言わせてください。もしかすると、そこには三十人しかいないかもしれません。」 主は言われた。 「もし三十人いるならわたしはそれをしない。」 31アブラハムは言った。 「あえて、わが主に申し上げます。もしかすると、二十人しかいないかもしれません。」 主は言われた。 「その二十人のためにわたしは滅ぼさない。」 32アブラハムは言った。 「主よ、どうかお怒りにならずに、もう一度だけ言わせてください。もしかすると、十人しかいないかもしれません。」 33主は言われた。 「その十人のためにわたしは滅ぼさない。」 答唱詩編詩編138・1+2ab、4+5+7d、8主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編138138・1神よ、わたしは心を尽くしてあなたに感謝し、 4神よ、国々の王はあなたのことばを聞き、あなたをたたえる。 8神はわたしに約束されたことを、 第二朗読コロサイ2・12-14神はあなたがたをキリストと共に生かし、一切の罪を赦してくださった 使徒パウロのコロサイの教会への手紙皆さん、あなたがたは、2・12洗礼によって、キリストと共に葬られ、また、キリストを死者の中から復活させた神の力を信じて、キリストと共に復活させられたのです。13肉に割礼を受けず、罪の中にいて死んでいたあなたがたを、神はキリストと共に生かしてくださったのです。神は、わたしたちの一切の罪を赦し、14規則によってわたしたちを訴えて不利に陥れていた証書を破棄し、これを十字架に釘付けにして取り除いてくださいました。 福音朗読ルカ11・1-13アレルヤ、アレルヤ。神の子とする霊のうちにあって、わたしたちは「アバ、父よ」と呼ぶ。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音11・1イエスはある所で祈っておられた。祈りが終わると、弟子の一人がイエスに、「主よ、ヨハネが弟子たちに教えたように、わたしたちにも祈りを教えてください」と言った。2そこで、イエスは言われた。「祈るときには、こう言いなさい。 『父よ、御名が崇められますように。 5また、弟子たちに言われた。「あなたがたのうちのだれかに友達がいて、真夜中にその人のところに行き、次のように言ったとしよう。『友よ、パンを三つ貸してください。6旅行中の友達がわたしのところに立ち寄ったが、何も出すものがないのです。』7すると、その人は家の中から答えるにちがいない。『面倒をかけないでください。もう戸は閉めたし、子供たちはわたしのそばで寝ています。起きてあなたに何かをあげるわけにはいきません。』8しかし、言っておく。その人は、友達だからということでは起きて何か与えるようなことはなくても、しつように頼めば、起きて来て必要なものは何でも与えるであろう。9そこで、わたしは言っておく。求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。10だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。11あなたがたの中に、魚を欲しがる子供に、魚の代わりに蛇を与える父親がいるだろうか。12また、卵を欲しがるのに、さそりを与える父親がいるだろうか。13このように、あなたがたは悪い者でありながらも、自分の子供には良い物を与えることを知っている。まして天の父は求める者に聖霊を与えてくださる。」 |
|||
年間第17月曜日 | 7月28日(月) | 年間 | |
第一朗読出エジプト記32・15-24、30-34モーセが身を翻して山を下るとき、二枚の掟の板が彼の手にあり、板には文字が書かれていた。 出エジプト記32・15モーセが身を翻して山を下るとき、二枚の掟の板が彼の手にあり、板には文字が書かれていた。その両面に、表にも裏にも文字が書かれていた。16その板は神御自身が作られ、筆跡も神御自身のものであり、板に彫り刻まれていた。 17ヨシュアが民のどよめく声を聞いて、モーセに、「宿営で戦いの声がします」と言うと、18モーセは言った。 「これは勝利の叫び声でも 19宿営に近づくと、彼は若い雄牛の像と踊りを見た。モーセは激しく怒って、手に持っていた板を投げつけ、山のふもとで砕いた。20そして、彼らが造った若い雄牛の像を取って火で焼き、それを粉々に砕いて水の上にまき散らし、イスラエルの人々に飲ませた。21モーセはアロンに、「この民があなたに一体何をしたというので、あなたはこの民にこんな大きな罪を犯させたのか」と言うと、22アロンは言った。「わたしの主よ、どうか怒らないでください。この民が悪いことはあなたもご存じです。23彼らはわたしに、『我々に先立って進む神々を造ってください。我々をエジプトの国から導き上った人、あのモーセがどうなってしまったのか分からないからです』と言いましたので、24わたしが彼らに、『だれでも金を持っている者は、それをはずしなさい』と言うと、彼らはわたしに差し出しました。わたしがそれを火に投げ入れると、この若い雄牛ができたのです。」 30翌日になって、モーセは民に言った。「お前たちは大きな罪を犯した。今、わたしは主のもとに上って行く。あるいは、お前たちの罪のために贖いができるかもしれない。」31モーセは主のもとに戻って言った。「ああ、この民は大きな罪を犯し、金の神を造りました。32今、もしもあなたが彼らの罪をお赦しくださるのであれば......。もし、それがかなわなければ、どうかこのわたしをあなたが書き記された書の中から消し去ってください。」33主はモーセに言われた。「わたしに罪を犯した者はだれでも、わたしの書から消し去る。34しかし今、わたしがあなたに告げた所にこの民を導いて行きなさい。見よ、わたしの使いがあなたに先立って行く。しかし、わたしの裁きの日に、わたしは彼らをその罪のゆえに罰する。」 答唱詩編詩編78・5、10+11神のわざを思い起こそう、力ある不思議なわざ。 詩編7878・5神はヤコブにおきてを与え、 10彼らは神の契約を守らず、 福音朗読マタイ13・31-35アレルヤ、アレルヤ。父はみ心のままに真理のことばによってわたしたちを生み、被造物の初穂とされた。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、13・31イエスは、別のたとえを持ち出して、人々に言われた。「天の国はからし種に似ている。人がこれを取って畑に蒔けば、32どんな種よりも小さいのに、成長するとどの野菜よりも大きくなり、空の鳥が来て枝に巣を作るほどの木になる。」 33また、別のたとえをお話しになった。「天の国はパン種に似ている。女がこれを取って三サトンの粉に混ぜると、やがて全体が膨れる。」 34イエスはこれらのことをみな、たとえを用いて群衆に語られ、たとえを用いないでは何も語られなかった。35それは、預言者を通して言われていたことが実現するためであった。 「わたしは口を開いてたとえを用い、 |
|||
聖マルタ、聖マリア、聖ラザロ | 7月29日(火) | 聖人の記念 | |
第一朗読①ヨハネ4・7-16神はわたしたちに、御自分の霊を分け与えてくださいました。 使徒ヨハネの手紙4・7愛する者たち、互いに愛し合いましょう。愛は神から出るもので、愛する者は皆、神から生まれ、神を知っているからです。8愛することのない者は神を知りません。神は愛だからです。9神は、独り子を世にお遣わしになりました。その方によって、わたしたちが生きるようになるためです。ここに、神の愛がわたしたちの内に示されました。10わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して、わたしたちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。ここに愛があります。11愛する者たち、神がこのようにわたしたちを愛されたのですから、わたしたちも互いに愛し合うべきです。12いまだかつて神を見た者はいません。わたしたちが互いに愛し合うならば、神はわたしたちの内にとどまってくださり、神の愛がわたしたちの内で全うされているのです。 13神はわたしたちに、御自分の霊を分け与えてくださいました。このことから、わたしたちが神の内にとどまり、神もわたしたちの内にとどまってくださることが分かります。14わたしたちはまた、御父が御子を世の救い主として遣わされたことを見、またそのことを証ししています。15イエスが神の子であることを公に言い表す人はだれでも、神がその人の内にとどまってくださり、その人も神の内にとどまります。16わたしたちは、わたしたちに対する神の愛を知り、また信じています。 神は愛です。愛にとどまる人は、神の内にとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます。 答唱詩編詩編34・2+3、4+5主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編3434・2主をたたえよう、 4心を合わせて主をあがめ、 福音朗読ヨハネ11・19-27アレルヤ、アレルヤ。わたしは世の光。わたしに従う人は命の光を持っている。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、11・19マルタとマリアのところには、多くのユダヤ人が、兄弟ラザロのことで慰めに来ていた。20マルタは、イエスが来られたと聞いて、迎えに行ったが、マリアは家の中に座っていた。21マルタはイエスに言った。「主よ、もしここにいてくださいましたら、わたしの兄弟は死ななかったでしょうに。22しかし、あなたが神にお願いになることは何でも神はかなえてくださると、わたしは今でも承知しています。」23イエスが、「あなたの兄弟は復活する」と言われると、24マルタは、「終わりの日の復活の時に復活することは存じております」と言った。25イエスは言われた。「わたしは復活であり、命である。わたしを信じる者は、死んでも生きる。26生きていてわたしを信じる者はだれも、決して死ぬことはない。このことを信じるか。」27マルタは言った。「はい、主よ、あなたが世に来られるはずの神の子、メシアであるとわたしは信じております。」 またはルカ10・38-42アレルヤ、アレルヤ。わたしは世の光。わたしに従う人は命の光を持っている。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、10・38イエスはある村にお入りになった。すると、マルタという女が、イエスを家に迎え入れた。39彼女にはマリアという姉妹がいた。マリアは主の足もとに座って、その話に聞き入っていた。40マルタは、いろいろのもてなしのためせわしく立ち働いていたが、そばに近寄って言った。「主よ、わたしの姉妹はわたしだけにもてなしをさせていますが、何ともお思いになりませんか。手伝ってくれるようにおっしゃってください。」41主はお答えになった。「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。42しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」 |
|||
年間第17水曜日 | 7月30日(水) | 年間 | |
第一朗読出エジプト記34・29-35モーセがシナイ山を下ったとき、その手には二枚の掟の板があった。 出エジプト記34・29モーセがシナイ山を下ったとき、その手には二枚の掟の板があった。モーセは、山から下ったとき、自分が神と語っている間に、自分の顔の肌が光を放っているのを知らなかった。30アロンとイスラエルの人々がすべてモーセを見ると、なんと、彼の顔の肌は光を放っていた。彼らは恐れて近づけなかったが、31モーセが呼びかけると、アロンと共同体の代表者は全員彼のもとに戻って来たので、モーセは彼らに語った。32その後、イスラエルの人々が皆、近づいて来たので、彼はシナイ山で主が彼に語られたことをことごとく彼らに命じた。33モーセはそれを語り終わったとき、自分の顔に覆いを掛けた。34モーセは、主の御前に行って主と語るときはいつでも、出て来るまで覆いをはずしていた。彼は出て来ると、命じられたことをイスラエルの人々に語った。35イスラエルの人々がモーセの顔を見ると、モーセの顔の肌は光を放っていた。モーセは、再び御前に行って主と語るまで顔に覆いを掛けた。 答唱詩編詩編29・1+2、9c+10+11栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。 詩編2929・1神の子らよ、神をほめ、 9cすべてのものは神の住まいでその栄光をたたえる。 福音朗読マタイ13・44-46アレルヤ、アレルヤ。主イエス・キリストの父がわたしたちの心の目を開き、わたしたちがどんな希望に召されているかを示してくださる。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは人々に言われた。13・44「天の国は次のようにたとえられる。畑に宝が隠されている。見つけた人は、そのまま隠しておき、喜びながら帰り、持ち物をすっかり売り払って、その畑を買う。 45また、天の国は次のようにたとえられる。商人が良い真珠を探している。46高価な真珠を一つ見つけると、出かけて行って持ち物をすっかり売り払い、それを買う。 |
|||
聖イグナチオ(ロヨラ) 司祭 | 7月31日(木) | 記念日 | |
第一朗読出エジプト記40・16-21、34-38モーセは主が命じられたとおりにすべてを行った。 出エジプト記その日、40・16モーセは主が命じられたとおりにすべてを行った。 17第二年の第一の月、その月の一日に、幕屋が建てられた。18モーセは、まず、台座を置き、壁板を立て、横木を渡し、柱を立てて、幕屋を組み立てた。19次に、幕屋の上に天幕を広げ、更にその上に天幕の覆いを掛けた。主がモーセに命じられたとおりであった。 20次に、彼は掟の板を取って箱に入れ、箱に棒を差し入れ、箱の上に贖いの座を置き、21その箱を幕屋の奥に運び入れた。そして、至聖所の垂れ幕を掛け、掟の箱を隔てた。主がモーセに命じられたとおりであった。 34雲は臨在の幕屋を覆い、主の栄光が幕屋に満ちた。35モーセは臨在の幕屋に入ることができなかった。雲がその上にとどまり、主の栄光が幕屋に満ちていたからである。36雲が幕屋を離れて昇ると、イスラエルの人々は出発した。旅路にあるときはいつもそうした。37雲が離れて昇らないときは、離れて昇る日まで、彼らは出発しなかった。38旅路にあるときはいつも、昼は主の雲が幕屋の上にあり、夜は雲の中に火が現れて、イスラエルの家のすべての人に見えたからである。 答唱詩編詩編84・2+3、4しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。 詩編8484・2すべてを治められる神よ、 4万軍の主、わたしたちの神よ、 福音朗読マタイ13・47-53アレルヤ、アレルヤ。神よ、わたしたちの心を開き、あなたの子が語られることに心を向けさせてください。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは人々に言われた。13・47「また、天の国は次のようにたとえられる。網が湖に投げ降ろされ、いろいろな魚を集める。48網がいっぱいになると、人々は岸に引き上げ、座って、良いものは器に入れ、悪いものは投げ捨てる。49世の終わりにもそうなる。天使たちが来て、正しい人々の中にいる悪い者どもをより分け、50燃え盛る炉の中に投げ込むのである。悪い者どもは、そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。 51あなたがたは、これらのことがみな分かったか。」弟子たちは、「分かりました」と言った。52そこで、イエスは言われた。「だから、天の国のことを学んだ学者は皆、自分の倉から新しいものと古いものを取り出す一家の主人に似ている。」 53イエスはこれらのたとえを語り終えると、そこを去った。 |
|||
08月 | |||
聖アルフォンソ(リゴリ) 司教教会博士 | 8月1日(金) | 記念日 | |
第一朗読レビ記23・1、4-11、15-16、27、34b-37その日あなたたちはイスラエルの人々を聖なる集会に召集しなければならない。 レビ記23・1主はモーセに仰せになった。 4以下は主の祝日であり、その日あなたたちはイスラエルの人々を聖なる集会に召集しなければならない。5第一の月の十四日の夕暮れが主の過越である。6同じ月の十五日は主の除酵祭である。あなたたちは七日の間、酵母を入れないパンを食べる。7初日には聖なる集会を開く。いかなる仕事もしてはならない。8七日の間、燃やして主にささげる献げ物を続けて、七日目に聖なる集会を開く。いかなる仕事もしてはならない。 9主はモーセに仰せになった。10イスラエルの人々に告げてこう言いなさい。わたしが与える土地に入って穀物を収穫したならば、あなたたちは初穂を祭司のもとに携えなさい。11祭司は、それを主に受け入れられるよう御前に差し出す。祭司は安息日の翌日にそれを差し出さねばならない。 15あなたたちはこの安息日の翌日、すなわち、初穂を携え奉納物とする日から数え始め、満七週間を経る。16七週間を経た翌日まで、五十日を数えたならば、主に新穀の献げ物をささげる。 27第七の月の十日は贖罪日である。聖なる集会を開きなさい。あなたたちは苦行をし、燃やして主にささげる献げ物を携えなさい。 34b第七の月の十五日から主のために七日間の仮庵祭が始まる。35初日に聖なる集会を開きなさい。いかなる仕事もしてはならない。36七日の間、燃やして主にささげる物をささげ続ける。八日目には聖なる集会を開き、燃やして主にささげる物をささげる。これは聖なる集まりである。あなたたちはいかなる仕事もしてはならない。 37以上がイスラエルの人々を聖なる集会に召集すべき主の祝日である。あなたたちはこれらの定められた日に、燃やして主にささげる焼き尽くす献げ物、穀物の献げ物、和解の献げ物、ぶどう酒の献げ物をささげる。 答唱詩編詩編81・3+4、5+6①喜びうたえ、神に叫びをあげよ。②わたしが受けた神のことば。 詩編8181・3つづみに合わせて高らかにうたい、 5これはイスラエルのおきて、 福音朗読マタイ13・54-58アレルヤ、アレルヤ。あなたがたに宣べ伝えられた福音は、永遠に留まる神の言葉。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは13・54故郷にお帰りになった。会堂で教えておられると、人々は驚いて言った。「この人は、このような知恵と奇跡を行う力をどこから得たのだろう。55この人は大工の息子ではないか。母親はマリアといい、兄弟はヤコブ、ヨセフ、シモン、ユダではないか。56姉妹たちは皆、我々と一緒に住んでいるではないか。この人はこんなことをすべて、いったいどこから得たのだろう。」57このように、人々はイエスにつまずいた。イエスは、「預言者が敬われないのは、その故郷、家族の間だけである」と言い、58人々が不信仰だったので、そこではあまり奇跡をなさらなかった。 |
|||
年間第17土曜日 | 8月2日(土) | 年間 | |
第一朗読レビ25・1、8-17この五十年目の年を聖別し、全住民に解放の宣言をする。 レビ記25・1主はシナイ山でモーセに仰せになった。 8あなたは安息の年を七回、すなわち七年を七度数えなさい。七を七倍した年は四十九年である。9その年の第七の月の十日の贖罪日に、雄羊の角笛を鳴り響かせる。あなたたちは国中に角笛を吹き鳴らして、10この五十年目の年を聖別し、全住民に解放の宣言をする。それが、ヨべルの年である。あなたたちはおのおのその先祖伝来の所有地に帰り、家族のもとに帰る。11五十年目はあなたたちのヨべルの年である。種蒔くことも、休閑中の畑に生じた穀物を収穫することも、手入れせずにおいたぶどう畑の実を集めることもしてはならない。12この年は聖なるヨべルの年だからである。あなたたちは野に生じたものを食物とする。 13ヨべルの年には、おのおのその所有地の返却を受ける。14あなたたちが人と土地を売買するときは、互いに損害を与えてはならない。15あなたはヨべル以来の年数を数えて人から買う。すなわち、その人は残る収穫年数に従ってあなたに売る。16その年数が多ければそれだけ価格は高くなり、少なければそれだけ安くなる。その人は収穫できる年数によってあなたに売るのである。17相手に損害を与えてはならない。あなたの神を畏れなさい。わたしはあなたたちの神、主だからである。 答唱詩編詩編67・2+3、7+8神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。 詩編6767・2神よ、あわれみと祝福をわたしたちに。 7地は豊かに実り、 福音朗読マタイ14・1-12アレルヤ、アレルヤ。喜びおどれ、天においてあなたがたの報いは大きい。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音14・1そのころ、領主ヘロデはイエスの評判を聞き、2家来たちにこう言った。「あれは洗礼者ヨハネだ。死者の中から生き返ったのだ。だから、奇跡を行う力が彼に働いている。」3実はヘロデは、自分の兄弟フィリポの妻ヘロディアのことでヨハネを捕らえて縛り、牢に入れていた。4ヨハネが、「あの女と結婚することは律法で許されていない」とヘロデに言ったからである。5ヘロデはヨハネを殺そうと思っていたが、民衆を恐れた。人々がヨハネを預言者と思っていたからである。6ところが、ヘロデの誕生日にヘロディアの娘が、皆の前で踊りをおどり、ヘロデを喜ばせた。7それで彼は娘に、「願うものは何でもやろう」と誓って約束した。8すると、娘は母親に唆されて、「洗礼者ヨハネの首を盆に載せて、この場でください」と言った。9王は心を痛めたが、誓ったことではあるし、また客の手前、それを与えるように命じ、10人を遣わして、牢の中でヨハネの首をはねさせた。11その首は盆に載せて運ばれ、少女に渡り、少女はそれを母親に持って行った。12それから、ヨハネの弟子たちが来て、遺体を引き取って葬り、イエスのところに行って報告した。 |
|||
年間第18主日 | 8月3日(日) | 年間 | |
第一朗読コヘレト1・2、2・21-23人問が労苦してみても何になろう コヘレトの言葉1・2コヘレトは言う。 2・21知恵と知識と才能を尽くして労苦した結果を、まったく労苦しなかった者に遺産として与えなければならないのか。これまた空しく大いに不幸なことだ。22まことに、人間が太陽の下で心の苦しみに耐え、労苦してみても何になろう。23一生、人の務めは痛みと悩み。夜も心は休まらない。これまた、実に空しいことだ。 答唱詩編詩編95・1+2、5+6、7+8神に向かって喜び歌い、感謝の歌をささげよう。 詩編9595・1神に向かって喜びうたい、 5海は神のもの、神に造られたもの。 7神は、わたしたちの神。 第二朗読コロサイ3・1-5、9-11上にあるものを求めよ。そこには、キリストがおられる 使徒パウロのコロサイの教会への手紙皆さん、3・1あなたがたは、キリストと共に復活させられたのですから、2上にあるものを求めなさい。そこでは、キリストが神の右の座に着いておられます。上にあるものに心を留め、地上のものに心を引かれないようにしなさい。3あなたがたは死んだのであって、あなたがたの命は、キリストと共に神の内に隠されているのです。4あなたがたの命であるキリストが現れるとき、あなたがたも、キリストと共に栄光に包まれて現れるでしょう。 5だから、地上的なもの、すなわち、みだらな行い、不潔な行い、情欲、悪い欲望、および貪欲を捨て去りなさい。貪欲は偶像礼拝にほかならない。 9互いにうそをついてはなりません。古い人をその行いと共に脱ぎ捨て、10造り主の姿に倣う新しい人を身に着け、日々新たにされて、真の知識に達するのです。11そこには、もはや、ギリシア人とユダヤ人、割礼を受けた者と受けていない者、未開人、スキタイ人、奴隷、自由な身分の者の区別はありません。キリストがすべてであり、すべてのもののうちにおられるのです。 福音朗読ルカ12・13-21アレルヤ、アレルヤ。心の貧しい人は幸い。天の国はその人のもの。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、12・13群衆の一人が言った。「先生、わたしにも遺産を分けてくれるように兄弟に言ってください。」14イエスはその人に言われた。「だれがわたしを、あなたがたの裁判官や調停人に任命したのか。」15そして、一同に言われた。「どんな貪欲にも注意を払い、用心しなさい。有り余るほど物を持っていても、人の命は財産によってどうすることもできないからである。」16それから、イエスはたとえを話された。「ある金持ちの畑が豊作だった。17金持ちは、『どうしよう。作物をしまっておく場所がない』と思い巡らしたが、18やがて言った。『こうしよう。倉を壊して、もっと大きいのを建て、そこに穀物や財産をみなしまい、19こう自分に言ってやるのだ。「さあ、これから先何年も生きて行くだけの蓄えができたぞ。ひと休みして、食べたり飲んだりして楽しめ」と。』20しかし神は、『愚かな者よ、今夜、お前の命は取り上げられる。お前が用意した物は、いったいだれのものになるのか』と言われた。21自分のために富を積んでも、神の前に豊かにならない者はこのとおりだ。」 |
|||
聖ヨハネ・マリア・ビアンネ 司祭 | 8月4日(月) | 記念日 | |
第一朗読民数記11・4b-15わたしを苦しみに遭わせないでください 民数記その日、イスラエルの人々は11・4泣き言を言った。「誰か肉を食べさせてくれないものか。5エジプトでは魚をただで食べていたし、きゅうりやメロン、葱や玉葱やにんにくが忘れられない。6今では、わたしたちの唾は干上がり、どこを見回してもマナばかりで、何もない。」 7マナは、コエンドロの種のようで、一見、琥珀の類のようであった。8民は歩き回って拾い集め、臼で粉にひくか、鉢ですりつぶし、鍋で煮て、菓子にした。それは、こくのあるクリームのような味であった。9夜、宿営に露が降りると、マナも降った。 10モーセは、民がどの家族もそれぞれの天幕の入り口で泣き言を言っているのを聞いた。主が激しく憤られたので、モーセは苦しんだ。11モーセは主に言った。「あなたは、なぜ、僕を苦しめられるのですか。なぜわたしはあなたの恵みを得ることなく、この民すべてを重荷として負わされねばならないのですか。12わたしがこの民すべてをはらみ、わたしが彼らを生んだのでしょうか。あなたはわたしに、乳母が乳飲み子を抱くように彼らを胸に抱き、あなたが先祖に誓われた土地に連れて行けと言われます。13この民すべてに食べさせる肉をどこで見つければよいのでしょうか。彼らはわたしに泣き言を言い、肉を食べさせよと言うのです。14わたし一人では、とてもこの民すべてを負うことはできません。わたしには重すぎます。15どうしてもこのようになさりたいなら、どうかむしろ、殺してください。あなたの恵みを得ているのであれば、どうかわたしを苦しみに遭わせないでください。」 答唱詩編詩編81・9+10、12+13わたしが受けた神のことば。 詩編8181・9「民よ、聞け、わたしの戒めを。 12「しかし、民はわたしの声を聞かず、 福音朗読マタイ14・13-21アレルヤ、アレルヤ。人はパンだけではなく、神の言葉によって生きている。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音14・13イエスは洗礼者ヨハネが死んだことを聞くと、舟に乗ってそこを去り、ひとり人里離れた所に退かれた。しかし、群衆はそのことを聞き、方々の町から歩いて後を追った。14イエスは舟から上がり、大勢の群衆を見て深く憐れみ、その中の病人をいやされた。15夕暮れになったので、弟子たちがイエスのそばに来て言った。「ここは人里離れた所で、もう時間もたちました。群衆を解散させてください。そうすれば、自分で村へ食べ物を買いに行くでしょう。」16イエスは言われた。「行かせることはない。あなたがたが彼らに食べる物を与えなさい。」17弟子たちは言った。「ここにはパン五つと魚二匹しかありません。」18イエスは、「それをここに持って来なさい」と言い、19群衆には草の上に座るようにお命じになった。そして、五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて弟子たちにお渡しになった。弟子たちはそのパンを群衆に与えた。20すべての人が食べて満腹した。そして、残ったパンの屑を集めると、十二の籠いっぱいになった。21食べた人は、女と子供を別にして、男が五千人ほどであった。 |
|||
年間第18火曜日 | 8月5日(火) | 年間 | |
第一朗読民数記12・1-13聞け、わたしの言葉を。 民数記その日、12・1ミリアムとアロンは、モーセがクシュの女性を妻にしていることで彼を非難し、「モーセはクシュの女を妻にしている」と言った。 2彼らは更に言った。「主はモーセを通してのみ語られるというのか。我々を通しても語られるのではないか。」主はこれを聞かれた。3モーセという人はこの地上のだれにもまさって謙遜であった。4主は直ちにモーセとアロンとミリアムに言われた。「あなたたちは三人とも、臨在の幕屋の前に出よ。」彼ら三人はそこに出た。5主は雲の柱のうちにあって降り、幕屋の入り口に立ち、「アロン、ミリアム」と呼ばれた。二人が進み出ると、6主はこう言われた。 「聞け、わたしの言葉を。 9主は、彼らに対して憤り、去って行かれ、10雲は幕屋を離れた。そのとき、見よ、ミリアムは重い皮膚病にかかり、雪のように白くなっていた。アロンはミリアムの方を振り向いた。見よ、彼女は重い皮膚病にかかっていた。11アロンはモーセに言った。「わが主よ。どうか、わたしたちが愚かにも犯した罪の罰をわたしたちに負わせないでください。12どうか、彼女を、肉が半ば腐って母の胎から出て来た死者のようにしないでください。」13モーセは主に助けを求めて叫んだ。「神よ、どうか彼女をいやしてください。」 答唱詩編詩編51・12+13、14+15あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。 詩編5151・12神よ、わたしのうちに清い心を造り、あなたのいぶきでわたしを強め、 14救いの喜びをわたしに返し、あなたのいぶきを送って、 福音朗読マタイ14・22-36アレルヤ、アレルヤ。師よ、あなたは神の子、イスラエルの王。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音人々がパンを食べて満腹した後、14・22イエスは弟子たちを強いて舟に乗せ、向こう岸へ先に行かせ、その間に群衆を解散させられた。23群衆を解散させてから、祈るためにひとり山にお登りになった。夕方になっても、ただひとりそこにおられた。24ところが、舟は既に陸から何スタディオンか離れており、逆風のために波に悩まされていた。25夜が明けるころ、イエスは湖の上を歩いて弟子たちのところに行かれた。26弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、「幽霊だ」と言っておびえ、恐怖のあまり叫び声をあげた。27イエスはすぐ彼らに話しかけられた。「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。」28すると、ペトロが答えた。「主よ、あなたでしたら、わたしに命令して、水の上を歩いてそちらに行かせてください。」29イエスが「来なさい」と言われたので、ペトロは舟から降りて水の上を歩き、イエスの方へ進んだ。30しかし、強い風に気がついて怖くなり、沈みかけたので、「主よ、助けてください」と叫んだ。31イエスはすぐに手を伸ばして捕まえ、「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」と言われた。32そして、二人が舟に乗り込むと、風は静まった。33舟の中にいた人たちは、「本当に、あなたは神の子です」と言ってイエスを拝んだ。 34こうして、一行は湖を渡り、ゲネサレトという土地に着いた。35土地の人々は、イエスだと知って、付近にくまなく触れ回った。それで、人々は病人を皆イエスのところに連れて来て、36その服のすそにでも触れさせてほしいと願った。触れた者は皆いやされた。 |
|||
主の変容 | 8月6日(水) | 年間の主の祝祭日 | |
第一朗読ダニエル7・9-10、13-14見よ、「人の子」のような者が天の雲に乗り、王権を受けた。 ダニエルの預言わたしが7・9なお見ていると、 13夜の幻をなお見ていると、 または②ペトロ1・16-19わたしたちは、キリストの威光を目撃したのです。 使徒ペトロの手紙愛する皆さん、1・16わたしたちの主イエス・キリストの力に満ちた来臨を知らせるのに、わたしたちは巧みな作り話を用いたわけではありません。わたしたちは、キリストの威光を目撃したのです。17荘厳な栄光の中から、「これはわたしの愛する子。わたしの心に適う者」というような声があって、主イエスは父である神から誉れと栄光をお受けになりました。18わたしたちは、聖なる山にイエスといたとき、天から響いてきたこの声を聞いたのです。19こうして、わたしたちには、預言の言葉はいっそう確かなものとなっています。夜が明け、明けの明星があなたがたの心の中に昇るときまで、暗い所に輝くともし火として、どうかこの預言の言葉に留意していてください。 答唱詩編詩編97・1+2、6+9栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。 詩編9797・1神は王。世界よ、喜びおどれ。 6天は神の正義を告げ、 福音朗読ルカ9・28b-36アレルヤ、アレルヤ。これはわたしの意にかなう愛する子。彼に聞け。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、9・28イエスは、ペトロ、ヨハネ、およびヤコブを連れて、祈るために山に登られた。29祈っておられるうちに、イエスの顔の様子が変わり、服は真っ白に輝いた。30見ると、二人の人がイエスと語り合っていた。モーセとエリヤである。31二人は栄光に包まれて現れ、イエスがエルサレムで遂げようとしておられる最期について話していた。32ペトロと仲間は、ひどく眠かったが、じっとこらえていると、栄光に輝くイエスと、そばに立っている二人の人が見えた。33その二人がイエスから離れようとしたとき、ペトロがイエスに言った。「先生、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。仮小屋を三つ建てましょう。一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです。」ペトロは、自分でも何を言っているのか、分からなかったのである。34ペトロがこう言っていると、雲が現れて彼らを覆った。彼らが雲の中に包まれていくので、弟子たちは恐れた。35すると、「これはわたしの子、選ばれた者。これに聞け」と言う声が雲の中から聞こえた。36その声がしたとき、そこにはイエスだけがおられた。弟子たちは沈黙を守り、見たことを当時だれにも話さなかった。 |
|||
年間第18木曜日 | 8月7日(木) | 年間 | |
第一朗読民数記20・1-13あなたたちはわたしを信じることをせず、あなたたちはこの会衆を、わたしが彼らに与える土地に導き入れることはできない。 民数記20・1イスラエルの人々、その共同体全体は、第一の月にツィンの荒れ野に入った。そして、民はカデシュに滞在した。ミリアムはそこで死に、その地に埋葬された。2さて、そこには共同体に飲ませる水がなかったので、彼らは徒党を組んで、モーセとアロンに逆らった。3民はモーセに抗弁して言った。「同胞が主の御前で死んだとき、我々も一緒に死に絶えていたらよかったのだ。4なぜ、こんな荒れ野に主の会衆を引き入れたのです。我々と家畜をここで死なせるためですか。5なぜ、我々をエジプトから導き上らせて、こんなひどい所に引き入れたのです。ここには種を蒔く土地も、いちじくも、ぶどうも、ざくろも、飲み水さえもないではありませんか。」6モーセとアロンが会衆から離れて臨在の幕屋の入り口に行き、そこにひれ伏すと、主の栄光が彼らに向かって現れた。7主はモーセに仰せになった。8「あなたは杖を取り、兄弟アロンと共に共同体を集め、彼らの目の前で岩に向かって、水を出せと命じなさい。あなたはその岩から彼らのために水を出し、共同体と家畜に水を飲ませるがよい。」9モーセは、命じられたとおり、主の御前から杖を取った。10そして、モーセとアロンは会衆を岩の前に集めて言った。「反逆する者らよ、聞け。この岩からあなたたちのために水を出さねばならないのか。」11モーセが手を上げ、その杖で岩を二度打つと、水がほとばしり出たので、共同体も家畜も飲んだ。12主はモーセとアロンに向かって言われた。「あなたたちはわたしを信じることをせず、イスラエルの人々の前に、わたしの聖なることを示さなかった。それゆえ、あなたたちはこの会衆を、わたしが彼らに与える土地に導き入れることはできない。」13これがメリバ(争い)の水であって、イスラエルの人々が主と争った所であり、主が御自分の聖なることを示された所である。 答唱詩編詩編95・1+2、7+8神に向かって喜び歌い、感謝の歌をささげよう。 詩編9595・1神に向かって喜びうたい、 7神は、わたしたちの神。 福音朗読マタイ16・13-23アレルヤ、アレルヤ。あなたはいわお。この岩の上にわたしの教会を建てよう。地獄の門もこれに勝つことはできない。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音16・13イエスは、フィリポ・カイサリア地方に行ったとき、弟子たちに、「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。14弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言う人も、『エリヤだ』と言う人もいます。ほかに、『エレミヤだ』とか、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」15イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」16シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。17すると、イエスはお答えになった。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。18わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。19わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」20それから、イエスは、御自分がメシアであることをだれにも話さないように、と弟子たちに命じられた。 21このときから、イエスは、御自分が必ずエルサレムに行って、長老、祭司長、律法学者たちから多くの苦しみを受けて殺され、三日目に復活することになっている、と弟子たちに打ち明け始められた。22すると、ペトロはイエスをわきへお連れして、いさめ始めた。「主よ、とんでもないことです。そんなことがあってはなりません。」23イエスは振り向いてペトロに言われた。「サタン、引き下がれ。あなたはわたしの邪魔をする者。神のことを思わず、人間のことを思っている。」 |
|||
聖ドミニコ 司祭 | 8月8日(金) | 記念日 | |
第一朗読申命記4・32-40あなたは、今日、主こそ神であり、ほかに神のいないことをわきまえ、わたしが命じる主の掟と戒めを守りなさい。 申命記モーセは民に語った。4・32「あなたに先立つ遠い昔、神が地上に人間を創造された最初の時代にさかのぼり、また天の果てから果てまで尋ねてみるがよい。これほど大いなることがかつて起こったであろうか。あるいは、そのようなことを聞いたことがあろうか。33火の中から語られる神の声を聞いて、なお生きている、あなたと同じような民があったであろうか。34あるいは、あなたたちの神、主がエジプトにおいてあなたの目の前でなさったように、さまざまな試みとしるしと奇跡を行い、戦いと力ある御手と伸ばした御腕と大いなる恐るべき行為をもって、あえて一つの国民を他の国民の中から選び出し、御自身のものとされた神があったであろうか。35あなたは、主こそ神であり、ほかに神はいないということを示され、知るに至った。36主はあなたを訓練するために、天から御声を聞かせ、地上に大いなる御自分の火を示された。あなたは火の中からその言葉を聞いた。37主はあなたの先祖を愛されたがゆえに、その後の子孫を選び、御自ら大いなる力をもって、あなたをエジプトから導き出された。38神はあなたよりも強大な国々をあなたの前から追い払い、あなたを導いて、今日のように彼らの土地をあなたの嗣業の土地としてくださった。39あなたは、今日、上の天においても下の地においても主こそ神であり、ほかに神のいないことをわきまえ、心に留め、40今日、わたしが命じる主の掟と戒めを守りなさい。そうすれば、あなたもあなたに続く子孫も幸いを得、あなたの神、主がとこしえに与えられる土地で長く生きる。」 答唱詩編詩編105・3b+4+5、43+44心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編105105・3b神を捜し求める者よ、心から喜べ。 43神は民を喜びのうちに導き出された、 福音朗読マタイ16・24-28アレルヤ、アレルヤ。喜びおどれ、天においてあなたがたの報いは大きい。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。16・24「わたしについて来たい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。25自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命を失う者は、それを得る。26人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。自分の命を買い戻すのに、どんな代価を支払えようか。27人の子は、父の栄光に輝いて天使たちと共に来るが、そのとき、それぞれの行いに応じて報いるのである。28はっきり言っておく。ここに一緒にいる人々の中には、人の子がその国と共に来るのを見るまでは、決して死なない者がいる。」 |
|||
年間第18土曜日 | 8月9日(土) | 年間 | |
第一朗読申命記6・4-13あなたの神、主を畏れ、主にのみ仕え、その御名によって誓いなさい。 申命記モーセは民に言った。6・4「聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。5あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。 6今日わたしが命じるこれらの言葉を心に留め、7子供たちに繰り返し教え、家に座っているときも道を歩くときも、寝ているときも起きているときも、これを語り聞かせなさい。8更に、これをしるしとして自分の手に結び、覚えとして額に付け、9あなたの家の戸口の柱にも門にも書き記しなさい。 10あなたの神、主が先祖アブラハム、イサク、ヤコブに対して、あなたに与えると誓われた土地にあなたを導き入れ、あなたが自ら建てたのではない、大きな美しい町々、11自ら満たしたのではない、あらゆる財産で満ちた家、自ら掘ったのではない貯水池、自ら植えたのではないぶどう畑とオリーブ畑を得、食べて満足するとき、12あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出された主を決して忘れないよう注意しなさい。13あなたの神、主を畏れ、主にのみ仕え、その御名によって誓いなさい。」 答唱詩編詩編18・3、47+50神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。 詩編18・3神はわたしの砦、わたしの岩、 47わたしを支える岩、 福音朗読マタイ17・14-20アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、17・14ある人がイエスに近寄り、ひざまずいて、15言った。「主よ、息子を憐れんでください。てんかんでひどく苦しんでいます。度々火の中や水の中に倒れるのです。16お弟子たちのところに連れて来ましたが、治すことができませんでした。」17イエスはお答えになった。「なんと信仰のない、よこしまな時代なのか。いつまでわたしはあなたがたと共にいられようか。いつまで、あなたがたに我慢しなければならないのか。その子をここに、わたしのところに連れて来なさい。」18そして、イエスがお叱りになると、悪霊は出て行き、そのとき子供はいやされた。19弟子たちはひそかにイエスのところに来て、「なぜ、わたしたちは悪霊を追い出せなかったのでしょうか」と言った。20イエスは言われた。「信仰が薄いからだ。はっきり言っておく。もし、からし種一粒ほどの信仰があれば、この山に向かって、『ここから、あそこに移れ』と命じても、そのとおりになる。あなたがたにできないことは何もない。」 |
|||
年間第19主日 | 8月10日(日) | 年間 | |
第一朗読知恵18・6-9あなたは、反対者への罰に用いたその出来事で、わたしたちを招き、光栄を与えてくださった。 知恵の書18・6あの過越の夜のことは、我々の先祖たちに前もって知らされており、 答唱詩編詩編33・12+13、14+15、20+21神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。 詩編3333・12神を王としていただく国。 14神はその住まいから、 20神はたて、神はすくい、 第二朗読ヘブライ11・1-2、8-19アブラハムは、神が設計者であり建設者である都を待望していた ヘブライ人への手紙皆さん、11・1信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです。2昔の人たちは、この信仰のゆえに神に認められました。 8信仰によって、アブラハムは、自分が財産として受け継ぐことになる土地に出て行くように召し出されると、これに服従し、行き先も知らずに出発したのです。9信仰によって、アブラハムは他国に宿るようにして約束の地に住み、同じ約束されたものを共に受け継ぐ者であるイサク、ヤコブと一緒に幕屋に住みました。10アブラハムは、神が設計者であり建設者である堅固な土台を持つ都を待望していたからです。11信仰によって、不妊の女サラ自身も、年齢が盛りを過ぎていたのに子をもうける力を得ました。約束をなさった方は真実な方であると、信じていたからです。12それで、死んだも同様の一人の人から空の星のように、また海辺の数えきれない砂のように、多くの子孫が生まれたのです。 13この人たちは皆、信仰を抱いて死にました。約束されたものを手に入れませんでしたが、はるかにそれを見て喜びの声をあげ、自分たちが地上ではよそ者であり、仮住まいの者であることを公に言い表したのです。14このように言う人たちは、自分が故郷を探し求めていることを明らかに表しているのです。15もし出て来た土地のことを思っていたのなら、戻るのに良い機会もあったかもしれません。16ところが実際は、彼らは更にまさった故郷、すなわち天の故郷を熱望していたのです。だから、神は彼らの神と呼ばれることを恥となさいません。神は、彼らのために都を準備されていたからです。 17信仰によって、アブラハムは、試練を受けたとき、イサクを献げました。つまり、約束を受けていた者が、独り子を献げようとしたのです。18この独り子については、「イサクから生まれる者が、あなたの子孫と呼ばれる」と言われていました。19アブラハムは、神が人を死者の中から生き返らせることもおできになると信じたのです。それで彼は、イサクを返してもらいましたが、それは死者の中から返してもらったも同然です。 福音朗読ルカ12・32-48アレルヤ、アレルヤ。目覚めて注意していなさい。人の子は思いがけない時に来る。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。12・32「小さな群れよ、恐れるな。あなたがたの父は喜んで神の国をくださる。33自分の持ち物を売り払って施しなさい。擦り切れることのない財布を作り、尽きることのない富を天に積みなさい。そこは、盗人も近寄らず、虫も食い荒らさない。34あなたがたの富のあるところに、あなたがたの心もあるのだ。」 35「腰に帯を締め、ともし火をともしていなさい。36主人が婚宴から帰って来て戸をたたくとき、すぐに開けようと待っている人のようにしていなさい。37主人が帰って来たとき、目を覚ましているのを見られる僕たちは幸いだ。はっきり言っておくが、主人は帯を締めて、この僕たちを食事の席に着かせ、そばに来て給仕してくれる。38主人が真夜中に帰っても、夜明けに帰っても、目を覚ましているのを見られる僕たちは幸いだ。39このことをわきまえていなさい。家の主人は、泥棒がいつやって来るかを知っていたら、自分の家に押し入らせはしないだろう。40あなたがたも用意していなさい。人の子は思いがけない時に来るからである。」 41そこでペトロが、「主よ、このたとえはわたしたちのために話しておられるのですか。それとも、みんなのためですか」と言うと、42主は言われた。「主人が召し使いたちの上に立てて、時間どおりに食べ物を分配させることにした忠実で賢い管理人は、いったいだれであろうか。43主人が帰って来たとき、言われたとおりにしているのを見られる僕は幸いである。44確かに言っておくが、主人は彼に全財産を管理させるにちがいない。45しかし、もしその僕が、主人の帰りは遅れると思い、下男や女中を殴ったり、食べたり飲んだり、酔うようなことになるならば、46その僕の主人は予想しない日、思いがけない時に帰って来て、彼を厳しく罰し、不忠実な者たちと同じ目に遭わせる。47主人の思いを知りながら何も準備せず、あるいは主人の思いどおりにしなかった僕は、ひどく鞭打たれる。48しかし、知らずにいて鞭打たれるようなことをした者は、打たれても少しで済む。すべて多く与えられた者は、多く求められ、多く任された者は、更に多く要求される。」 |
|||
聖クララ おとめ | 8月11日(月) | 記念日 | |
第一朗読申命記10・12-22あなたの神、主を畏れ、主に仕え、主につき従ってその御名によって誓いなさい。 申命記モーセは民に言った。10・12「イスラエルよ。今、あなたの神、主があなたに求めておられることは何か。ただ、あなたの神、主を畏れてそのすべての道に従って歩み、主を愛し、心を尽くし、魂を尽くしてあなたの神、主に仕え、13わたしが今日あなたに命じる主の戒めと掟を守って、あなたが幸いを得ることではないか。14見よ、天とその天の天も、地と地にあるすべてのものも、あなたの神、主のものである。15主はあなたの先祖に心引かれて彼らを愛し、子孫であるあなたたちをすべての民の中から選んで、今日のようにしてくださった。16心の包皮を切り捨てよ。二度とかたくなになってはならない。17あなたたちの神、主は神々の中の神、主なる者の中の主、偉大にして勇ましく畏るべき神、人を偏り見ず、賄賂を取ることをせず、18孤児と寡婦の権利を守り、寄留者を愛して食物と衣服を与えられる。19あなたたちは寄留者を愛しなさい。あなたたちもエジプトの国で寄留者であった。20あなたの神、主を畏れ、主に仕え、主につき従ってその御名によって誓いなさい。21この方こそ、あなたの賛美、あなたの神であり、あなたの目撃したこれらの大いなる恐るべきことをあなたのために行われた方である。22あなたの先祖は七十人でエジプトに下ったが、今や、あなたの神、主はあなたを天の星のように数多くされた。」 答唱詩編詩編147・12+13、14+15主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは、水遠。 詩編147147・12エルサレムよ、神をほめたたえよ、 14神は国ざかいに平和をもたらし、 福音朗読マタイ17・22-27アレルヤ、アレルヤ。福音によって神は私たちを召し出し、主イエス・キリストの栄光にあずかる者としてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音イエスと弟子たち17・22がガリラヤに集まったとき、イエスは言われた。「人の子は人々の手に引き渡されようとしている。23そして殺されるが、三日目に復活する。」弟子たちは非常に悲しんだ。 24一行がカファルナウムに来たとき、神殿税を集める者たちがペトロのところに来て、「あなたたちの先生は神殿税を納めないのか」と言った。25ペトロは、「納めます」と言った。そして家に入ると、イエスの方から言いだされた。「シモン、あなたはどう思うか。地上の王は、税や貢ぎ物をだれから取り立てるのか。自分の子供たちからか、それともほかの人々からか。」26ペトロが「ほかの人々からです」と答えると、イエスは言われた。「では、子供たちは納めなくてよいわけだ。27しかし、彼らをつまずかせないようにしよう。湖に行って釣りをしなさい。最初に釣れた魚を取って口を開けると、銀貨が一枚見つかるはずだ。それを取って、わたしとあなたの分として納めなさい。」 |
|||
年間第19火曜日 | 8月12日(火) | 年間 | |
第一朗読申命記31・1-8あなたの神、主は、あなたと共に歩まれる。あなたを見放すことも、見捨てられることもない。 申命記31・1モーセは全イスラエルの前に歩み出て、これらの言葉を告げた後、2こう言った。「わたしは今日、既に百二十歳であり、もはや自分の務めを果たすことはできない。主はわたしに対して、『あなたはこのヨルダン川を渡ることができない』と言われた。3あなたの神、主御自身があなたに先立って渡り、あなたの前からこれらの国々を滅ぼして、それを得させてくださる。主が約束されたとおり、ヨシュアがあなたに先立って渡る。4主は、アモリ人の王であるシホンとオグおよび彼らの国にされたように、彼らを滅ぼされる。5主が彼らをあなたたちに引き渡されるから、わたしが命じたすべての戒めに従って彼らに行いなさい。6強く、また雄々しくあれ。恐れてはならない。彼らのゆえにうろたえてはならない。あなたの神、主は、あなたと共に歩まれる。あなたを見放すことも、見捨てられることもない。」 7モーセはそれからヨシュアを呼び寄せ、全イスラエルの前で彼に言った。 「強く、また雄々しくあれ。あなたこそ、主が先祖たちに与えると誓われた土地にこの民を導き入れる者である。あなたが彼らにそれを受け継がせる。8主御自身があなたに先立って行き、主御自身があなたと共におられる。主はあなたを見放すことも、見捨てられることもない。恐れてはならない。おののいてはならない。」 答唱詩編詩編18・33+37、47+50神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。 詩編1818・33神はわたしに力を与え、 47わたしを支える岩、 福音朗読マタイ18・1-5、10、12-14アレルヤ、アレルヤ。わたしは心優しく、へりくだり者。わたしのくびきを受けて、わたしにならいなさい。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音18・1そのとき、弟子たちがイエスのところに来て、「いったいだれが、天の国でいちばん偉いのでしょうか」と言った。2そこで、イエスは一人の子供を呼び寄せ、彼らの中に立たせて、3言われた。「はっきり言っておく。心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。4自分を低くして、この子供のようになる人が、天の国でいちばん偉いのだ。5わたしの名のためにこのような一人の子供を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。 10これらの小さな者を一人でも軽んじないように気をつけなさい。言っておくが、彼らの天使たちは天でいつもわたしの天の父の御顔を仰いでいるのである。12あなたがたはどう思うか。ある人が羊を百匹持っていて、その一匹が迷い出たとすれば、九十九匹を山に残しておいて、迷い出た一匹を捜しに行かないだろうか。13はっきり言っておくが、もし、それを見つけたら、迷わずにいた九十九匹より、その一匹のことを喜ぶだろう。14そのように、これらの小さな者が一人でも滅びることは、あなたがたの天の父の御心ではない。」 |
|||
年間第19水曜日 | 8月13日(水) | 年間 | |
第一朗読申命記34・1-12これがあなたの子孫に与えるとわたしがアブラハム、イサク、ヤコブに誓った土地である。 申命記その日、34・1モーセはモアブの平野からネボ山、すなわちエリコの向かいにあるピスガの山頂に登った。主はモーセに、すべての土地が見渡せるようにされた。ギレアドからダンまで、2ナフタリの全土、エフライムとマナセの領土、西の海に至るユダの全土、3ネゲブおよびなつめやしの茂る町エリコの谷からツォアルまでである。4主はモーセに言われた。 「これがあなたの子孫に与えるとわたしがアブラハム、イサク、ヤコブに誓った土地である。わたしはあなたがそれを自分の目で見るようにした。あなたはしかし、そこに渡って行くことはできない。」 5主の僕モーセは、主の命令によってモアブの地で死んだ。6主は、モーセをべト・ペオルの近くのモアブの地にある谷に葬られたが、今日に至るまで、だれも彼が葬られた場所を知らない。7モーセは死んだとき百二十歳であったが、目はかすまず、活力もうせてはいなかった。8イスラエルの人々はモアブの平野で三十日の間、モーセを悼んで泣き、モーセのために喪に服して、その期間は終わった。 9ヌンの子ヨシュアは知恵の霊に満ちていた。モーセが彼の上に手を置いたからである。イスラエルの人々は彼に聞き従い、主がモーセに命じられたとおり行った。 10イスラエルには、再びモーセのような預言者は現れなかった。主が顔と顔を合わせて彼を選び出されたのは、11彼をエジプトの国に遣わして、ファラオとそのすべての家臣および全土に対してあらゆるしるしと奇跡を行わせるためであり、12また、モーセが全イスラエルの目の前で、あらゆる力ある業とあらゆる大いなる恐るべき出来事を示すためであった。 答唱詩編詩編66・5+6、16+17神の栄えをほめうたい、その栄光を賛美せよ。 詩編6666・5神のわざを仰ぎ見よ、 16神をおそれる者は耳を傾けよ。 福音朗読マタイ18・15-20アレルヤ、アレルヤ。神はキリストのうちに世をご自分に和解させ、和解のことばをわたしたちにゆだねられた。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。18・15「兄弟があなたに対して罪を犯したなら、行って二人だけのところで忠告しなさい。言うことを聞き入れたら、兄弟を得たことになる。16聞き入れなければ、ほかに一人か二人、一緒に連れて行きなさい。すべてのことが、二人または三人の証人の口によって確定されるようになるためである。17それでも聞き入れなければ、教会に申し出なさい。教会の言うことも聞き入れないなら、その人を異邦人か徴税人と同様に見なしなさい。 18はっきり言っておく。あなたがたが地上でつなぐことは、天上でもつながれ、あなたがたが地上で解くことは、天上でも解かれる。19また、はっきり言っておくが、どんな願い事であれ、あなたがたのうち二人が地上で心を一つにして求めるなら、わたしの天の父はそれをかなえてくださる。20二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいるのである。」 |
|||
聖マキシミリアノ・マリア・コルベ 司祭殉教者 | 8月14日(木) | 記念日 | |
第一朗読ヨシュア記3・7-10a、11、13-17見よ、全地の主の契約の箱があなたたちの先に立ってヨルダン川を渡って行く。 ヨシュア記その日、3・7主はヨシュアに言われた。 「今日から、全イスラエルの見ている前であなたを大いなる者にする。そして、わたしがモーセと共にいたように、あなたと共にいることを、すべての者に知らせる。8あなたは、契約の箱を担ぐ祭司たちに、ヨルダン川の水際に着いたら、ヨルダン川の中に立ち止まれと命じなさい。」 9ヨシュアはイスラエルの人々に、「ここに来て、あなたたちの神、主の言葉を聞け」と命じ、10こう言った。「生ける神があなたたちの間におられて、カナン人や他の民族をあなたたちの前から完全に追い払ってくださることは、次のことで分かる。11見よ、全地の主の契約の箱があなたたちの先に立ってヨルダン川を渡って行く。13全地の主である主の箱を担ぐ祭司たちの足がヨルダン川の水に入ると、川上から流れてくる水がせき止められ、ヨルダン川の水は、壁のように立つであろう。」 14ヨルダン川を渡るため、民が天幕を後にしたとき、契約の箱を担いだ祭司たちは、民の先頭に立ち、15ヨルダン川に達した。春の刈り入れの時期で、ヨルダン川の水は堤を越えんばかりに満ちていたが、箱を担ぐ祭司たちの足が水際に浸ると、16川上から流れてくる水は、はるか遠くのツァレタンの隣町アダムで壁のように立った。そのため、アラバの海すなわち塩の海に流れ込む水は全く断たれ、民はエリコに向かって渡ることができた。17主の契約の箱を担いだ祭司たちがヨルダン川の真ん中の干上がった川床に立ち止まっているうちに、全イスラエルは干上がった川床を渡り、民はすべてヨルダン川を渡り終わった。 答唱詩編詩編105・1+2、42+43心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう 詩編105105・1神に感謝してその名をたたえよ。 43神は民を喜びのうちに導き出された、 福音朗読マタイ18・21-19・1アレルヤ、アレルヤ。あなたの顔をわたしの上に輝かせ、掟を授けてください。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音18・21そのとき、ペトロがイエスのところに来て言った。「主よ、兄弟がわたしに対して罪を犯したなら、何回赦すべきでしょうか。七回までですか。」22イエスは言われた。「あなたに言っておく。七回どころか七の七十倍までも赦しなさい。23そこで、天の国は次のようにたとえられる。ある王が、家来たちに貸した金の決済をしようとした。24決済し始めたところ、一万タラントン借金している家来が、王の前に連れて来られた。25しかし、返済できなかったので、主君はこの家来に、自分も妻も子も、また持ち物も全部売って返済するように命じた。26家来はひれ伏し、『どうか待ってください。きっと全部お返しします』としきりに願った。27その家来の主君は憐れに思って、彼を赦し、その借金を帳消しにしてやった。28ところが、この家来は外に出て、自分に百デナリオンの借金をしている仲間に出会うと、捕まえて首を絞め、『借金を返せ』と言った。29仲間はひれ伏して、『どうか待ってくれ。返すから』としきりに頼んだ。30しかし、承知せず、その仲間を引っぱって行き、借金を返すまでと牢に入れた。31仲間たちは、事の次第を見て非常に心を痛め、主君の前に出て事件を残らず告げた。32そこで、主君はその家来を呼びつけて言った。『不届きな家来だ。お前が頼んだから、借金を全部帳消しにしてやったのだ。33わたしがお前を憐れんでやったように、お前も自分の仲間を憐れんでやるべきではなかったか。』34そして、主君は怒って、借金をすっかり返済するまでと、家来を牢役人に引き渡した。35あなたがたの一人一人が、心から兄弟を赦さないなら、わたしの天の父もあなたがたに同じようになさるであろう。」 19・1イエスはこれらの言葉を語り終えると、ガリラヤを去り、ヨルダン川の向こう側のユダヤ地方に行かれた。 |
|||
聖母の被昇天・前晩のミサ | 8月14日(木) | 聖人の記念 | |
第一朗読歴代誌上15・3-4、15-16、16・1-2ダビデは主の御名によって民を祝福した。 歴代誌その日、15・3ダビデはイスラエルのすべての人々をエルサレムに召集し、主の箱を運び上げて、そのために整えた場所に納めようとした。4彼はまたアロンの子らとレビ人たちを呼び集めた。15主の言葉に従ってモーセが命じたように、レビ人たちが竿を肩に当てて神の箱を担いだ。16ダビデはレビ人の長たちに命じて、詠唱者であるその兄弟たちを任務に就かせ、琴、竪琴、シンバルなどの楽器を奏で、声を張り上げ、喜び祝うようにさせた。16・1人々は神の箱を運び入れ、ダビデの張った天幕の中に安置し、神の御前に焼き尽くす献げ物と和解の献げ物をささげた。2焼き尽くす献げ物と和解の献げ物をささげ終わると、ダビデは主の御名によって民を祝福した。 答唱詩編。詩編89・21+22、29+35神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。 詩編8989・21わたしはしもべダビドを選び、 29わたしのいつくしみは永遠に変わることなく、 第二朗読①コリント15・54-57わたしたちの主イエス・キリストによってわたしたちに勝利を賜る神に、感謝しよう。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、15・54この朽ちるべきものが朽ちないものを着、この死ぬべきものが死なないものを着るとき、次のように書かれている言葉が実現するのです。 「死は勝利にのみ込まれた。 56死のとげは罪であり、罪の力は律法です。57わたしたちの主イエス・キリストによってわたしたちに勝利を賜る神に、感謝しよう。 福音朗読ルカ11・27-28アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音11・27そのとき、イエスがこれらのことを話しておられると、ある女が群衆の中から声高らかに言った。「なんと幸いなことでしょう、あなたを宿した胎、あなたが吸った乳房は。」28しかし、イエスは言われた。「むしろ、幸いなのは神の言葉を聞き、それを守る人である。」 |
|||
聖母の被昇天 | 8月15日(金) | 聖人の記念 | |
第一朗読黙示録11・19a、12・1-6、10ab一人の女が身に太陽をまとい、月を足の下にしていた。 ヨハネの黙示11・19a天にある神の神殿が開かれて、その神殿の中にある契約の箱が見えた。 12・1また、天に大きなしるしが現れた。一人の女が身に太陽をまとい、月を足の下にし、頭には十二の星の冠をかぶっていた。2女は身ごもっていたが、子を産む痛みと苦しみのため叫んでいた。3また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ、火のように赤い大きな竜である。これには七つの頭と十本の角があって、その頭に七つの冠をかぶっていた。4竜の尾は、天の星の三分の一を掃き寄せて、地上に投げつけた。そして、竜は子を産もうとしている女の前に立ちはだかり、産んだら、その子を食べてしまおうとしていた。5女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖ですべての国民を治めることになっていた。子は神のもとへ、その玉座へ引き上げられた。6女は荒れ野へ逃げ込んだ。そこには、神の用意された場所があった。 10abわたしは、天で大きな声が次のように言うのを、聞いた。 「今や、我々の神の救いと力と支配が現れた。 答唱詩編詩編45・3+4、11+12神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。 詩編4545・3あなたは人の子のうちたぐいなく美しく、 11娘よ、聞け、耳を傾けよ、 第二朗読①コリント15・20-27a最初にキリスト、次いで、キリストに属している人たち。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、15・20キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました。21死が一人の人によって来たのだから、死者の復活も一人の人によって来るのです。22つまり、アダムによってすべての人が死ぬことになったように、キリストによってすべての人が生かされることになるのです。23ただ、一人一人にそれぞれ順序があります。最初にキリスト、次いで、キリストが来られるときに、キリストに属している人たち、24次いで、世の終わりが来ます。そのとき、キリストはすべての支配、すべての権威や勢力を滅ぼし、父である神に国を引き渡されます。25キリストはすべての敵を御自分の足の下に置くまで、国を支配されることになっているからです。最後の敵として、死が滅ぼされます。「神は、すべてをその足の下に服従させた」からです。 福音朗読ルカ1・39-56アレルヤ、アレルヤ。マリアは天に上げられた。天使の群れは喜び輝く。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音1・39そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。40そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。41マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、42声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。43わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。44あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。45主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」 46そこで、マリアは言った。 「わたしの魂は主をあがめ、 56マリアは、三か月ほどエリサベトのところに滞在してから、自分の家に帰った。 |
|||
年間第19土曜日 | 8月16日(土) | 年間 | |
第一朗読ヨシュア記24・14-29主を捨てて、ほかの神々に仕えることなど、するはずがありません。 ヨシュア記そのとき、ヨシュアは民に言った。14「あなたたちはだから、主を畏れ、真心を込め真実をもって彼に仕え、あなたたちの先祖が川の向こう側やエジプトで仕えていた神々を除き去って、主に仕えなさい。15もし主に仕えたくないというならば、川の向こう側にいたあなたたちの先祖が仕えていた神々でも、あるいは今、あなたたちが住んでいる土地のアモリ人の神々でも、仕えたいと思うものを、今日、自分で選びなさい。ただし、わたしとわたしの家は主に仕えます。」 16民は答えた。 「主を捨てて、ほかの神々に仕えることなど、するはずがありません。17わたしたちの神、主は、わたしたちとわたしたちの先祖を、奴隷にされていたエジプトの国から導き上り、わたしたちの目の前で数々の大きな奇跡を行い、わたしたちの行く先々で、またわたしたちが通って来たすべての民の中で、わたしたちを守ってくださった方です。18主はまた、この土地に住んでいたアモリ人をはじめ、すべての民をわたしたちのために追い払ってくださいました。わたしたちも主に仕えます。この方こそ、わたしたちの神です。」 19ヨシュアはしかし、民に言った。 「あなたたちは主に仕えることができないであろう。この方は聖なる神であり、熱情の神であって、あなたたちの背きと罪をお赦しにならないからである。20もし、あなたたちが主を捨てて外国の神々に仕えるなら、あなたたちを幸せにした後でも、一転して災いをくだし、あなたたちを滅ぼし尽くされる。」 21民がヨシュアに、「いいえ、わたしたちは主を礼拝します」と言うと、22ヨシュアは民に言った。 「あなたたちが主を選び、主に仕えるということの証人はあなたたち自身である。」 彼らが、「そのとおり、わたしたちが証人です」と答えると、23「それではあなたたちのもとにある外国の神々を取り除き、イスラエルの神、主に心を傾けなさい」と勧めた。 24民はヨシュアに答えた。 「わたしたちの神、主にわたしたちは仕え、その声に聞き従います。」 25その日、ヨシュアはシケムで民と契約を結び、彼らのために掟と法とを定めた。26ヨシュアは、これらの言葉を神の教えの書に記し、次いで、大きな石を取り、主の聖所にあるテレビンの木のもとに立て、27民全員に告げた。 「見よ、この石がわたしたちに対して証拠となる。この石は、わたしたちに語られた主の仰せをことごとく聞いているからである。この石は、あなたたちが神を欺くことのないように、あなたたちに対して証拠となる。」 28ヨシュアはこうして、民をそれぞれの嗣業の土地に送り出した。 29これらのことの後、主の僕、ヌンの子ヨシュアは百十歳の生涯を閉じた。 答唱詩編詩編16・5、11しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。 詩編1616・5神よ、あなたはわたしの受けるゆずり、 11あなたはいのちの道を示してくださる。 福音朗読マタイ19・13-15アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音19・13そのとき、イエスに手を置いて祈っていただくために、人々が子供たちを連れて来た。弟子たちはこの人々を叱った。14しかし、イエスは言われた。「子供たちを来させなさい。わたしのところに来るのを妨げてはならない。天の国はこのような者たちのものである。」15そして、子供たちに手を置いてから、そこを立ち去られた。 |
|||
年間第20主日 | 8月17日(日) | 年間 | |
第一朗読エレミヤ38・4-6、8-10あなたは国中で争いの絶えない男であるわたしを産んだ エレミヤの預言その日、38・4役人たちはエレミヤについて王に言った。 「どうか、この男を死刑にしてください。あのようなことを言いふらして、この都に残った兵士と民衆の士気を挫いています。この民のために平和を願わず、むしろ災いを望んでいるのです。」 5ゼデキヤ王は答えた。「あの男のことはお前たちに任せる。王であっても、お前たちの意に反しては何もできないのだから。」 6そこで、役人たちはエレミヤを捕らえ、監視の庭にある王子マルキヤの水溜めへ綱でつり降ろした。水溜めには水がなく泥がたまっていたので、エレミヤは泥の中に沈んだ。 8エベド・メレクは宮廷を出て王に訴えた。 9「王様、この人々は、預言者エレミヤにありとあらゆるひどいことをしています。彼を水溜めに投げ込みました。エレミヤはそこで飢えて死んでしまいます。もう都にはパンがなくなりましたから。」 10王はクシュ人エベド・メレクに、「ここから三十人の者を連れて行き、預言者エレミヤが死なないうちに、水溜めから引き上げるがよい」と命じた。 答唱詩編詩編40・2+4ab、11ab+12神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。 詩編4040・2わたしはせつに神を呼び求め、 11abわたしはあなたの恵みを心の中に隠さず、 第二朗読ヘブライ12・1-4自分に定められている競走を忍耐強く走り抜こう ヘブライ人への手紙皆さん、12・1わたしたちは、このようにおびただしい証人の群れに囲まれている以上、すべての重荷や絡みつく罪をかなぐり捨てて、自分に定められている競走を忍耐強く走り抜こうではありませんか、2信仰の創始者また完成者であるイエスを見つめながら。このイエスは、御自身の前にある喜びを捨て、恥をもいとわないで十字架の死を耐え忍び、神の玉座の右にお座りになったのです。3あなたがたが、気力を失い疲れ果ててしまわないように、御自分に対する罪人たちのこのような反抗を忍耐された方のことを、よく考えなさい。 4あなたがたはまだ、罪と戦って血を流すまで抵抗したことがありません。 福音朗読ルカ12・49-53アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。12・49「わたしが来たのは、地上に火を投ずるためである。その火が既に燃えていたらと、どんなに願っていることか。50しかし、わたしには受けねばならない洗礼がある。それが終わるまで、わたしはどんなに苦しむことだろう。51あなたがたは、わたしが地上に平和をもたらすために来たと思うのか。そうではない。言っておくが、むしろ分裂だ。 52今から後、一つの家に五人いるならば、三人は二人と、二人は三人と対立して分かれるからである。 |
|||
年間第20月曜日 | 8月18日(月) | 年間 | |
第一朗読士師記2・11-19イスラエルの人々は主の目に悪とされることを行い、バアルに仕えるものとなった。 士師記そのころ、2・11イスラエルの人々は主の目に悪とされることを行い、バアルに仕えるものとなった。12彼らは自分たちをエジプトの地から導き出した先祖の神、主を捨て、他の神々、周囲の国の神々に従い、これにひれ伏して、主を怒らせた。13彼らは主を捨て、バアルとアシュトレトに仕えたので、14主はイスラエルに対して怒りに燃え、彼らを略奪者の手に任せて、略奪されるがままにし、周りの敵の手に売り渡された。彼らはもはや、敵に立ち向かうことができなかった。15出陣するごとに、主が告げて彼らに誓われたとおり、主の御手が彼らに立ち向かい、災いをくだされた。彼らは苦境に立たされた。 16主は士師たちを立てて、彼らを略奪者の手から救い出された。17しかし、彼らは士師たちにも耳を傾けず、他の神々を恋い慕って姦淫し、これにひれ伏した。彼らは、先祖が主の戒めに聞き従って歩んでいた道を早々に離れ、同じように歩もうとはしなかった。18主は彼らのために士師たちを立て、士師と共にいて、その士師の存命中敵の手から救ってくださったが、それは圧迫し迫害する者を前にしてうめく彼らを、主が哀れに思われたからである。19その士師が死ぬと、彼らはまた先祖よりいっそう堕落して、他の神々に従い、これに仕え、ひれ伏し、その悪い行いとかたくなな歩みを何一つ断たなかった。 答唱詩編詩編78・5、10+11神のわざを思い起こそう、力ある不思議なわざ。 詩編7878・5神はヤコブにおきてを与え、 10彼らは神の契約を守らず、 福音朗読マタイ19・16-22アレルヤ、アレルヤ。心の貧しい人は幸い。天の国はその人のもの。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、19・16一人の男がイエスに近寄って来て言った。「先生、永遠の命を得るには、どんな善いことをすればよいのでしょうか。」17イエスは言われた。「なぜ、善いことについて、わたしに尋ねるのか。善い方はおひとりである。もし命を得たいのなら、掟を守りなさい。」18男が「どの掟ですか」と尋ねると、イエスは言われた。「『殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証するな、19父母を敬え、また、隣人を自分のように愛しなさい。』」20そこで、この青年は言った。「そういうことはみな守ってきました。まだ何か欠けているでしょうか。」21イエスは言われた。「もし完全になりたいのなら、行って持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい。」22青年はこの言葉を聞き、悲しみながら立ち去った。たくさんの財産を持っていたからである。 |
|||
年間第20火曜日 | 8月19日(火) | 年間 | |
第一朗読士師記6・11-24aギデオンはそこに主のための祭壇を築き、「平和の主」と名付けた 士師記その日、6・11主の御使いが来て、オフラにあるテレビンの木の下に座った。これはアビエゼルの人ヨアシュのものであった。その子ギデオンは、ミディアン人に奪われるのを免れるため、酒ぶねの中で小麦を打っていた。12主の御使いは彼に現れて言った。「勇者よ、主はあなたと共におられます。」13ギデオンは彼に言った。「わたしの主よ、お願いします。主なる神がわたしたちと共においでになるのでしたら、なぜこのようなことがわたしたちにふりかかったのですか。先祖が、『主は、我々をエジプトから導き上られたではないか』と言って語り伝えた、驚くべき御業はすべてどうなってしまったのですか。今、主はわたしたちを見放し、ミディアン人の手に渡してしまわれました。」14主は彼の方を向いて言われた。「あなたのその力をもって行くがよい。あなたはイスラエルを、ミディアン人の手から救い出すことができる。わたしがあなたを遣わすのではないか。」15彼は言った。「わたしの主よ、お願いします。しかし、どうすればイスラエルを救うことができましょう。わたしの一族はマナセの中でも最も貧弱なものです。それにわたしは家族の中でいちばん年下の者です。」16主は彼に言われた。「わたしがあなたと共にいるから、あなたはミディアン人をあたかも一人の人を倒すように打ち倒すことができる。」17彼は言った。「もし御目にかないますなら、あなたがわたしにお告げになるのだというしるしを見せてください。18どうか、わたしが戻って来るまでここを離れないでください。供え物を持って来て、御前におささげしますから。」主は、「あなたが帰って来るまでここにいる」と言われた。 19ギデオンは行って、子山羊一匹、麦粉一エファの酵母を入れないパンを調え、肉を籠に、肉汁を壺に入れ、テレビンの木の下にいる方に差し出した。20神の御使いは、「肉とパンを取ってこの岩の上に置き、肉汁を注ぎなさい」と言った。ギデオンはそのとおりにした。21主の御使いは、手にしていた杖の先を差し伸べ、肉とパンに触れた。すると、岩から火が燃え上がり、肉とパンを焼き尽くした。主の御使いは消えていた。22ギデオンは、この方が主の御使いであることを悟った。ギデオンは言った。「ああ、主なる神よ。わたしは、なんと顔と顔を合わせて主の御使いを見てしまいました。」23主は彼に言われた。「安心せよ。恐れるな。あなたが死ぬことはない。」24ギデオンはそこに主のための祭壇を築き、「平和の主」と名付けた。 答唱詩編詩編85・9、10+11神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。 詩編8585・9神の語られることばを聞こう。 10救いは神をおそれる人に近く、 福音朗読マタイ19・23-30アレルヤ、アレルヤ。イエス・キリストは富んでおられたのに、貧しくなられた。あなたがたがキリストの貧しさによって富むように。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、19・23イエスは弟子たちに言われた。「はっきり言っておく。金持ちが天の国に入るのは難しい。24重ねて言うが、金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい。」25弟子たちはこれを聞いて非常に驚き、「それでは、だれが救われるのだろうか」と言った。26イエスは彼らを見つめて、「それは人間にできることではないが、神は何でもできる」と言われた。27すると、ペトロがイエスに言った。「このとおり、わたしたちは何もかも捨ててあなたに従って参りました。では、わたしたちは何をいただけるのでしょうか。」28イエスは一同に言われた。「はっきり言っておく。新しい世界になり、人の子が栄光の座に座るとき、あなたがたも、わたしに従って来たのだから、十二の座に座ってイスラエルの十二部族を治めることになる。29わたしの名のために、家、兄弟、姉妹、父、母、子供、畑を捨てた者は皆、その百倍もの報いを受け、永遠の命を受け継ぐ。30しかし、先にいる多くの者が後になり、後にいる多くの者が先になる。」 |
|||
聖ベルナルド 修道院長教会博士 | 8月20日(水) | 記念日 | |
第一朗読士師記9・6-15わたしの言うことを聞いてください。そうすれば、神はあなたたちの言うことを聞き入れてくださる。 士師記その日、9・6シケムのすべての首長とベト・ミロの全員が集まり、赴いて、シケムの石柱のあるテレビンの木の傍らでアビメレクを王とした。7このことがヨタムに知らされると、彼はゲリジム山の頂に行って立ち、大声を張り上げて言った。 「シケムの首長たちよ。 答唱詩編詩編72・1+2、17神はすべてのものを治め、偉大な力に満ちておられる。 詩編7272・1神よ、あなたの正義を王に与え、 17王の名は世々に及び、 福音朗読マタイ20・1-16アレルヤ、アレルヤ。神のことばは生きていて力があり、心の思いと計画をわきまえる。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちにこのたとえを語られた。20・1「天の国は次のようにたとえられる。ある家の主人が、ぶどう園で働く労働者を雇うために、夜明けに出かけて行った。2主人は、一日につき一デナリオンの約束で、労働者をぶどう園に送った。3また、九時ごろ行ってみると、何もしないで広場に立っている人々がいたので、4『あなたたちもぶどう園に行きなさい。ふさわしい賃金を払ってやろう』と言った。5それで、その人たちは出かけて行った。主人は、十二時ごろと三時ごろにまた出て行き、同じようにした。6五時ごろにも行ってみると、ほかの人々が立っていたので、『なぜ、何もしないで一日中ここに立っているのか』と尋ねると、7彼らは、『だれも雇ってくれないのです』と言った。主人は彼らに、『あなたたちもぶどう園に行きなさい』と言った。8夕方になって、ぶどう園の主人は監督に、『労働者たちを呼んで、最後に来た者から始めて、最初に来た者まで順に賃金を払ってやりなさい』と言った。9そこで、五時ごろに雇われた人たちが来て、一デナリオンずつ受け取った。10最初に雇われた人たちが来て、もっと多くもらえるだろうと思っていた。しかし、彼らも一デナリオンずつであった。11それで、受け取ると、主人に不平を言った。12『最後に来たこの連中は、一時間しか働きませんでした。まる一日、暑い中を辛抱して働いたわたしたちと、この連中とを同じ扱いにするとは。』13主人はその一人に答えた。『友よ、あなたに不当なことはしていない。あなたはわたしと一デナリオンの約束をしたではないか。14自分の分を受け取って帰りなさい。わたしはこの最後の者にも、あなたと同じように支払ってやりたいのだ。15自分のものを自分のしたいようにしては、いけないか。それとも、わたしの気前のよさをねたむのか。』16このように、後にいる者が先になり、先にいる者が後になる。」 |
|||
聖ピオ十世 教皇 | 8月21日(木) | 記念日 | |
第一朗読士師記11・29-39a彼女が父のもとに帰って来ると、エフタは立てた誓いどおりに娘をささげた 士師記その日、11・29主の霊がエフタに臨んだ。彼はギレアドとマナセを通り、更にギレアドのミツパを通り、ギレアドのミツパからアンモン人に向かって兵を進めた。30エフタは主に誓いを立てて言った。「もしあなたがアンモン人をわたしの手に渡してくださるなら、31わたしがアンモンとの戦いから無事に帰るとき、わたしの家の戸口からわたしを迎えに出て来る者を主のものといたします。わたしはその者を、焼き尽くす献げ物といたします。」32こうしてエフタは進んで行き、アンモン人と戦った。主は彼らをエフタの手にお渡しになった。33彼はアロエルからミニトに至るまでの二十の町とアベル・ケラミムに至るまでのアンモン人を徹底的に撃ったので、アンモン人はイスラエルの人々に屈服した。 34エフタがミツパにある自分の家に帰ったとき、自分の娘が鼓を打ち鳴らし、踊りながら迎えに出て来た。彼女は一人娘で、彼にはほかに息子も娘もいなかった。35彼はその娘を見ると、衣を引き裂いて言った。「ああ、わたしの娘よ。お前がわたしを打ちのめし、お前がわたしを苦しめる者になるとは。わたしは主の御前で口を開いてしまった。取り返しがつかない。」36彼女は言った。「父上。あなたは主の御前で口を開かれました。どうか、わたしを、その口でおっしゃったとおりにしてください。主はあなたに、あなたの敵アンモン人に対して復讐させてくださったのですから。」37彼女は更に言った。「わたしにこうさせていただきたいのです。二か月の間、わたしを自由にしてください。わたしは友達と共に出かけて山々をさまよい、わたしが処女のままであることを泣き悲しみたいのです。」38彼は「行くがよい」と言って、娘を二か月の間去らせた。彼女は友達と共に出かけ、山々で、処女のままであることを泣き悲しんだ。39二か月が過ぎ、彼女が父のもとに帰って来ると、エフタは立てた誓いどおりに娘をささげた。 答唱詩編詩編40・6、10神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。 詩編4040・6神よ、あなたの不思議なわざは数えきれず、 10わたしは人々のつどいの中で、 福音朗読マタイ22・1-14アレルヤ、アレルヤ。神に心を閉じてはならない。今日こそ神のことばを聞こう。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは祭司長や民の長老たちに22・1たとえを用いて語られた。2「天の国は、ある王が王子のために婚宴を催したのに似ている。3王は家来たちを送り、婚宴に招いておいた人々を呼ばせたが、来ようとしなかった。4そこでまた、次のように言って、別の家来たちを使いに出した。『招いておいた人々にこう言いなさい。「食事の用意が整いました。牛や肥えた家畜を屠って、すっかり用意ができています。さあ、婚宴においでください。」』5しかし、人々はそれを無視し、一人は畑に、一人は商売に出かけ、6また、他の人々は王の家来たちを捕まえて乱暴し、殺してしまった。7そこで、王は怒り、軍隊を送って、この人殺しどもを滅ぼし、その町を焼き払った。8そして、家来たちに言った。『婚宴の用意はできているが、招いておいた人々は、ふさわしくなかった。9だから、町の大通りに出て、見かけた者はだれでも婚宴に連れて来なさい。』10そこで、家来たちは通りに出て行き、見かけた人は善人も悪人も皆集めて来たので、婚宴は客でいっぱいになった。11王が客を見ようと入って来ると、婚礼の礼服を着ていない者が一人いた。12王は、『友よ、どうして礼服を着ないでここに入って来たのか』と言った。この者が黙っていると、13王は側近の者たちに言った。『この男の手足を縛って、外の暗闇にほうり出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。』14招かれる人は多いが、選ばれる人は少ない。」 |
|||
天の元后聖マリア | 8月22日(金) | 記念日 | |
第一朗読ルツ1・1、3-6、14b-16、22ナオミは、モアブ生まれの嫁ルツを連れてモアブの野を去り、帰って来た。二人がベツレヘムに着いた ルツ記1・1士師が世を治めていたころ、飢饉が国を襲ったので、ある人が妻と二人の息子を連れて、ユダのベツレヘムからモアブの野に移り住んだ。3夫エリメレクは、妻ナオミと二人の息子を残して死んだ。 4息子たちはその後、モアブの女を妻とした。一人はオルパ、もう一人はルツといった。十年ほどそこに暮らしたが、5マフロンとキルヨンの二人も死に、ナオミは夫と二人の息子に先立たれ、一人残された。6ナオミは、モアブの野を去って国に帰ることにし、嫁たちも従った。主がその民を顧み、食べ物をお与えになったということを彼女はモアブの野で聞いたのである。 故国ユダに帰る道すがら、ナオミが二人の娘に「自分の里に帰りなさい」と言ったので、14オルパはやがて、しゅうとめに別れの口づけをしたが、ルツはすがりついて離れなかった。 15ナオミは言った。 「あのとおり、あなたの相嫁は自分の民、自分の神のもとへ帰って行こうとしている。あなたも後を追って行きなさい。」 16ルツは言った。 「あなたを見捨て、あなたに背を向けて帰れなどと、そんなひどいことを強いないでください。 わたしは、あなたの行かれる所に行き 22ナオミはこうして、モアブ生まれの嫁ルツを連れてモアブの野を去り、帰って来た。二人がベツレヘムに着いたのは、大麦の刈り入れの始まるころであった。 答唱詩編詩編146・6c+7、8ac+9bcいのちあるすべてのものは、神をたたえよ。 詩編146146・6c神はとこしえにまことをしめし、 8ac神は見えない人の目をひらき、 福音朗読マタイ22・34-40アレルヤ、アレルヤ。主よ、話してください。しもべは聞きます。あなたは永遠のいのちのことばをもっておられます。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、22・34ファリサイ派の人々は、イエスがサドカイ派の人々を言い込められたと聞いて、一緒に集まった。35そのうちの一人、律法の専門家が、イエスを試そうとして尋ねた。36「先生、律法の中で、どの掟が最も重要でしょうか。」37イエスは言われた。「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』38これが最も重要な第一の掟である。39第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』40律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている。」 |
|||
年間第20土曜日 | 8月23日(土) | 年間 | |
第一朗読ルツ2・1-3、8-11、4・13-17主をたたえよ。主はあなたを見捨てることなく、家を絶やさぬ責任のある人を今日お与えくださいました ルツ記2・1ナオミの夫エリメレクの一族には一人の有力な親戚がいて、その名をボアズといった。2モアブの女ルツがナオミに、「畑に行ってみます。だれか厚意を示してくださる方の後ろで、落ち穂を拾わせてもらいます」と言うと、ナオミは、「わたしの娘よ、行っておいで」と言った。3ルツは出かけて行き、刈り入れをする農夫たちの後について畑で落ち穂を拾ったが、そこはたまたまエリメレクの一族のボアズが所有する畑地であった。 8ボアズはルツに言った。 「わたしの娘よ、よく聞きなさい。よその畑に落ち穂を拾いに行くことはない。ここから離れることなく、わたしのところの女たちと一緒にここにいなさい。9刈り入れをする畑を確かめておいて、女たちについて行きなさい。若い者には邪魔をしないように命じておこう。喉が渇いたら、水がめの所へ行って、若い者がくんでおいた水を飲みなさい。」 10ルツは、顔を地につけ、ひれ伏して言った。 「よそ者のわたしにこれほど目をかけてくださるとは。厚意を示してくださるのは、なぜですか。」 11ボアズは答えた。 「主人が亡くなった後も、しゅうとめに尽くしたこと、両親と生まれ故郷を捨てて、全く見も知らぬ国に来たことなど、何もかも伝え聞いていました。 13ボアズはこうしてルツをめとったので、ルツはボアズの妻となり、ボアズは彼女のところに入った。主が身ごもらせたので、ルツは男の子を産んだ。14女たちはナオミに言った。 「主をたたえよ。主はあなたを見捨てることなく、家を絶やさぬ責任のある人を今日お与えくださいました。どうか、イスラエルでその子の名があげられますように。15その子はあなたの魂を生き返らせる者となり、老後の支えとなるでしょう。あなたを愛する嫁、七人の息子にもまさるあの嫁がその子を産んだのですから。」 16ナオミはその乳飲み子をふところに抱き上げ、養い育てた。17近所の婦人たちは、ナオミに子供が生まれたと言って、その子に名前を付け、その子をオベドと名付けた。オベドはエッサイの父、エッサイはダビデの父である。 答唱詩編詩編128・2+3ab、3cd+5+6aしあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。 詩編128128・2額に汗してかてを受け、 3cdオリーブの若木のように、子どもたちは食卓を囲む。 福音朗読マタイ23・1-12アレルヤ、アレルヤ。あなたがたの父は、天におられる方、ただひとり。あなたがたの師はキリストただひとり。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、23・1イエスは群衆と弟子たちにお話しになった。2「律法学者たちやファリサイ派の人々は、モーセの座に着いている。3だから、彼らが言うことは、すべて行い、また守りなさい。しかし、彼らの行いは、見倣ってはならない。言うだけで、実行しないからである。4彼らは背負いきれない重荷をまとめ、人の肩に載せるが、自分ではそれを動かすために、指一本貸そうともしない。5そのすることは、すべて人に見せるためである。聖句の入った小箱を大きくしたり、衣服の房を長くしたりする。6宴会では上座、会堂では上席に座ることを好み、7また、広場で挨拶されたり、『先生』と呼ばれたりすることを好む。8だが、あなたがたは『先生』と呼ばれてはならない。あなたがたの師は一人だけで、あとは皆兄弟なのだ。9また、地上の者を『父』と呼んではならない。あなたがたの父は天の父おひとりだけだ。10『教師』と呼ばれてもいけない。あなたがたの教師はキリスト一人だけである。11あなたがたのうちでいちばん偉い人は、仕える者になりなさい。12だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。」 |
|||
年間第21主日 | 8月24日(日) | 年間 | |
第一朗読イザヤ66・18-21彼らはあなたたちのすべての兄弟を、あらゆる国民の間から連れて来る。 イザヤの預言主は言われる。66・18わたしは彼らの業と彼らの謀のゆえに、すべての国、すべての言葉の民を集めるために臨む。彼らは来て、わたしの栄光を見る。19わたしは、彼らの間に一つのしるしをおき、彼らの中から生き残った者を諸国に遣わす。すなわち、タルシシュに、弓を巧みに引くプルとルドに、トバルとヤワンに、更にわたしの名声を聞いたことも、わたしの栄光を見たこともない、遠い島々に遣わす。彼らはわたしの栄光を国々に伝える。20彼らはあなたたちのすべての兄弟を主への献げ物として、馬、車、駕籠、らば、らくだに載せ、あらゆる国民の間からわたしの聖なる山エルサレムに連れて来る、と主は言われる。それは、イスラエルの子らが献げ物を清い器に入れて、主の神殿にもたらすのと同じである、と主は言われる。21わたしは彼らのうちからも祭司とレビ人を立てる、と主は言われる。 答唱詩編詩編117・1+2、栄唱主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編117117・1すべての国よ、神をたたえ、 栄唱栄光は父と子と聖霊に。 第二朗読ヘブライ12・5-7、11-13主は愛する者を鍛えられる。 ヘブライ人への手紙皆さん、12・5あなたがたは、子供たちに対するようにあなたがたに話されている次の勧告を忘れています。 「わが子よ、主の鍛錬を軽んじてはいけない。 12だから、萎えた手と弱くなったひざをまっすぐにしなさい。13また、足の不自由な人が踏み外すことなく、むしろいやされるように、自分の足でまっすぐな道を歩きなさい。 福音朗読ルカ13・22-30アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行けない。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、13・22イエスは町や村を巡って教えながら、エルサレムへ向かって進んでおられた。23すると、「主よ、救われる者は少ないのでしょうか」と言う人がいた。イエスは一同に言われた。24「狭い戸口から入るように努めなさい。言っておくが、入ろうとしても入れない人が多いのだ。25家の主人が立ち上がって、戸を閉めてしまってからでは、あなたがたが外に立って戸をたたき、『御主人様、開けてください』と言っても、『お前たちがどこの者か知らない』という答えが返ってくるだけである。26そのとき、あなたがたは、『御一緒に食べたり飲んだりしましたし、また、わたしたちの広場でお教えを受けたのです』と言いだすだろう。27しかし主人は、『お前たちがどこの者か知らない。不義を行う者ども、皆わたしから立ち去れ』と言うだろう。28あなたがたは、アブラハム、イサク、ヤコブやすべての預言者たちが神の国に入っているのに、自分は外に投げ出されることになり、そこで泣きわめいて歯ぎしりする。29そして人々は、東から西から、また南から北から来て、神の国で宴会の席に着く。30そこでは、後の人で先になる者があり、先の人で後になる者もある。」 |
|||
年間第21月曜日 | 8月25日(月) | 年間 | |
第一朗読①テサロニケ1・1-5、8b-10この御子こそ、神が死者の中から復活させた方で、来るべき怒りからわたしたちを救ってくださるイエスです 使徒パウロのテサロニケの教会への手紙1・1パウロ、シルワノ、テモテから、父である神と主イエス・キリストとに結ばれているテサロニケの教会へ。恵みと平和が、あなたがたにあるように。 2わたしたちは、祈りの度に、あなたがたのことを思い起こして、あなたがた一同のことをいつも神に感謝しています。3あなたがたが信仰によって働き、愛のために労苦し、また、わたしたちの主イエス・キリストに対する、希望を持って忍耐していることを、わたしたちは絶えず父である神の御前で心に留めているのです。4神に愛されている兄弟たち、あなたがたが神から選ばれたことを、わたしたちは知っています。5わたしたちの福音があなたがたに伝えられたのは、ただ言葉だけによらず、力と、聖霊と、強い確信とによったからです。わたしたちがあなたがたのところで、どのようにあなたがたのために働いたかは、御承知のとおりです。8b神に対するあなたがたの信仰が至るところで伝えられているので、何も付け加えて言う必要はないほどです。9彼ら自身がわたしたちについて言い広めているからです。すなわち、わたしたちがあなたがたのところでどのように迎えられたか、また、あなたがたがどのように偶像から離れて神に立ち帰り、生けるまことの神に仕えるようになったか、10更にまた、どのように御子が天から来られるのを待ち望むようになったかを。この御子こそ、神が死者の中から復活させた方で、来るべき怒りからわたしたちを救ってくださるイエスです。 答唱詩編詩編149・1+2、5+6a+9bシオンよ、喜べ。エルサレムよ、うたえ。見よ、わたしたちの王、主が来られる。 詩編149149・1新しい歌を神にうたい、 5栄光をあびて神の民は喜び、 福音朗読マタイ23・13-22アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは言われた。23・13「律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。人々の前で天の国を閉ざすからだ。自分が入らないばかりか、入ろうとする人をも入らせない。 15律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。改宗者を一人つくろうとして、海と陸を巡り歩くが、改宗者ができると、自分より倍も悪い地獄の子にしてしまうからだ。 16ものの見えない案内人、あなたたちは不幸だ。あなたたちは、『神殿にかけて誓えば、その誓いは無効である。だが、神殿の黄金にかけて誓えば、それは果たさねばならない』と言う。17愚かで、ものの見えない者たち、黄金と、黄金を清める神殿と、どちらが尊いか。18また、『祭壇にかけて誓えば、その誓いは無効である。その上の供え物にかけて誓えば、それは果たさねばならない』と言う。19ものの見えない者たち、供え物と、供え物を清くする祭壇と、どちらが尊いか。20祭壇にかけて誓う者は、祭壇とその上のすべてのものにかけて誓うのだ。21神殿にかけて誓う者は、神殿とその中に住んでおられる方にかけて誓うのだ。22天にかけて誓う者は、神の玉座とそれに座っておられる方にかけて誓うのだ。」 |
|||
年間第21火曜日 | 8月26日(火) | 年間 | |
第一朗読①テサロニケ2・1-8激しい苦闘の中であなたがたに神の福音を語った 使徒パウロのテサロニケの教会への手紙2・1兄弟たち、 あなたがた自身が知っているように、わたしたちがそちらへ行ったことは無駄ではありませんでした。2無駄ではなかったどころか、知ってのとおり、わたしたちは以前フィリピで苦しめられ、辱められたけれども、わたしたちの神に勇気づけられ、激しい苦闘の中であなたがたに神の福音を語ったのでした。3わたしたちの宣教は、迷いや不純な動機に基づくものでも、また、ごまかしによるものでもありません。4わたしたちは神に認められ、福音をゆだねられているからこそ、このように語っています。人に喜ばれるためではなく、わたしたちの心を吟味される神に喜んでいただくためです。5あなたがたが知っているとおり、わたしたちは、相手にへつらったり、口実を設けてかすめ取ったりはしませんでした。そのことについては、神が証ししてくださいます。6また、あなたがたからもほかの人たちからも、人間の誉れを求めませんでした。7わたしたちは、キリストの使徒として権威を主張することができたのです。しかし、あなたがたの間で幼子のようになりました。ちょうど母親がその子供を大事に育てるように、8わたしたちはあなたがたをいとおしく思っていたので、神の福音を伝えるばかりでなく、自分の命さえ喜んで与えたいと願ったほどです。あなたがたはわたしたちにとって愛する者となったからです。 答唱詩編詩編139・1+2、3+4神のはからいは限りなく、生涯わたしはその中に生きる。 詩編139139・1神よ、あなたはわたしをこころにかけ、 3歩むときも、休むときも見守り、 福音朗読マタイ23・23-26アレルヤ、アレルヤ。神のことばは生きていて力があり、心の思いと計画をわきまえる。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは言われた。23・23「律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。薄荷、いのんど、茴香の十分の一は献げるが、律法の中で最も重要な正義、慈悲、誠実はないがしろにしているからだ。これこそ行うべきことである。もとより、十分の一の献げ物もないがしろにしてはならないが。24ものの見えない案内人、あなたたちはぶよ一匹さえも漉して除くが、らくだは飲み込んでいる。 25律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。杯や皿の外側はきれいにするが、内側は強欲と放縦で満ちているからだ。26ものの見えないファリサイ派の人々、まず、杯の内側をきれいにせよ。そうすれば、外側もきれいになる。」 |
|||
聖モニカ | 8月27日(水) | 記念日 | |
第一朗読①テサロニケ2・9-13神の福音をあなたがたに宣べ伝えた 使徒パウロのテサロニケの教会への手紙2・9兄弟たち、わたしたちの労苦と骨折りを覚えているでしょう。わたしたちは、だれにも負担をかけまいとして、夜も昼も働きながら、神の福音をあなたがたに宣べ伝えたのでした。10あなたがた信者に対して、わたしたちがどれほど敬虔に、正しく、非難されることのないようにふるまったか、あなたがたが証しし、神も証ししてくださいます。11あなたがたが知っているとおり、わたしたちは、父親がその子供に対するように、あなたがた一人一人に12呼びかけて、神の御心にそって歩むように励まし、慰め、強く勧めたのでした。御自身の国と栄光にあずからせようと、神はあなたがたを招いておられます。 13このようなわけで、わたしたちは絶えず神に感謝しています。なぜなら、わたしたちから神の言葉を聞いたとき、あなたがたは、それを人の言葉としてではなく、神の言葉として受け入れたからです。事実、それは神の言葉であり、また、信じているあなたがたの中に現に働いているものです。 答唱詩編詩編139・1+2、9+10神のはからいは限りなく、生涯わたしはその中に生きる。 詩編139139・1神よ、あなたはわたしを心にかけ、 9翼を駆って、東の果てに逃れても、 福音朗読マタイ23・27-32アレルヤ、アレルヤ。キリストのことばを守るなら、神の愛はその人のうちに全うされる。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは言われた。23・27「律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。白く塗った墓に似ているからだ。外側は美しく見えるが、内側は死者の骨やあらゆる汚れで満ちている。28このようにあなたたちも、外側は人に正しいように見えながら、内側は偽善と不法で満ちている。 29律法学者たちとファリサイ派の人々、あなたたち偽善者は不幸だ。預言者の墓を建てたり、正しい人の記念碑を飾ったりしているからだ。30そして、『もし先祖の時代に生きていても、預言者の血を流す側にはつかなかったであろう』などと言う。31こうして、自分が預言者を殺した者たちの子孫であることを、自ら証明している。32先祖が始めた悪事の仕上げをしたらどうだ。」 |
|||
聖アウグスチヌス 司教教会博士 | 8月28日(木) | 記念日 | |
第一朗読①テサロニケ3・7-13あなたがたの信仰によって励まされました 使徒パウロのテサロニケの教会への手紙3・7兄弟たち、わたしたちは、あらゆる困難と苦難に直面しながらも、あなたがたの信仰によって励まされました。8あなたがたが主にしっかりと結ばれているなら、今、わたしたちは生きていると言えるからです。9わたしたちは、神の御前で、あなたがたのことで喜びにあふれています。この大きな喜びに対して、どのような感謝を神にささげたらよいでしょうか。10顔を合わせて、あなたがたの信仰に必要なものを補いたいと、夜も昼も切に祈っています。 11どうか、わたしたちの父である神御自身とわたしたちの主イエスとが、わたしたちにそちらへ行く道を開いてくださいますように。12どうか、主があなたがたを、お互いの愛とすべての人への愛とで、豊かに満ちあふれさせてくださいますように、わたしたちがあなたがたを愛しているように。13そして、わたしたちの主イエスが、御自身に属するすべての聖なる者たちと共に来られるとき、あなたがたの心を強め、わたしたちの父である神の御前で、聖なる、非のうちどころのない者としてくださるように、アーメン。 答唱詩編詩編90・1+2+14、16+17神のはからいは限りなく、生涯、私はその中に生きる。 詩編9090・1主よ、あなたは代々にわたってわたしたちの住まい。 16あなたのわざをわたしたちの上に、 福音朗読マタイ24・42-51アレルヤ、アレルヤ。目覚めて用意していなさい。人の子は思いがけない時に来る。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。24・42目を覚ましていなさい。いつの日、自分の主が帰って来られるのか、あなたがたには分からないからである。43このことをわきまえていなさい。家の主人は、泥棒が夜のいつごろやって来るかを知っていたら、目を覚ましていて、みすみす自分の家に押し入らせはしないだろう。44だから、あなたがたも用意していなさい。人の子は思いがけない時に来るからである。」 45「主人がその家の使用人たちの上に立てて、時間どおり彼らに食事を与えさせることにした忠実で賢い僕は、いったいだれであろうか。46主人が帰って来たとき、言われたとおりにしているのを見られる僕は幸いである。47はっきり言っておくが、主人は彼に全財産を管理させるにちがいない。48しかし、それが悪い僕で、主人は遅いと思い、49仲間を殴り始め、酒飲みどもと一緒に食べたり飲んだりしているとする。50もしそうなら、その僕の主人は予想しない日、思いがけない時に帰って来て、51彼を厳しく罰し、偽善者たちと同じ目に遭わせる。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。」 |
|||
洗礼者ヨハネの殉教 | 8月29日(金) | 聖人の記念 | |
第一朗読エレミヤ1・17-19わたしがあなたと共にいて、救い出すと主は言われた エレミヤの預言その日、主の言葉はわたしに臨んだ。 1・17あなたは腰に帯を締め 答唱詩編詩編71・3b+4+5a、6b+15+16父よ、あなたこそわたしの神、わたしのすべてをあなたに。 詩編7171・3b神よ、あなたはわたしの岩、わたしのとりで。 6b神よ、あなたの正義と救いのわざを 福音朗読マルコ6・17-29アレルヤ、アレルヤ。喜びおどれ、天においてあなたがたの報いは大きい。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、6・17ヘロデは、自分の兄弟フィリポの妻ヘロディアと結婚しており、そのことで人をやってヨハネを捕らえさせ、牢につないでいた。18ヨハネが、「自分の兄弟の妻と結婚することは、律法で許されていない」とヘロデに言ったからである。19そこで、ヘロディアはヨハネを恨み、彼を殺そうと思っていたが、できないでいた。20なぜなら、ヘロデが、ヨハネは正しい聖なる人であることを知って、彼を恐れ、保護し、また、その教えを聞いて非常に当惑しながらも、なお喜んで耳を傾けていたからである。21ところが、良い機会が訪れた。ヘロデが、自分の誕生日の祝いに高官や将校、ガリラヤの有力者などを招いて宴会を催すと、22ヘロディアの娘が入って来て踊りをおどり、ヘロデとその客を喜ばせた。そこで、王は少女に、「欲しいものがあれば何でも言いなさい。お前にやろう」と言い、23更に、「お前が願うなら、この国の半分でもやろう」と固く誓ったのである。24少女が座を外して、母親に、「何を願いましょうか」と言うと、母親は、「洗礼者ヨハネの首を」と言った。25早速、少女は大急ぎで王のところに行き、「今すぐに洗礼者ヨハネの首を盆に載せて、いただきとうございます」と願った。26王は非常に心を痛めたが、誓ったことではあるし、また客の手前、少女の願いを退けたくなかった。27そこで、王は衛兵を遣わし、ヨハネの首を持って来るようにと命じた。衛兵は出て行き、牢の中でヨハネの首をはね、28盆に載せて持って来て少女に渡し、少女はそれを母親に渡した。29ヨハネの弟子たちはこのことを聞き、やって来て、遺体を引き取り、墓に納めた。 |
|||
年間第21土曜日 | 8月30日(土) | 年間 | |
第一朗読①テサロニケ4・9-11互いに愛し合うように、神から教えられている 使徒パウロのテサロニケの教会への手紙皆さん、4・9兄弟愛については、あなたがたに書く必要はありません。あなたがた自身、互いに愛し合うように、神から教えられているからです。10現にあなたがたは、マケドニア州全土に住むすべての兄弟に、それを実行しています。しかし、兄弟たち、なおいっそう励むように勧めます。11そして、わたしたちが命じておいたように、落ち着いた生活をし、自分の仕事に励み、自分の手で働くように努めなさい。 答唱詩編詩編98・1、6+7b+8b遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・1新しい歌を神にうたえ。 6ラッパと角笛を吹き、 福音朗読マタイ25・14-30アレルヤ、アレルヤ。新しい掟をあなたがたに与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちにこのたとえを語られた。25・14「天の国はまた次のようにたとえられる。ある人が旅行に出かけるとき、僕たちを呼んで、自分の財産を預けた。15それぞれの力に応じて、一人には五タラントン、一人には二タラントン、もう一人には一タラントンを預けて旅に出かけた。早速、16五タラントン預かった者は出て行き、それで商売をして、ほかに五タラントンをもうけた。17同じように、二タラントン預かった者も、ほかに二タラントンをもうけた。18しかし、一タラントン預かった者は、出て行って穴を掘り、主人の金を隠しておいた。19さて、かなり日がたってから、僕たちの主人が帰って来て、彼らと清算を始めた。20まず、五タラントン預かった者が進み出て、ほかの五タラントンを差し出して言った。『御主人様、五タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに五タラントンもうけました。』21主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』22次に、二タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、二タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに二タラントンもうけました。』23主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』24ところで、一タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、あなたは蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集められる厳しい方だと知っていましたので、25恐ろしくなり、出かけて行って、あなたのタラントンを地の中に隠しておきました。御覧ください。これがあなたのお金です。』26主人は答えた。『怠け者の悪い僕だ。わたしが蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集めることを知っていたのか。27それなら、わたしの金を銀行に入れておくべきであった。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きで返してもらえたのに。28さあ、そのタラントンをこの男から取り上げて、十タラントン持っている者に与えよ。29だれでも持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。30この役に立たない僕を外の暗闇に追い出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。』」 |
|||
年間第22主日 | 8月31日(日) | 年間 | |
第一朗読シラ3・17-18、20、28-29自らへりくだれ。そうすれば、主は喜んで受け入れてくださる。 シラ書3・17子よ、何事をなすにも柔和であれ。 28高慢な者が被る災難は、手の施しようがない。 答唱詩編詩編68・4+5ab、6+7bc、10+11神に向かって喜び歌い、感謝の歌をささげよう。 詩編6868・4神に従う人は喜びおどり、 6みなしごの父、やもめのたすけ、 10神よ、あなたは豊かに雨を降らせ、 第二朗読ヘブライ12・18-19、22-24aあなたがたが近づいたのは、シオンの山、生ける神の都。 ヘブライ人への手紙皆さん、12・18あなたがたは手で触れることができるものや、燃える火、黒雲、暗闇、暴風、ラッパの音、更に、聞いた人々がこれ以上語ってもらいたくないと願ったような言葉の声に、近づいたのではありません。22あなたがたが近づいたのは、シオンの山、生ける神の都、天のエルサレム、無数の天使たちの祝いの集まり、23天に登録されている長子たちの集会、すべての人の審判者である神、完全なものとされた正しい人たちの霊、24a新しい契約の仲介者イエスなのです。 福音朗読ルカ14・1、7-14アレルヤ、アレルヤ。わたしは心優しく、へりくだり者。わたしのくびきを受けて、わたしにならいなさい。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音14・1安息日のことだった。イエスは食事のためにファリサイ派のある議員の家にお入りになったが、人々はイエスの様子をうかがっていた。 7イエスは、招待を受けた客が上席を選ぶ様子に気づいて、彼らにたとえを話された。8「婚宴に招待されたら、上席に着いてはならない。あなたよりも身分の高い人が招かれており、9あなたやその人を招いた人が来て、『この方に席を譲ってください』と言うかもしれない。そのとき、あなたは恥をかいて末席に着くことになる。10招待を受けたら、むしろ末席に行って座りなさい。そうすると、あなたを招いた人が来て、『さあ、もっと上席に進んでください』と言うだろう。そのときは、同席の人みんなの前で面目を施すことになる。11だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。」12また、イエスは招いてくれた人にも言われた。「昼食や夕食の会を催すときには、友人も、兄弟も、親類も、近所の金持ちも呼んではならない。その人たちも、あなたを招いてお返しをするかも知れないからである。13宴会を催すときには、むしろ、貧しい人、体の不自由な人、足の不自由な人、目の見えない人を招きなさい。14そうすれば、その人たちはお返しができないから、あなたは幸いだ。正しい者たちが復活するとき、あなたは報われる。」 |
|||
09月 | |||
年間第22月曜日 | 9月1日(月) | 年間 | |
第一朗読①テサロニケ4・13-18イエスが死んで復活されたと、わたしたちは信じています 使徒パウロのテサロニケの教会への手紙4・13兄弟たち、既に眠りについた人たちについては、希望を持たないほかの人々のように嘆き悲しまないために、ぜひ次のことを知っておいてほしい。14イエスが死んで復活されたと、わたしたちは信じています。神は同じように、イエスを信じて眠りについた人たちをも、イエスと一緒に導き出してくださいます。 15主の言葉に基づいて次のことを伝えます。主が来られる日まで生き残るわたしたちが、眠りについた人たちより先になることは、決してありません。16すなわち、合図の号令がかかり、大天使の声が聞こえて、神のラッパが鳴り響くと、主御自身が天から降って来られます。すると、キリストに結ばれて死んだ人たちが、まず最初に復活し、17それから、わたしたち生き残っている者が、空中で主と出会うために、彼らと一緒に雲に包まれて引き上げられます。このようにして、わたしたちはいつまでも主と共にいることになります。18ですから、今述べた言葉によって励まし合いなさい。 答唱詩編詩編96・1+2、9+13遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9696・1新しい歌を神にうたえ。 9聖なるものが現れるとき、神をおがめ。 福音朗読ルカ4・16-30アレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を、捕らわれ人に解放を告げるため、神はわたしを送られた。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、4・16イエスはお育ちになったナザレに来て、いつものとおり安息日に会堂に入り、聖書を朗読しようとしてお立ちになった。17預言者イザヤの巻物が渡され、お開きになると、次のように書いてある個所が目に留まった。 18「主の霊がわたしの上におられる。 |
|||
年間第22火曜日 | 9月2日(火) | 年間 | |
第一朗読①テサロニケ5・1-6、9-11その時と時期についてあなたがたには書き記す必要はありません 使徒パウロのテサロニケの教会への手紙5・1兄弟たち、その時と時期についてあなたがたには書き記す必要はありません。2盗人が夜やって来るように、主の日は来るということを、あなたがた自身よく知っているからです。3人々が「無事だ。安全だ」と言っているそのやさきに、突然、破滅が襲うのです。ちょうど妊婦に産みの苦しみがやって来るのと同じで、決してそれから逃れられません。4しかし、兄弟たち、あなたがたは暗闇の中にいるのではありません。ですから、主の日が、盗人のように突然あなたがたを襲うことはないのです。5あなたがたはすべて光の子、昼の子だからです。わたしたちは、夜にも暗闇にも属していません。6従って、ほかの人々のように眠っていないで、目を覚まし、身を慎んでいましょう。9神は、わたしたちを怒りに定められたのではなく、わたしたちの主イエス・キリストによる救いにあずからせるように定められたのです。10主は、わたしたちのために死なれましたが、それは、わたしたちが、目覚めていても眠っていても、主と共に生きるようになるためです。11ですから、あなたがたは、現にそうしているように、励まし合い、お互いの向上に心がけなさい。 答唱詩編詩編27・4、13+14神よ、あなたの顔の光をわたしたちの上に照らしてください。 詩編2727・4わたしは神に一つのことを願いもとめている。 13神に生きる人々の中で 福音朗読ルカ4・31-37アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者がわたしたちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、4・31イエスはガリラヤの町カファルナウムに下って、安息日には人々を教えておられた。32人々はその教えに非常に驚いた。その言葉には権威があったからである。33ところが会堂に、汚れた悪霊に取りつかれた男がいて、大声で叫んだ。34「ああ、ナザレのイエス、かまわないでくれ。我々を滅ぼしに来たのか。正体は分かっている。神の聖者だ。」35イエスが、「黙れ。この人から出て行け」とお叱りになると、悪霊はその男を人々の中に投げ倒し、何の傷も負わせずに出て行った。36人々は皆驚いて、互いに言った。「この言葉はいったい何だろう。権威と力とをもって汚れた霊に命じると、出て行くとは。」37こうして、イエスのうわさは、辺り一帯に広まった。 |
|||
聖グレゴリオ一世 教皇教会博士 | 9月3日(水) | 記念日 | |
第一朗読コロサイ1・1-8キリストに結ばれている忠実な兄弟たちへ 使徒パウロのコロサイの教会への手紙1・1神の御心によってキリスト・イエスの使徒とされたパウロと兄弟テモテから、2コロサイにいる聖なる者たち、キリストに結ばれている忠実な兄弟たちへ。わたしたちの父である神からの恵みと平和が、あなたがたにあるように。 3わたしたちは、いつもあなたがたのために祈り、わたしたちの主イエス・キリストの父である神に感謝しています。4あなたがたがキリスト・イエスにおいて持っている信仰と、すべての聖なる者たちに対して抱いている愛について、聞いたからです。5それは、あなたがたのために天に蓄えられている希望に基づくものであり、あなたがたは既にこの希望を、福音という真理の言葉を通して聞きました。6あなたがたにまで伝えられたこの福音は、世界中至るところでそうであるように、あなたがたのところでも、神の恵みを聞いて真に悟った日から、実を結んで成長しています。7あなたがたは、この福音を、わたしたちと共に仕えている仲間、愛するエパフラスから学びました。彼は、あなたがたのためにキリストに忠実に仕える者であり、8また、〝霊〟に基づくあなたがたの愛を知らせてくれた人です。 答唱詩編詩編107・1+2a、31+32神のいつくしみをとこしえに歌い、主のまことを代々に告げよう。 詩編107107・1「神に感謝せよ。 31人の子らよ、神のいつくしみと 福音朗読ルカ4・38-44アレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を、捕らわれ人に解放を告げるため、神はわたしを送られた。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、4・38イエスは会堂を立ち去り、シモンの家にお入りになった。シモンのしゅうとめが高い熱に苦しんでいたので、人々は彼女のことをイエスに頼んだ。39イエスが枕もとに立って熱を叱りつけられると、熱は去り、彼女はすぐに起き上がって一同をもてなした。40日が暮れると、いろいろな病気で苦しむ者を抱えている人が皆、病人たちをイエスのもとに連れて来た。イエスはその一人一人に手を置いていやされた。41悪霊もわめき立て、「お前は神の子だ」と言いながら、多くの人々から出て行った。イエスは悪霊を戒めて、ものを言うことをお許しにならなかった。悪霊は、イエスをメシアだと知っていたからである。 42朝になると、イエスは人里離れた所へ出て行かれた。群衆はイエスを捜し回ってそのそばまで来ると、自分たちから離れて行かないようにと、しきりに引き止めた。43しかし、イエスは言われた。「ほかの町にも神の国の福音を告げ知らせなければならない。わたしはそのために遣わされたのだ。」44そして、ユダヤの諸会堂に行って宣教された。 |
|||
年間第22木曜日 | 9月4日(木) | 年間 | |
第一朗読コロサイ1・9-14わたしたちは、この御子によって、贖い、すなわち罪の赦しを得ているのです 使徒パウロのコロサイの教会への手紙皆さん、1・9そのことを聞いたときから、わたしたちは、絶えずあなたがたのために祈り、願っています。どうか、〝霊〟によるあらゆる知恵と理解によって、神の御心を十分悟り、10すべての点で主に喜ばれるように主に従って歩み、あらゆる善い業を行って実を結び、神をますます深く知るように。11そして、神の栄光の力に従い、あらゆる力によって強められ、どんなことも根気強く耐え忍ぶように。喜びをもって、12光の中にある聖なる者たちの相続分に、あなたがたがあずかれるようにしてくださった御父に感謝するように。13御父は、わたしたちを闇の力から救い出して、その愛する御子の支配下に移してくださいました。14わたしたちは、この御子によって、贖い、すなわち罪の赦しを得ているのです。 答唱詩編詩編98・2+3a、4+5遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・2神は救いをしめし、 4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、 福音朗読ルカ5・1-11アレルヤ、アレルヤ。わたしのあとに従いなさい。人を捕らえる漁師にしよう。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、5・1イエスがゲネサレト湖畔に立っておられると、神の言葉を聞こうとして、群衆がその周りに押し寄せて来た。2イエスは、二そうの舟が岸にあるのを御覧になった。漁師たちは、舟から上がって網を洗っていた。3そこでイエスは、そのうちの一そうであるシモンの持ち舟に乗り、岸から少し漕ぎ出すようにお頼みになった。そして、腰を下ろして舟から群衆に教え始められた。4話し終わったとき、シモンに、「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」と言われた。5シモンは、「先生、わたしたちは、夜通し苦労しましたが、何もとれませんでした。しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と答えた。6そして、漁師たちがそのとおりにすると、おびただしい魚がかかり、網が破れそうになった。7そこで、もう一そうの舟にいる仲間に合図して、来て手を貸してくれるように頼んだ。彼らは来て、二そうの舟を魚でいっぱいにしたので、舟は沈みそうになった。8これを見たシモン・ペトロは、イエスの足もとにひれ伏して、「主よ、わたしから離れてください。わたしは罪深い者なのです」と言った。9とれた魚にシモンも一緒にいた者も皆驚いたからである。10シモンの仲間、ゼベダイの子のヤコブもヨハネも同様だった。すると、イエスはシモンに言われた。「恐れることはない。今から後、あなたは人間をとる漁師になる。」11そこで、彼らは舟を陸に引き上げ、すべてを捨ててイエスに従った。 |
|||
年間第22金曜日 | 9月5日(金) | 年間 | |
第一朗読コロサイ1・15-20万物は御子によって、御子のために造られました 使徒パウロのコロサイの教会への手紙皆さん、1・15御子は、見えない神の姿であり、すべてのものが造られる前に生まれた方です。16天にあるものも地にあるものも、見えるものも見えないものも、王座も主権も、支配も権威も、万物は御子において造られたからです。つまり、万物は御子によって、御子のために造られました。17御子はすべてのものよりも先におられ、すべてのものは御子によって支えられています。18また、御子はその体である教会の頭です。御子は初めの者、死者の中から最初に生まれた方です。こうして、すべてのことにおいて第一の者となられたのです。19神は、御心のままに、満ちあふれるものを余すところなく御子の内に宿らせ、20その十字架の血によって平和を打ち立て、地にあるものであれ、天にあるものであれ、万物をただ御子によって、御自分と和解させられました。 答唱詩編詩編100・1+2、3abわたしたちは神の民、そのまきばの群れ。 詩編100100・1世界よ、神に喜びの声をあげ、 3ab神こそ 福音朗読ルカ5・33-39アレルヤ、アレルヤ。わたしは世の光。わたしに従う人は命の光を持っている。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、ファリサイ派の人々や律法学者たちは5・33イエスに言った。「ヨハネの弟子たちは度々断食し、祈りをし、ファリサイ派の弟子たちも同じようにしています。しかし、あなたの弟子たちは飲んだり食べたりしています。」34そこで、イエスは言われた。「花婿が一緒にいるのに、婚礼の客に断食させることがあなたがたにできようか。35しかし、花婿が奪い取られる時が来る。その時には、彼らは断食することになる。」36そして、イエスはたとえを話された。「だれも、新しい服から布切れを破り取って、古い服に継ぎを当てたりはしない。そんなことをすれば、新しい服も破れるし、新しい服から取った継ぎ切れも古いものには合わないだろう。37また、だれも、新しいぶどう酒を古い革袋に入れたりはしない。そんなことをすれば、新しいぶどう酒は革袋を破って流れ出し、革袋もだめになる。38新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れねばならない。39また、古いぶどう酒を飲めば、だれも新しいものを欲しがらない。『古いものの方がよい』と言うのである。」 |
|||
年間第22土曜日 | 9月6日(土) | 年間 | |
第一朗読コロサイ1・21-23この福音は、世界中至るところの人々に宣べ伝えられており、わたしパウロは、それに仕える者とされました 使徒パウロのコロサイの教会への手紙皆さん、21あなたがたは、以前は神から離れ、悪い行いによって心の中で神に敵対していました。22しかし今や、神は御子の肉の体において、その死によってあなたがたと和解し、御自身の前に聖なる者、きずのない者、とがめるところのない者としてくださいました。23ただ、揺るぐことなく信仰に踏みとどまり、あなたがたが聞いた福音の希望から離れてはなりません。この福音は、世界中至るところの人々に宣べ伝えられており、わたしパウロは、それに仕える者とされました。 答唱詩編詩編54・3+4、8+6+9a荒れ地のかわき果てた土のように、神よ、わたしはあなたを慕う。 詩編5454・3神よ、あなたの名によってわたしを救い、 8神よ、わたしはすすんでいけにえをささげ、 福音朗読ルカ6・1-5アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行けない。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音6・1ある安息日に、イエスが麦畑を通って行かれると、弟子たちは麦の穂を摘み、手でもんで食べた。2ファリサイ派のある人々が、「なぜ、安息日にしてはならないことを、あなたたちはするのか」と言った。3イエスはお答えになった。「ダビデが自分も供の者たちも空腹だったときに何をしたか、読んだことがないのか。4神の家に入り、ただ祭司のほかにはだれも食べてはならない供えのパンを取って食べ、供の者たちにも与えたではないか。」5そして、彼らに言われた。「人の子は安息日の主である。」 |
|||
年間第23主日 | 9月7日(日) | 年間 | |
第一朗読知恵9・13-18主の御旨を悟りうる者がいるでしょうか 知恵の書9・13「神の計画を知りうる者がいるでしょうか。 答唱詩編詩編90・3+5ab、4+5c+6、11+12神のはからいは限りなく、生涯わたしはその中に生きる。 詩編9090・3あなたは人に、「もとにもどれ」とおおせになり、 4あなたの目には、千年も過ぎ去ったいち日のよう、 11だれがあなたの怒りの力をさとり、 第二朗読フィレモン9b-10、12-17もはや奴隷としてではなく、愛する兄弟として、彼を迎え入れてください。 使徒パウロのフィレモンヘの手紙愛する者よ、9b年老いて、今はまた、キリスト・イエスの囚人となっている、このパウロは、10監禁中にもうけたわたしの子オネシモのことで、頼みがあるのです。12わたしの心であるオネシモを、あなたのもとに送り帰します。13本当は、わたしのもとに引き止めて、福音のゆえに監禁されている間、あなたの代わりに仕えてもらってもよいと思ったのですが、14あなたの承諾なしには何もしたくありません。それは、あなたのせっかくの善い行いが、強いられたかたちでなく、自発的になされるようにと思うからです。15恐らく彼がしばらくあなたのもとから引き離されていたのは、あなたが彼をいつまでも自分のもとに置くためであったかもしれません。16その場合、もはや奴隷としてではなく、奴隷以上の者、つまり愛する兄弟としてです。オネシモは特にわたしにとってそうですが、あなたにとってはなおさらのこと、一人の人間としても、主を信じる者としても、愛する兄弟であるはずです。 17だから、わたしを仲間と見なしてくれるのでしたら、オネシモをわたしと思って迎え入れてください。 福音朗読ルカ14・25-33アレルヤ、アレルヤ。あなたの顔をわたしの上に輝かせ、掟を授けてください。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、14・25大勢の群衆が一緒について来たが、イエスは振り向いて言われた。26「もし、だれかがわたしのもとに来るとしても、父、母、妻、子供、兄弟、姉妹を、更に自分の命であろうとも、これを憎まないなら、わたしの弟子ではありえない。27自分の十字架を背負ってついて来る者でなければ、だれであれ、わたしの弟子ではありえない。28あなたがたのうち、塔を建てようとするとき、造り上げるのに十分な費用があるかどうか、まず腰をすえて計算しない者がいるだろうか。29そうしないと、土台を築いただけで完成できず、見ていた人々は皆あざけって、30『あの人は建て始めたが、完成することはできなかった』と言うだろう。31また、どんな王でも、ほかの王と戦いに行こうとするときは、二万の兵を率いて進軍して来る敵を、自分の一万の兵で迎え撃つことができるかどうか、まず腰をすえて考えてみないだろうか。32もしできないと分かれば、敵がまだ遠方にいる間に使節を送って、和を求めるだろう。33だから、同じように、自分の持ち物を一切捨てないならば、あなたがたのだれ一人としてわたしの弟子ではありえない。」 |
|||
マリアの誕生 | 9月8日(月) | 聖人の記念 | |
第一朗読ミカ5・1-4a彼こそ、まさしく平和である。 ミカの預言5・1エフラタのベツレヘムよ またはローマ8・28-30神は、義とされた者たちに栄光をお与えになった。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、〝霊〟が、8・28神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。29神は前もって知っておられた者たちを、御子の姿に似たものにしようとあらかじめ定められました。それは、御子が多くの兄弟の中で長子となられるためです。30神はあらかじめ定められた者たちを召し出し、召し出した者たちを義とし、義とされた者たちに栄光をお与えになったのです。 答唱詩編詩編67・4+5、7+8神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。 詩編6767・4諸国の民はあなたをたたえ、 7地は豊かに実り、 福音朗読マタイ1・1-16、18-23神は我々と共におられる マタイによる福音1・1アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図。 2アブラハムはイサクをもうけ、イサクはヤコブを、ヤコブはユダとその兄弟たちを、3ユダはタマルによってペレツとゼラを、ペレツはヘツロンを、ヘツロンはアラムを、4アラムはアミナダブを、アミナダブはナフションを、ナフションはサルモンを、5サルモンはラハブによってボアズを、ボアズはルツによってオベドを、オベドはエッサイを、6エッサイはダビデ王をもうけた。 ダビデはウリヤの妻によってソロモンをもうけ、7ソロモンはレハブアムを、レハブアムはアビヤを、アビヤはアサを、8アサはヨシャファトを、ヨシャファトはヨラムを、ヨラムはウジヤを、9ウジヤはヨタムを、ヨタムはアハズを、アハズはヒゼキヤを、10ヒゼキヤはマナセを、マナセはアモスを、アモスはヨシヤを、11ヨシヤは、バビロンへ移住させられたころ、エコンヤとその兄弟たちをもうけた。 12バビロンへ移住させられた後、エコンヤはシャルティエルをもうけ、シャルティエルはゼルバベルを、13ゼルバベルはアビウドを、アビウドはエリアキムを、エリアキムはアゾルを、14アゾルはサドクを、サドクはアキムを、アキムはエリウドを、15エリウドはエレアザルを、エレアザルはマタンを、マタンはヤコブを、16ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。 18イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。19夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。20このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。21マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」22このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。 23「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。 |
|||
年間第23火曜日 | 9月9日(火) | 年間 | |
第一朗読コロサイ2・6-15キリストに結ばれて歩みなさい。 使徒パウロのコロサイの教会への手紙皆さん、2・6あなたがたは、主キリスト・イエスを受け入れたのですから、キリストに結ばれて歩みなさい。7キリストに根を下ろして造り上げられ、教えられたとおりの信仰をしっかり守って、あふれるばかりに感謝しなさい。8人間の言い伝えにすぎない哲学、つまり、むなしいだまし事によって人のとりこにされないように気をつけなさい。それは、世を支配する霊に従っており、キリストに従うものではありません。9キリストの内には、満ちあふれる神性が、余すところなく、見える形をとって宿っており、10あなたがたは、キリストにおいて満たされているのです。キリストはすべての支配や権威の頭です。11あなたがたはキリストにおいて、手によらない割礼、つまり肉の体を脱ぎ捨てるキリストの割礼を受け、12洗礼によって、キリストと共に葬られ、また、キリストを死者の中から復活させた神の力を信じて、キリストと共に復活させられたのです。13肉に割礼を受けず、罪の中にいて死んでいたあなたがたを、神はキリストと共に生かしてくださったのです。神は、わたしたちの一切の罪を赦し、14規則によってわたしたちを訴えて不利に陥れていた証書を破棄し、これを十字架に釘付けにして取り除いてくださいました。15そして、もろもろの支配と権威の武装を解除し、キリストの勝利の列に従えて、公然とさらしものになさいました。 答唱詩編詩編145・8+9、10+11いのちあるすべてのものに、主は食物を恵まれる。 詩編145145・8あなたは恵みとあわれみに満ち、 10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、 福音朗読ルカ6・12-19アレルヤ、アレルヤ。あなたがたを世から選んだのは、あなたがたが行って実を結び、その実が残るためである。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音6・12そのころ、イエスは祈るために山に行き、神に祈って夜を明かされた。13朝になると弟子たちを呼び集め、その中から十二人を選んで使徒と名付けられた。14それは、イエスがペトロと名付けられたシモン、その兄弟アンデレ、そして、ヤコブ、ヨハネ、フィリポ、バルトロマイ、15マタイ、トマス、アルファイの子ヤコブ、熱心党と呼ばれたシモン、16ヤコブの子ユダ、それに後に裏切り者となったイスカリオテのユダである。 17イエスは彼らと一緒に山から下りて、平らな所にお立ちになった。大勢の弟子とおびただしい民衆が、ユダヤ全土とエルサレムから、また、ティルスやシドンの海岸地方から、18イエスの教えを聞くため、また病気をいやしていただくために来ていた。汚れた霊に悩まされていた人々もいやしていただいた。19群衆は皆、何とかしてイエスに触れようとした。イエスから力が出て、すべての人の病気をいやしていたからである。 |
|||
日本205福者 殉教者 | 9月10日(水) | 記念日 | |
第一朗読コロサイ3・1-11あなたがたの命であるキリストが現れるとき、あなたがたも、キリストと共に栄光に包まれて現れるでしょう 使徒パウロのコロサイの教会への手紙皆さん、3・1あなたがたは、キリストと共に復活させられたのですから、上にあるものを求めなさい。そこでは、キリストが神の右の座に着いておられます。2上にあるものに心を留め、地上のものに心を引かれないようにしなさい。3あなたがたは死んだのであって、あなたがたの命は、キリストと共に神の内に隠されているのです。4あなたがたの命であるキリストが現れるとき、あなたがたも、キリストと共に栄光に包まれて現れるでしょう。 5だから、地上的なもの、すなわち、みだらな行い、不潔な行い、情欲、悪い欲望、および貪欲を捨て去りなさい。貪欲は偶像礼拝にほかならない。6これらのことのゆえに、神の怒りは不従順な者たちに下ります。7あなたがたも、以前このようなことの中にいたときには、それに従って歩んでいました。8今は、そのすべてを、すなわち、怒り、憤り、悪意、そしり、口から出る恥ずべき言葉を捨てなさい。9互いにうそをついてはなりません。古い人をその行いと共に脱ぎ捨て、10造り主の姿に倣う新しい人を身に着け、日々新たにされて、真の知識に達するのです。11そこには、もはや、ギリシア人とユダヤ人、割礼を受けた者と受けていない者、未開人、スキタイ人、奴隷、自由な身分の者の区別はありません。キリストがすべてであり、すべてのもののうちにおられるのです。 答唱詩編詩編145・10+11、13cd+14神は恵みとあわれみに満ち、怒るに遅く、いつくしみ深い。 詩編145145・10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、 13cd神の言葉は正しく、 福音朗読ルカ6・20-26アレルヤ、アレルヤ。喜びおどれ。天においてあなたがたの報いは大きい。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、6・20イエスは目を上げ弟子たちを見て言われた。 「貧しい人々は、幸いである、 24しかし、富んでいるあなたがたは、不幸である、 |
|||
年間第23木曜日 | 9月11日(木) | 年間 | |
第一朗読コロサイ3・12-17すべてを主イエスの名によって行い、イエスによって、父である神に感謝しなさい 使徒パウロのコロサイの教会への手紙皆さん、3・12あなたがたは神に選ばれ、聖なる者とされ、愛されているのですから、憐れみの心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身に着けなさい。13互いに忍び合い、責めるべきことがあっても、赦し合いなさい。主があなたがたを赦してくださったように、あなたがたも同じようにしなさい。14これらすべてに加えて、愛を身に着けなさい。愛は、すべてを完成させるきずなです。15また、キリストの平和があなたがたの心を支配するようにしなさい。この平和にあずからせるために、あなたがたは招かれて一つの体とされたのです。いつも感謝していなさい。16キリストの言葉があなたがたの内に豊かに宿るようにしなさい。知恵を尽くして互いに教え、諭し合い、詩編と賛歌と霊的な歌により、感謝して心から神をほめたたえなさい。17そして、何を話すにせよ、行うにせよ、すべてを主イエスの名によって行い、イエスによって、父である神に感謝しなさい。 答唱詩編詩編148・1+2、13+14いのちあるすベてのものは、神をたたえよ。 詩編148148・1天は神をたたえよ。 13すべての者は神の名をたたえよ。 福音朗読ルカ6・27-38アレルヤ、アレルヤ。互いに愛し合うなら神はわたしたちとともにおられ、その愛はわたしたちのうちに全うされる。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・27「わたしの言葉を聞いているあなたがたに言っておく。敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい。28悪口を言う者に祝福を祈り、あなたがたを侮辱する者のために祈りなさい。29あなたの頬を打つ者には、もう一方の頬をも向けなさい。上着を奪い取る者には、下着をも拒んではならない。30求める者には、だれにでも与えなさい。あなたの持ち物を奪う者から取り返そうとしてはならない。31人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい。32自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな恵みがあろうか。罪人でも、愛してくれる人を愛している。33また、自分によくしてくれる人に善いことをしたところで、どんな恵みがあろうか。罪人でも同じことをしている。34返してもらうことを当てにして貸したところで、どんな恵みがあろうか。罪人さえ、同じものを返してもらおうとして、罪人に貸すのである。35しかし、あなたがたは敵を愛しなさい。人に善いことをし、何も当てにしないで貸しなさい。そうすれば、たくさんの報いがあり、いと高き方の子となる。いと高き方は、恩を知らない者にも悪人にも、情け深いからである。36あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい。」 37「人を裁くな。そうすれば、あなたがたも裁かれることがない。人を罪人だと決めるな。そうすれば、あなたがたも罪人だと決められることがない。赦しなさい。そうすれば、あなたがたも赦される。38与えなさい。そうすれば、あなたがたにも与えられる。押し入れ、揺すり入れ、あふれるほどに量りをよくして、ふところに入れてもらえる。あなたがたは自分の量る秤で量り返されるからである。」 |
|||
年間第23金曜日 | 9月12日(金) | 年間 | |
第一朗読①テモテ1・1-2、12-14わたしたちの主の恵みが、キリスト・イエスによる信仰と愛と共に、あふれるほど与えられました 使徒パウロのテモテへの手紙1・1わたしたちの救い主である神とわたしたちの希望であるキリスト・イエスによって任命され、キリスト・イエスの使徒となったパウロから、2信仰によるまことの子テモテへ。父である神とわたしたちの主キリスト・イエスからの恵み、憐れみ、そして平和があるように。 12わたしを強くしてくださった、わたしたちの主キリスト・イエスに感謝しています。この方が、わたしを忠実な者と見なして務めに就かせてくださったからです。13以前、わたしは神を冒涜する者、迫害する者、暴力を振るう者でした。しかし、信じていないとき知らずに行ったことなので、憐れみを受けました。14そして、わたしたちの主の恵みが、キリスト・イエスによる信仰と愛と共に、あふれるほど与えられました。 答唱詩編詩編16・5、8しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。 詩編1616・5神よ、あなたはわたしの受けるゆずり、わたしの受ける杯、 8わたしは絶えず神を思う。 福音朗読ルカ6・39-42アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは真理。わたしたちを真理のうちに聖なる者にしてください。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに6・39たとえを話された。「盲人が盲人の道案内をすることができようか。二人とも穴に落ち込みはしないか。40弟子は師にまさるものではない。しかし、だれでも、十分に修行を積めば、その師のようになれる。41あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気づかないのか。42自分の目にある丸太を見ないで、兄弟に向かって、『さあ、あなたの目にあるおが屑を取らせてください』と、どうして言えるだろうか。偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目にあるおが屑を取り除くことができる。」 |
|||
聖ヨハネ・クリソストモ 司祭教会博士 | 9月13日(土) | 記念日 | |
第一朗読①テモテ1・15-17キリスト・イエスは、罪人を救うために世に来られた 使徒パウロのテモテへの手紙愛する者よ、1・15「キリスト・イエスは、罪人を救うために世に来られた」という言葉は真実であり、そのまま受け入れるに値します。わたしは、その罪人の中で最たる者です。16しかし、わたしが憐れみを受けたのは、キリスト・イエスがまずそのわたしに限りない忍耐をお示しになり、わたしがこの方を信じて永遠の命を得ようとしている人々の手本となるためでした。17永遠の王、不滅で目に見えない唯一の神に、誉れと栄光が世々限りなくありますように、アーメン。 答唱詩編詩編113・1+2、3+4神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。 詩編113113・1ほめよ、神に仕える者よ、 3日ののぼるところから沈むところまで、 福音朗読ルカ6・43-49アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。6・43「悪い実を結ぶ良い木はなく、また、良い実を結ぶ悪い木はない。44木は、それぞれ、その結ぶ実によって分かる。茨からいちじくは採れないし、野ばらからぶどうは集められない。45善い人は良いものを入れた心の倉から良いものを出し、悪い人は悪いものを入れた倉から悪いものを出す。人の口は、心からあふれ出ることを語るのである。 46わたしを『主よ、主よ』と呼びながら、なぜわたしの言うことを行わないのか。47わたしのもとに来て、わたしの言葉を聞き、それを行う人が皆、どんな人に似ているかを示そう。48それは、地面を深く掘り下げ、岩の上に土台を置いて家を建てた人に似ている。洪水になって川の水がその家に押し寄せたが、しっかり建ててあったので、揺り動かすことができなかった。49しかし、聞いても行わない者は、土台なしで地面に家を建てた人に似ている。川の水が押し寄せると、家はたちまち倒れ、その壊れ方がひどかった。」 |
|||
十字架称賛 | 9月14日(日) | 年間の主の祝祭日 | |
第一朗読民数記21・4b-9蛇にかまれた者がそれを見上げれば、命を得る。 民数記その日、イスラエルの民は旅の21・4途中で耐えきれなくなって、5神とモーセに逆らって言った。「なぜ、我々をエジプトから導き上ったのですか。荒れ野で死なせるためですか。パンも水もなく、こんな粗末な食物では、気力もうせてしまいます。」6主は炎の蛇を民に向かって送られた。蛇は民をかみ、イスラエルの民の中から多くの死者が出た。7民はモーセのもとに来て言った。「わたしたちは主とあなたを非難して、罪を犯しました。主に祈って、わたしたちから蛇を取り除いてください。」モーセは民のために主に祈った。8主はモーセに言われた。「あなたは炎の蛇を造り、旗竿の先に掲げよ。蛇にかまれた者がそれを見上げれば、命を得る。」9モーセは青銅で一つの蛇を造り、旗竿の先に掲げた。蛇が人をかんでも、その人が青銅の蛇を仰ぐと、命を得た。 またはフィリピ2・6-11神は、へりくだったキリストを高く上げられた。 使徒パウロのフィリピの教会への手紙イエス・2・6キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、7かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、8へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。9このため、神はキリストを高く上げ、あらゆる名にまさる名をお与えになりました。10こうして、天上のもの、地上のもの、地下のものがすべて、イエスの御名にひざまずき、11すべての舌が、「イエス・キリストは主である」と公に宣べて、父である神をたたえるのです。 答唱詩編詩編78・1-4、32-35神のわざを思い起こそう、力ある不思議なわざ。 詩編7878・1民よ、わたしの教えを聞け。 32それでも、彼らは罪を犯し、 福音朗読ヨハネ3・13-17アレルヤ、アレルヤ。キリストよ、あなたを拝み、たたえよう。主は十字架によって世をあがなわれた。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、イエスはニコデモに言われた。3・13「天から降って来た者、すなわち人の子のほかには、天に上った者はだれもいない。14そして、モーセが荒れ野で蛇を上げたように、人の子も上げられねばならない。15それは、信じる者が皆、人の子によって永遠の命を得るためである。 16神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。17神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである。」 |
|||
悲しみの聖母 | 9月15日(月) | 聖人の記念 | |
第一朗読ヘブライ5・7-9キリストは、永遠の救いの源となられた ヘブライ人への手紙5・7キリストは、肉において生きておられたとき、激しい叫び声をあげ、涙を流しながら、御自分を死から救う力のある方に、祈りと願いとをささげ、その畏れ敬う態度のゆえに聞き入れられました。8キリストは御子であるにもかかわらず、多くの苦しみによって従順を学ばれました。9そして、完全な者となられたので、御自分に従順であるすべての人々に対して、永遠の救いの源となられたのです。 答唱詩編詩編31・2+6、15+16父よ、あなたこそわたしの神、わたしのすべてをあなたに。 詩編3131・2神よ、あなたのもとにわたしはのがれる。 15神よ、わたしはあなたにより頼む。 福音朗読ヨハネ19・25-27婦人よ、御覧なさい。あなたの子です ヨハネによる福音そのとき、19・25イエスの十字架のそばには、その母と母の姉妹、クロパの妻マリアとマグダラのマリアとが立っていた。26イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」と言われた。27それから弟子に言われた。「見なさい。あなたの母です。」そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。 またはルカ2・33-35あなた自身も剣で心を刺し貫かれます ルカによる福音そのとき、イエスの2・33父と母は、幼子についてこのように言われたことに驚いていた。34シメオンは彼らを祝福し、母親のマリアに言った。「御覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするためにと定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。35――あなた自身も剣で心を刺し貫かれます――多くの人の心にある思いがあらわにされるためです。」 |
|||
聖チプリアノ 司教殉教者 | 9月16日(火) | 記念日 | |
第一朗読①テモテ3・1-13監督の職を求める人がいれば、その人は良い仕事を望んでいる。 使徒パウロのテモテへの手紙愛する者よ、3・1この言葉は真実です。 「監督の職を求める人がいれば、その人は良い仕事を望んでいる。」 2だから、監督は、非のうちどころがなく、一人の妻の夫であり、節制し、分別があり、礼儀正しく、客を親切にもてなし、よく教えることができなければなりません。3また、酒におぼれず、乱暴でなく、寛容で、争いを好まず、金銭に執着せず、4自分の家庭をよく治め、常に品位を保って子供たちを従順な者に育てている人でなければなりません。5自分の家庭を治めることを知らない者に、どうして神の教会の世話ができるでしょうか。6監督は、信仰に入って間もない人ではいけません。それでは高慢になって悪魔と同じ裁きを受けかねないからです。7更に、監督は、教会以外の人々からも良い評判を得ている人でなければなりません。そうでなければ、中傷され、悪魔の罠に陥りかねないからです。 8同じように、奉仕者たちも品位のある人でなければなりません。二枚舌を使わず、大酒を飲まず、恥ずべき利益をむさぼらず、9清い良心の中に信仰の秘められた真理を持っている人でなければなりません。10この人々もまず審査を受けるべきです。その上で、非難される点がなければ、奉仕者の務めに就かせなさい。11婦人の奉仕者たちも同じように品位のある人でなければなりません。中傷せず、節制し、あらゆる点で忠実な人でなければなりません。12奉仕者は一人の妻の夫で、子供たちと自分の家庭をよく治める人でなければなりません。13というのも、奉仕者の仕事を立派に果たした人々は、良い地位を得、キリスト・イエスへの信仰によって大きな確信を得るようになるからです。 答唱詩編詩編15・1+2、3+4a+6しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩むもの。 詩編1515・1神よ、あなたの幕屋に泊まる人、 3ことばで人をきずつけず、悪を行わず、隣人をはずかしめない。 福音朗読ルカ7・11-17アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者がわたしたちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、7・11イエスはナインという町に行かれた。弟子たちや大勢の群衆も一緒であった。12イエスが町の門に近づかれると、ちょうど、ある母親の一人息子が死んで、棺が担ぎ出されるところだった。その母親はやもめであって、町の人が大勢そばに付き添っていた。13主はこの母親を見て、憐れに思い、「もう泣かなくともよい」と言われた。14そして、近づいて棺に手を触れられると、担いでいる人たちは立ち止まった。イエスは、「若者よ、あなたに言う。起きなさい」と言われた。15すると、死人は起き上がってものを言い始めた。イエスは息子をその母親にお返しになった。16人々は皆恐れを抱き、神を賛美して、「大預言者が我々の間に現れた」と言い、また、「神はその民を心にかけてくださった」と言った。17イエスについてのこの話は、ユダヤの全土と周りの地方一帯に広まった。 |
|||
年間第24水曜日 | 9月17日(水) | 年間 | |
第一朗読①テモテ3・14-16神の家とは、真理の柱であり土台である生ける神の教会です。 使徒パウロのテモテへの手紙愛する者よ、3・14わたしは、間もなくあなたのところへ行きたいと思いながら、この手紙を書いています。15行くのが遅れる場合、神の家でどのように生活すべきかを知ってもらいたいのです。神の家とは、真理の柱であり土台である生ける神の教会です。16信心の秘められた真理は確かに偉大です。すなわち、キリストは肉において現れ、〝霊〟において義とされ、天使たちに見られ、異邦人の間で宣べ伝えられ、世界中で信じられ、栄光のうちに上げられた。 答唱詩編詩編111・1+2、3+4b+5b神は残された、不思議なわざの記念を。 詩編111111・1心を尽くして神に感謝しよう、 3神のわざは力と輝きに満ち、 福音朗読ルカ7・31-35アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは霊であり、いのちです。あなたは永遠の命のことばをもっておられる。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは言われた。7・31「今の時代の人たちは何にたとえたらよいか。彼らは何に似ているか。32広場に座って、互いに呼びかけ、こう言っている子供たちに似ている。 『笛を吹いたのに、 33洗礼者ヨハネが来て、パンも食べずぶどう酒も飲まずにいると、あなたがたは、『あれは悪霊に取りつかれている』と言い、34人の子が来て、飲み食いすると、『見ろ、大食漢で大酒飲みだ。徴税人や罪人の仲間だ』と言う。35しかし、知恵の正しさは、それに従うすべての人によって証明される。」 |
|||
年間第24木曜日 | 9月18日(木) | 年間 | |
第一朗読①テモテ4・12-16言葉、行動、愛、信仰、純潔の点で、信じる人々の模範となりなさい。 使徒パウロのテモテへの手紙愛する者よ、4・12あなたは、年が若いということで、だれからも軽んじられてはなりません。むしろ、言葉、行動、愛、信仰、純潔の点で、信じる人々の模範となりなさい。13わたしが行くときまで、聖書の朗読と勧めと教えに専念しなさい。14あなたの内にある恵みの賜物を軽んじてはなりません。その賜物は、長老たちがあなたに手を置いたとき、預言によって与えられたものです。15これらのことに努めなさい。そこから離れてはなりません。そうすれば、あなたの進歩はすべての人に明らかになるでしょう。16自分自身と教えとに気を配りなさい。以上のことをしっかりと守りなさい。そうすれば、あなたは自分自身と、あなたの言葉を聞く人々とを救うことになります。 答唱詩編詩編111・7+8、9c+10神は残された、不思議なわざの記念を。 詩編111111・7神のわざにはまことと恵み。 9c神の名は尊く、おそるべきもの。 福音朗読ルカ7・36-50アレルヤ、アレルヤ。労苦して重荷を負っている者はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを回復させよう。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、7・36あるファリサイ派の人が、一緒に食事をしてほしいと願ったので、イエスはその家に入って食事の席に着かれた。37この町に一人の罪深い女がいた。イエスがファリサイ派の人の家に入って食事の席に着いておられるのを知り、香油の入った石膏の壺を持って来て、38後ろからイエスの足もとに近寄り、泣きながらその足を涙でぬらし始め、自分の髪の毛でぬぐい、イエスの足に接吻して香油を塗った。39イエスを招待したファリサイ派の人はこれを見て、「この人がもし預言者なら、自分に触れている女がだれで、どんな人か分かるはずだ。罪深い女なのに」と思った。40そこで、イエスがその人に向かって、「シモン、あなたに言いたいことがある」と言われると、シモンは、「先生、おっしゃってください」と言った。41イエスはお話しになった。「ある金貸しから、二人の人が金を借りていた。一人は五百デナリオン、もう一人は五十デナリオンである。42二人には返す金がなかったので、金貸しは両方の借金を帳消しにしてやった。二人のうち、どちらが多くその金貸しを愛するだろうか。」43シモンは、「帳消しにしてもらった額の多い方だと思います」と答えた。イエスは、「そのとおりだ」と言われた。44そして、女の方を振り向いて、シモンに言われた。「この人を見ないか。わたしがあなたの家に入ったとき、あなたは足を洗う水もくれなかったが、この人は涙でわたしの足をぬらし、髪の毛でぬぐってくれた。45あなたはわたしに接吻の挨拶もしなかったが、この人はわたしが入って来てから、わたしの足に接吻してやまなかった。46あなたは頭にオリーブ油を塗ってくれなかったが、この人は足に香油を塗ってくれた。47だから、言っておく。この人が多くの罪を赦されたことは、わたしに示した愛の大きさで分かる。赦されることの少ない者は、愛することも少ない。」48そして、イエスは女に、「あなたの罪は赦された」と言われた。49同席の人たちは、「罪まで赦すこの人は、いったい何者だろう」と考え始めた。50イエスは女に、「あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい」と言われた。 |
|||
年間第24金曜日 | 9月19日(金) | 年間 | |
第一朗読①テモテ6・2c-12正義、信心、信仰、愛、忍耐、柔和を追い求めなさい 使徒パウロのテモテへの手紙愛する者よ、6・2cこれらのことを教え、勧めなさい。3異なる教えを説き、わたしたちの主イエス・キリストの健全な言葉にも、信心に基づく教えにも従わない者がいれば、4その者は高慢で、何も分からず、議論や口論に病みつきになっています。そこから、ねたみ、争い、中傷、邪推、5絶え間ない言い争いが生じるのです。これらは、精神が腐り、真理に背を向け、信心を利得の道と考える者の間で起こるものです。6もっとも、信心は、満ち足りることを知る者には、大きな利得の道です。7なぜならば、わたしたちは、何も持たずに世に生まれ、世を去るときは何も持って行くことができないからです。8食べる物と着る物があれば、わたしたちはそれで満足すべきです。9金持ちになろうとする者は、誘惑、罠、無分別で有害なさまざまの欲望に陥ります。その欲望が、人を滅亡と破滅に陥れます。10金銭の欲は、すべての悪の根です。金銭を追い求めるうちに信仰から迷い出て、さまざまのひどい苦しみで突き刺された者もいます。 11しかし、神の人よ、あなたはこれらのことを避けなさい。正義、信心、信仰、愛、忍耐、柔和を追い求めなさい。12信仰の戦いを立派に戦い抜き、永遠の命を手に入れなさい。命を得るために、あなたは神から召され、多くの証人の前で立派に信仰を表明したのです。 答唱詩編詩編1・1ac+2、3しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。 詩編11・1acしあわせな人、 3流れのほとりに植えられた木が、 福音朗読ルカ8・1-3アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、8・1イエスは神の国を宣べ伝え、その福音を告げ知らせながら、町や村を巡って旅を続けられた。十二人も一緒だった。2悪霊を追い出して病気をいやしていただいた何人かの婦人たち、すなわち、七つの悪霊を追い出していただいたマグダラの女と呼ばれるマリア、3ヘロデの家令クザの妻ヨハナ、それにスサンナ、そのほか多くの婦人たちも一緒であった。彼女たちは、自分の持ち物を出し合って、一行に奉仕していた。 |
|||
聖アンドレ金と同志 殉教者 | 9月20日(土) | 記念日 | |
第一朗読①テモテ6・13-16神に誉れと永遠の支配がありますように、アーメン。 使徒パウロのテモテへの手紙愛する者よ、6・13万物に命をお与えになる神の御前で、そして、ポンティオ・ピラトの面前で立派な宣言によって証しをなさったキリスト・イエスの御前で、あなたに命じます。14わたしたちの主イエス・キリストが再び来られるときまで、おちどなく、非難されないように、この掟を守りなさい。15神は、定められた時にキリストを現してくださいます。神は、祝福に満ちた唯一の主権者、王の王、主の主、16唯一の不死の存在、近寄り難い光の中に住まわれる方、だれ一人見たことがなく、見ることのできない方です。この神に誉れと永遠の支配がありますように、アーメン。 答唱詩編詩編100・1+2、5わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。 詩編100100・1世界よ、神に喜びの声をあげ、 5神はいつくしみ深く、 福音朗読ルカ8・4-15アレルヤ、アレルヤ。よい心で神のことばを保ち、忍耐を持って実を結ぶ人は幸い。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、8・4大勢の群衆が集まり、方々の町から人々がそばに来たので、イエスはたとえを用いてお話しになった。5「種を蒔く人が種蒔きに出て行った。蒔いている間に、ある種は道端に落ち、人に踏みつけられ、空の鳥が食べてしまった。6ほかの種は石地に落ち、芽は出たが、水気がないので枯れてしまった。7ほかの種は茨の中に落ち、茨も一緒に伸びて、押しかぶさってしまった。8また、ほかの種は良い土地に落ち、生え出て、百倍の実を結んだ。」イエスはこのように話して、「聞く耳のある者は聞きなさい」と大声で言われた。 9弟子たちは、このたとえはどんな意味かと尋ねた。10イエスは言われた。「あなたがたには神の国の秘密を悟ることが許されているが、他の人々にはたとえを用いて話すのだ。それは、 11このたとえの意味はこうである。種は神の言葉である。12道端のものとは、御言葉を聞くが、信じて救われることのないように、後から悪魔が来て、その心から御言葉を奪い去る人たちである。13石地のものとは、御言葉を聞くと喜んで受け入れるが、根がないので、しばらくは信じても、試練に遭うと身を引いてしまう人たちのことである。14そして、茨の中に落ちたのは、御言葉を聞くが、途中で人生の思い煩いや富や快楽に覆いふさがれて、実が熟するまでに至らない人たちである。15良い土地に落ちたのは、立派な善い心で御言葉を聞き、よく守り、忍耐して実を結ぶ人たちである。」 |
|||
年間第25主日 | 9月21日(日) | 年間 | |
第一朗読アモス8・4-7弱い者を金で買い取る人に対する主のことば アモスの預言8・4このことを聞け。 5お前たちは言う。「新月祭はいつ終わるのか、穀物を売りたいものだ。安息日はいつ終わるのか、麦を売り尽くしたいものだ。エファ升は小さくし、分銅は重くし、偽りの天秤を使ってごまかそう。6弱い者を金で、貧しい者を靴一足の値で買い取ろう。また、くず麦を売ろう。」 答唱詩編詩編113・1+2、3+4、7+8神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。 詩編113113・1ほめよ、神に仕える者よ、 3日ののぼるところから沈むところまで、 7神は貧しい人を立ち上がらせ、 第二朗読①テモテ2・1-8祈りをすべての人々のためにささげなさい。神は、すべての人々が救われることを望んでおられる 使徒パウロのテモテヘの手紙愛する者よ、2・1まず第一に勧めます。願いと祈りと執り成しと感謝とをすべての人々のためにささげなさい。2王たちやすべての高官のためにもささげなさい。わたしたちが常に信心と品位を保ち、平穏で落ち着いた生活を送るためです。3これは、わたしたちの救い主である神の御前に良いことであり、喜ばれることです。4神は、すべての人々が救われて真理を知るようになることを望んでおられます。5神は唯一であり、神と人との間の仲介者も、人であるキリスト・イエスただおひとりなのです。6この方はすべての人の贖いとして御自身を献げられました。これは定められた時になされた証しです。7わたしは、その証しのために宣教者また使徒として、すなわち異邦人に信仰と真理を説く教師として任命されたのです。わたしは真実を語っており、偽りは言っていません。 福音朗読ルカ16・1-13アレルヤ、アレルヤ。イエス・キリストは富んでおられたのに、貧しくなられた。あなたがたがキリストの貧しさによって富むように。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、16・1イエスは弟子たちに言われた。「ある金持ちに一人の管理人がいた。この男が主人の財産を無駄遣いしていると、告げ口をする者があった。2そこで、主人は彼を呼びつけて言った。『お前について聞いていることがあるが、どうなのか。会計の報告を出しなさい。もう管理を任せておくわけにはいかない。』3管理人は考えた。『どうしようか。主人はわたしから管理の仕事を取り上げようとしている。土を掘る力もないし、物乞いをするのも恥ずかしい。4そうだ。こうしよう。管理の仕事をやめさせられても、自分を家に迎えてくれるような者たちを作ればいいのだ。』5そこで、管理人は主人に借りのある者を一人一人呼んで、まず最初の人に、『わたしの主人にいくら借りがあるのか』と言った。6『油百バトス』と言うと、管理人は言った。『これがあなたの証文だ。急いで、腰を掛けて、五十バトスと書き直しなさい。』7また別の人には、『あなたは、いくら借りがあるのか』と言った。『小麦百コロス』と言うと、管理人は言った。『これがあなたの証文だ。八十コロスと書き直しなさい。』8主人は、この不正な管理人の抜け目のないやり方をほめた。この世の子らは、自分の仲間に対して、光の子らよりも賢くふるまっている。9そこで、わたしは言っておくが、不正にまみれた富で友達を作りなさい。そうしておけば、金がなくなったとき、あなたがたは永遠の住まいに迎え入れてもらえる。 10ごく小さな事に忠実な者は、大きな事にも忠実である。ごく小さな事に不忠実な者は、大きな事にも不忠実である。11だから、不正にまみれた富について忠実でなければ、だれがあなたがたに本当に価値あるものを任せるだろうか。12また、他人のものについて忠実でなければ、だれがあなたがたのものを与えてくれるだろうか。13どんな召し使いも二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。」 |
|||
年間第25月曜日 | 9月22日(月) | 年間 | |
第一朗読エズラ1・1-6主は約束されたことを成就するため、ペルシアの王キュロスの心を動かされた エズラ記1・1ペルシアの王キュロスの第一年のことである。主はかつてエレミヤの口によって約束されたことを成就するため、ペルシアの王キュロスの心を動かされた。キュロスは文書にも記して、国中に次のような布告を行き渡らせた。2「ペルシアの王キュロスはこう言う。天にいます神、主は、地上のすべての国をわたしに賜った。この主がユダのエルサレムに御自分の神殿を建てることをわたしに命じられた。3あなたたちの中で主の民に属する者はだれでも、エルサレムにいますイスラエルの神、主の神殿を建てるために、ユダのエルサレムに上って行くがよい。神が共にいてくださるように。4すべての残りの者には、どこに寄留している者にも、その所の人々は銀、金、家財、家畜、エルサレムの神殿への随意の献げ物を持たせるようにせよ。」5そこで、ユダとベニヤミンの家長、祭司、レビ人、つまり神に心を動かされた者は皆、エルサレムの主の神殿を建てるために上って行こうとした。6周囲の人々は皆、あらゆる随意の献げ物のほかに、銀と金の器、家財、家畜、高価な贈り物をもって彼らを支援した。 答唱詩編詩編126・1+2ab、2cd+3涙のうちに種まく人は、喜びのうちに刈り取る。 詩編126126・1神が捕らわれびとをシオンにもどされたとき、 2cd国々の民も叫んで言った、 福音朗読ルカ8・16-18アレルヤ、アレルヤ。あなたがたはいのちのことばを保ち、ともし火のように世を照らしなさい。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは人々に言われた。8・16「ともし火をともして、それを器で覆い隠したり、寝台の下に置いたりする人はいない。入って来る人に光が見えるように、燭台の上に置く。17隠れているもので、あらわにならないものはなく、秘められたもので、人に知られず、公にならないものはない。18だから、どう聞くべきかに注意しなさい。持っている人は更に与えられ、持っていない人は持っていると思うものまでも取り上げられる。」 |
|||
聖ピオ・(ピエトレルチーナ) 司祭 | 9月23日(火) | 記念日 | |
第一朗読エズラ6・7-8、12b、14-20神殿の工事をさせることにせよ エズラ記その日、ダレイオス王はユーフラテス西方の長官たちに命令を下した。6・7「神殿の工事をさせることにせよ。ユダの長官と長老たちは、かつて神殿があった場所にその神殿を再建しなければならない。8この神殿を建てるために、あなたたちがそのユダの長老たちを援助することを、わたしは命ずる。その経費はユーフラテス西方からの税収による国費によって賄われ、滞りなく正確にそれを彼らに与えよ。12bわたしダレイオスが、この命令を下す。命令どおり実行せよ。」 14ユダの長老たちは、預言者ハガイとイドの子ゼカリヤの預言に促されて順調に建築を進めていたが、イスラエルの神の命令と、ペルシアの王キュロス、ダレイオス、アルタクセルクセスの命令によって建築を完了した。15この神殿は、ダレイオス王の治世第六年のアダルの月の二十三日に完成した。16イスラエルの人々、祭司、レビ人、残りの捕囚の子らは、喜び祝いつつその神殿の奉献を行った。17この神殿の奉献のために雄牛百頭、雄羊二百匹、小羊四百匹をささげ、また全イスラエルのために贖罪の献げ物としてイスラエルの部族の数に従って雄山羊十二匹をささげた。18そしてモーセの書に書き記されているとおり、エルサレムにおける神への奉仕のために、祭司たちをその担当の務めによって、レビ人をその組分けによって任務に就かせた。 19捕囚の子らは、第一の月の十四日に過越祭を行った。20祭司とレビ人は共に身を清めていたので皆清く、捕囚の子ら皆のため、仲間の祭司のため、また彼ら自身のために、過越のいけにえを屠った。 答唱詩編詩編122・3+4ab、4cd+5うるわしい神の家、エルサレム、かべも塔も輝いて立つ。 詩編122122・3しげく連なる町、エルサレム、 4cdイスラエルのおきてに従い、 福音朗読ルカ8・19-21アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、8・19イエスのところに母と兄弟たちが来たが、群衆のために近づくことができなかった。20そこでイエスに、「母上と御兄弟たちが、お会いしたいと外に立っておられます」との知らせがあった。21するとイエスは、「わたしの母、わたしの兄弟とは、神の言葉を聞いて行う人たちのことである」とお答えになった。 |
|||
年間第25水曜日 | 9月24日(水) | 年間 | |
第一朗読エズラ9・5-9わが神よ、御前に恥じ入るあまり、わたしは顔を上げることができません。 エズラ記わたしエズラは、9・5夕べの献げ物のときになって、かがめていた身を起こし、裂けた衣とマントをつけたままひざまずき、わが神、主に向かって手を広げ、6祈り始めた。 「わが神よ、御前に恥じ入るあまり、わたしは顔を上げることができません。わたしたちの罪悪は積み重なって身の丈を越え、罪科は大きく天にまで達しています。7先祖の時代から今日まで、わたしたちは大きな罪科の中にあります。その罪悪のために、わたしたちは王も祭司もこの地の王の支配下に置かれ、剣にかけられ、捕らわれ人となり、略奪され、辱められてきました。今日、御覧のとおりです。 8ところが今、ほんの少し前から、わたしたちの神、主の憐れみにより、わたしたちの幾人かが捕囚を免れて生き残り、あなたの聖なる所によりどころを得るようにされました。こうして、わたしたちの神はわたしたちの目に光を与え、奴隷の身にありながらも、わずかに生きる力を授けてくださいました。9まことに、わたしたちは奴隷にされています。しかし、わたしたちの神はわたしたちを奴隷のまま捨て去ることなく、ペルシアの諸王がわたしたちに対して好意を抱くようにし、生きる力を与えてくださいました。こうして、ユダとエルサレムでわたしたちの神の神殿を再建し、廃虚を復興し、城壁を得るようにしてくださいました。」 答唱詩編詩編130・3+4、7a+8主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編130130・3あなたが悪に目を留められるなら、 7aイスラエルよ、イスラエルよ、 福音朗読ルカ9・1-6アレルヤ、アレルヤ。神の国は近づいた。回心して福音を信じなさい。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、9・1イエスは十二人を呼び集め、あらゆる悪霊に打ち勝ち、病気をいやす力と権能をお授けになった。2そして、神の国を宣べ伝え、病人をいやすために遣わすにあたり、3次のように言われた。「旅には何も持って行ってはならない。杖も袋もパンも金も持ってはならない。下着も二枚は持ってはならない。4どこかの家に入ったら、そこにとどまって、その家から旅立ちなさい。5だれもあなたがたを迎え入れないなら、その町を出ていくとき、彼らへの証しとして足についた埃を払い落としなさい。」6十二人は出かけて行き、村から村へと巡り歩きながら、至るところで福音を告げ知らせ、病気をいやした。 |
|||
年間第25木曜日 | 9月25日(木) | 年間 | |
第一朗読ハガイ1・1-8神殿を建てよ。わたしはそれを喜び、栄光を受けると主は言われる。 ハガイの預言1・1ダレイオス王の第二年六月一日に、主の言葉が預言者ハガイを通して、ユダの総督シェアルティエルの子ゼルバベルと大祭司ヨツァダクの子ヨシュアに臨んだ。2「万軍の主はこう言われる。この民は、『まだ、主の神殿を再建する時は来ていない』と言っている。」 3主の言葉が、預言者ハガイを通して臨んだ。 答唱詩編詩編149・1+2、3+4シオンよ、喜べ。エルサレムよ、うたえ。見よ、わたしたちの王、主が来られる。 詩編149149・1新しい歌を神にうたい、 3舞をささげて神の名をほめ、 福音朗読ルカ9・7-9アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行けない。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、9・7領主ヘロデは、これらの出来事をすべて聞いて戸惑った。というのは、イエスについて、「ヨハネが死者の中から生き返ったのだ」と言う人もいれば、8「エリヤが現れたのだ」と言う人もいて、更に、「だれか昔の預言者が生き返ったのだ」と言う人もいたからである。9しかし、ヘロデは言った。「ヨハネなら、わたしが首をはねた。いったい、何者だろう。耳に入ってくるこんなうわさの主は。」そして、イエスに会ってみたいと思った。 |
|||
年間第25金曜日 | 9月26日(金) | 年間 | |
第一朗読ハガイ1・15b-2・9この場所にわたしは平和を与える ハガイの預言ダレイオス王の第二年、2・1七月二十一日に、主の言葉が、預言者ハガイを通して臨んだ。2「ユダの総督シャルティエルの子ゼルバベルと大祭司ヨツァダクの子ヨシュア、および民の残りの者に告げなさい。 3お前たち、残った者のうち 答唱詩編詩編31・2+3、4+5神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。 詩編3131・2神よ、あなたのもとにわたしはのがれる。とこしえに恥を負わせず、 4神よ、あなたはわたしの岩、わたしのとりで。 福音朗読ルカ9・18-22アレルヤ、アレルヤ。人の子は来たのは仕えるため、多くの人の贖いとして自分の命を与えるため。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音9・18イエスがひとりで祈っておられたとき、弟子たちは共にいた。そこでイエスは、「群衆は、わたしのことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。19弟子たちは答えた。「『洗礼者ヨハネだ』と言っています。ほかに、『エリヤだ』と言う人も、『だれか昔の預言者が生き返ったのだ』と言う人もいます。」20イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」ペトロが答えた。「神からのメシアです。」 21イエスは弟子たちを戒め、このことをだれにも話さないように命じて、22次のように言われた。「人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちから排斥されて殺され、三日目に復活することになっている。」 |
|||
聖ビンセンシオ・ア・パウロ 司祭 | 9月27日(土) | 記念日 | |
第一朗読ゼカリヤ2・5-9、14-15a娘シオンよ、声をあげて喜べ。 ゼカリヤの預言2・5わたしが目を留めて見ると、ひとりの人が測り縄を手にしているではないか。6「あなたはどこに行かれるのですか」と尋ねると、彼はわたしに、「エルサレムを測り、その幅と長さを調べるためです」と答えた。7わたしに語りかけた御使いが出て行くと、別の御使いが出て来て迎え、8彼に言った。「あの若者のもとに走り寄って告げよ。 14娘シオンよ、声をあげて喜べ。 答唱詩編詩編65・6、13+14われらはシオンで神をたたえ、豊かな恵みを喜びうたう。 詩編6565・6わたしたちの救い、わたしたちの神よ、 13荒れ野のまきばも若草にもえ、 福音朗読ルカ9・43b-45アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、9・43bイエスがなさったすべてのことに、皆が驚いていると、イエスは弟子たちに言われた。44「この言葉をよく耳に入れておきなさい。人の子は人々の手に引き渡されようとしている。」45弟子たちはその言葉が分からなかった。彼らには理解できないように隠されていたのである。彼らは、怖くてその言葉について尋ねられなかった。 |
|||
年間第26主日 | 9月28日(日) | 年間 | |
第一朗読アモス6・1a、4-7今や彼らは寝そべって酒宴を楽しむことはなくなる アモスの預言主は言われる。 6・1a災いだ、シオンに安住し 答唱詩編詩編146・6c+7、8ac+9bcいのちあるすべてのものは、神をたたえよ。 詩編146146・6c神はとこしえにまことをしめし、 8ac神は見えない人の目をひらき、 第ニ朗読①テモテ6・11-16主が再び来られるときまで、掟を守りなさい 使徒パウロのテモテヘの手紙6・11神の人よ、あなたは、正義、信心、信仰、愛、忍耐、柔和を追い求めなさい。12信仰の戦いを立派に戦い抜き、永遠の命を手に入れなさい。命を得るために、あなたは神から召され、多くの証人の前で立派に信仰を表明したのです。13万物に命をお与えになる神の御前で、そして、ポンティオ・ピラトの面前で立派な宣言によって証しをなさったキリスト・イエスの御前で、あなたに命じます。14わたしたちの主イエス・キリストが再び来られるときまで、おちどなく、非難されないように、この掟を守りなさい。神は、定められた時にキリストを現してくださいます。15神は、祝福に満ちた唯一の主権者、王の王、主の主、16唯一の不死の存在、近寄り難い光の中に住まわれる方、だれ一人見たことがなく、見ることのできない方です。この神に誉れと永遠の支配がありますように、アーメン。 福音朗読ルカ16・19-31アレルヤ、アレルヤ。イエス・キリストは富んでおられたのに、貧しくなられた。あなたがたがキリストの貧しさによって富むように。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、16・19イエスはファリサイ派の人々に言われた。「ある金持ちがいた。いつも紫の衣や柔らかい麻布を着て、毎日ぜいたくに遊び暮らしていた。20この金持ちの門前に、ラザロというできものだらけの貧しい人が横たわり、21その食卓から落ちる物で腹を満たしたいものだと思っていた。犬もやって来ては、そのできものをなめた。22やがて、この貧しい人は死んで、天使たちによって宴席にいるアブラハムのすぐそばに連れて行かれた。金持ちも死んで葬られた。23そして、金持ちは陰府でさいなまれながら目を上げると、宴席でアブラハムとそのすぐそばにいるラザロとが、はるかかなたに見えた。24そこで、大声で言った。『父アブラハムよ、わたしを憐れんでください。ラザロをよこして、指先を水に浸し、わたしの舌を冷やさせてください。わたしはこの炎の中でもだえ苦しんでいます。』25しかし、アブラハムは言った。『子よ、思い出してみるがよい。お前は生きている間に良いものをもらっていたが、ラザロは反対に悪いものをもらっていた。今は、ここで彼は慰められ、お前はもだえ苦しむのだ。26そればかりか、わたしたちとお前たちの間には大きな淵があって、ここからお前たちの方へ渡ろうとしてもできないし、そこからわたしたちの方に越えて来ることもできない。』27金持ちは言った。『父よ、ではお願いです。わたしの父親の家にラザロを遣わしてください。28わたしには兄弟が五人います。あの者たちまで、こんな苦しい場所に来ることのないように、よく言い聞かせてください。』29しかし、アブラハムは言った。『お前の兄弟たちにはモーセと預言者がいる。彼らに耳を傾けるがよい。』30金持ちは言った。『いいえ、父アブラハムよ、もし、死んだ者の中からだれかが兄弟のところに行ってやれば、悔い改めるでしょう。』31アブラハムは言った。『もし、モーセと預言者に耳を傾けないのなら、たとえ死者の中から生き返る者があっても、その言うことを聞き入れはしないだろう。』」 |
|||
聖ミカエル、聖ガブリエル、聖ラファエル大天使 | 9月29日(月) | 聖人の記念 | |
第一朗読ダニエル7・9-10、13-14見よ、「人の子」のような者が天の雲に乗り、王権を受けた。 ダニエルの預言わたしが7・9なお見ていると、 13夜の幻をなお見ていると、 または黙示録12・7-12aその中に住む者たちよ、喜べ。 ヨハネの黙示12・7さて、天で戦いが起こった。ミカエルとその使いたちが、竜に戦いを挑んだのである。竜とその使いたちも応戦したが、8勝てなかった。そして、もはや天には彼らの居場所がなくなった。9この巨大な竜、年を経た蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれるもの、全人類を惑わす者は、投げ落とされた。地上に投げ落とされたのである。その使いたちも、もろともに投げ落とされた。10わたしは、天で大きな声が次のように言うのを、聞いた。 「今や、我々の神の救いと力と支配が現れた。 答唱詩編詩編138・1+2ab、4+5+7d主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編138138・1神よ、わたしは心を尽くしてあなたに感謝し、 4神よ、国々の王はあなたのことばを聞き、あなたをたたえる。 福音朗読ヨハネ1・47-51アレルヤ、アレルヤ。神の使いよ、神をたたえよ。み旨を行うしもべたちよ、神をたたえよ。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音そのとき、1・47イエスは、ナタナエルが御自分の方へ来るのを見て、彼のことをこう言われた。「見なさい。まことのイスラエル人だ。この人には偽りがない。」48ナタナエルが、「どうしてわたしを知っておられるのですか」と言うと、イエスは答えて、「わたしは、あなたがフィリポから話しかけられる前に、いちじくの木の下にいるのを見た」と言われた。49ナタナエルは答えた。「ラビ、あなたは神の子です。あなたはイスラエルの王です。」50イエスは答えて言われた。「いちじくの木の下にあなたがいるのを見たと言ったので、信じるのか。もっと偉大なことをあなたは見ることになる。」51更に言われた。「はっきり言っておく。天が開け、神の天使たちが人の子の上に昇り降りするのを、あなたがたは見ることになる。」 |
|||
聖ヒエロニモ 司祭教会博士 | 9月30日(火) | 記念日 | |
第一朗読ゼカリヤ8・20-23さあ、共に行って、主の恵みを求め万軍の主を尋ね求めよう。 ゼカリヤの預言8・20万軍の主はこう言われる。 答唱詩編詩編147・1+2、12+13エルサレムよ、ほめたたえよ。主なる神に、うたえ。アレルヤ。 詩編147147・1神をたたえ、賛美の歌をうたおう。 12エルサレムよ、神をほめたたえよ、 福音朗読ルカ9・51-56アレルヤ、アレルヤ。人の子が来たのは仕えるため、多くの人の贖いとして自分の命を与えるため。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音9・51イエスは、天に上げられる時期が近づくと、エルサレムに向かう決意を固められた。52そして、先に使いの者を出された。彼らは行って、イエスのために準備しようと、サマリア人の村に入った。53しかし、村人はイエスを歓迎しなかった。イエスがエルサレムを目指して進んでおられたからである。54弟子のヤコブとヨハネはそれを見て、「主よ、お望みなら、天から火を降らせて、彼らを焼き滅ぼしましょうか」と言った。55イエスは振り向いて二人を戒められた。56そして、一行は別の村に行った。 |
|||
10月 | |||
聖テレジア(幼いイエスの) おとめ教会博士 | 10月1日(水) | 記念日 | |
第一朗読ネヘミヤ2・1-8神の御手がわたしを守ってくださったので、王はわたしの願いをかなえてくれた。 ネヘミヤ記2・1アルタクセルクセス王の第二十年、ニサンの月のことであった。王はぶどう酒を前にし、わたしがぶどう酒を取って、王に差し上げていた。わたしは王の前で暗い表情をすることはなかったが、2王はわたしに尋ねた。「暗い表情をしているが、どうかしたのか。病気ではあるまい。何か心に悩みがあるにちがいない。」わたしは非常に恐縮して、3王に答えた。「王がとこしえに生き長らえられますように。わたしがどうして暗い表情をせずにおれましょう。先祖の墓のある町が荒廃し、城門は火で焼かれたままなのです。」4すると王は、「何を望んでいるのか」と言った。わたしは天にいます神に祈って、5王に答えた。「もしも僕がお心に適い、王にお差し支えがなければ、わたしをユダに、先祖の墓のある町にお遣わしください。町を再建したいのでございます。」6王は傍らに座っている王妃と共に、「旅にはどれほどの時を要するのか。いつ帰れるのか」と尋ねた。わたしの派遣について王が好意的であったので、どれほどの期間が必要なのかを説明し、7更に、わたしは王に言った。「もしもお心に適いますなら、わたしがユダに行き着くまで、わたしを通過させるようにと、ユーフラテス西方の長官たちにあてた書状をいただきとうございます。8また、神殿のある都の城門に梁を置くために、町を取り巻く城壁のためとわたしが入る家のために木材をわたしに与えるように、と王の森林管理者アサフにあてた書状もいただきとうございます。」神の御手がわたしを守ってくださったので、王はわたしの願いをかなえてくれた。 答唱詩編詩編137・1+2、3+4エルサレムよ、おまえを忘れるよりは、わたしの右手がなえたほうがよい。エルサレムを思わず、最上の喜びとしないなら、わたしは口がきけなくなったほうがよい。 詩編137137・1バビロンの流れのほとりにすわり、 3わたしたちをとりこにしたものが、歌をもとめ、 福音朗読ルカ9・57-62アレルヤ、アレルヤ。神の国は近づいた。回心して福音を信じなさい。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、9・57イエスと弟子たちが道を進んで行くと、イエスに対して、「あなたがおいでになる所なら、どこへでも従って参ります」と言う人がいた。58イエスは言われた。「狐には穴があり、空の鳥には巣がある。だが、人の子には枕する所もない。」59そして別の人に、「わたしに従いなさい」と言われたが、その人は、「主よ、まず、父を葬りに行かせてください」と言った。60イエスは言われた。「死んでいる者たちに、自分たちの死者を葬らせなさい。あなたは行って、神の国を言い広めなさい。」61また、別の人も言った。「主よ、あなたに従います。しかし、まず家族にいとまごいに行かせてください。」62イエスはその人に、「鋤に手をかけてから後ろを顧みる者は、神の国にふさわしくない」と言われた。 |
|||
守護の天使 | 10月2日(木) | 聖人の記念 | |
第一朗読出エジプト23・20-23わたしの使いがあなたの前を行き、わたしは彼らを絶やす。 出エジプト記主は言われる。23・20見よ、わたしはあなたの前に使いを遣わして、あなたを道で守らせ、わたしの備えた場所に導かせる。21あなたは彼に心を留め、その声に聞き従い、彼に逆らってはならない。彼はあなたたちの背きを赦さないであろう。彼はわたしの名を帯びているからである。22しかし、もしあなたが彼の声に聞き従い、わたしの語ることをすべて行うならば、わたしはあなたの敵に敵対し、仇に仇を報いる。 23わたしの使いがあなたの前を行き、あなたをアモリ人、ヘト人、ペリジ人、カナン人、ヒビ人、エブス人のところに導くとき、わたしは彼らを絶やす。 答唱詩編詩編91・2+4ab、11+12b+10、14+15主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編9191・2「神はわたしののがれ場、わたしのとりで、 11神があなたのために使いにめいじ、 福音朗読マタイ18・1-5、10アレルヤ、アレルヤ。神の使いよ、神をたたえよ。み旨を行うしもべたちよ、神をたたえよ。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音18・1そのとき、弟子たちがイエスのところに来て、「いったいだれが、天の国でいちばん偉いのでしょうか」と言った。2そこで、イエスは一人の子供を呼び寄せ、彼らの中に立たせて、3言われた。「はっきり言っておく。心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。4自分を低くして、この子供のようになる人が、天の国でいちばん偉いのだ。5わたしの名のためにこのような一人の子供を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。 10これらの小さな者を一人でも軽んじないように気をつけなさい。言っておくが、彼らの天使たちは天でいつもわたしの天の父の御顔を仰いでいるのである。」 |
|||
年間第26金曜日 | 10月3日(金) | 年間 | |
第一朗読バルク1・15b-22それは、わたしたちが主に対して罪を犯し、主に背いたからです。 バルクの預言1・15bわたしたちの神なる主は正しい方であるのに、わたしたちの顔は今日、恥で覆われています。ユダの人々、エルサレムに住む人々、16わたしたちの王、高官、祭司、預言者、先祖たちも皆そうです。17それは、わたしたちが主に対して罪を犯し、18主に背いたからです。わたしたちは神なる主の御声に耳を傾けず、主がわたしたちに与えてくださった命令に従いませんでした。19主がわたしたちの先祖をエジプトの地から導き出された日から今日に至るまで、わたしたちは神なる主に背き、主を軽んじて、御声に耳を貸しませんでした。20そのためわたしたちは今日、数々の災いと呪いに付きまとわれているのです。この呪いは、主が乳と蜜の流れる地をわたしたちに与えようと、先祖をエジプトの地から導き出された日に、その僕モーセを通して宣告されたものです。21わたしたちは、主から遣わされた預言者のあらゆる警告を無視して、神なる主の御声に聞き従わず、22おのおの、よこしまな心の思いのままに歩んで、他の神々に仕え、神なる主の御前で悪を行いました。 答唱詩編詩編32・5abef、7主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編3232・5わたしは罪をあなたに表し、 7あなたはわたしの隠れ場、 福音朗読ルカ10・13-16アレルヤ、アレルヤ。神に心を閉じてはならない。今日こそ神のことばを聞こう。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは言われた。10・13「コラジン、お前は不幸だ。ベトサイダ、お前は不幸だ。お前たちのところでなされた奇跡がティルスやシドンで行われていれば、これらの町はとうの昔に粗布をまとい、灰の中に座って悔い改めたにちがいない。14しかし、裁きの時には、お前たちよりまだティルスやシドンの方が軽い罰で済む。15また、カファルナウム、お前は、 |
|||
聖フランシスコ(アシジ) 修道者 | 10月4日(土) | 記念日 | |
第一朗読ハルク4・5-12、27-29回心して、今度は十倍の熱心さで神を求めなさい。 バルクの預言4・5勇気を出せ、わたしの民、 27子らよ、勇気を出し、神に向かって叫びなさい。 答唱詩編詩編69・34+35、36abc+37a主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編6969・34神は貧しい人々に耳を傾け、 36abc神は必ずシオンを救い、 福音朗読ルカ10・17-24アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、10・17七十二人は喜んで帰って来て、こう言った。「主よ、お名前を使うと、悪霊さえもわたしたちに屈服します。」18イエスは言われた。「わたしは、サタンが稲妻のように天から落ちるのを見ていた。19蛇やさそりを踏みつけ、敵のあらゆる力に打ち勝つ権威を、わたしはあなたがたに授けた。だから、あなたがたに害を加えるものは何一つない。20しかし、悪霊があなたがたに服従するからといって、喜んではならない。むしろ、あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい。」 21そのとき、イエスは聖霊によって喜びにあふれて言われた。「天地の主である父よ、あなたをほめたたえます。これらのことを知恵ある者や賢い者には隠して、幼子のような者にお示しになりました。そうです、父よ、これは御心に適うことでした。22すべてのことは、父からわたしに任せられています。父のほかに、子がどういう者であるかを知る者はなく、父がどういう方であるかを知る者は、子と、子が示そうと思う者のほかには、だれもいません。」23それから、イエスは弟子たちの方を振り向いて、彼らだけに言われた。「あなたがたの見ているものを見る目は幸いだ。24言っておくが、多くの預言者や王たちは、あなたがたが見ているものを見たかったが、見ることができず、あなたがたが聞いているものを聞きたかったが、聞けなかったのである。」 |
|||
年間第27主日 | 10月5日(日) | 年間 | |
第一朗読ハバクク1・2-3、2・2-4神に従う人は信仰によって生きる ハバククの預言1・2主よ、わたしが助けを求めて叫んでいるのに 2・2主はわたしに答えて、言われた。 答唱詩編詩編95・1+2、5+6、7+8神に向かって喜び歌い、感謝の歌をささげよう。 詩編9595・1神に向かって喜びうたい、 5海は神のもの、神に造られたもの。 7神は、わたしたちの神。 第ニ朗読➁テモテ1・6-8、13-14わたしたちの主を証しすることを、恥じてはならない 使徒パウロのテモテヘの手紙愛する者よ、1・6わたしが手を置いたことによってあなたに与えられている神の賜物を、再び燃えたたせるように勧めます。7神は、おくびょうの霊ではなく、力と愛と思慮分別の霊をわたしたちにくださったのです。8だから、わたしたちの主を証しすることも、わたしが主の囚人であることも恥じてはなりません。むしろ、神の力に支えられて、福音のためにわたしと共に苦しみを忍んでください。13キリスト・イエスによって与えられる信仰と愛をもって、わたしから聞いた健全な言葉を手本としなさい。14あなたにゆだねられている良いものを、わたしたちの内に住まわれる聖霊によって守りなさい。 福音朗読ルカ17・5-10アレルヤ、アレルヤ。あなたがたに宣べ伝えられた福音は、永遠にとどまる神のことば。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音17・5使徒たちが、「わたしどもの信仰を増してください」と言ったとき、6主は言われた。「もしあなたがたにからし種一粒ほどの信仰があれば、この桑の木に、『抜け出して海に根を下ろせ』と言っても、言うことを聞くであろう。 7あなたがたのうちだれかに、畑を耕すか羊を飼うかする僕がいる場合、その僕が畑から帰って来たとき、『すぐ来て食事の席に着きなさい』と言う者がいるだろうか。8むしろ、『夕食の用意をしてくれ。腰に帯を締め、わたしが食事を済ますまで給仕してくれ。お前はその後で食事をしなさい』と言うのではなかろうか。9命じられたことを果たしたからといって、主人は僕に感謝するだろうか。10あなたがたも同じことだ。自分に命じられたことをみな果たしたら、『わたしどもは取るに足りない僕です。しなければならないことをしただけです』と言いなさい。」 |
|||
年間第27月曜日 | 10月6日(月) | 年間 | |
第一朗読ヨナ1・1-2・1、11ヨナは三日三晩魚の腹の中にいた。 ヨナの預言1・1主の言葉がアミタイの子ヨナに臨んだ。2「さあ、大いなる都ニネベに行ってこれに呼びかけよ。彼らの悪はわたしの前に届いている。」3しかしヨナは主から逃れようとして出発し、タルシシュに向かった。ヤッファに下ると、折よくタルシシュ行きの船が見つかったので、船賃を払って乗り込み、人々に紛れ込んで主から逃れようと、タルシシュに向かった。 4主は大風を海に向かって放たれたので、海は大荒れとなり、船は今にも砕けんばかりとなった。5船乗りたちは恐怖に陥り、それぞれ自分の神に助けを求めて叫びをあげ、積み荷を海に投げ捨て、船を少しでも軽くしようとした。しかし、ヨナは船底に降りて横になり、ぐっすりと寝込んでいた。6船長はヨナのところに来て言った。 「寝ているとは何事か。さあ、起きてあなたの神を呼べ。神が気づいて助けてくれるかもしれない。」 7さて、人々は互いに言った。 「さあ、くじを引こう。誰のせいで、我々にこの災難がふりかかったのか、はっきりさせよう。」 そこで、くじを引くとヨナに当たった。8人々は彼に詰め寄って、「さあ、話してくれ。この災難が我々にふりかかったのは、誰のせいか。あなたは何の仕事で行くのか。どこから来たのか。国はどこで、どの民族の出身なのか」と言った。 9ヨナは彼らに言った。 「わたしはヘブライ人だ。海と陸とを創造された天の神、主を畏れる者だ。」 10人々は非常に恐れ、ヨナに言った。 「なんという事をしたのだ。」 人々はヨナが、主の前から逃げて来たことを知った。彼が白状したからである。 11彼らはヨナに言った。 「あなたをどうしたら、海が静まるのだろうか。」 海は荒れる一方だった。12ヨナは彼らに言った。 「わたしの手足を捕らえて海にほうり込むがよい。そうすれば、海は穏やかになる。わたしのせいで、この大嵐があなたたちを見舞ったことは、わたしが知っている。」 13乗組員は船を漕いで陸に戻そうとしたが、できなかった。海がますます荒れて、襲いかかってきたからである。14ついに、彼らは主に向かって叫んだ。 「ああ、主よ、この男の命のゆえに、滅ぼさないでください。無実の者を殺したといって責めないでください。主よ、すべてはあなたの御心のままなのですから。」 15彼らがヨナの手足を捕らえて海へほうり込むと、荒れ狂っていた海は静まった。16人々は大いに主を畏れ、いけにえをささげ、誓いを立てた。 2・1さて、主は巨大な魚に命じて、ヨナを呑み込ませられた。ヨナは三日三晩魚の腹の中にいた。 11主が命じられると、魚はヨナを陸地に吐き出した。 答唱詩編詩編30・2b+4、6神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。 詩編3030・2b神よ、あなたはわたしを救い、 6滅びは神の怒りのうちに、 福音朗読ルカ10・25-37アレルヤ、アレルヤ。新しい掟をあなたがたに与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、10・25ある律法の専門家が立ち上がり、イエスを試そうとして言った。「先生、何をしたら、永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか。」26イエスが、「律法には何と書いてあるか。あなたはそれをどう読んでいるか」と言われると、27彼は答えた。「『心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい』とあります。」28イエスは言われた。「正しい答えだ。それを実行しなさい。そうすれば命が得られる。」29しかし、彼は自分を正当化しようとして、「では、わたしの隣人とはだれですか」と言った。30イエスはお答えになった。「ある人がエルサレムからエリコへ下って行く途中、追いはぎに襲われた。追いはぎはその人の服をはぎ取り、殴りつけ、半殺しにしたまま立ち去った。31ある祭司がたまたまその道を下って来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。32同じように、レビ人もその場所にやって来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。33ところが、旅をしていたあるサマリア人は、そばに来ると、その人を見て憐れに思い、34近寄って傷に油とぶどう酒を注ぎ、包帯をして、自分のろばに乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。35そして、翌日になると、デナリオン銀貨二枚を取り出し、宿屋の主人に渡して言った。『この人を介抱してください。費用がもっとかかったら、帰りがけに払います。』36さて、あなたはこの三人の中で、だれが追いはぎに襲われた人の隣人になったと思うか。」37律法の専門家は言った。「その人を助けた人です。」そこで、イエスは言われた。「行って、あなたも同じようにしなさい。」 |
|||
ロザリオの聖母 | 10月7日(火) | 記念日 | |
第一朗読ヨナ3・1-10あと四十日すれば、ニネベの都は滅びる。 ヨナの預言3・1主の言葉が再びヨナに臨んだ。2「さあ、大いなる都ニネベに行って、わたしがお前に語る言葉を告げよ。」 3ヨナは主の命令どおり、直ちにニネベに行った。ニネベは非常に大きな都で、一回りするのに三日かかった。4ヨナはまず都に入り、一日分の距離を歩きながら叫び、そして言った。 「あと四十日すれば、ニネベの都は滅びる。」 5すると、ニネベの人々は神を信じ、断食を呼びかけ、身分の高い者も低い者も身に粗布をまとった。6このことがニネベの王に伝えられると、王は王座から立ち上がって王衣を脱ぎ捨て、粗布をまとって灰の上に座し、7王と大臣たちの名によって布告を出し、ニネベに断食を命じた。 「人も家畜も、牛、羊に至るまで、何一つ食物を口にしてはならない。食べることも、水を飲むことも禁ずる。8人も家畜も粗布をまとい、ひたすら神に祈願せよ。おのおの悪の道を離れ、その手から不法を捨てよ。9そうすれば神が思い直されて激しい怒りを静め、我々は滅びを免れるかもしれない。」 10神は彼らの業、彼らが悪の道を離れたことを御覧になり、思い直され、宣告した災いをくだすのをやめられた。 答唱詩編詩編130・1+2、3+4主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編130130・1神よ、深いふちから、 3あなたが悪に目を留められるなら、 福音朗読ルカ10・38-42アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、10・38イエスはある村にお入りになった。すると、マルタという女が、イエスを家に迎え入れた。39彼女にはマリアという姉妹がいた。マリアは主の足もとに座って、その話に聞き入っていた。40マルタは、いろいろのもてなしのためせわしく立ち働いていたが、そばに近寄って言った。「主よ、わたしの姉妹はわたしだけにもてなしをさせていますが、何ともお思いになりませんか。手伝ってくれるようにおっしゃってください。」41主はお答えになった。「マルタ、マルタ、あなたは多くのことに思い悩み、心を乱している。42しかし、必要なことはただ一つだけである。マリアは良い方を選んだ。それを取り上げてはならない。」 |
|||
年間第27水曜日 | 10月8日(水) | 年間 | |
第一朗読ヨナ4・1-11お前は怒るが、それは正しいことか。 ヨナの預言4・1ヨナにとって、神がニネベの人々に宣告した災いをくだすのをやめられたことは大いに不満であり、彼は怒った。2彼は、主に訴えた。 「ああ、主よ、わたしがまだ国にいましたとき、言ったとおりではありませんか。だから、わたしは先にタルシシュに向かって逃げたのです。わたしには、こうなることが分かっていました。あなたは、恵みと憐れみの神であり、忍耐深く、慈しみに富み、災いをくだそうとしても思い直される方です。3主よどうか今、わたしの命を取ってください。生きているよりも死ぬ方がましです。」 4主は言われた。 「お前は怒るが、それは正しいことか。」 5そこで、ヨナは都を出て東の方に座り込んだ。そして、そこに小屋を建て、日射しを避けてその中に座り、都に何が起こるかを見届けようとした。 6すると、主なる神は彼の苦痛を救うため、とうごまの木に命じて芽を出させられた。とうごまの木は伸びてヨナよりも丈が高くなり、頭の上に陰をつくったので、ヨナの不満は消え、このとうごまの木を大いに喜んだ。7ところが翌日の明け方、神は虫に命じて木に登らせ、とうごまの木を食い荒らさせられたので木は枯れてしまった。8日が昇ると、神は今度は焼けつくような東風に吹きつけるよう命じられた。太陽もヨナの頭上に照りつけたので、ヨナはぐったりとなり、死ぬことを願って言った。 「生きているよりも、死ぬ方がましです。」 9神はヨナに言われた。 「お前はとうごまの木のことで怒るが、それは正しいことか。」 彼は言った。 「もちろんです。怒りのあまり死にたいくらいです。」 10すると、主はこう言われた。 「お前は、自分で労することも育てることもなく、一夜にして生じ、一夜にして滅びたこのとうごまの木さえ惜しんでいる。11それならば、どうしてわたしが、この大いなる都ニネベを惜しまずにいられるだろうか。そこには、十二万人以上の右も左もわきまえぬ人間と、無数の家畜がいるのだから。」 答唱詩編詩編86・5+6、9+10すべての人の救いを願い、わたしはあなたを待ち望む。 詩編8686・5神よ、あなたは恵み深く、心のひろいかた。 9神よ、あなたに造られた諸国の民はみな、 福音朗読ルカ11・1-4アレルヤ、アレルヤ。神の子とする霊のうちにあって、わたしたちは「アバ、父よ」と呼ぶ。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音11・1イエスはある所で祈っておられた。祈りが終わると、弟子の一人がイエスに、「主よ、ヨハネが弟子たちに教えたように、わたしたちにも祈りを教えてください」と言った。2そこで、イエスは言われた。「祈るときには、こう言いなさい。 『父よ、 |
|||
年間第27木曜日 | 10月9日(木) | 年間 | |
第一朗読マラキ3・13-20aあなたたちは、わたしにひどい言葉を語っている マラキの預言3・13あなたたちは、わたしにひどい言葉を語っている、と主は言われる。 19見よ、その日が来る 答唱詩編詩編1・1ac+2、6しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。 詩編11・1acしあわせな人、 6神に従う人の集いは 福音朗読ルカ11・5-13アレルヤ、アレルヤ。神よ、わたしたちの心を開き、あなたの子が語られることに心を向けさせてください。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは11・5弟子たちに言われた。「あなたがたのうちのだれかに友達がいて、真夜中にその人のところに行き、次のように言ったとしよう。『友よ、パンを三つ貸してください。6旅行中の友達がわたしのところに立ち寄ったが、何も出すものがないのです。』7すると、その人は家の中から答えるにちがいない。『面倒をかけないでください。もう戸は閉めたし、子供たちはわたしのそばで寝ています。起きてあなたに何かをあげるわけにはいきません。』8しかし、言っておく。その人は、友達だからということでは起きて何か与えるようなことはなくても、しつように頼めば、起きて来て必要なものは何でも与えるであろう。9そこで、わたしは言っておく。求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。10だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。11あなたがたの中に、魚を欲しがる子供に、魚の代わりに蛇を与える父親がいるだろうか。12また、卵を欲しがるのに、さそりを与える父親がいるだろうか。13このように、あなたがたは悪い者でありながらも、自分の子供には良い物を与えることを知っている。まして天の父は求める者に聖霊を与えてくださる。」 |
|||
年間第27金曜日 | 10月10日(金) | 年間 | |
第一朗読ヨエル1・13-15、2・1-2神に仕える者よ、粗布をまとって夜を明かせ。 ヨエルの預言1・13祭司よ、粗布を腰にまとって嘆き悲しめ。 15ああ、恐るべき日よ、主の日が近づく。 2・1シオンで角笛を吹き 答唱詩編詩編50・5+6、7わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。 詩編5050・5「わたしの民を集めよ、 7「わたしの民よ、聞け。 福音朗読ルカ11・15-26アレルヤ、アレルヤ。今この世のかしらが追い出される。わたしが地上から上げられるとき、すべての人をわたしのもとに引き寄せる。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは悪霊どもを追い出しておられたが、人々の11・15中には、「あの男は悪霊の頭ベルゼブルの力で悪霊を追い出している」と言う者や、16イエスを試そうとして、天からのしるしを求める者がいた。17しかし、イエスは彼らの心を見抜いて言われた。「内輪で争えば、どんな国でも荒れ果て、家は重なり合って倒れてしまう。18あなたたちは、わたしがベルゼブルの力で悪霊を追い出していると言うけれども、サタンが内輪もめすれば、どうしてその国は成り立って行くだろうか。19わたしがベルゼブルの力で悪霊を追い出すのなら、あなたたちの仲間は何の力で追い出すのか。だから、彼ら自身があなたたちを裁く者となる。20しかし、わたしが神の指で悪霊を追い出しているのであれば、神の国はあなたたちのところに来ているのだ。21強い人が武装して自分の屋敷を守っているときには、その持ち物は安全である。22しかし、もっと強い者が襲って来てこの人に勝つと、頼みの武具をすべて奪い取り、分捕り品を分配する。23わたしに味方しない者はわたしに敵対し、わたしと一緒に集めない者は散らしている。」 24「汚れた霊は、人から出て行くと、砂漠をうろつき、休む場所を探すが、見つからない。それで、『出て来たわが家に戻ろう』と言う。25そして、戻ってみると、家は掃除をして、整えられていた。26そこで、出かけて行き、自分よりも悪いほかの七つの霊を連れて来て、中に入り込んで、住み着く。そうなると、その人の後の状態は前よりも悪くなる。」 |
|||
年間第27土曜日 | 10月11日(土) | 年間 | |
第一朗読ヨエル4・12-21裁きの谷には、おびただしい群衆がいる。主の日が裁きの谷に近づく。 ヨエルの預言主は言われる。 4・12諸国の民が奮い立ち 13鎌を入れよ、刈り入れの時は熟した。 16主はシオンからほえたけり 答唱詩編詩編97・1+2、8+12栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。 詩編9797・1神は王。世界よ、喜びおどれ。 8神よ、あなたのさばきは、 福音朗読ルカ11・27-28アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、11・27イエスがこれらのことを話しておられると、ある女が群衆の中から声高らかに言った。「なんと幸いなことでしょう、あなたを宿した胎、あなたが吸った乳房は。」28しかし、イエスは言われた。「むしろ、幸いなのは神の言葉を聞き、それを守る人である。」 |
|||
年間第28主日 | 10月12日(日) | 年間 | |
第一朗読列王記下5・14-17ナアマンは神の人のところに引き返し、神への信仰を告白した 列王記その日、5・14シリアのナアマンは神の人エリシャの言葉どおりに下って行って、ヨルダン川に七度身を浸した。彼の体は元に戻り、小さい子供の体のようになり、清くなった。 15彼は随員全員を連れて神の人のところに引き返し、その前に来て立った。「イスラエルのほか、この世界のどこにも神はおられないことが分かりました。今この僕からの贈り物をお受け取りください。」16神の人は、「わたしの仕えている主は生きておられる。わたしは受け取らない」と辞退した。ナアマンは彼に強いて受け取らせようとしたが、彼は断った。17ナアマンは言った。「それなら、らば二頭に負わせることができるほどの土をこの僕にください。僕は今後、主以外の他の神々に焼き尽くす献げ物やその他のいけにえをささげることはしません。」 答唱詩編詩編98・1、2+3a、4+5遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・1新しい歌を神にうたえ。 2神は救いをしめし、 4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、 第二朗読➁テモテ2・8-13耐え忍ぶなら、キリストと共に支配するようになる 使徒パウロのテモテヘの手紙愛する者よ、2・8イエス・キリストのことを思い起こしなさい。わたしの宣べ伝える福音によれば、この方は、ダビデの子孫で、死者の中から復活されたのです。9この福音のためにわたしは苦しみを受け、ついに犯罪人のように鎖につながれています。しかし、神の言葉はつながれていません。10だから、わたしは、選ばれた人々のために、あらゆることを耐え忍んでいます。彼らもキリスト・イエスによる救いを永遠の栄光と共に得るためです。11次の言葉は真実です。 「わたしたちは、キリストと共に死んだのなら、キリストと共に生きるようになる。 福音朗読ルカ17・11-19アレルヤ、アレルヤ。すべてについて感謝しなさい。神はキリスト・イエスのうちにあって、あなたがたにこれを望んでおられる。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音17・11イエスはエルサレムへ上る途中、サマリアとガリラヤの間を通られた。12ある村に入ると、重い皮膚病を患っている十人の人が出迎え、遠くの方に立ち止まったまま、13声を張り上げて、「イエスさま、先生、どうか、わたしたちを憐れんでください」と言った。14イエスは重い皮膚病を患っている人たちを見て、「祭司たちのところに行って、体を見せなさい」と言われた。彼らは、そこへ行く途中で清くされた。15その中の一人は、自分がいやされたのを知って、大声で神を賛美しながら戻って来た。16そして、イエスの足もとにひれ伏して感謝した。この人はサマリア人だった。17そこで、イエスは言われた。「清くされたのは十人ではなかったか。ほかの九人はどこにいるのか。18この外国人のほかに、神を賛美するために戻って来た者はいないのか。」19それから、イエスはその人に言われた。「立ち上がって、行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。」 |
|||
年間第28月曜日 | 10月13日(月) | 年間 | |
第一朗読ローマ1・1-7父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和が、あなたがたにあるように。 使徒パウロのローマの教会への手紙1・1キリスト・イエスの僕、神の福音のために選び出され、召されて使徒となったパウロから、兄弟の皆さんへ。――2この福音は、神が既に聖書の中で預言者を通して約束されたもので、3御子に関するものです。御子は、肉によればダビデの子孫から生まれ、4聖なる霊によれば、死者の中からの復活によって力ある神の子と定められたのです。この方が、わたしたちの主イエス・キリストです。5わたしたちはこの方により、その御名を広めてすべての異邦人を信仰による従順へと導くために、恵みを受けて使徒とされました。6この異邦人の中に、イエス・キリストのものとなるように召されたあなたがたもいるのです。――7神に愛され、召されて聖なる者となったローマの人たち一同へ。わたしたちの父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和が、あなたがたにあるように。 答唱詩編詩編98・1、2+3a遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・1新しい歌を神にうたえ。 2神は救いを示し、 福音朗読ルカ11・29-32アレルヤ、アレルヤ。神に心を閉じてはならい。きょうこそ神のことばを聞こう。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、11・29群衆の数がますます増えてきたので、イエスは話し始められた。「今の時代の者たちはよこしまだ。しるしを欲しがるが、ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられない。30つまり、ヨナがニネベの人々に対してしるしとなったように、人の子も今の時代の者たちに対してしるしとなる。31南の国の女王は、裁きの時、今の時代の者たちと一緒に立ち上がり、彼らを罪に定めるであろう。この女王はソロモンの知恵を聞くために、地の果てから来たからである。ここに、ソロモンにまさるものがある。32また、ニネベの人々は裁きの時、今の時代の者たちと一緒に立ち上がり、彼らを罪に定めるであろう。ニネベの人々は、ヨナの説教を聞いて悔い改めたからである。ここに、ヨナにまさるものがある。」 |
|||
年間第28火曜日 | 10月14日(火) | 年間 | |
第一朗読ローマ1・16-25福音は、信じる者すべてに救いをもたらす神の力です。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、1・16わたしは福音を恥としない。17福音には、神の義が啓示されていますが、それは、初めから終わりまで信仰を通して実現されるのです。「正しい者は信仰によって生きる」と書いてあるとおりです。 18不義によって真理の働きを妨げる人間のあらゆる不信心と不義に対して、神は天から怒りを現されます。19なぜなら、神について知りうる事柄は、彼らにも明らかだからです。神がそれを示されたのです。20世界が造られたときから、目に見えない神の性質、つまり神の永遠の力と神性は被造物に現れており、これを通して神を知ることができます。従って、彼らには弁解の余地がありません。21なぜなら、神を知りながら、神としてあがめることも感謝することもせず、かえって、むなしい思いにふけり、心が鈍く暗くなったからです。22自分では知恵があると吹聴しながら愚かになり、23滅びることのない神の栄光を、滅び去る人間や鳥や獣や這うものなどに似せた像と取り替えたのです。 24そこで神は、彼らが心の欲望によって不潔なことをするにまかせられ、そのため、彼らは互いにその体を辱めました。25神の真理を偽りに替え、造り主の代わりに造られた物を拝んでこれに仕えたのです。造り主こそ、永遠にほめたたえられるべき方です、アーメン。 答唱詩編詩編19・2+3、4+5天は神の栄光を語り、大空はみ手のわざを告げる。 詩編1919・2天は神の栄光を語り、 4ことばでもなく、話でもなく、 福音朗読ルカ11・37-41アレルヤ、アレルヤ。神のことばは生きていて力があり、心の思いと計画をわきまえる。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは話しておられたが、11・37ファリサイ派の人から食事の招待を受けたので、その家に入って食事の席に着かれた。38ところがその人は、イエスが食事の前にまず身を清められなかったのを見て、不審に思った。39主は言われた。「実に、あなたたちファリサイ派の人々は、杯や皿の外側はきれいにするが、自分の内側は強欲と悪意に満ちている。40愚かな者たち、外側を造られた神は、内側もお造りになったではないか。41ただ、器の中にある物を人に施せ。そうすれば、あなたたちにはすべてのものが清くなる。」 |
|||
聖テレジア(イエスの) おとめ教会博士 | 10月15日(水) | 記念日 | |
第一朗読ローマ2・1-11神は人を分け隔てなさいません。 使徒パウロのローマの教会への手紙2・1すべて人を裁く者よ、弁解の余地はない。あなたは、他人を裁きながら、実は自分自身を罪に定めている。あなたも人を裁いて、同じことをしているからです。2神はこのようなことを行う者を正しくお裁きになると、わたしたちは知っています。3このようなことをする者を裁きながら、自分でも同じことをしている者よ、あなたは、神の裁きを逃れられると思うのですか。4あるいは、神の憐れみがあなたを悔い改めに導くことも知らないで、その豊かな慈愛と寛容と忍耐とを軽んじるのですか。5あなたは、かたくなで心を改めようとせず、神の怒りを自分のために蓄えています。この怒りは、神が正しい裁きを行われる怒りの日に現れるでしょう。6神はおのおのの行いに従ってお報いになります。7すなわち、忍耐強く善を行い、栄光と誉れと不滅のものを求める者には、永遠の命をお与えになり、8反抗心にかられ、真理ではなく不義に従う者には、怒りと憤りをお示しになります。9すべて悪を行う者には、ユダヤ人はもとよりギリシア人にも、苦しみと悩みが下り、10すべて善を行う者には、ユダヤ人はもとよりギリシア人にも、栄光と誉れと平和が与えられます。11神は人を分け隔てなさいません。 答唱詩編詩編62・3+6b、8+9aわたしは、静かに神を待つ。わたしの救いは神から来る。 詩編6262・3神はわたしのよりどころ、 8神はわたしの力、 福音朗読ルカ11・42-46アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは言われた。11・42あなたたちファリサイ派の人々は不幸だ。薄荷や芸香やあらゆる野菜の十分の一は献げるが、正義の実行と神への愛はおろそかにしているからだ。これこそ行うべきことである。もとより、十分の一の献げ物もおろそかにしてはならないが。43あなたたちファリサイ派の人々は不幸だ。会堂では上席に着くこと、広場では挨拶されることを好むからだ。44あなたたちは不幸だ。人目につかない墓のようなものである。その上を歩く人は気づかない。」 45そこで、律法の専門家の一人が、「先生、そんなことをおっしゃれば、わたしたちをも侮辱することになります」と言った。46イエスは言われた。「あなたたち律法の専門家も不幸だ。人には背負いきれない重荷を負わせながら、自分では指一本もその重荷に触れようとしないからだ。」 |
|||
年間第28木曜日 | 10月16日(木) | 年間 | |
第一朗読ローマ3・21-30a実に、神は唯一です。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、3・21今や、律法とは関係なく、しかも律法と預言者によって立証されて、神の義が示されました。22すなわち、イエス・キリストを信じることにより、信じる者すべてに与えられる神の義です。そこには何の差別もありません。23人は皆、罪を犯して神の栄光を受けられなくなっていますが、24ただキリスト・イエスによる贖いの業を通して、神の恵みにより無償で義とされるのです。25神はこのキリストを立て、その血によって信じる者のために罪を償う供え物となさいました。それは、今まで人が犯した罪を見逃して、神の義をお示しになるためです。26このように神は忍耐してこられたが、今この時に義を示されたのは、御自分が正しい方であることを明らかにし、イエスを信じる者を義となさるためです。 27では、人の誇りはどこにあるのか。それは取り除かれました。どんな法則によってか。行いの法則によるのか。そうではない。信仰の法則によってです。28なぜなら、わたしたちは、人が義とされるのは律法の行いによるのではなく、信仰によると考えるからです。29それとも、神はユダヤ人だけの神でしょうか。異邦人の神でもないのですか。そうです。異邦人の神でもあります。30実に、神は唯一だからです。 答唱詩編詩編130・1+2、5+6主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編130130・1神よ、深いふちから 5神はわたしの希望、心の望み、 福音朗読ルカ11・47-54アレルヤ、アレルヤ。わたしは道、真理、いのち。わたしを通らなければ、だれも父のもとに行けない。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは言われた。11・47「あなたたちは不幸だ。自分の先祖が殺した預言者たちの墓を建てているからだ。48こうして、あなたたちは先祖の仕業の証人となり、それに賛成している。先祖は殺し、あなたたちは墓を建てているからである。49だから、神の知恵もこう言っている。『わたしは預言者や使徒たちを遣わすが、人々はその中のある者を殺し、ある者を迫害する。』50こうして、天地創造の時から流されたすべての預言者の血について、今の時代の者たちが責任を問われることになる。51それは、アベルの血から、祭壇と聖所の間で殺されたゼカルヤの血にまで及ぶ。そうだ。言っておくが、今の時代の者たちはその責任を問われる。52あなたたち律法の専門家は不幸だ。知識の鍵を取り上げ、自分が入らないばかりか、入ろうとする人々をも妨げてきたからだ。」53イエスがそこを出て行かれると、律法学者やファリサイ派の人々は激しい敵意を抱き、いろいろの問題でイエスに質問を浴びせ始め、54何か言葉じりをとらえようとねらっていた。 |
|||
聖イグナチオ(アンチオケ) 司教殉教者 | 10月17日(金) | 記念日 | |
第一朗読ローマ4・1-8主から罪があると見なされない人は、幸いである。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、4・1肉によるわたしたちの先祖アブラハムは何を得たと言うべきでしょうか。2もし、彼が行いによって義とされたのであれば、誇ってもよいが、神の前ではそれはできません。3聖書には何と書いてありますか。「アブラハムは神を信じた。それが、彼の義と認められた」とあります。4ところで、働く者に対する報酬は恵みではなく、当然支払われるべきものと見なされています。5しかし、不信心な者を義とされる方を信じる人は、働きがなくても、その信仰が義と認められます。6同じようにダビデも、行いによらずに神から義と認められた人の幸いを、次のようにたたえています。7 「不法が赦され、罪を覆い隠された人々は、 答唱詩編詩編32・5、10+11主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編3232・5わたしは罪をあなたに表し、 10神に逆らう者は嘆きに包まれ、 福音朗読ルカ12・1-7アレルヤ、アレルヤ。神はわたしの希望、わたしの望み。わたしはその言葉により頼む。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、12・1数えきれないほどの群衆が集まって来て、足を踏み合うほどになった。イエスは、まず弟子たちに話し始められた。「ファリサイ派の人々のパン種に注意しなさい。それは偽善である。2覆われているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずに済むものはない。3だから、あなたがたが暗闇で言ったことはみな、明るみで聞かれ、奥の間で耳にささやいたことは、屋根の上で言い広められる。 4友人であるあなたがたに言っておく。体を殺しても、その後、それ以上何もできない者どもを恐れてはならない。5だれを恐れるべきか、教えよう。それは、殺した後で、地獄に投げ込む権威を持っている方だ。そうだ。言っておくが、この方を恐れなさい。6五羽の雀が二アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、神がお忘れになるようなことはない。7それどころか、あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」 |
|||
聖ルカ福音記者 | 10月18日(土) | 聖人の記念 | |
第一朗読②テモテ4・10-17aルカだけがわたしのところにいます。 使徒パウロのテモテヘの手紙愛する者よ、4・10デマスはこの世を愛し、わたしを見捨ててテサロニケに行ってしまい、クレスケンスはガラテヤに、テトスはダルマティアに行っています。11ルカだけがわたしのところにいます。マルコを連れて来てください。彼はわたしの務めをよく助けてくれるからです。12わたしはティキコをエフェソに遣わしました。13あなたが来るときには、わたしがトロアスのカルポのところに置いてきた外套を持って来てください。また書物、特に羊皮紙のものを持って来てください。14銅細工人アレクサンドロがわたしをひどく苦しめました。主は、その仕業に応じて彼にお報いになります。15あなたも彼には用心しなさい。彼はわたしたちの語ることに激しく反対したからです。 16わたしの最初の弁明のときには、だれも助けてくれず、皆わたしを見捨てました。彼らにその責めが負わされませんように。17しかし、わたしを通して福音があまねく宣べ伝えられ、すべての民族がそれを聞くようになるために、主はわたしのそばにいて、力づけてくださいました。 答唱詩編詩編145・10+11、13cd+14神は恵みとあわれみに満ち、怒るに遅く、いつくしみ深い。 詩編145145・10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、 13cd神のことばは正しく、 福音朗読ルカ10・1-9アレルヤ、アレルヤ。あなたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたを選んだのである。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、10・1主はほかに七十二人を任命し、御自分が行くつもりのすべての町や村に二人ずつ先に遣わされた。2そして、彼らに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。3行きなさい。わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに小羊を送り込むようなものだ。4財布も袋も履物も持って行くな。途中でだれにも挨拶をするな。5どこかの家に入ったら、まず、『この家に平和があるように』と言いなさい。6平和の子がそこにいるなら、あなたがたの願う平和はその人にとどまる。もし、いなければ、その平和はあなたがたに戻ってくる。7その家に泊まって、そこで出される物を食べ、また飲みなさい。働く者が報酬を受けるのは当然だからである。家から家へと渡り歩くな。8どこかの町に入り、迎え入れられたら、出される物を食べ、9その町の病人をいやし、また、『神の国はあなたがたに近づいた』と言いなさい。」 |
|||
年間第29主日 | 10月19日(日) | 年間 | |
第一朗読出エジプト17・8-13モーセが手を上げている間、イスラエルは優勢になった。 出エジプト記17・8アマレクがレフィディムに来てイスラエルと戦ったとき、9モーセはヨシュアに言った。 「男子を選び出し、アマレクとの戦いに出陣させるがよい。明日、わたしは神の杖を手に持って、丘の頂に立つ。」 10ヨシュアは、モーセの命じたとおりに実行し、アマレクと戦った。モーセとアロン、そしてフルは丘の頂に登った。11モーセが手を上げている間、イスラエルは優勢になり、手を下ろすと、アマレクが優勢になった。12モーセの手が重くなったので、アロンとフルは石を持って来てモーセの下に置いた。モーセはその上に座り、アロンとフルはモーセの両側に立って、彼の手を支えた。その手は、日の沈むまで、しっかりと上げられていた。13ヨシュアは、アマレクとその民を剣にかけて打ち破った。 答唱詩編詩編121・3+4、5+6、7+8神よ、あなたの顔の光をわたしたちの上に照らしてください。 詩編121121・3神はおまえの足を堅く立て、 5神はおまえのまもり。 7神はすべての悪からおまえをまもり、 第二朗読➁テモテ3・14-4・2神に仕える人は、どのような善い業をも行うことができるように、十分に整えられる。 使徒パウロのテモテへの手紙愛する者よ、3・14自分が学んで確信したことから離れてはなりません。あなたは、それをだれから学んだかを知っており、15また、自分が幼い日から聖書に親しんできたことをも知っているからです。この書物は、キリスト・イエスへの信仰を通して救いに導く知恵を、あなたに与えることができます。16聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。17こうして、神に仕える人は、どのような善い業をも行うことができるように、十分に整えられるのです。 4・1神の御前で、そして、生きている者と死んだ者を裁くために来られるキリスト・イエスの御前で、その出現とその御国とを思いつつ、厳かに命じます。2御言葉を宣べ伝えなさい。折が良くても悪くても励みなさい。とがめ、戒め、励ましなさい。忍耐強く、十分に教えるのです。 福音朗読ルカ18・1-8アレルヤ、アレルヤ。神のことばは生きていて力があり、心の思いと計画をわきまえる。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、18・1イエスは、気を落とさずに絶えず祈らなければならないことを教えるために、弟子たちにたとえを話された。2「ある町に、神を畏れず人を人とも思わない裁判官がいた。3ところが、その町に一人のやもめがいて、4裁判官のところに来ては、『相手を裁いて、わたしを守ってください』と言っていた。裁判官は、しばらくの間は取り合おうとしなかった。5しかし、その後に考えた。『自分は神など畏れないし、人を人とも思わない。しかし、あのやもめは、うるさくてかなわないから、彼女のために裁判をしてやろう。さもないと、ひっきりなしにやって来て、わたしをさんざんな目に遭わすにちがいない。』」6それから、主は言われた。「この不正な裁判官の言いぐさを聞きなさい。7まして神は、昼も夜も叫び求めている選ばれた人たちのために裁きを行わずに、彼らをいつまでもほうっておかれることがあろうか。8言っておくが、神は速やかに裁いてくださる。しかし、人の子が来るとき、果たして地上に信仰を見いだすだろうか。」 |
|||
年間第29月曜日 | 10月20日(月) | 年間 | |
第一朗読ローマ4・20-25アブラハムは信仰によって強められ、神を賛美しました。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、アブラハムは4・20不信仰に陥って神の約束を疑うようなことはなく、むしろ信仰によって強められ、神を賛美しました。21神は約束したことを実現させる力も、お持ちの方だと、確信していたのです。22だからまた、それが彼の義と認められたわけです。23しかし、「それが彼の義と認められた」という言葉は、アブラハムのためだけに記されているのでなく、24わたしたちのためにも記されているのです。わたしたちの主イエスを死者の中から復活させた方を信じれば、わたしたちも義と認められます。25イエスは、わたしたちの罪のために死に渡され、わたしたちが義とされるために復活させられたのです。 答唱詩編詩編105・8b+9+10a、42+43わたしの心は神のうちに喜び、その救いに喜びおどる。 詩編105105・8b幾世代にも果てしなく及ぶこの約束は、 42神はしもべアブラハムの約束を 福音朗読ルカ12・13-21アレルヤ、アレルヤ。心の貧しい人は幸い。天の国はその人のもの。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、群衆の一人がイエスに言った。12・13「先生、わたしにも遺産を分けてくれるように兄弟に言ってください。」14イエスはその人に言われた。「だれがわたしを、あなたがたの裁判官や調停人に任命したのか。」15そして、一同に言われた。「どんな貪欲にも注意を払い、用心しなさい。有り余るほど物を持っていても、人の命は財産によってどうすることもできないからである。」16それから、イエスはたとえを話された。「ある金持ちの畑が豊作だった。17金持ちは、『どうしよう。作物をしまっておく場所がない』と思い巡らしたが、18やがて言った。『こうしよう。倉を壊して、もっと大きいのを建て、そこに穀物や財産をみなしまい、19こう自分に言ってやるのだ。「さあ、これから先何年も生きて行くだけの蓄えができたぞ。ひと休みして、食べたり飲んだりして楽しめ」と。』20しかし神は、『愚かな者よ、今夜、お前の命は取り上げられる。お前が用意した物は、いったいだれのものになるのか』と言われた。21自分のために富を積んでも、神の前に豊かにならない者はこのとおりだ。」 |
|||
年間第29火曜日 | 10月21日(火) | 年間 | |
第一朗読ローマ5・12、15b、17-19、20b-21一人の正しい行為によって、すべての人が義とされて命を得ることになったのです。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、5・12一人の人によって罪が世に入り、罪によって死が入り込んだように、死はすべての人に及んだのです。すべての人が罪を犯したからです。 15b一人の罪によって多くの人が死ぬことになったとすれば、なおさら、神の恵みと一人の人イエス・キリストの恵みの賜物とは、多くの人に豊かに注がれるのです。17一人の罪によって、その一人を通して死が支配するようになったとすれば、なおさら、神の恵みと義の賜物とを豊かに受けている人は、一人のイエス・キリストを通して生き、支配するようになるのです。18そこで、一人の罪によってすべての人に有罪の判決が下されたように、一人の正しい行為によって、すべての人が義とされて命を得ることになったのです。19一人の人の不従順によって多くの人が罪人とされたように、一人の従順によって多くの人が正しい者とされるのです。しかし、罪が増したところには、恵みはなおいっそう満ちあふれました。21こうして、罪が死によって支配していたように、恵みも義によって支配しつつ、わたしたちの主イエス・キリストを通して永遠の命に導くのです。 答唱詩編詩編40・10、17神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。 詩編4040・10わたしは人々のつどいの中で、 17あなたを求めるすべての人は、 福音朗読ルカ12・35-38アレルヤ、アレルヤ。目覚めていつも祈ってください、人の子の前にふさわしく立つことができるように。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。12・35「腰に帯を締め、ともし火をともしていなさい。36主人が婚宴から帰って来て戸をたたくとき、すぐに開けようと待っている人のようにしていなさい。37主人が帰って来たとき、目を覚ましているのを見られる僕たちは幸いだ。はっきり言っておくが、主人は帯を締めて、この僕たちを食事の席に着かせ、そばに来て給仕してくれる。38主人が真夜中に帰っても、夜明けに帰っても、目を覚ましているのを見られる僕たちは幸いだ。」 |
|||
年間第29水曜日 | 10月22日(水) | 年間 | |
第一朗読ローマ6・12-18あなたがたは、罪から解放され、義に仕えるようになりました。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、6・12あなたがたの死ぬべき体を罪に支配させて、体の欲望に従うようなことがあってはなりません。13また、あなたがたの五体を不義のための道具として罪に任せてはなりません。かえって、自分自身を死者の中から生き返った者として神に献げ、また、五体を義のための道具として神に献げなさい。14なぜなら、罪は、もはや、あなたがたを支配することはないからです。あなたがたは律法の下ではなく、恵みの下にいるのです。 15では、どうなのか。わたしたちは、律法の下ではなく恵みの下にいるのだから、罪を犯してよいということでしょうか。決してそうではない。16知らないのですか。あなたがたは、だれかに奴隷として従えば、その従っている人の奴隷となる。つまり、あなたがたは罪に仕える奴隷となって死に至るか、神に従順に仕える奴隷となって義に至るか、どちらかなのです。17しかし、神に感謝します。あなたがたは、かつては罪の奴隷でしたが、今は伝えられた教えの規範を受け入れ、それに心から従うようになり、18罪から解放され、義に仕えるようになりました。 答唱詩編詩編31・20+22、24+25神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。 詩編3131・20神よ、いつくしみは、あなたを敬う人に豊かにあふれ、 24神を信じるすべての人よ、神を愛せ。 福音朗読ルカ12・39-48アレルヤ、アレルヤ。目覚めて用意していなさい。人の子は思いがけない時に来る。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。12・39「このことをわきまえていなさい。家の主人は、泥棒がいつやって来るかを知っていたら、自分の家に押し入らせはしないだろう。40あなたがたも用意していなさい。人の子は思いがけない時に来るからである。」 41そこでペトロが、「主よ、このたとえはわたしたちのために話しておられるのですか。それとも、みんなのためですか」と言うと、42主は言われた。「主人が召し使いたちの上に立てて、時間どおりに食べ物を分配させることにした忠実で賢い管理人は、いったいだれであろうか。43主人が帰って来たとき、言われたとおりにしているのを見られる僕は幸いである。44確かに言っておくが、主人は彼に全財産を管理させるにちがいない。45しかし、もしその僕が、主人の帰りは遅れると思い、下男や女中を殴ったり、食べたり飲んだり、酔うようなことになるならば、46その僕の主人は予想しない日、思いがけない時に帰って来て、彼を厳しく罰し、不忠実な者たちと同じ目に遭わせる。47主人の思いを知りながら何も準備せず、あるいは主人の思いどおりにしなかった僕は、ひどく鞭打たれる。48しかし、知らずにいて鞭打たれるようなことをした者は、打たれても少しで済む。すべて多く与えられた者は、多く求められ、多く任された者は、更に多く要求される。」 |
|||
年間第29木曜日 | 10月23日(木) | 年間 | |
第一朗読ローマ6・19-23あなたがたは、今は罪から解放されて聖なる生活の実を結んでいます。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、わたしは6・19あなたがたの肉の弱さを考慮して、分かりやすく説明しているのです。かつて自分の五体を汚れと不法の奴隷として、不法の中に生きていたように、今これを義の奴隷として献げて、聖なる生活を送りなさい。20あなたがたは、罪の奴隷であったときは、義に対しては自由の身でした。21では、そのころ、どんな実りがありましたか。あなたがたが今では恥ずかしいと思うものです。それらの行き着くところは、死にほかならない。22あなたがたは、今は罪から解放されて神の奴隷となり、聖なる生活の実を結んでいます。行き着くところは、永遠の命です。23罪が支払う報酬は死です。しかし、神の賜物は、わたしたちの主キリスト・イエスによる永遠の命なのです。 答唱詩編詩編1・1ac+2、6しあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。 詩編11・1acしあわせな人、 6神に従う人の集いは 福音朗読ルカ12・49-53アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。12・49「わたしが来たのは、地上に火を投ずるためである。その火が既に燃えていたらと、どんなに願っていることか。50しかし、わたしには受けねばならない洗礼がある。それが終わるまで、わたしはどんなに苦しむことだろう。51あなたがたは、わたしが地上に平和をもたらすために来たと思うのか。そうではない。言っておくが、むしろ分裂だ。52今から後、一つの家に五人いるならば、三人は二人と、二人は三人と対立して分かれるからである。 |
|||
年間第29金曜日 | 10月24日(金) | 年間 | |
第一朗読ローマ7・18-25aわたしは自分の望む善は行わず、望まない悪を行っている。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、7・18わたしは、自分の内には、つまりわたしの肉には、善が住んでいないことを知っています。善をなそうという意志はありますが、それを実行できないからです。19わたしは自分の望む善は行わず、望まない悪を行っている。20もし、わたしが望まないことをしているとすれば、それをしているのは、もはやわたしではなく、わたしの中に住んでいる罪なのです。21それで、善をなそうと思う自分には、いつも悪が付きまとっているという法則に気づきます。22「内なる人」としては神の律法を喜んでいますが、23わたしの五体にはもう一つの法則があって心の法則と戦い、わたしを、五体の内にある罪の法則のとりこにしているのが分かります。24わたしはなんと惨めな人間なのでしょう。死に定められたこの体から、だれがわたしを救ってくれるでしょうか。25わたしたちの主イエス・キリストを通して神に感謝いたします。 答唱詩編詩編119・10+11b+108b、17+18神よ、あなたのことばはわたしの足のともしび、わたしの道の光。 詩編119119・10あなたのすすめからそれないように、 17神よ、あなたのことばを生涯守れるように、 福音朗読ルカ12・54-59アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、12・54イエスは群衆に言われた。「あなたがたは、雲が西に出るのを見るとすぐに、『にわか雨になる』と言う。実際そのとおりになる。55また、南風が吹いているのを見ると、『暑くなる』と言う。事実そうなる。56偽善者よ、このように空や地の模様を見分けることは知っているのに、どうして今の時を見分けることを知らないのか。 57あなたがたは、何が正しいかを、どうして自分で判断しないのか。58あなたを訴える人と一緒に役人のところに行くときには、途中でその人と仲直りするように努めなさい。さもないと、その人はあなたを裁判官のもとに連れて行き、裁判官は看守に引き渡し、看守は牢に投げ込む。59言っておくが、最後の一レプトンを返すまで、決してそこから出ることはできない。」 |
|||
年間第29土曜日 | 10月25日(土) | 年間 | |
第一朗読ローマ8・1-11キリスト・イエスに結ばれている者は、罪に定められることはありません。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、8・1今や、キリスト・イエスに結ばれている者は、罪に定められることはありません。2キリスト・イエスによって命をもたらす霊の法則が、罪と死との法則からあなたを解放したからです。3肉の弱さのために律法がなしえなかったことを、神はしてくださったのです。つまり、罪を取り除くために御子を罪深い肉と同じ姿でこの世に送り、その肉において罪を罪として処断されたのです。4それは、肉ではなく霊に従って歩むわたしたちの内に、律法の要求が満たされるためでした。5肉に従って歩む者は、肉に属することを考え、霊に従って歩む者は、霊に属することを考えます。6肉の思いは死であり、霊の思いは命と平和であります。7なぜなら、肉の思いに従う者は、神に敵対しており、神の律法に従っていないからです。従いえないのです。8肉の支配下にある者は、神に喜ばれるはずがありません。9神の霊があなたがたの内に宿っているかぎり、あなたがたは、肉ではなく霊の支配下にいます。キリストの霊を持たない者は、キリストに属していません。10キリストがあなたがたの内におられるならば、体は罪によって死んでいても、〝霊〟は義によって命となっています。11もし、イエスを死者の中から復活させた方の霊が、あなたがたの内に宿っているなら、キリストを死者の中から復活させた方は、あなたがたの内に宿っているその霊によって、あなたがたの死ぬはずの体をも生かしてくださるでしょう。 答唱詩編詩編24・1+2、3+4門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。 詩編2424・1地とそこにあるもの、 3だれが神の山に登れよう。 福音朗読ルカ13・1-9アレルヤ、アレルヤ。悪を行う人が死ぬことなく、神に立ち戻って生きることを神は望んでおられる。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音13・1ちょうどそのとき、何人かの人が来て、ピラトがガリラヤ人の血を彼らのいけにえに混ぜたことをイエスに告げた。2イエスはお答えになった。「そのガリラヤ人たちがそのような災難に遭ったのは、ほかのどのガリラヤ人よりも罪深い者だったからだと思うのか。3決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。4また、シロアムの塔が倒れて死んだあの十八人は、エルサレムに住んでいたほかのどの人々よりも、罪深い者だったと思うのか。5決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。」 6そして、イエスは次のたとえを話された。「ある人がぶどう園にいちじくの木を植えておき、実を探しに来たが見つからなかった。7そこで、園丁に言った。『もう三年もの間、このいちじくの木に実を探しに来ているのに、見つけたためしがない。だから切り倒せ。なぜ、土地をふさがせておくのか。』8園丁は答えた。『御主人様、今年もこのままにしておいてください。木の周りを掘って、肥やしをやってみます。9そうすれば、来年は実がなるかもしれません。もしそれでもだめなら、切り倒してください。』」 |
|||
年間第30主日 | 10月26日(日) | 年間 | |
第一朗読シラ35・15b-17、20-22a謙虚な人の祈りは、雲を突き抜けて行く。 シラ書35・15b主は裁く方であり、 答唱詩編詩編34・2+3、16+18、19+23主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編3434・2主をたたえよう、 16主のまなざしは正しいひとに、 19主はしいたげにあう者のそばにおられ、 第二朗読➁テモテ4・6-8、16-18今や、義の栄冠を受けるばかりである。 使徒パウロのテモテへの手紙愛する者よ、4・6わたし自身は、既にいけにえとして献げられています。世を去る時が近づきました。7わたしは、戦いを立派に戦い抜き、決められた道を走りとおし、信仰を守り抜きました。8今や、義の栄冠を受けるばかりです。正しい審判者である主が、かの日にそれをわたしに授けてくださるのです。しかし、わたしだけでなく、主が来られるのをひたすら待ち望む人には、だれにでも授けてくださいます。 16わたしの最初の弁明のときには、だれも助けてくれず、皆わたしを見捨てました。彼らにその責めが負わされませんように。17しかし、わたしを通して福音があまねく宣べ伝えられ、すべての民族がそれを聞くようになるために、主はわたしのそばにいて、力づけてくださいました。そして、わたしは獅子の口から救われました。18主はわたしをすべての悪い業から助け出し、天にある御自分の国へ救い入れてくださいます。主に栄光が世々限りなくありますように、アーメン。 福音朗読ルカ18・9-14アレルヤ、アレルヤ。神はキリストのうちに世をご自分に和解させ、和解のことばをわたしたちにゆだねられた。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、18・9自分は正しい人間だとうぬぼれて、他人を見下している人々に対して、イエスは次のたとえを話された。 10「二人の人が祈るために神殿に上った。一人はファリサイ派の人で、もう一人は徴税人だった。11ファリサイ派の人は立って、心の中でこのように祈った。『神様、わたしはほかの人たちのように、奪い取る者、不正な者、姦通を犯す者でなく、また、この徴税人のような者でもないことを感謝します。12わたしは週に二度断食し、全収入の十分の一を献げています。』13ところが、徴税人は遠くに立って、目を天に上げようともせず、胸を打ちながら言った。『神様、罪人のわたしを憐れんでください。』14言っておくが、義とされて家に帰ったのは、この人であって、あのファリサイ派の人ではない。 だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。」 |
|||
年間第30月曜日 | 10月27日(月) | 年間 | |
第一朗読ローマ8・12-17神の霊によって導かれる者は皆、神の子なのです。 使徒パウロのローマの教会への手紙8・12兄弟たち、わたしたちには一つの義務がありますが、それは、肉に従って生きなければならないという、肉に対する義務ではありません。13肉に従って生きるなら、あなたがたは死にます。しかし、霊によって体の仕業を絶つならば、あなたがたは生きます。14神の霊によって導かれる者は皆、神の子なのです。15あなたがたは、人を奴隷として再び恐れに陥れる霊ではなく、神の子とする霊を受けたのです。この霊によってわたしたちは、「アッバ、父よ」と呼ぶのです。16この霊こそは、わたしたちが神の子供であることを、わたしたちの霊と一緒になって証ししてくださいます。17もし子供であれば、相続人でもあります。神の相続人、しかもキリストと共同の相続人です。キリストと共に苦しむなら、共にその栄光をも受けるからです。 答唱詩編詩編68・4+5ab、6+7bc神に向かって喜び歌い、感謝の歌をささげよう。 詩編6868・4神に従う人は喜びおどり、 6みなしごの父、やもめのたすけ、 福音朗読ルカ13・10-17アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたのことばは真理。わたしたちを真理のうちに聖なる者にしてください。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音13・10安息日に、イエスはある会堂で教えておられた。11そこに、十八年間も病の霊に取りつかれている女がいた。腰が曲がったまま、どうしても伸ばすことができなかった。12イエスはその女を見て呼び寄せ、「婦人よ、病気は治った」と言って、13その上に手を置かれた。女は、たちどころに腰がまっすぐになり、神を賛美した。14ところが会堂長は、イエスが安息日に病人をいやされたことに腹を立て、群衆に言った。「働くべき日は六日ある。その間に来て治してもらうがよい。安息日はいけない。」15しかし、主は彼に答えて言われた。「偽善者たちよ、あなたたちはだれでも、安息日にも牛やろばを飼い葉桶から解いて、水を飲ませに引いて行くではないか。16この女はアブラハムの娘なのに、十八年もの間サタンに縛られていたのだ。安息日であっても、その束縛から解いてやるべきではなかったのか。」17こう言われると、反対者は皆恥じ入ったが、群衆はこぞって、イエスがなさった数々のすばらしい行いを見て喜んだ。 |
|||
聖シモン聖ユダ使徒 | 10月28日(火) | 聖人の記念 | |
第一朗読エフェソ2・19−22あなたがたはもはや、外国人でも寄留者でもなく、聖なる民に属する者です。 使徒パウロのエフェソの教会ヘの手紙皆さん、2・19あなたがたはもはや、外国人でも寄留者でもなく、聖なる民に属する者、神の家族であり、20使徒や預言者という土台の上に建てられています。そのかなめ石はキリスト・イエス御自身であり、21キリストにおいて、この建物全体は組み合わされて成長し、主における聖なる神殿となります。22キリストにおいて、あなたがたも共に建てられ、霊の働きによって神の住まいとなるのです。 答唱詩編詩編19・2+3、4+5天は神の栄光を語り、大空はみ手のわざを告げる。 詩編1919・2天は神の栄光を語り、 4ことばでもなく、話でもなく、 福音朗読ルカ6・12-19アレルヤ、アレルヤ。あなたを神とほめたたえ、万物の主とあがめる。栄光を受けた使徒の群れもあなたをたたえて歌う。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音6・12そのころ、イエスは祈るために山に行き、神に祈って夜を明かされた。13朝になると弟子たちを呼び集め、その中から十二人を選んで使徒と名付けられた。14それは、イエスがペトロと名付けられたシモン、その兄弟アンデレ、そして、ヤコブ、ヨハネ、フィリポ、バルトロマイ、15マタイ、トマス、アルファイの子ヤコブ、熱心党と呼ばれたシモン、16ヤコブの子ユダ、それに後に裏切り者となったイスカリオテのユダである。 17イエスは彼らと一緒に山から下りて、平らな所にお立ちになった。大勢の弟子とおびただしい民衆が、ユダヤ全土とエルサレムから、また、ティルスやシドンの海岸地方から、18イエスの教えを聞くため、また病気をいやしていただくために来ていた。汚れた霊に悩まされていた人々もいやしていただいた。19群衆は皆、何とかしてイエスに触れようとした。イエスから力が出て、すべての人の病気をいやしていたからである。 |
|||
年間第30水曜日 | 10月29日(水) | 年間 | |
第一朗読ローマ8・26-30〝霊〟は弱いわたしたちを助けてくださいます。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、8・26〝霊〟は弱いわたしたちを助けてくださいます。わたしたちはどう祈るべきかを知りませんが、〝霊〟自らが、言葉に表せないうめきをもって執り成してくださるからです。27人の心を見抜く方は、〝霊〟の思いが何であるかを知っておられます。〝霊〟は、神の御心に従って、聖なる者たちのために執り成してくださるからです。28神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています。29神は前もって知っておられた者たちを、御子の姿に似たものにしようとあらかじめ定められました。それは、御子が多くの兄弟の中で長子となられるためです。30神はあらかじめ定められた者たちを召し出し、召し出した者たちを義とし、義とされた者たちに栄光をお与えになったのです。 答唱詩編詩編67・2+3、4+5神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。 詩編6767・2神よ、あわれみと祝福をわたしたちに。 4諸国の民はあなたをたたえ、 福音朗読ルカ13・22-30アレルヤ、アレルヤ。福音によって神は私たちを召し出し、主イエス・キリストの栄光にあずかる者としてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、13・22イエスは町や村を巡って教えながら、エルサレムへ向かって進んでおられた。23すると、「主よ、救われる者は少ないのでしょうか」と言う人がいた。イエスは一同に言われた。24「狭い戸口から入るように努めなさい。言っておくが、入ろうとしても入れない人が多いのだ。25家の主人が立ち上がって、戸を閉めてしまってからでは、あなたがたが外に立って戸をたたき、『御主人様、開けてください』と言っても、『お前たちがどこの者か知らない』という答えが返ってくるだけである。26そのとき、あなたがたは、『御一緒に食べたり飲んだりしましたし、また、わたしたちの広場でお教えを受けたのです』と言いだすだろう。27しかし主人は、『お前たちがどこの者か知らない。不義を行う者ども、皆わたしから立ち去れ』と言うだろう。28あなたがたは、アブラハム、イサク、ヤコブやすべての預言者たちが神の国に入っているのに、自分は外に投げ出されることになり、そこで泣きわめいて歯ぎしりする。29そして人々は、東から西から、また南から北から来て、神の国で宴会の席に着く。30そこでは、後の人で先になる者があり、先の人で後になる者もある。」 |
|||
年間第30木曜日 | 10月30日(木) | 年間 | |
第一朗読ローマ8・31b-39もし神がわたしたちの味方であるならば、だれがわたしたちに敵対できますか。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、8・31bもし神がわたしたちの味方であるならば、だれがわたしたちに敵対できますか。32わたしたちすべてのために、その御子をさえ惜しまず死に渡された方は、御子と一緒にすべてのものをわたしたちに賜らないはずがありましょうか。33だれが神に選ばれた者たちを訴えるでしょう。人を義としてくださるのは神なのです。34だれがわたしたちを罪に定めることができましょう。死んだ方、否、むしろ、復活させられた方であるキリスト・イエスが、神の右に座っていて、わたしたちのために執り成してくださるのです。35だれが、キリストの愛からわたしたちを引き離すことができましょう。艱難か。苦しみか。迫害か。飢えか。裸か。危険か。剣か。 答唱詩編詩編85・2+3、5a+7b+8a神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。 詩編8585・2神よ、あなたの国を豊かに恵み、 5a神よ、あなたはわたしたちを救うかた。 福音朗読ルカ13・31-35アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者がわたしたちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音13・31ちょうどそのとき、ファリサイ派の人々が何人か近寄って来て、イエスに言った。「ここを立ち去ってください。ヘロデがあなたを殺そうとしています。」32イエスは言われた。「行って、あの狐に、『今日も明日も、悪霊を追い出し、病気をいやし、三日目にすべてを終える』とわたしが言ったと伝えなさい。33だが、わたしは今日も明日も、その次の日も自分の道を進まねばならない。預言者がエルサレム以外の所で死ぬことは、ありえないからだ。34エルサレム、エルサレム、預言者たちを殺し、自分に遣わされた人々を石で打ち殺す者よ、めん鳥が雛を羽の下に集めるように、わたしはお前の子らを何度集めようとしたことか。だが、お前たちは応じようとしなかった。35見よ、お前たちの家は見捨てられる。言っておくが、お前たちは、『主の名によって来られる方に、祝福があるように』と言う時が来るまで、決してわたしを見ることがない。」 |
|||
年間第30金曜日 | 10月31日(金) | 年間 | |
第一朗読ローマ9・1-5わたしはキリストに結ばれた者として真実を語り、偽りは言わない。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、9・1わたしはキリストに結ばれた者として真実を語り、偽りは言わない。わたしの良心も聖霊によって証ししていることですが、2わたしには深い悲しみがあり、わたしの心には絶え間ない痛みがあります。3わたし自身、兄弟たち、つまり肉による同胞のためならば、キリストから離され、神から見捨てられた者となってもよいとさえ思っています。4彼らはイスラエルの民です。神の子としての身分、栄光、契約、律法、礼拝、約束は彼らのものです。5先祖たちも彼らのものであり、肉によればキリストも彼らから出られたのです。キリストは、万物の上におられる、永遠にほめたたえられる神、アーメン。 答唱詩編詩編147・12+13、14+15主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは、水遠。 詩編147147・12エルサレムよ、神をほめたたえよ、 14神は国ざかいに平和をもたらし、 福音朗読ルカ14・1-6アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音14・1安息日のことだった。イエスは食事のためにファリサイ派のある議員の家にお入りになったが、人々はイエスの様子をうかがっていた。2そのとき、イエスの前に水腫を患っている人がいた。3そこで、イエスは律法の専門家たちやファリサイ派の人々に言われた。「安息日に病気を治すことは律法で許されているか、いないか。」4彼らは黙っていた。すると、イエスは病人の手を取り、病気をいやしてお帰しになった。5そして、言われた。「あなたたちの中に、自分の息子か牛が井戸に落ちたら、安息日だからといって、すぐに引き上げてやらない者がいるだろうか。」6彼らは、これに対して答えることができなかった。 |
|||
11月 | |||
諸聖人 | 11月1日(土) | 聖人の記念 | |
第一朗読黙示録7・2-4、9-14わたしは、あらゆる国民、種族、民族、言葉の違う民の中から集まった、だれにも数えきれないほどの大群衆を見た。 ヨハネの黙示7・2わたしヨハネはまた、もう一人の天使が生ける神の刻印を持って、太陽の出る方角から上って来るのを見た。この天使は、大地と海とを損なうことを許されている四人の天使に、大声で呼びかけて、3こう言った。「我々が、神の僕たちの額に刻印を押してしまうまでは、大地も海も木も損なってはならない。」4わたしは、刻印を押された人々の数を聞いた。それは十四万四千人で、イスラエルの子らの全部族の中から、刻印を押されていた。 9この後、わたしが見ていると、見よ、あらゆる国民、種族、民族、言葉の違う民の中から集まった、だれにも数えきれないほどの大群衆が、白い衣を身に着け、手になつめやしの枝を持ち、玉座の前と小羊の前に立って、10大声でこう叫んだ。 「救いは、玉座に座っておられるわたしたちの神と、小羊とのものである。」 「アーメン。賛美、栄光、知恵、感謝、誉れ、力、威力が、世々限りなくわたしたちの神にありますように、アーメン。」 13すると、長老の一人がわたしに問いかけた。「この白い衣を着た者たちは、だれか。また、どこから来たのか。」14そこで、わたしが、「わたしの主よ、それはあなたの方がご存じです」と答えると、長老はまた、わたしに言った。「彼らは大きな苦難を通って来た者で、その衣を小羊の血で洗って白くしたのである。」 答唱詩編詩編24・1+2、3+4、5+6門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。 詩編2424・1地とそこにあるもの、 3だれが神の山に登れよう。 5その人は神に祝福され、 第二朗読➀ヨハネ3・1-3わたしたちは御子をありのままに見る 使徒ヨハネの手紙愛する皆さん、3・1御父がどれほどわたしたちを愛してくださるか、考えなさい。それは、わたしたちが神の子と呼ばれるほどで、事実また、そのとおりです。世がわたしたちを知らないのは、御父を知らなかったからです。2愛する者たち、わたしたちは、今既に神の子ですが、自分がどのようになるかは、まだ示されていません。しかし、御子が現れるとき、御子に似た者となるということを知っています。なぜなら、そのとき御子をありのままに見るからです。3御子にこの望みをかけている人は皆、御子が清いように、自分を清めます。 福音朗読マタイ5・1-12aアレルヤ、アレルヤ。労苦して重荷を負っている者はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを回復させよう。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、5・1イエスは群衆を見て、山に登られた。腰を下ろされると、弟子たちが近くに寄って来た。2そこで、イエスは口を開き、教えられた。 |
|||
年間第31主日 | 11月2日(日) | 年間 | |
第一朗読知恵11・22-12・2あなたはすべての人を憐れみ、存在するものすべてを愛される 知恵の書11・22主よ、 12・1あなたの不滅の霊がすべてのものの中にある。 答唱詩編詩編145・8+9、10+11、13ab+14いのちあるすべてのものに主は食物を恵まれる。 詩編145145・8あなたは恵みとあわれみに満ち、 10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、 13abあなたの国は永遠の国。 第二朗読➁テサロニケ1・11b-2・2主イエスの名があなたがたの間であがめられ、あなたがたも主によって誉れを受けるように 使徒パウロのテサロニケの教会への手紙皆さん、1・11bわたしたちはいつもあなたがたのために祈っています。どうか、わたしたちの神が、あなたがたを招きにふさわしいものとしてくださり、また、その御力で、善を求めるあらゆる願いと信仰の働きを成就させてくださるように。12それは、わたしたちの神と主イエス・キリストの恵みによって、わたしたちの主イエスの名があなたがたの間であがめられ、あなたがたも主によって誉れを受けるようになるためです。 2・1さて、兄弟たち、わたしたちの主イエス・キリストが来られることと、そのみもとにわたしたちが集められることについてお願いしたい。2霊や言葉によって、あるいは、わたしたちから書き送られたという手紙によって、主の日は既に来てしまったかのように言う者がいても、すぐに動揺して分別を無くしたり、慌てふためいたりしないでほしい。 福音朗読ルカ19・1-10アレルヤ、アレルヤ。神はひとり子をお与えになるほど世を愛された。神を信じるすべての人が永遠のいのちを得るために。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、19・1イエスはエリコに入り、町を通っておられた。2そこにザアカイという人がいた。この人は徴税人の頭で、金持ちであった。3イエスがどんな人か見ようとしたが、背が低かったので、群衆に遮られて見ることができなかった。4それで、イエスを見るために、走って先回りし、いちじく桑の木に登った。そこを通り過ぎようとしておられたからである。5イエスはその場所に来ると、上を見上げて言われた。「ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」6ザアカイは急いで降りて来て、喜んでイエスを迎えた。7これを見た人たちは皆つぶやいた。「あの人は罪深い男のところに行って宿をとった。」8しかし、ザアカイは立ち上がって、主に言った。「主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します。」9イエスは言われた。「今日、救いがこの家を訪れた。この人もアブラハムの子なのだから。10人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである。」 |
|||
年間第31月曜日 | 11月3日(月) | 年間 | |
第一朗読ローマ11・29-36神の富と知恵と知識のなんと深いことか。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、11・29神の賜物と招きとは取り消されないものなのです。30あなたがたは、かつては神に不従順でしたが、今は彼らの不従順によって憐れみを受けています。31それと同じように、彼らも、今はあなたがたが受けた憐れみによって不従順になっていますが、それは、彼ら自身も今憐れみを受けるためなのです。32神はすべての人を不従順の状態に閉じ込められましたが、それは、すべての人を憐れむためだったのです。 33ああ、神の富と知恵と知識のなんと深いことか。だれが、神の定めを究め尽くし、神の道を理解し尽くせよう。 答唱詩編詩編69・31+33、36abc+37a主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編6969・31神の名をたたえてわたしはうたい、 36abc神は必ずシオンを救い、 福音朗読ルカ14・12-14アレルヤ、アレルヤ。わたしの言葉にとどまるなら、あなたがたはわたしの弟子であり、真理を知っている。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、14・12イエスは招いてくれたファリサイ派の議員に言われた。「昼食や夕食の会を催すときには、友人も、兄弟も、親類も、近所の金持ちも呼んではならない。その人たちも、あなたを招いてお返しをするかも知れないからである。13宴会を催すときには、むしろ、貧しい人、体の不自由な人、足の不自由な人、目の見えない人を招きなさい。14そうすれば、その人たちはお返しができないから、あなたは幸いだ。正しい者たちが復活するとき、あなたは報われる。」 |
|||
聖カルロ・ボロメオ 司教 | 11月4日(火) | 記念日 | |
第一朗読ローマ12・5-16a愛には偽りがあってはなりません。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、12・5わたしたちは数は多いが、キリストに結ばれて一つの体を形づくっており、各自は互いに部分なのです。6わたしたちは、与えられた恵みによって、それぞれ異なった賜物を持っていますから、預言の賜物を受けていれば、信仰に応じて預言し、7奉仕の賜物を受けていれば、奉仕に専念しなさい。また、教える人は教えに、8勧める人は勧めに精を出しなさい。施しをする人は惜しまず施し、指導する人は熱心に指導し、慈善を行う人は快く行いなさい。 9愛には偽りがあってはなりません。悪を憎み、善から離れず、10兄弟愛をもって互いに愛し、尊敬をもって互いに相手を優れた者と思いなさい。11怠らず励み、霊に燃えて、主に仕えなさい。12希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい。13聖なる者たちの貧しさを自分のものとして彼らを助け、旅人をもてなすよう努めなさい。14あなたがたを迫害する者のために祝福を祈りなさい。祝福を祈るのであって、呪ってはなりません。15喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。16互いに思いを一つにし、高ぶらず、身分の低い人々と交わりなさい。 答唱詩編詩編131・1+2ab、2cd+3神よ、あなたの顔の光を、わたしたちの上に照らしてください。 詩編131131・1神よ、わたしはおごらず、たかぶらず、 2cd心静かにわたしはいこう、 福音朗読ルカ14・15-24アレルヤ、アレルヤ。労苦して重荷を負っている者はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを回復させよう。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、14・15食事を共にしていた客の一人は、イエスに、「神の国で食事をする人は、なんと幸いなことでしょう」と言った。16そこで、イエスは言われた。「ある人が盛大な宴会を催そうとして、大勢の人を招き、17宴会の時刻になったので、僕を送り、招いておいた人々に、『もう用意ができましたから、おいでください』と言わせた。18すると皆、次々に断った。最初の人は、『畑を買ったので、見に行かねばなりません。どうか、失礼させてください』と言った。19ほかの人は、『牛を二頭ずつ五組買ったので、それを調べに行くところです。どうか、失礼させてください』と言った。20また別の人は、『妻を迎えたばかりなので、行くことができません』と言った。21僕は帰って、このことを主人に報告した。すると、家の主人は怒って、僕に言った。『急いで町の広場や路地へ出て行き、貧しい人、体の不自由な人、目の見えない人、足の不自由な人をここに連れて来なさい。』22やがて、僕が、『御主人様、仰せのとおりにいたしましたが、まだ席があります』と言うと、23主人は言った。『通りや小道に出て行き、無理にでも人々を連れて来て、この家をいっぱいにしてくれ。24言っておくが、あの招かれた人たちの中で、わたしの食事を味わう者は一人もいない。』」 |
|||
年間第31水曜日 | 11月5日(水) | 年間 | |
第一朗読ローマ13・8-10隣人を自分のように愛しなさい 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、13・8互いに愛し合うことのほかは、だれに対しても借りがあってはなりません。人を愛する者は、律法を全うしているのです。9「姦淫するな、殺すな、盗むな、むさぼるな」、そのほかどんな掟があっても、「隣人を自分のように愛しなさい」という言葉に要約されます。10愛は隣人に悪を行いません。だから、愛は律法を全うするものです。 答唱詩編詩編112・1、6しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。 詩編112112・1しあわせな人、神をおそれ、 6神に従う人はとこしえにゆるぎなく、 福音朗読ルカ14・25-33アレルヤ、アレルヤ。キリストの名のためにののしられる人は幸い。神の霊があなたがたの上にとどまってくださる。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、14・25大勢の群衆が一緒について来たが、イエスは振り向いて言われた。26「もし、だれかがわたしのもとに来るとしても、父、母、妻、子供、兄弟、姉妹を、更に自分の命であろうとも、これを憎まないなら、わたしの弟子ではありえない。27自分の十字架を背負ってついて来る者でなければ、だれであれ、わたしの弟子ではありえない。28あなたがたのうち、塔を建てようとするとき、造り上げるのに十分な費用があるかどうか、まず腰をすえて計算しない者がいるだろうか。29そうしないと、土台を築いただけで完成できず、見ていた人々は皆あざけって、30『あの人は建て始めたが、完成することはできなかった』と言うだろう。31また、どんな王でも、ほかの王と戦いに行こうとするときは、二万の兵を率いて進軍して来る敵を、自分の一万の兵で迎え撃つことができるかどうか、まず腰をすえて考えてみないだろうか。32もしできないと分かれば、敵がまだ遠方にいる間に使節を送って、和を求めるだろう。33だから、同じように、自分の持ち物を一切捨てないならば、あなたがたのだれ一人としてわたしの弟子ではありえない。」 |
|||
年間第31木曜日 | 11月6日(木) | 年間 | |
第一朗読ローマ14・7-12わたしは生きている。すべてのひざはわたしの前にかがみ、すべての舌が神をほめたたえる 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、14・7わたしたちの中には、だれ一人自分のために生きる人はなく、だれ一人自分のために死ぬ人もいません。8わたしたちは、生きるとすれば主のために生き、死ぬとすれば主のために死ぬのです。従って、生きるにしても、死ぬにしても、わたしたちは主のものです。9キリストが死に、そして生きたのは、死んだ人にも生きている人にも主となられるためです。10それなのに、なぜあなたは、自分の兄弟を裁くのですか。また、なぜ兄弟を侮るのですか。わたしたちは皆、神の裁きの座の前に立つのです。11こう書いてあります。 「主は言われる。『わたしは生きている。すべてのひざはわたしの前にかがみ、すべての舌が神をほめたたえる』と。」 12それで、わたしたちは一人一人、自分のことについて神に申し述べることになるのです。 答唱詩編詩編27・1、4神よ、あなたの顔の光をわたしたちの上に照らしてください。 詩編2727・1神はわたしの光、わたしのすくい、 4わたしは神に一つのことを願いもとめている。 福音朗読ルカ15・1-10アレルヤ、アレルヤ。労苦して重荷を負っている者はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを回復させよう。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、15・1徴税人や罪人が皆、話を聞こうとしてイエスに近寄って来た。2すると、ファリサイ派の人々や律法学者たちは、「この人は罪人たちを迎えて、食事まで一緒にしている」と不平を言いだした。3そこで、イエスは次のたとえを話された。4「あなたがたの中に、百匹の羊を持っている人がいて、その一匹を見失ったとすれば、九十九匹を野原に残して、見失った一匹を見つけ出すまで捜し回らないだろうか。5そして、見つけたら、喜んでその羊を担いで、6家に帰り、友達や近所の人々を呼び集めて、『見失った羊を見つけたので、一緒に喜んでください』と言うであろう。7言っておくが、このように、悔い改める一人の罪人については、悔い改める必要のない九十九人の正しい人についてよりも大きな喜びが天にある。」 8「あるいは、ドラクメ銀貨を十枚持っている女がいて、その一枚を無くしたとすれば、ともし火をつけ、家を掃き、見つけるまで念を入れて捜さないだろうか。9そして、見つけたら、友達や近所の女たちを呼び集めて、『無くした銀貨を見つけましたから、一緒に喜んでください』と言うであろう。10言っておくが、このように、一人の罪人が悔い改めれば、神の天使たちの間に喜びがある。」 |
|||
年間第31金曜日 | 11月7日(金) | 年間 | |
第一朗読ローマ15・14-21わたしは、神のために働くことをキリスト・イエスによって誇りに思っています。 使徒パウロのローマの教会への手紙15・14兄弟たち、あなたがた自身は善意に満ち、あらゆる知識で満たされ、互いに戒め合うことができると、このわたしは確信しています。15記憶を新たにしてもらおうと、この手紙ではところどころかなり思い切って書きました。それは、わたしが神から恵みをいただいて、16異邦人のためにキリスト・イエスに仕える者となり、神の福音のために祭司の役を務めているからです。そしてそれは、異邦人が、聖霊によって聖なるものとされた、神に喜ばれる供え物となるためにほかなりません。17そこでわたしは、神のために働くことをキリスト・イエスによって誇りに思っています。18キリストがわたしを通して働かれたこと以外は、あえて何も申しません。キリストは異邦人を神に従わせるために、わたしの言葉と行いを通して、19また、しるしや奇跡の力、神の霊の力によって働かれました。こうしてわたしは、エルサレムからイリリコン州まで巡って、キリストの福音をあまねく宣べ伝えました。20このようにキリストの名がまだ知られていない所で福音を告げ知らせようと、わたしは熱心に努めてきました。それは、他人の築いた土台の上に建てたりしないためです。 答唱詩編詩編98・1、2+3a遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・1新しい歌を神にうたえ。 2神は救いを示し、 福音朗読ルカ16・1-8アレルヤ、アレルヤ。キリストのことばを守るなら、神の愛はその人のうちに全うされる。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、16・1イエスは、弟子たちに言われた。「ある金持ちに一人の管理人がいた。この男が主人の財産を無駄遣いしていると、告げ口をする者があった。2そこで、主人は彼を呼びつけて言った。『お前について聞いていることがあるが、どうなのか。会計の報告を出しなさい。もう管理を任せておくわけにはいかない。』3管理人は考えた。『どうしようか。主人はわたしから管理の仕事を取り上げようとしている。土を掘る力もないし、物乞いをするのも恥ずかしい。4そうだ。こうしよう。管理の仕事をやめさせられても、自分を家に迎えてくれるような者たちを作ればいいのだ。』5そこで、管理人は主人に借りのある者を一人一人呼んで、まず最初の人に、『わたしの主人にいくら借りがあるのか』と言った。6『油百バトス』と言うと、管理人は言った。『これがあなたの証文だ。急いで、腰を掛けて、五十バトスと書き直しなさい。』7また別の人には、『あなたは、いくら借りがあるのか』と言った。『小麦百コロス』と言うと、管理人は言った。『これがあなたの証文だ。八十コロスと書き直しなさい。』8主人は、この不正な管理人の抜け目のないやり方をほめた。この世の子らは、自分の仲間に対して、光の子らよりも賢くふるまっている。」 |
|||
年間第31土曜日 | 11月8日(土) | 年間 | |
第一朗読ローマ16・3-9、16、22-27この福音は、世々にわたって隠されていた、秘められた計画を啓示するものです。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、16・3キリスト・イエスに結ばれてわたしの協力者となっている、プリスカとアキラによろしく。4命がけでわたしの命を守ってくれたこの人たちに、わたしだけでなく、異邦人のすべての教会が感謝しています。5また、彼らの家に集まる教会の人々にもよろしく伝えてください。わたしの愛するエパイネトによろしく。彼はアジア州でキリストに献げられた初穂です。6あなたがたのために非常に苦労したマリアによろしく。7わたしの同胞で、一緒に捕らわれの身となったことのある、アンドロニコとユニアスによろしく。この二人は使徒たちの中で目立っており、わたしより前にキリストを信じる者になりました。8主に結ばれている愛するアンプリアトによろしく。9わたしたちの協力者としてキリストに仕えているウルバノ、および、わたしの愛するスタキスによろしく。16あなたがたも、聖なる口づけによって互いに挨拶を交わしなさい。キリストのすべての教会があなたがたによろしくと言っています。 22この手紙を筆記したわたしテルティオが、キリストに結ばれている者として、あなたがたに挨拶いたします。23わたしとこちらの教会全体が世話になっている家の主人ガイオが、よろしくとのことです。市の経理係エラストと兄弟のクアルトが、よろしくと言っています。 25神は、わたしの福音すなわちイエス・キリストについての宣教によって、あなたがたを強めることがおできになります。この福音は、世々にわたって隠されていた、秘められた計画を啓示するものです。26その計画は今や現されて、永遠の神の命令のままに、預言者たちの書き物を通して、信仰による従順に導くため、すべての異邦人に知られるようになりました。27この知恵ある唯一の神に、イエス・キリストを通して栄光が世々限りなくありますように、アーメン。 答唱詩編詩編145・8+9、10+11いのちあるすべてのものは、神をたたえよ。 詩編145145・8神よ、あなたは恵みとあわれみに満ち、 10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、 福音朗読ルカ16・9-15アレルヤ、アレルヤ。イエス・キリストは富んでおられたのに、貧しくなられた。あなたがたがキリストの貧しさによって富むように。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは、弟子たちに言われた。16・9不正にまみれた富で友達を作りなさい。そうしておけば、金がなくなったとき、あなたがたは永遠の住まいに迎え入れてもらえる。10ごく小さな事に忠実な者は、大きな事にも忠実である。ごく小さな事に不忠実な者は、大きな事にも不忠実である。11だから、不正にまみれた富について忠実でなければ、だれがあなたがたに本当に価値あるものを任せるだろうか。12また、他人のものについて忠実でなければ、だれがあなたがたのものを与えてくれるだろうか。13どんな召し使いも二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。」 14金に執着するファリサイ派の人々が、この一部始終を聞いて、イエスをあざ笑った。15そこで、イエスは言われた。「あなたたちは人に自分の正しさを見せびらかすが、神はあなたたちの心をご存じである。人に尊ばれるものは、神には忌み嫌われるものだ。」 |
|||
年間第32主日 | 11月9日(日) | 年間 | |
第一朗読②マカバイ7・1-2、9-14世界の王は、我々を永遠の命へとよみがえらせてくださる マカバイ記その日、7・1七人の兄弟が母親と共に捕らえられ、鞭や皮ひもで暴行を受け、律法で禁じられている豚肉を口にするよう、王に強制された。2彼らの一人が皆に代わって言った。「いったいあなたは、我々から何を聞き出し、何を知ろうというのか。我々は父祖伝来の律法に背くくらいなら、いつでも死ぬ用意はできているのだ。」 二番目の者も9息を引き取る間際に言った。「邪悪な者よ、あなたはこの世から我々の命を消し去ろうとしているが、世界の王は、律法のために死ぬ我々を、永遠の新しい命へとよみがえらせてくださるのだ。」 10彼に続いて三番目の者もなぶりものにされた。彼は命ぜられると即座に舌を差し出し、勇敢に両手を差し伸べ、11毅然として言った。「わたしは天からこの舌や手を授かったが、主の律法のためなら、惜しいとは思わない。わたしは、主からそれらを再びいただけるのだと確信している。」12そこで、王自身も、供の者たちも、苦痛をいささかも意に介さないこの若者の精神に驚嘆した。 13やがて彼も息を引き取ると、彼らは四番目の者も同様に苦しめ、拷問にかけた。14死ぬ問際に彼は言った。「たとえ人の手で、死に渡されようとも、神が再び立ち上がらせてくださるという希望をこそ選ぶべきである。だがあなたは、よみがえって再び命を得ることはない。」 答唱詩編詩編17・1+2、3+5、13ab+15主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編1717・1神よ、わたしの正しい訴えと叫びに心を留め、 3あなたは夜、わたしを訪れ、心をためされる。 13ab神よ、力を現し、 第二朗読②テサロニケ2・16-3・5神があなたがたを強め、いつも善い働きをし、善い言葉を語る者としてくださるように 使徒パウロのテサロニケの教会への手紙皆さん、2・16わたしたちの主イエス・キリスト御自身、ならびに、わたしたちを愛して、永遠の慰めと確かな希望とを恵みによって与えてくださる、わたしたちの父である神が、17どうか、あなたがたの心を励まし、また強め、いつも善い働きをし、善い言葉を語る者としてくださるように。 3・1終わりに、兄弟たち、わたしたちのために祈ってください。主の言葉が、あなたがたのところでそうであったように、速やかに宣べ伝えられ、あがめられるように、2また、わたしたちが道に外れた悪人どもから逃れられるように、と祈ってください。すべての人に、信仰があるわけではないのです。3しかし、主は真実な方です。必ずあなたがたを強め、悪い者から守ってくださいます。4そして、わたしたちが命令することを、あなたがたは現に実行しており、また、これからもきっと実行してくれることと、主によって確信しています。5どうか、主が、あなたがたに神の愛とキリストの忍耐とを深く悟らせてくださるように。 福音朗読ルカ20・27-38アレルヤ、アレルヤ。イエス・キリストは死者のうちから最初に生まれた方。栄光と支配は世々に彼のもの。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、20・27復活があることを否定するサドカイ派の人々が何人か近寄って来て、イエスに尋ねた。 28「先生、モーセはわたしたちのために書いています。『ある人の兄が妻をめとり、子がなくて死んだ場合、その弟は兄嫁と結婚して、兄の跡継ぎをもうけねばならない』と。29ところで、七人の兄弟がいました。長男が妻を迎えましたが、子がないまま死にました。30次男、31三男と次々にこの女を妻にしましたが、七人とも同じように子供を残さないで死にました。32最後にその女も死にました。33すると復活の時、その女はだれの妻になるのでしょうか。七人ともその女を妻にしたのです。」 34イエスは言われた。「この世の子らはめとったり嫁いだりするが、35次の世に入って死者の中から復活するのにふさわしいとされた人々は、めとることも嫁ぐこともない。36この人たちは、もはや死ぬことがない。天使に等しい者であり、復活にあずかる者として、神の子だからである。37死者が復活することは、モーセも『柴』の個所で、主をアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神と呼んで、示している。38神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神なのだ。すべての人は、神によって生きているからである。」 |
|||
聖レオ一世 教皇教会博士 | 11月10日(月) | 記念日 | |
第一朗読知恵1・1-7善良な心で主を思い、素直な心で主を求めよ。 知恵の書1・1国を治める者たちよ、義を愛せよ、 4知恵は悪を行う魂には入らず、 6知恵は人間を慈しむ霊である。 答唱詩編詩編139・1+2、3+4神のはからいは限りなく、生涯わたしはその中に生きる。 詩編139139・1神よ、あなたはわたしをこころにかけ、 3歩むときも、休むときも見守り、 福音朗読ルカ17・1-6アレルヤ、アレルヤ。あなたがたは命の言葉を保って、ともし火のように世を照らしなさい。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、17・1イエスは弟子たちに言われた。「つまずきは避けられない。だが、それをもたらす者は不幸である。2そのような者は、これらの小さい者の一人をつまずかせるよりも、首にひき臼を懸けられて、海に投げ込まれてしまう方がましである。3あなたがたも気をつけなさい。もし兄弟が罪を犯したら、戒めなさい。そして、悔い改めれば、赦してやりなさい。4一日に七回あなたに対して罪を犯しても、七回、『悔い改めます』と言ってあなたのところに来るなら、赦してやりなさい。」 5使徒たちが、「わたしどもの信仰を増してください」と言ったとき、6主は言われた。「もしあなたがたにからし種一粒ほどの信仰があれば、この桑の木に、『抜け出して海に根を下ろせ』と言っても、言うことを聞くであろう。」 |
|||
聖マルチノ(ツール) 司教 | 11月11日(火) | 記念日 | |
第一朗読知恵2・23-3・9神は人間を不滅な者として創造し、御自分の本性の似姿として造られた。 知恵の書2・23神は人間を不滅な者として創造し、 3・1神に従う人の魂は神の手で守られ、 答唱詩編詩編34・2+3、16+18主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編3434・2主をたたえよう、 16主のまなざしは正しい人に、 福音朗読ルカ17・7-10アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは言われた。17・7「あなたがたのうちだれかに、畑を耕すか羊を飼うかする僕がいる場合、その僕が畑から帰って来たとき、『すぐ来て食事の席に着きなさい』と言う者がいるだろうか。8むしろ、『夕食の用意をしてくれ。腰に帯を締め、わたしが食事を済ますまで給仕してくれ。お前はその後で食事をしなさい』と言うのではなかろうか。9命じられたことを果たしたからといって、主人は僕に感謝するだろうか。10あなたがたも同じことだ。自分に命じられたことをみな果たしたら、『わたしどもは取るに足りない僕です。しなければならないことをしただけです』と言いなさい。」 |
|||
聖ヨサファト 司教殉教者 | 11月12日(水) | 記念日 | |
第一朗読知恵6・1-11聖なる掟を聖なる手段で守る者は、聖とされ、掟を学んだ者には弁明の道が開かれる。 知恵の書6・1王たちよ、聞いて悟るがよい。 答唱詩編詩編33・4+5、14+15神の注がれる目は、神をおそれる者に、神の愛に希望をおく者の上に。 詩編3333・4神のことばはただしく、 14神はその住まいから、 福音朗読ルカ17・11-19アレルヤ、アレルヤ。すべてについて感謝しなさい。神はキリスト・イエスのうちにあって、あなたがたにこれを望んでおられる。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音17・11イエスはエルサレムへ上る途中、サマリアとガリラヤの間を通られた。12ある村に入ると、重い皮膚病を患っている十人の人が出迎え、遠くの方に立ち止まったまま、13声を張り上げて、「イエスさま、先生、どうか、わたしたちを憐れんでください」と言った。14イエスは重い皮膚病を患っている人たちを見て、「祭司たちのところに行って、体を見せなさい」と言われた。彼らは、そこへ行く途中で清くされた。15その中の一人は、自分がいやされたのを知って、大声で神を賛美しながら戻って来た。16そして、イエスの足もとにひれ伏して感謝した。この人はサマリア人だった。17そこで、イエスは言われた。「清くされたのは十人ではなかったか。ほかの九人はどこにいるのか。18この外国人のほかに、神を賛美するために戻って来た者はいないのか。」19それから、イエスはその人に言われた。「立ち上がって、行きなさい。あなたの信仰があなたを救った。」 |
|||
年間第32木曜日 | 11月13日(木) | 年間 | |
第一朗読知恵7・22b-8・1知恵は太陽よりも美しく、すべての星座にまさり、光よりもはるかに輝かしい。 知恵の書7・22b知恵には、理知に富む聖なる霊がある。 答唱詩編詩編119・73+74、89+90神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。 詩編119119・73神よ、あなたはわたしを造り、守られる。 89神よ、あなたのことばはとこしえに続き、 福音朗読ルカ17・20-25アレルヤ、アレルヤ。わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝。わたしのうちにとどまる者は多くの実を結ぶ。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、17・20ファリサイ派の人々が、神の国はいつ来るのかと尋ねたので、イエスは答えて言われた。「神の国は、見える形では来ない。21『ここにある』『あそこにある』と言えるものでもない。実に、神の国はあなたがたの間にあるのだ。」22それから、イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたが、人の子の日を一日だけでも見たいと望む時が来る。しかし、見ることはできないだろう。23『見よ、あそこだ』『見よ、ここだ』と人々は言うだろうが、出て行ってはならない。また、その人々の後を追いかけてもいけない。24稲妻がひらめいて、大空の端から端へと輝くように、人の子もその日に現れるからである。25しかし、人の子はまず必ず、多くの苦しみを受け、今の時代の者たちから排斥されることになっている。」 |
|||
年間第32金曜日 | 11月14日(金) | 年間 | |
第一朗読知恵13・1-9神を知らない人々は皆、生来むなしい。 知恵の書13・1神を知らない人々は皆、生来むなしい。 答唱詩編詩編19・2+3、4+5天は神の栄光を語り、大空はみ手のわざを告げる。 詩編1919・2天は神の栄光を語り、 4ことばでもなく、話でもなく、 福音朗読ルカ17・26-37アレルヤ、アレルヤ。恐れずに頭を上げなさい。あなたがたの救いは近づいている。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。17・26「ノアの時代にあったようなことが、人の子が現れるときにも起こるだろう。27ノアが箱舟に入るその日まで、人々は食べたり飲んだり、めとったり嫁いだりしていたが、洪水が襲って来て、一人残らず滅ぼしてしまった。28ロトの時代にも同じようなことが起こった。人々は食べたり飲んだり、買ったり売ったり、植えたり建てたりしていたが、29ロトがソドムから出て行ったその日に、火と硫黄が天から降ってきて、一人残らず滅ぼしてしまった。30人の子が現れる日にも、同じことが起こる。31その日には、屋上にいる者は、家の中に家財道具があっても、それを取り出そうとして下に降りてはならない。同じように、畑にいる者も帰ってはならない。32ロトの妻のことを思い出しなさい。33自分の命を生かそうと努める者は、それを失い、それを失う者は、かえって保つのである。34言っておくが、その夜一つの寝室に二人の男が寝ていれば、一人は連れて行かれ、他の一人は残される。35二人の女が一緒に臼をひいていれば、一人は連れて行かれ、他の一人は残される。」37そこで弟子たちが、「主よ、それはどこで起こるのですか」と言った。イエスは言われた。「死体のある所には、はげ鷹も集まるものだ。」 |
|||
年間第32土曜日 | 11月15日(土) | 年間 | |
第一朗読知恵18・14-16、19・6-9主よ、自分たちを救ってくださったあなたをたたえた。 知恵の書18・14沈黙の静けさがすべてを包み、 6全被造物はそれぞれ本性を保ちつつ、 答唱詩編詩編105・3+4、42+43わたしの心は神のうちに喜び、その救いに喜びおどる。 詩編105105・3尊いその名をたたえよ。 42神はしもべアブラハムの約束を、 福音朗読ルカ18・1-8アレルヤ、アレルヤ。福音によって神は私たちを召し出し、主イエス・キリストの栄光にあずかる者としてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、18・1イエスは、気を落とさずに絶えず祈らなければならないことを教えるために、弟子たちにたとえを話された。2「ある町に、神を畏れず人を人とも思わない裁判官がいた。3ところが、その町に一人のやもめがいて、裁判官のところに来ては、『相手を裁いて、わたしを守ってください』と言っていた。4裁判官は、しばらくの間は取り合おうとしなかった。しかし、その後に考えた。『自分は神など畏れないし、人を人とも思わない。5しかし、あのやもめは、うるさくてかなわないから、彼女のために裁判をしてやろう。さもないと、ひっきりなしにやって来て、わたしをさんざんな目に遭わすにちがいない。』」6それから、主は言われた。「この不正な裁判官の言いぐさを聞きなさい。7まして神は、昼も夜も叫び求めている選ばれた人たちのために裁きを行わずに、彼らをいつまでもほうっておかれることがあろうか。8言っておくが、神は速やかに裁いてくださる。しかし、人の子が来るとき、果たして地上に信仰を見いだすだろうか。」 |
|||
年間第33主日 | 11月16日(日) | 年間 | |
第一朗読マラキ3・19-20aあなたたちには義の太陽が昇る マラキの預言3・19見よ、その日が来る、 答唱詩編詩編98・4+5、6+7b+8b遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、 6ラッパと角笛を吹き、 第二朗読➁テサロニケ3・7-12働きたくない者は、食べてはならない。 使徒パウロのテサロニケの教会への手紙皆さん、あなたがたは、3・7わたしたちにどのように倣えばよいか、よく知っています。わたしたちは、そちらにいたとき、怠惰な生活をしませんでした。8また、だれからもパンをただでもらって食べたりはしませんでした。むしろ、だれにも負担をかけまいと、夜昼大変苦労して、働き続けたのです。9援助を受ける権利がわたしたちになかったからではなく、あなたがたがわたしたちに倣うように、身をもって模範を示すためでした。10実際、あなたがたのもとにいたとき、わたしたちは、「働きたくない者は、食べてはならない」と命じていました。11ところが、聞くところによると、あなたがたの中には怠惰な生活をし、少しも働かず、余計なことをしている者がいるということです。12そのような者たちに、わたしたちは主イエス・キリストに結ばれた者として命じ、勧めます。自分で得たパンを食べるように、落ち着いて仕事をしなさい。 福音朗読ルカ21・5-19アレルヤ、アレルヤ。恐れずに頭を上げなさい。あなたがたの救いは近づいている。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、21・5ある人たちが、神殿が見事な石と奉納物で飾られていることを話していると、イエスは言われた。6「あなたがたはこれらの物に見とれているが、一つの石も崩されずに他の石の上に残ることのない日が来る。」 7そこで、彼らはイエスに尋ねた。「先生、では、そのことはいつ起こるのですか。また、そのことが起こるときには、どんな徴があるのですか。」8イエスは言われた。「惑わされないように気をつけなさい。わたしの名を名乗る者が大勢現れ、『わたしがそれだ』とか、『時が近づいた』とか言うが、ついて行ってはならない。9戦争とか暴動のことを聞いても、おびえてはならない。こういうことがまず起こるに決まっているが、世の終わりはすぐには来ないからである。」10そして更に、言われた。「民は民に、国は国に敵対して立ち上がる。11そして、大きな地震があり、方々に飢鐘や疫病が起こり、恐ろしい現象や著しい徴が天に現れる。12しかし、これらのことがすべて起こる前に、人々はあなたがたに手を下して迫害し、会堂や牢に引き渡し、わたしの名のために王や総督の前に引っ張って行く。13それはあなたがたにとって証しをする機会となる。14だから、前もって弁明の準備をするまいと、心に決めなさい。15どんな反対者でも、対抗も反論もできないような言葉と知恵を、わたしがあなたがたに授けるからである。16あなたがたは親、兄弟、親族、友人にまで裏切られる。中には殺される者もいる。17また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。18しかし、あなたがたの髪の毛の一本も決してなくならない。19忍耐によって、あなたがたは命をかち取りなさい。」 |
|||
聖エリザベト(ハンガリー) 修道女 | 11月17日(月) | 記念日 | |
第一朗読①マカバイ1・10-15、41-43、54-57、62-64イスラエルには律法に背く者どもが現れました。 マカバイ記そのころ、1・10悪の元凶、アンティオコス・エピファネスが現れた。彼はアンティオコス王の王子でローマに人質として送られていたが、ギリシア人の王朝の第百三十七年に王として即位した。11この間、イスラエルには律法に背く者どもが現れ、「周囲の異邦人と手を結ぼう。彼らと関係を断ってから万事につけ悪いことばかりだから」と、多くの者に説いて回っていた。12人々の目にはこれは得策だと映ったので、13民の中のある者たちは進んで王のもとに出かけて行き、異邦人の慣習を採用する許可を受けた。14こうして彼らは異邦人の流儀に従ってエルサレムに錬成場を建て、15割礼の跡を消し、聖なる契約を離れ、異邦人と軛を共にし、悪にその身を引き渡した。 41王は領内の全域に、すべての人々が一つの民族となるために、42おのおの自分の慣習を捨てるよう、勅令を発した。そこで異邦人たちは皆、王の命令に従った。43また、イスラエルの多くの者たちが、進んで王の宗教を受け入れ、偶像にいけにえを献げ、安息日を汚した。 54第百四十五年、キスレウの月の十五日には、王は祭壇の上に「憎むべき破壊者」を建てた。人々は周囲のユダの町々に異教の祭壇を築き、55家々の戸口や大路で香をたき、56律法の巻物を見つけてはこれを引き裂いて火にくべた。57契約の書を隠していることが発覚した者、律法に適った生活をしている者は、王の裁きにより処刑された。 62だがイスラエル人の多くはそれにも屈せず、断固として不浄のものを口にしなかった。63彼らは、食物によって身を汚して聖なる契約に背くよりは、死を選んで死んでいった。64こうしてイスラエルは神の大いなる激しい怒りの下に置かれたのである。 答唱詩編詩編119・57+72、160+162主よ、あなたは永遠のいのちのことば。 詩編119119・57神よ、あなたはわたしのすべて。 160あなたのことばは真理に基づく。 福音朗読ルカ18・35-43アレルヤ、アレルヤ。わたしは世の光。わたしに従う人は命の光を持っている。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音18・35イエスがエリコに近づかれたとき、ある盲人が道端に座って物乞いをしていた。36群衆が通って行くのを耳にして、「これは、いったい何事ですか」と尋ねた。37「ナザレのイエスのお通りだ」と知らせると、38彼は、「ダビデの子イエスよ、わたしを憐れんでください」と叫んだ。39先に行く人々が叱りつけて黙らせようとしたが、ますます、「ダビデの子よ、わたしを憐れんでください」と叫び続けた。40イエスは立ち止まって、盲人をそばに連れて来るように命じられた。彼が近づくと、イエスはお尋ねになった。41「何をしてほしいのか。」盲人は、「主よ、目が見えるようになりたいのです」と言った。42そこで、イエスは言われた。「見えるようになれ。あなたの信仰があなたを救った。」43盲人はたちまち見えるようになり、神をほめたたえながら、イエスに従った。これを見た民衆は、こぞって神を賛美した。 |
|||
年間第33火曜日 | 11月18日(火) | 年間 | |
第一朗読②マカバイ6・18-31心では、主を畏れ、むしろそれを喜んで耐えているのだ。 マカバイ記その日、6・18律法学者として第一人者で、既に高齢に達しており、立派な容貌の持ち主であったエレアザルも、口をこじあけられ、豚肉を食べるように強制された。19‐20しかし彼は、不浄な物を口にして生き永らえるよりは、むしろ良き評判を重んじて死を受け入れることをよしとし、それを吐き出し、進んで責め道具に身を任そうとした。これこそ、生命への愛着があるとはいえ、口にしてはならないものは断固として退けねばならない人々の取るべき態度である。21ところがそのとき、禁じられたいけにえの内臓を食べさせる係の者たちは、エレアザルと旧知の間柄であったので、ひそかに彼に席を外させて、王が命じたいけにえの肉を口にした振りをして、彼自身が用意し、持参している清い肉を食べることを勧めた。22そうすれば、彼は死を免れ、その上、彼らとの昔からの友情のゆえに優遇されることになるからであった。23これに対して、彼は筋の通った考えを持っていて、その年齢と老年のゆえの品位、更に新たに加わった立派な白髪、だれにもまさった幼いときからの生き方にふさわしく、とりわけ神が定められた聖なる律法に従って、毅然とした態度でちゅうちょすることなく、「わたしを陰府へ送り込んでくれ」と言った。24「我々の年になって、うそをつくのはふさわしいことではない。そんなことをすれば、大勢の若者が、エレアザルは九十歳にもなって異教の風習に転向したのか、と思うだろう。25その上彼らは、ほんのわずかの命を惜しんだわたしの欺きの行為によって、迷ってしまうだろう。またわたし自身、わが老年に泥を塗り、汚すことになる。26たとえ今ここで、人間の責め苦を免れえたとしても、全能者の御手からは、生きていても、死んでも逃れることはできないのだ。27だから今、男らしく生を断念し、年齢にふさわしい者であることを示し、28若者たちに高貴な模範を残し、彼らも尊く聖なる律法のためには進んで高貴な死に方ができるようにしよう。」こう言い終わると、直ちに責め道具の方へ歩いて行った。29今し方まで、彼に好意を寄せていた人々も、この語られた言葉のゆえに、反感を抱くようになった。彼らはエレアザルの気が違ったのだと思った。30鞭の下で、まさに息絶えんとしたとき、彼はうめき声をあげて言った。「聖なる知識を持っておられる主は、すべてのことを見通しておられる。わたしは死を逃れることもできたが、鞭打たれ、耐え難い苦痛を肉体で味わっている。しかし、心では、主を畏れ、むしろそれを喜んで耐えているのだ。」31彼はこのようにして世を去った。その死はただ単に若者ばかりか、少なからぬ同胞の心に高潔の模範、勇気の記念として残されたのである。 答唱詩編詩編18・3、47+50神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。 詩編18・3神はわたしの砦、わたしの岩、 47わたしを支える岩、 福音朗読ルカ19・1-10アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの罪のゆるしのために、ひとり子を遣わされた。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、19・1イエスはエリコに入り、町を通っておられた。2そこにザアカイという人がいた。この人は徴税人の頭で、金持ちであった。3イエスがどんな人か見ようとしたが、背が低かったので、群衆に遮られて見ることができなかった。4それで、イエスを見るために、走って先回りし、いちじく桑の木に登った。そこを通り過ぎようとしておられたからである。5イエスはその場所に来ると、上を見上げて言われた。「ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」6ザアカイは急いで降りて来て、喜んでイエスを迎えた。7これを見た人たちは皆つぶやいた。「あの人は罪深い男のところに行って宿をとった。」8しかし、ザアカイは立ち上がって、主に言った。「主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します。」9イエスは言われた。「この人もアブラハムの子なのだから。10人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである。」 |
|||
年間第33水曜日 | 11月19日(水) | 年間 | |
第一朗読②マカバイ7・1、20-31七人の兄弟が母親と共に捕らえられた。 マカバイ記その日、7・1七人の兄弟が母親と共に捕らえられ、鞭や皮ひもで暴行を受け、律法で禁じられている豚肉を口にするよう、王に強制された。 20それにしても、称賛されるべきはこの母親であり、記憶されるべき模範であった。わずか一日のうちに七人の息子が惨殺されるのを直視しながら、主に対する希望のゆえに、喜んでこれに耐えたのである。21崇高な思いに満たされて、彼女は、息子たち一人一人に父祖たちの言葉で慰めを与え、女の心情を男の勇気で奮い立たせながら、彼らに言った。22「わたしは、お前たちがどのようにしてわたしの胎に宿ったのか知らない。お前たちに霊と命を恵んだのでもなく、わたしがお前たち一人一人の肢体を組み合わせたのでもない。23人の出生をつかさどり、あらゆるものに生命を与える世界の造り主は、憐れみをもって、霊と命を再びお前たちに与えてくださる。それは今ここで、お前たちが主の律法のためには、命をも惜しまないからだ。」 24アンティオコスは侮辱されたと感じ、その声に非難の響きを聞き取った。彼は、いちばん末の息子がまだ生きていたので、言葉で勧告するだけでなく、誓いをもって、「もし先祖の慣習を捨てるなら、富と最高の幸福を保障し、王の友人として遇し、仕事も与えよう」と約束した。25だが、若者が全く耳を貸そうとしないので、王は母親を呼び寄せて、少年を救うために一役買うようにと勧めた。26王があまりに強く勧めるので、母親は息子を説得することを承知した。27しかし母親は、若者の上に身をかがめ、残酷な暴君をあざけってから、父祖たちの言葉で言った。「わが子よ、わたしを憐れんでおくれ。わたしはお前を九か月も胎に宿し、三年間乳を含ませ、養い、この年になるまで導き育ててきました。28子よ、天と地に目を向け、そこにある万物を見て、神がこれらのものを既に在ったものから造られたのではないこと、そして人間も例外ではないということを知っておくれ。29この死刑執行人を恐れてはなりません。兄たちに倣って、喜んで死を受け入れなさい。そうすれば、憐れみによってわたしは、お前を兄たちと共に、神様から戻していただけるでしょう。」 30彼女が語り終えるとすぐ、若者は王に言った。「何を待っているのだ。わたしは王の命令などに耳は貸さない。わたしが従うのは、モーセを通して我々の先祖に与えられた律法の命令である。31しかし、ヘブライ人に対して悪辣非道を重ねてきたあなたは、神の御手を逃れることはできないのだ。」 答唱詩編詩編17・1+2、6+7主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編1717・1神よ、わたしの正しい訴えと叫びに心を留め、 6神よ、あなたに叫ぶわたしに答え、 福音朗読ルカ19・11-28アレルヤ、アレルヤ。あなたがたを世から選んだのは、あなたがたは行って実を結び、その実が残るためである。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは19・11一つのたとえを話された。エルサレムに近づいておられ、それに、人々が神の国はすぐにも現れるものと思っていたからである。12イエスは言われた。「ある立派な家柄の人が、王の位を受けて帰るために、遠い国へ旅立つことになった。13そこで彼は、十人の僕を呼んで十ムナの金を渡し、『わたしが帰って来るまで、これで商売をしなさい』と言った。14しかし、国民は彼を憎んでいたので、後から使者を送り、『我々はこの人を王にいただきたくない』と言わせた。15さて、彼は王の位を受けて帰って来ると、金を渡しておいた僕を呼んで来させ、どれだけ利益を上げたかを知ろうとした。16最初の者が進み出て、『御主人様、あなたの一ムナで十ムナもうけました』と言った。17主人は言った。『良い僕だ。よくやった。お前はごく小さな事に忠実だったから、十の町の支配権を授けよう。』18二番目の者が来て、『御主人様、あなたの一ムナで五ムナ稼ぎました』と言った。19主人は、『お前は五つの町を治めよ』と言った。20また、ほかの者が来て言った。『御主人様、これがあなたの一ムナです。布に包んでしまっておきました。21あなたは預けないものも取り立て、蒔かないものも刈り取られる厳しい方なので、恐ろしかったのです。』22主人は言った。『悪い僕だ。その言葉のゆえにお前を裁こう。わたしが預けなかったものも取り立て、蒔かなかったものも刈り取る厳しい人間だと知っていたのか。23ではなぜ、わたしの金を銀行に預けなかったのか。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きでそれを受け取れたのに。』24そして、そばに立っていた人々に言った。『その一ムナをこの男から取り上げて、十ムナ持っている者に与えよ。』25僕たちが、『御主人様、あの人は既に十ムナ持っています』と言うと、26主人は言った。『言っておくが、だれでも持っている人は、更に与えられるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられる。27ところで、わたしが王になるのを望まなかったあの敵どもを、ここに引き出して、わたしの目の前で打ち殺せ。』」 28イエスはこのように話してから、先に立って進み、エルサレムに上って行かれた。 |
|||
年間第33木曜日 | 11月20日(木) | 年間 | |
第一朗読①マカバイ2・15-30律法に情熱を燃やす者、契約を固く守る者はわたしに続け。 マカバイ記その日、2・15背教を強いる王の役人たちが、異教のいけにえを献げさせるためにモデインの町にやって来た。16多くのイスラエル人が彼らを迎えに出、マタティアとその息子たちも集められた。17そこで王の役人たちは、マタティアに言った。「あなたはこの町では有力な指導者であり、御子息や御兄弟の信望もあつい。18率先して王の命令を果たしてもらいたい。これはすべての民族が実行しているもので、ユダの人々も、エルサレムに残留している者たちも行っているのだ。そうすれば、あなたや御子息たちは王の友人と認められ、金銀、その他多くの報奨を受ける栄誉にあずかるであろう。」 19マタティアは大声でこれに答えて言った。「たとえ王の領土内に住む全民族が王に従い、各自その先祖の宗教を捨てて王の命令に服したとしても、20このわたしと息子たち、同胞たちはわたしたちの先祖の契約を守って歩みます。21律法と掟を捨てるなど、論外です。22わたしたちの宗教を離れて右や左に行けという王の命令に、従うつもりはありません。」 23マタティアが語り終えたとき、一人のユダヤ人が一同の前に進み出て、王の命令に従いモデインの異教の祭壇にいけにえを献げようとした。24これを見たマタティアは律法への情熱にかられて立腹し、義憤を覚え、駆け寄りざまその祭壇の前でこの男を切り殺した。25またその時、いけにえを強要しに来ていた王の役人の一人をも殺し、この祭壇を引き倒した。26それは、あのサルの子ジムリに対してピネハスがしたような、律法への情熱から出た行為であった。27マタティアは町の中で大声をあげて言った。「律法に情熱を燃やす者、契約を固く守る者はわたしに続け。」28こうしてマタティアと息子たちは、家財一切を町に残したまま、山に逃れた。 29-30一方、これと時を同じくして、義と公正を求める多くの者が、妻子や家畜を伴って、荒れ野に下り、そこに住んだ。災いが迫って来たからである。 答唱詩編詩編50・5+6、15+23わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。 詩編5050・5「わたしの民を集めよ、 15苦悩の日にわたしを呼び求めよ。 福音朗読ルカ19・41-44アレルヤ、アレルヤ。神に心を閉じてはならない。今日こそ神のことばを聞こう。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音19・41エルサレムに近づき、都が見えたとき、イエスはその都のために泣いて、42言われた。「もしこの日に、お前も平和への道をわきまえていたなら……。しかし今は、それがお前には見えない。43やがて時が来て、敵が周りに堡塁を築き、お前を取り巻いて四方から攻め寄せ、44お前とそこにいるお前の子らを地にたたきつけ、お前の中の石を残らず崩してしまうだろう。それは、神の訪れてくださる時をわきまえなかったからである。」 |
|||
聖マリアの奉献 | 11月21日(金) | 記念日 | |
第一朗読①マカバイ4・36-37、52-59見よ、我らの敵は粉砕された。都に上り、聖所を清め、これを新たに奉献しよう。 マカバイ記その日、4・36ユダと兄弟たちは言った。「見よ、我らの敵は粉砕された。都に上り、聖所を清め、これを新たに奉献しよう。」37そこで全軍が集結し、シオンの山を目指して上って行った。 52第百四十八年の第九の月――キスレウの月――の二十五日に、彼らは朝早く起き、53焼き尽くす献げ物のための新しい祭壇の上に律法に従っていけにえを供えた。54異教徒が祭壇を汚したのと同じ日、同じ時に、歌と琴、竪琴とシンバルに合わせて、その日に祭壇を新たに奉献した。 55民は皆、地に顔を伏せて拝み、彼らを正しく導いてくださった方を天に向かってたたえた。56こうして祭壇の奉献を八日にわたって祝い、喜びをもって焼き尽くす献げ物をささげ、和解の献げ物と感謝の献げ物のいけにえを屠った。57彼らはまた神殿の正面を黄金の冠と小盾で飾り、門と祭司部屋を再建し、戸を取り付けた。58民の間には大きな喜びがあふれた。こうして異邦人から受けた恥辱は取り除かれたのである。 59ユダとその兄弟たち、およびイスラエルの全会衆はこの祭壇奉献の日を、以後毎年同じ時期、キスレウの月の二十五日から八日間、喜びと楽しみをもって祝うことにした。 答唱詩編詩編147・1+2、3+6栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。 詩編147147・1神をたたえ、賛美の歌をうたおう。 3神は失意の人々を支え、 福音朗読ルカ19・45-48アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、19・45イエスは神殿の境内に入り、そこで商売をしていた人々を追い出し始めて、46彼らに言われた。「こう書いてある。 47毎日、イエスは境内で教えておられた。祭司長、律法学者、民の指導者たちは、イエスを殺そうと謀ったが、48どうすることもできなかった。民衆が皆、夢中になってイエスの話に聞き入っていたからである。 |
|||
聖セシリア おとめ殉教者 | 11月22日(土) | 記念日 | |
第一朗読①マカバイ6・1-13見よ、わたしは大きな苦痛を負って、異郷にあって死ぬばかりである。 マカバイ記6・1アンティオコス王は、高地の国々を通過していたとき、豊富な金と銀で有名なエリマイスという町がペルシアにあることを耳にした。2その町の神殿は、驚くほど富んでいて、金の兜、胸当て、武器などがあったが、それはマケドニア人の王、フィリポスの子アレキサンドロスが残していったものである。このアレキサンドロスはギリシア人を統治した最初の人物である。3アンティオコスはその町の占領と略奪をもくろんで出陣したが、たくらみが事前に市民に漏れてしまったので、成功しなかった。4人々が彼に戦いを挑もうと立ち上がったからである。彼は恐れをなし、心を残しつつも、途中からくびすを返しバビロンへ戻ろうとした。5すると、ペルシアにいる彼のところに一人の男がやって来て、報告をもたらした。「ユダの地への派遣軍は敗走しました。6リシアスは最強の軍隊を率いて進軍しましたが、撃退されてしまいました。ユダヤ軍は、撃破した部隊から奪い取った多数の武器、装備、戦利品で軍を強化し、7王がエルサレムの祭壇にお建てになった『憎むべきもの』を引きずり下ろし、聖所を以前のように高い塀で囲み、王の町であったベトツルも同様に固めました。」 8この言葉を聞いて、王は愕然として激しく震えだし、寝台に倒れ、心痛のあまり病気になってしまった。事が思うようにならなかったからである。9激痛が繰り返し襲ったので、彼は何日もそこにとどまることを余儀なくされた。彼は死が迫っていることを悟った。10彼は友人全員を呼び寄せて言った。「眠りはわたしの目を離れ、心労のため精も根も尽き果てた。11わたしは自問した。『なぜこんなにひどい苦痛に遭わされ、大波にもまれなければならないのか。権力の座にあったときには、憐れみ深く、人々には愛されていたのに』と。12しかし今、エルサレムで犯した数々の悪行が思い出される。わたしは不当にも、その町の金銀の調度品全部をかすめ、ユダの住民を一掃するため兵を送った。13わたしには分かった。こうした不幸がわたしにふりかかったのは、このためなのだ。見よ、わたしは大きな苦痛を負って、異郷にあって死ぬばかりである。」 答唱詩編詩編66・1+2+4、7+8主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編6666・1すべての人よ、神に向かって喜びの声をあげよ。 7神は力を現してとこしえに治め、 福音朗読ルカ20・27-40アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、20・27復活があることを否定するサドカイ派の人々が何人か近寄って来て、イエスに尋ねた。28「先生、モーセはわたしたちのために書いています。『ある人の兄が妻をめとり、子がなくて死んだ場合、その弟は兄嫁と結婚して、兄の跡継ぎをもうけねばならない』と。29ところで、七人の兄弟がいました。長男が妻を迎えましたが、子がないまま死にました。30次男、31三男と次々にこの女を妻にしましたが、七人とも同じように子供を残さないで死にました。32最後にその女も死にました。33すると復活の時、その女はだれの妻になるのでしょうか。七人ともその女を妻にしたのです。」34イエスは言われた。「この世の子らはめとったり嫁いだりするが、35次の世に入って死者の中から復活するのにふさわしいとされた人々は、めとることも嫁ぐこともない。36この人たちは、もはや死ぬことがない。天使に等しい者であり、復活にあずかる者として、神の子だからである。37死者が復活することは、モーセも『柴』の個所で、主をアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神と呼んで、示している。38神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神なのだ。すべての人は、神によって生きているからである。」39そこで、律法学者の中には、「先生、立派なお答えです」と言う者もいた。40彼らは、もはや何もあえて尋ねようとはしなかった。 |
|||
王であるキリスト | 11月23日(日) | 年間 | |
第一朗読サムエル下5・1-3長老たちはダビデに油を注ぎ、イスラエルの王とした サムエル記その日、5・1イスラエルの全部族はヘブロンのダビデのもとに来てこう言った。「御覧ください。わたしたちはあなたの骨肉です。2これまで、サウルがわたしたちの王であったときにも、イスラエルの進退の指揮をとっておられたのはあなたでした。主はあなたに仰せになりました。『わが民イスラエルを牧するのはあなただ。あなたがイスラエルの指導者となる』と。」 3イスラエルの長老たちは全員、ヘブロンの王のもとに来た。ダビデ王はヘブロンで主の御前に彼らと契約を結んだ。長老たちはダビデに油を注ぎ、イスラエルの王とした。 答唱詩編詩編122・1+2、3+4ab、4cd+5わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。 詩編122122・1「神の家に行こう」と言われて、 3しげく連なる町、エルサレム、 4cdイスラエルのおきてに従い、 第二朗読コロサイ1・12-20御父は、わたしたちを愛する御子の支配下に移してくださった 使徒パウロのコロサイの教会への手紙皆さん、わたしたちは、1・12光の中にある聖なる者たちの相続分に、あなたがたがあずかれるようにしてくださった御父に感謝しています。13御父は、わたしたちを闇の力から救い出して、その愛する御子の支配下に移してくださいました。14わたしたちは、この御子によって、贖い、すなわち罪の赦しを得ているのです。15御子は、見えない神の姿であり、すべてのものが造られる前に生まれた方です。16天にあるものも地にあるものも、見えるものも見えないものも、王座も主権も、支配も権威も、万物は御子において造られたからです。つまり、万物は御子によって、御子のために造られました。17御子はすべてのものよりも先におられ、すべてのものは御子によって支えられています。18また、御子はその体である教会の頭です。御子は初めの者、死者の中から最初に生まれた方です。こうして、すべてのことにおいて第一の者となられたのです。19神は、御心のままに、満ちあふれるものを余すところなく御子の内に宿らせ、20その十字架の血によって平和を打ち立て、地にあるものであれ、天にあるものであれ、万物をただ御子によって、御自分と和解させられました。 福音朗読ルカ23・35-43アレルヤ、アレルヤ。主の名によって来られるかたに賛美。わたしたちの父、ダビドの国に祝福がありますように。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、23・35議員たちはイエスをあざ笑って言った。「他人を救ったのだ。もし神からのメシアで、選ばれた者なら、自分を救うがよい。」36兵士たちもイエスに近寄り、酸いぶどう酒を突きつけながら侮辱して、37言った。「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ。」38イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札も掲げてあった。 39十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」40すると、もう一人の方がたしなめた。「お前は神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。41我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」42そして、「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」と言った。43するとイエスは、「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と言われた。 |
|||
聖アンドレ・ドゥン・ラクと同志 殉教者 | 11月24日(月) | 記念日 | |
第一朗読ダニエル1・1-6、8-20この四人の少年は、知識と才能を神から恵まれた。 ダニエルの預言1・1ユダの王ヨヤキムが即位して三年目のことであった。バビロンの王ネブカドネツァルが攻めて来て、エルサレムを包囲した。2主は、ユダの王ヨヤキムと、エルサレム神殿の祭具の一部を彼の手中に落とされた。ネブカドネツァルはそれらをシンアルに引いて行き、祭具類は自分の神々の宝物倉に納めた。 3さて、ネブカドネツァル王は侍従長アシュペナズに命じて、イスラエル人の王族と貴族の中から、4体に難点がなく、容姿が美しく、何事にも才能と知恵があり、知識と理解力に富み、宮廷に仕える能力のある少年を何人か連れて来させ、カルデア人の言葉と文書を学ばせた。5王は、宮廷の肉類と酒を毎日彼らに与えるように定め、三年間養成してから自分に仕えさせることにした。 6この少年たちの中に、ユダ族出身のダニエル、ハナンヤ、ミシャエル、アザルヤの四人がいた。8ダニエルは宮廷の肉類と酒で自分を汚すまいと決心し、自分を汚すようなことはさせないでほしいと侍従長に願い出た。9神の御計らいによって、侍従長はダニエルに好意を示し、親切にした。10侍従長はダニエルに言った。 「わたしは王様が恐ろしい。王様御自身がお前たちの食べ物と飲み物をお定めになったのだから。同じ年ごろの少年に比べてお前たちの顔色が悪くなったら、お前たちのためにわたしの首が危うくなるではないか。」 11ダニエルは、侍従長が自分たち四人の世話係に定めた人に言った。 12「どうかわたしたちを十日間試してください。その間、食べる物は野菜だけ、飲む物は水だけにさせてください。13その後、わたしたちの顔色と、宮廷の肉類をいただいた少年の顔色をよくお比べになり、その上でお考えどおりにしてください。」 14世話係はこの願いを聞き入れ、十日間彼らを試した。15十日たってみると、彼らの顔色と健康は宮廷の食べ物を受けているどの少年よりも良かった。16それ以来、世話係は彼らに支給される肉類と酒を除いて、野菜だけ与えることにした。 17この四人の少年は、知識と才能を神から恵まれ、文書や知恵についてもすべて優れていて、特にダニエルはどのような幻も夢も解くことができた。18ネブカドネツァル王の定めた年数がたつと、侍従長は少年たちを王の前に連れて行った。19王は彼らと語り合ったが、このダニエル、ハナンヤ、ミシャエル、アザルヤと並ぶ者はほかにだれもいなかったので、この四人は王のそばに仕えることになった。20王は知恵と理解力を要する事柄があれば彼らに意見を求めたが、彼らは常に国中のどの占い師、祈祷師よりも十倍も優れていた。 答唱詩編ダニエル補遺・アザルヤ29、30+32神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。 ダニエル補遺・アザルヤ29わたしたちの先祖の神である主よ、あなたに賛美。 30あなたの栄光、聖なる神殿の中であなたに賛美。 福音朗読ルカ21・1-4アレルヤ、アレルヤ。目覚めて注意していなさい。人の子は思いがけない時に来る。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、21・1イエスは目を上げて、金持ちたちが賽銭箱に献金を入れるのを見ておられた。2そして、ある貧しいやもめがレプトン銅貨二枚を入れるのを見て、3言われた。「確かに言っておくが、この貧しいやもめは、だれよりもたくさん入れた。4あの金持ちたちは皆、有り余る中から献金したが、この人は、乏しい中から持っている生活費を全部入れたからである。」 |
|||
年間第34火曜日 | 11月25日(火) | 年間 | |
第一朗読ダニエル2・31-45王様、あなたは一つの像を御覧になりました。 ダニエルの預言その日、ダニエルはネブカドネツァル王に言った。2・31「王様、あなたは一つの像を御覧になりました。それは巨大で、異常に輝き、あなたの前に立ち、見るも恐ろしいものでした。32それは頭が純金、胸と腕が銀、腹と腿が青銅、33すねが鉄、足は一部が鉄、一部が陶土でできていました。34見ておられると、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と陶土の足を打ち砕きました。35鉄も陶土も、青銅も銀も金も共に砕け、夏の打穀場のもみ殻のようになり、風に吹き払われ、跡形もなくなりました。その像を打った石は大きな山となり、全地に広がったのです。36これが王様の御覧になった夢です。さて、その解釈をいたしましょう。 37王様、あなたはすべての王の王です。天の神はあなたに、国と権威と威力と威光を授け、38人間も野の獣も空の鳥も、どこに住んでいようとみなあなたの手にゆだね、このすべてを治めさせられました。すなわち、あなたがその金の頭なのです。39あなたのあとに他の国が興りますが、これはあなたに劣るもの。その次に興る第三の国は青銅で、全地を支配します。40第四の国は鉄のように強い。鉄はすべてを打ち砕きますが、あらゆるものを破壊する鉄のように、この国は破壊を重ねます。41足と足指は一部が陶工の用いる陶土、一部が鉄であるのを御覧になりましたが、そのようにこの国は分裂しています。鉄が柔らかい陶土と混じっているのを御覧になったように、この国には鉄の強さもあります。42足指は一部が鉄、一部が陶土です。すなわち、この国には強い部分もあれば、もろい部分もあるのです。43また、鉄が柔らかい陶土と混じり合っているのを御覧になったように、人々は婚姻によって混じり合います。しかし、鉄が陶土と溶け合うことがないように、ひとつになることはありません。44この王たちの時代に、天の神は一つの国を興されます。この国は永遠に滅びることなく、その主権は他の民の手に渡ることなく、すべての国を打ち滅ぼし、永遠に続きます。45山から人手によらず切り出された石が、鉄、青銅、陶土、銀、金を打つのを御覧になりましたが、それによって、偉大な神は引き続き起こることを王様にお知らせになったのです。この夢は確かであり、解釈もまちがいございません。」 答唱詩編ダニエル補遺・アザルヤ31+33、34+栄唱神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。 ダニエル補遺・アザルヤ31ケルビムの上に座し、すべての深みを見通されるあなたに賛美。 34造られたものはみな神を賛美し、 福音朗読ルカ21・5-11アレルヤ、アレルヤ。死に至るまで忠実でありなさい。わたしはあなたに命の冠を与えよう。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、21・5ある人たちが、神殿が見事な石と奉納物で飾られていることを話していると、イエスは言われた。6「あなたがたはこれらの物に見とれているが、一つの石も崩されずに他の石の上に残ることのない日が来る。」 7そこで、彼らはイエスに尋ねた。「先生、では、そのことはいつ起こるのですか。また、そのことが起こるときには、どんな徴があるのですか。」8イエスは言われた。「惑わされないように気をつけなさい。わたしの名を名乗る者が大勢現れ、『わたしがそれだ』とか、『時が近づいた』とか言うが、ついて行ってはならない。9戦争とか暴動のことを聞いても、おびえてはならない。こういうことがまず起こるに決まっているが、世の終わりはすぐには来ないからである。」10そして更に、言われた。「民は民に、国は国に敵対して立ち上がる。11そして、大きな地震があり、方々に飢饉や疫病が起こり、恐ろしい現象や著しい徴が天に現れる。」 |
|||
年間第34水曜日 | 11月26日(水) | 年間 | |
第一朗読ダニエル5・1-6、13-14、16-17、23-28神はあなたの治世を数えて、それを終わらせられた。 ダニエルの預言その日、5・1ベルシャツァル王は千人の貴族を招いて大宴会を開き、みんなで酒を飲んでいた。2宴も進んだころ、ベルシャツァルは、その父ネブカドネツァルがエルサレムの神殿から奪って来た金銀の祭具を持って来るように命じた。王や貴族、後宮の女たちがそれで酒を飲もうというのである。3そこで、エルサレムの神殿から奪って来た金銀の祭具が運び込まれ、王や貴族、後宮の女たちがそれで酒を飲み始めた。4こうして酒を飲みながら、彼らは金や銀、青銅、鉄、木や石などで造った神々をほめたたえた。 5その時、人の手の指が現れて、ともし火に照らされている王宮の白い壁に文字を書き始めた。王は書き進むその手先を見た。6王は恐怖にかられて顔色が変わり、腰が抜け、膝が震えた。 13そこで、ダニエルが王の前に召し出された。王は彼に言った。「父王がユダから捕らえ帰ったユダヤ人の捕囚の一人、ダニエルというのはお前か。14聞くところによると、お前は神々の霊を宿していて、すばらしい才能と特別な知恵を持っているそうだ。16お前はいろいろと解釈をしたり難問を解いたりする力を持つと聞いた。もしこの文字を読み、その意味を説明してくれたなら、お前に紫の衣を着せ、金の鎖を首にかけて、王国を治める者のうち第三の位を与えよう。」 17ダニエルは王に答えた。「贈り物など不要でございます。報酬はだれか他の者にお与えください。しかし、王様のためにその文字を読み、解釈をいたしましょう。23王様、あなたは天の主に逆らって、その神殿の祭具を持ち出させ、あなた御自身も、貴族も、後宮の女たちも皆、それで飲みながら、金や銀、青銅、鉄、木や石で造った神々、見ることも聞くこともできず、何も知らないその神々を、ほめたたえておられます。だが、あなたの命と行動の一切を手中に握っておられる神を畏れ敬おうとはなさらない。24そのために神は、あの手を遣わして文字を書かせたのです。25さて、書かれた文字はこうです。メネ、メネ、テケル、そして、パルシン。26意味はこうです。メネは数えるということで、すなわち、神はあなたの治世を数えて、それを終わらせられたのです。27テケルは量を計ることで、すなわち、あなたは秤にかけられ、不足と見られました。28パルシンは分けるということで、すなわち、あなたの王国は二分されて、メディアとペルシアに与えられるのです。」 答唱詩編詩編148・1+2、3+4いのちあるすベてのものは、神をたたえよ。 詩編148148・1天は神をたたえよ。 3太陽と月は神をたたえよ。 福音朗読ルカ21・12-19アレルヤ、アレルヤ。死に至るまで忠実でありなさい。わたしはあなたに命の冠を与えよう。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。21・12「人々はあなたがたに手を下して迫害し、会堂や牢に引き渡し、わたしの名のために王や総督の前に引っ張って行く。13それはあなたがたにとって証しをする機会となる。14だから、前もって弁明の準備をするまいと、心に決めなさい。15どんな反対者でも、対抗も反論もできないような言葉と知恵を、わたしがあなたがたに授けるからである。16あなたがたは親、兄弟、親族、友人にまで裏切られる。中には殺される者もいる。17また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。18しかし、あなたがたの髪の毛の一本も決してなくならない。19忍耐によって、あなたがたは命をかち取りなさい。」 |
|||
年間第34木曜日 | 11月27日(木) | 年間 | |
第一朗読ダニエル6・12-28この神は救い主、助け主。天にも地にも、不思議な御業を行い、ダニエルを獅子の力から救われた。 ダニエルの預言その日、6・12役人たちはやって来て、ダニエルがその神に祈り求めているのを見届け、13王の前に進み出、禁令を引き合いに出してこう言った。「王様、向こう三十日間、王様を差し置いて他の人間や神に願い事をする者があれば、獅子の洞窟に投げ込まれるという勅令に署名をなさったのではございませんか。」王は答えた。「そのとおりだ。メディアとペルシアの法律は廃棄されることはない。」14彼らは王に言った。「王様、ユダヤからの捕囚の一人ダニエルは、あなたさまをも、署名なさったその禁令をも無視して、日に三度祈りをささげています。」15王はこれを聞いてたいそう悩み、なんとかダニエルを助ける方法はないものかと心を砕き、救おうとして日の暮れるまで努力した。16役人たちは王のもとに来て言った。「王様、ご存じのとおり、メディアとペルシアの法律によれば、王による勅令や禁令は一切変更してはならないことになっております。」17それで王は命令を下し、ダニエルは獅子の洞窟に投げ込まれることになって引き出された。王は彼に言った。「お前がいつも拝んでいる神がお前を救ってくださるように。」18一つの石が洞窟の入り口に置かれ、王は自分の印と貴族たちの印で封をし、ダニエルに対する処置に変更がないようにした。 19王は宮殿に帰ったが、その夜は食を断ち、側女も近寄らせず、眠れずに過ごし、20夜が明けるやいなや、急いで獅子の洞窟へ行った。21洞窟に近づくと、王は不安に満ちた声をあげて、ダニエルに呼びかけた。「ダニエル、ダニエル、生ける神の僕よ、お前がいつも拝んでいる神は、獅子からお前を救い出す力があったか。」22ダニエルは王に答えた。「王様がとこしえまでも生き永らえられますように。23神様が天使を送って獅子の口を閉ざしてくださいましたので、わたしはなんの危害も受けませんでした。神様に対するわたしの無実が認められたのです。そして王様、あなたさまに対しても、背いたことはございません。」24王はたいそう喜んで、ダニエルを洞窟から引き出すように命じた。ダニエルは引き出されたが、その身に何の害も受けていなかった。神を信頼していたからである。25王は命令を下して、ダニエルを陥れようとした者たちを引き出させ、妻子もろとも獅子の洞窟に投げ込ませた。穴の底にも達しないうちに、獅子は彼らに飛びかかり、骨までもかみ砕いた。 26ダレイオス王は、全地に住む諸国、諸族、諸言語の人々に、次のように書き送った。「いっそうの繁栄を願って挨拶を送る。27わたしは以下のとおりに定める。この王国全域において、すべての民はダニエルの神を恐れかしこまなければならない。 答唱詩編詩編148・7+8、9+10いのちあるすベてのものは、神をたたえよ。 詩編148148・7地にあるものは神をたたえよ。 9山と丘は神をたたえよ。 福音朗読ルカ21・20-28アレルヤ、アレルヤ。恐れずに頭を上げなさい。あなたがたの救いは近づいている。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。21・20「エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、その滅亡が近づいたことを悟りなさい。21そのとき、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。都の中にいる人々は、そこから立ち退きなさい。田舎にいる人々は都に入ってはならない。22書かれていることがことごとく実現する報復の日だからである。23それらの日には、身重の女と乳飲み子を持つ女は不幸だ。この地には大きな苦しみがあり、この民には神の怒りが下るからである。24人々は剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれる。異邦人の時代が完了するまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされる。」 25「それから、太陽と月と星に徴が現れる。地上では海がどよめき荒れ狂うので、諸国の民は、なすすべを知らず、不安に陥る。26人々は、この世界に何が起こるのかとおびえ、恐ろしさのあまり気を失うだろう。天体が揺り動かされるからである。27そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。28このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの解放の時が近いからだ。」 |
|||
年間第34金曜日 | 11月28日(金) | 年間 | |
第一朗読ダニエル7・2-14諸国、諸族、諸言語の民は皆、彼に仕え、彼の支配はとこしえに続き、その統治は滅びることがない。 ダニエルの預言7・2ある夜、わたしは幻を見た。見よ、天の四方から風が起こって、大海を波立たせた。3すると、その海から四頭の大きな獣が現れた。それぞれ形が異なり、4第一のものは獅子のようであったが、鷲の翼が生えていた。見ていると、翼は引き抜かれ、地面から起き上がらされて人間のようにその足で立ち、人間の心が与えられた。5第二の獣は熊のようで、横ざまに寝て、三本の肋骨を口にくわえていた。これに向かって、「立て、多くの肉を食らえ」という声がした。6次に見えたのはまた別の獣で、豹のようであった。背には鳥の翼が四つあり、頭も四つあって、権力がこの獣に与えられた。7この夜の幻で更に続けて見たものは、第四の獣で、ものすごく、恐ろしく、非常に強く、巨大な鉄の歯を持ち、食らい、かみ砕き、残りを足で踏みにじった。他の獣と異なって、これには十本の角があった。8その角を眺めていると、もう一本の小さな角が生えてきて、先の角のうち三本はそのために引き抜かれてしまった。この小さな角には人間のように目があり、また、口もあって尊大なことを語っていた。9なお見ていると、 11さて、その間にもこの角は尊大なことを語り続けていたが、ついにその獣は殺され、死体は破壊されて燃え盛る火に投げ込まれた。12他の獣は権力を奪われたが、それぞれの定めの時まで生かしておかれた。 13夜の幻をなお見ていると、 答唱詩編詩編148・11+12、13+14いのちあるすベてのものは、神をたたえよ。 詩編148148・11地を治める王、すべての民は神をたたえよ。 13すべての者は神の名をたたえよ。 福音朗読ルカ21・29-33アレルヤ、アレルヤ。恐れずに頭を上げなさい。あなたがたの救いは近づいている。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに21・29たとえを話された。「いちじくの木や、ほかのすべての木を見なさい。30葉が出始めると、それを見て、既に夏の近づいたことがおのずと分かる。31それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、神の国が近づいていると悟りなさい。32はっきり言っておく。すべてのことが起こるまでは、この時代は決して滅びない。33天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」 |
|||
年間第34土曜日 | 11月29日(土) | 年間 | |
第一朗読ダニエル7・15-27その国はとこしえに続き、支配者はすべて、彼らに仕え、彼らに従う。 ダニエルの預言7・15わたしダニエルは大いに憂い、頭に浮かんだこの幻に悩まされた。16そこに立っている人の一人に近づいてこれらのことの意味を尋ねると、彼はそれを説明し、解釈してくれた。17「これら四頭の大きな獣は、地上に起ころうとする四人の王である。18しかし、いと高き者の聖者らが王権を受け、王国をとこしえに治めるであろう。」19更にわたしは、第四の獣について知りたいと思った。これは他の獣と異なって、非常に恐ろしく、鉄の歯と青銅のつめをもち、食らい、かみ砕き、残りを足で踏みにじったものである。20その頭には十本の角があり、更に一本の角が生え出たので、十本の角のうち三本が抜け落ちた。その角には目があり、また、口もあって尊大なことを語った。これは、他の角よりも大きく見えた。21見ていると、この角は聖者らと闘って勝ったが、22やがて、「日の老いたる者」が進み出て裁きを行い、いと高き者の聖者らが勝ち、時が来て王権を受けたのである。 23さて、その人はこう言った。 答唱詩編ダニエル補遺・アザルヤ29、34+栄唱神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。 ダニエル補遺・アザルヤ29わたしたちの先祖の神である主よ、あなたに賛美。 34造られたものはみな神を賛美し、 福音朗読ルカ21・34-36アレルヤ、アレルヤ。目覚めていつも祈ってください、人の子の前にふさわしく立つことができるように。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。21・34「放縦や深酒や生活の煩いで、心が鈍くならないように注意しなさい。さもないと、その日が不意に罠のようにあなたがたを襲うことになる。35その日は、地の表のあらゆる所に住む人々すべてに襲いかかるからである。36しかし、あなたがたは、起ころうとしているこれらすべてのことから逃れて、人の子の前に立つことができるように、いつも目を覚まして祈りなさい。」 |
|||
待降節第1主日 | 11月30日(日) | 待降節 | |
第一朗読イザヤ2・1-5神はすべての民を御国の永遠の平和に招かれる。 イザヤの預言2・1アモツの子イザヤが、ユダとエルサレムについて幻に見たこと。 答唱詩編<span class=わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。 詩編122122・1「神の家に行こう」と言われて、 3しげく連なる町、エルサレム、 8わたしの兄弟、わたしの友のために、 第二朗読ローマ13・11-14a救いは近づいている。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、13・11あなたがたは今がどんな時であるかを知っています。あなたがたが眠りから覚めるべき時が既に来ています。今や、わたしたちが信仰に入ったころよりも、救いは近づいているからです。12夜は更け、日は近づいた。だから、闇の行いを脱ぎ捨てて光の武具を身に着けましょう。13日中を歩むように、品位をもって歩もうではありませんか。酒宴と酩酊、淫乱と好色、争いとねたみを捨て、14a主イエス・キリストを身にまといなさい。 福音朗読マタイ24・37-44アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたの慈しみを示し、救いをお与えください。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、24・37イエスは弟子たちに言われた。「人の子が来るのは、ノアの時と同じである。38洪水になる前は、ノアが箱舟に入るその日まで、人々は食べたり飲んだり、めとったり嫁いだりしていた。39そして、洪水が襲って来て一人残らずさらうまで、何も気がつかなかった。人の子が来る場合も、このようである。40そのとき、畑に二人の男がいれば、一人は連れて行かれ、もう一人は残される。41二人の女が臼をひいていれば、一人は連れて行かれ、もう一人は残される。42だから、目を覚ましていなさい。いつの日、自分の主が帰って来られるのか、あなたがたには分からないからである。43このことをわきまえていなさい。家の主人は、泥棒が夜のいつごろやって来るかを知っていたら、目を覚ましていて、みすみす自分の家に押し入らせはしないだろう。44だから、あなたがたも用意していなさい。人の子は思いがけない時に来るからである。」 |
|||
12月 | |||
待降節第1月曜日 | 12月1日(月) | 待降節 | |
第一朗読イザヤ4・2-6エルサレムの将来の栄光 イザヤの預言4・2その日には、イスラエルの生き残った者にとって主の若枝は麗しさとなり、栄光となる。この地の結んだ実は誇りとなり、輝きとなる。3そしてシオンの残りの者、エルサレムの残された者は、聖なる者と呼ばれる。彼らはすべて、エルサレムで命を得る者として書き記されている。4主は必ず、裁きの霊と焼き尽くす霊をもってシオンの娘たちの汚れを洗い、エルサレムの血をその中からすすぎ清めてくださる。5主は、昼のためには雲、夜のためには煙と燃えて輝く火を造って、シオンの山の全域とそこで行われる集会を覆われる。それはそのすべてを覆う栄光に満ちた天蓋となる。6昼の暑さを防ぐ陰、嵐と雨を避ける隠れ場として、仮庵が建てられる。 答唱詩編典16312詩編122・1+2、3+4ab喜びに心をはずませ、神の家に行こう。 詩編122122・1「神の家に行こう」と言われて、 3しげく連なる町、エルサレム、 福音朗読マタイ8・5-11アレルヤ、アレルヤ。主なる神よ、み顔を示し、わたしたちを救いに来てください。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音8・5そのとき、イエスがカファルナウムに入られると、一人の百人隊長が近づいて来て懇願し、6「主よ、わたしの僕が中風で家に寝込んで、ひどく苦しんでいます」と言った。7そこでイエスは、「わたしが行って、いやしてあげよう」と言われた。8すると、百人隊長は答えた。「主よ、わたしはあなたを自分の屋根の下にお迎えできるような者ではありません。ただ、ひと言おっしゃってください。そうすれば、わたしの僕はいやされます。9わたしも権威の下にある者ですが、わたしの下には兵隊がおり、一人に『行け』と言えば行きますし、他の一人に『来い』と言えば来ます。また、部下に『これをしろ』と言えば、そのとおりにします。」10イエスはこれを聞いて感心し、従っていた人々に言われた。「はっきり言っておく。イスラエルの中でさえ、わたしはこれほどの信仰を見たことがない。11言っておくが、いつか、東や西から大勢の人が来て、天の国でアブラハム、イサク、ヤコブと共に宴会の席に着く。」 |
|||
待降節第1火曜日 | 12月2日(火) | 待降節 | |
第一朗読イザヤ11・1-10彼は弱い人のために正当な裁きを行う。 イザヤの預言その日、 6狼は小羊と共に宿り 答唱詩編詩編72・12+13、17神はすべてのものを治め、偉大な力に満ちておられる。 詩編7272・12王は助けを求める乏しい人と 17王の名は世々に及び、 福音朗読ルカ10・21-24アレルヤ、アレルヤ。主は力強く来られ、しもべの目を開かれる。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音10・21そのとき、イエスは聖霊によって喜びにあふれて言われた。「天地の主である父よ、あなたをほめたたえます。これらのことを知恵ある者や賢い者には隠して、幼子のような者にお示しになりました。そうです、父よ、これは御心に適うことでした。22すべてのことは、父からわたしに任せられています。父のほかに、子がどういう者であるかを知る者はなく、父がどういう方であるかを知る者は、子と、子が示そうと思う者のほかには、だれもいません。」23それから、イエスは弟子たちの方を振り向いて、彼らだけに言われた。「あなたがたの見ているものを見る目は幸いだ。24言っておくが、多くの預言者や王たちは、あなたがたが見ているものを見たかったが、見ることができず、あなたがたが聞いているものを聞きたかったが、聞けなかったのである。」 |
|||
日本宣教の保護者・聖フランシスコ・ザビエル司祭 | 12月3日(水) | 聖人の記念 | |
第一朗読①コリント9・16-19、22-23福音を告げ知らせないなら、わたしは不幸である。 使徒パウロのコリントの教会への手紙皆さん、9・16わたしが福音を告げ知らせても、それはわたしの誇りにはなりません。そうせずにはいられないことだからです。福音を告げ知らせないなら、わたしは不幸なのです。17自分からそうしているなら、報酬を得るでしょう。しかし、強いられてするなら、それは、ゆだねられている務めなのです。18では、わたしの報酬とは何でしょうか。それは、福音を告げ知らせるときにそれを無報酬で伝え、福音を伝えるわたしが当然持っている権利を用いないということです。 19わたしは、だれに対しても自由な者ですが、すべての人の奴隷になりました。できるだけ多くの人を得るためです。22弱い人に対しては、弱い人のようになりました。弱い人を得るためです。すべての人に対してすべてのものになりました。何とかして何人かでも救うためです。23福音のためなら、わたしはどんなことでもします。それは、わたしが福音に共にあずかる者となるためです。 答唱詩編典14812詩編96・1+2、3+4遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9696・1新しい歌を神にうたえ。 3すべての国にその栄光をかたり、 福音朗読マルコ16・15-20アレルヤ、アレルヤ。全世界に行き、全ての人をわたしの弟子にしなさい。わたしは、世の終わりまでいつもあなたがたとともにいる。アレルヤ、アレルヤ。 マルコによる福音そのとき、イエスは十一人の弟子に現れて、16・15言われた。「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。16信じて洗礼を受ける者は救われるが、信じない者は滅びの宣告を受ける。17信じる者には次のようなしるしが伴う。彼らはわたしの名によって悪霊を追い出し、新しい言葉を語る。18手で蛇をつかみ、また、毒を飲んでも決して害を受けず、病人に手を置けば治る。」 19主イエスは、弟子たちに話した後、天に上げられ、神の右の座に着かれた。20一方、弟子たちは出かけて行って、至るところで宣教した。主は彼らと共に働き、彼らの語る言葉が真実であることを、それに伴うしるしによってはっきりとお示しになった。 |
|||
待降節第1木曜日 | 12月4日(木) | 待降節 | |
第一朗読イザヤ26・1-6勝利の歌 イザヤの預言26・1その日には、ユダの地でこの歌がうたわれる。 答唱詩編典17234詩編100・4、5わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。 詩編100100・4感謝に満ちて門をくぐり、 5神はいつくしみ深く、 福音朗読マタイ7・21、24-27アレルヤ、アレルヤ。見いだせるうちに主を尋ね、近くにおられる主に願え。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。7・21「わたしに向かって、『主よ、主よ』と言う者が皆、天の国に入るわけではない。わたしの天の父の御心を行う者だけが入るのである。 24そこで、わたしのこれらの言葉を聞いて行う者は皆、岩の上に自分の家を建てた賢い人に似ている。25雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家を襲っても、倒れなかった。岩を土台としていたからである。26わたしのこれらの言葉を聞くだけで行わない者は皆、砂の上に家を建てた愚かな人に似ている。27雨が降り、川があふれ、風が吹いてその家に襲いかかると、倒れて、その倒れ方がひどかった。」 |
|||
待降節第1金曜日 | 12月5日(金) | 待降節 | |
第一朗読イザヤ29・17-24イスラエルの回復 イザヤの預言主は言われる。 22それゆえ、アブラハムを贖われた主はヤコブの家に向かって、こう言われる。 答唱詩編典7316詩編27・1、13+14神よ、あなたの顔の光を、わたしたちの上に照らしてください。 詩編2727・1神はわたしの光、わたしの救い、 13神に生きる人々の中で 福音朗読マタイ9・27-31アレルヤ、アレルヤ。主は力強く来られ、しもべの目を開かれる。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、9・27イエスがそこからお出かけになると、二人の盲人が叫んで、「ダビデの子よ、わたしたちを憐れんでください」と言いながらついて来た。28イエスが家に入ると、盲人たちがそばに寄って来たので、「わたしにできると信じるのか」と言われた。二人は、「はい、主よ」と言った。29そこで、イエスが二人の目に触り、「あなたがたの信じているとおりになるように」と言われると、30二人は目が見えるようになった。イエスは、「このことは、だれにも知らせてはいけない」と彼らに厳しくお命じになった。31しかし、二人は外へ出ると、その地方一帯にイエスのことを言い広めた。 |
|||
待降節第1土曜日 | 12月6日(土) | 待降節 | |
第一朗読イザヤ30・19-21、23-26救いのとき イザヤの預言イスラエルの聖なる神、主は言われる。 答唱詩編典14713詩編147・1+2、3+6栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。 詩編147147・1神をたたえ、賛美の歌をうたおう。 3神は失意の人々を支え、 福音朗読マタイ9・35-10・1、5a、6-8アレルヤ、アレルヤ。あなはわたしたちをさばき、おきてを与え、支配される主なる神。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、9・35イエスは町や村を残らず回って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、ありとあらゆる病気や患いをいやされた。36また、群衆が飼い主のいない羊のように弱り果て、打ちひしがれているのを見て、深く憐れまれた。37そこで、弟子たちに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。38だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい。」 10・1イエスは十二人の弟子を呼び寄せ、汚れた霊に対する権能をお授けになった。汚れた霊を追い出し、あらゆる病気や患いをいやすためであった。 5イエスはこの十二人を派遣するにあたり、次のように命じられた。 6「イスラエルの家の失われた羊のところへ行きなさい。7行って、『天の国は近づいた』と宣べ伝えなさい。8病人をいやし、死者を生き返らせ、重い皮膚病を患っている人を清くし、悪霊を追い払いなさい。ただで受けたのだから、ただで与えなさい。」 |
|||
待降節第2主日 | 12月7日(日) | 待降節 | |
第一朗読イザヤ11・1-10彼は弱い人のために正当な裁きを行う。 イザヤの預言その日、 6狼は小羊と共に宿り豹は子山羊と共に伏す。 答唱詩編典136124詩編72・2+4、7+8、12+13すべての王はあなたの前にひざをかがめ、すべての国はあなたに仕える。 詩編7272・2主は正義に満ちて民を治め、 7主が治められる世には正義が栄え、 12主は助けを求める名もない人と、 第ニ朗読ローマ15・4-9キリストはすべての入を救われる。 使徒パウロのローマの教会への手紙皆さん、15・4かつて書かれた事柄は、すべてわたしたちを教え導くためのものです。それでわたしたちは、聖書から忍耐と慰めを学んで希望を持ち続けることができるのです。5忍耐と慰めの源である神が、あなたがたに、キリスト・イエスに倣って互いに同じ思いを抱かせ、6心を合わせ声をそろえて、わたしたちの主イエス・キリストの神であり、父である方をたたえさせてくださいますように。 7だから、神の栄光のためにキリストがあなたがたを受け入れてくださったように、あなたがたも互いに相手を受け入れなさい。8わたしは言う。キリストは神の真実を現すために、割礼ある者たちに仕える者となられたのです。それは、先祖たちに対する約束を確証されるためであり、9異邦人が神をその憐れみのゆえにたたえるようになるためです。 「そのため、わたしは異邦人の中であなたをたたえ、 福音朗読マタイ3・1-12アレルヤ、アレルヤ。主の道を整え、その小道を整えよ。すべての人は神の救いを見る。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音3・1そのころ、洗礼者ヨハネが現れて、ユダヤの荒れ野で宣べ伝え、2「悔い改めよ。天の国は近づいた」と言った。3これは預言者イザヤによってこう言われている人である。 7ヨハネは、ファリサイ派やサドカイ派の人々が大勢、洗礼を受けに来たのを見て、こう言った。「蝮の子らよ、差し迫った神の怒りを免れると、だれが教えたのか。8悔い改めにふさわしい実を結べ。9『我々の父はアブラハムだ』などと思ってもみるな。言っておくが、神はこんな石からでも、アブラハムの子たちを造り出すことがおできになる。10斧は既に木の根元に置かれている。良い実を結ばない木はみな、切り倒されて火に投げ込まれる。11わたしは、悔い改めに導くために、あなたたちに水で洗礼を授けているが、わたしの後から来る方は、わたしよりも優れておられる。わたしは、その履物をお脱がせする値打ちもない。その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる。12そして、手に箕を持って、脱穀場を隅々まできれいにし、麦を集めて倉に入れ、殻を消えることのない火で焼き払われる。」 |
|||
無原罪の聖マリア | 12月8日(月) | 聖人の記念 | |
第一朗読創世記3・9-15、20お前の子孫と女の子孫の間に、わたしは敵意を置く。 創世記アダムが木の実を食べた後に、3・9主なる神は彼を呼ばれた。 20アダムは女をエバ(命)と名付けた。彼女がすべて命あるものの母となったからである。 答唱詩編典14913詩編98・1、4+5遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・1新しい歌を神にうたえ。 4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、 第二朗読エフェソ1・3-6、11-12天地創造の前に、神はわたしたちをキリストにおいてお選びになった。 使徒パウロのエフェソの教会への手紙1・3わたしたちの主イエス・キリストの父である神は、ほめたたえられますように。神は、わたしたちをキリストにおいて、天のあらゆる霊的な祝福で満たしてくださいました。4天地創造の前に、神はわたしたちを愛して、御自分の前で聖なる者、汚れのない者にしようと、キリストにおいてお選びになりました。5イエス・キリストによって神の子にしようと、御心のままに前もってお定めになったのです。6神がその愛する御子によって与えてくださった輝かしい恵みを、わたしたちがたたえるためです。11キリストにおいてわたしたちは、御心のままにすべてのことを行われる方の御計画によって前もって定められ、約束されたものの相続者とされました。12それは、以前からキリストに希望を置いていたわたしたちが、神の栄光をたたえるためです。 福音朗読ルカ1・26-38アレルヤ、アレルヤ。喜びなさい、恵まれたかたマリア、主はあなたとともに。あなたは女のうちで祝福されたかた。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、1・26天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。27ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。そのおとめの名はマリアといった。28天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」29マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。30すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。31あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。32その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。33彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」34マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」35天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。36あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。37神にできないことは何一つない。」38マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は去って行った。 |
|||
待降節第2火曜日 | 12月9日(火) | 待降節 | |
第一朗読イザヤ40・1-11帰還の約束 イザヤの預言40・1慰めよ、わたしの民を慰めよ 3呼びかける声がある。主のために、荒れ野に道を備え 6呼びかけよ、と声は言う。 9高い山に登れ 答唱詩編典14814詩編96・1+2、11+12遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9696・1新しい歌を神にうたえ。 11天地は喜びにあふれ、 福音朗読マタイ18・12-14アレルヤ、アレルヤ。主の日は近い。主はわたしたちを救いに来られる。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。18・12「あなたがたはどう思うか。ある人が羊を百匹持っていて、その一匹が迷い出たとすれば、九十九匹を山に残しておいて、迷い出た一匹を捜しに行かないだろうか。13はっきり言っておくが、もし、それを見つけたら、迷わずにいた九十九匹より、その一匹のことを喜ぶだろう。14そのように、これらの小さな者が一人でも滅びることは、あなたがたの天の父の御心ではない。」 |
|||
待降節第2水曜日 | 12月10日(水) | 待降節 | |
第一朗読イザヤ40・25-31創造と贖いの神 イザヤの預言40・25お前たちはわたしを誰に似せ 27ヤコブよ、なぜ言うのか 答唱詩編典9313詩編103・3+4、8+13心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。 詩編103103・3神はわたしの罪をゆるし、 8神は恵み豊かにあわれみ深く、 福音朗読マタイ11・28-30アレルヤ、アレルヤ。主はその民を救いに来られる。用意して主を迎える者は幸い。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは言われた。11・28「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。29わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる。30わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである。」 |
|||
待降節第2木曜日 | 12月11日(木) | 待降節 | |
第一朗読イザヤ41・13-20諸国民の審判 イザヤの預言41・13わたしは主、あなたの神。 17苦しむ人、貧しい人は水を求めても得ず 答唱詩編典6312詩編145・7+9、10+11神は恵みとあわれみに満ち、怒るに遅く、いつくしみ深い。 詩編145145・7あなたの豊かな恵みを思い、 10神よ、造られたすべてのものはあなたをたたえ、 福音朗読マタイ11・11-15アレルヤ、アレルヤ。天は雨を降らし、雲は義人を降らせよ。大地は開き、救い主が生まれる。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは人々に言われた。11・11「はっきり言っておく。およそ女から生まれた者のうち、洗礼者ヨハネより偉大な者は現れなかった。しかし、天の国で最も小さな者でも、彼よりは偉大である。12彼が活動し始めたときから今に至るまで、天の国は力ずくで襲われており、激しく襲う者がそれを奪い取ろうとしている。13すべての預言者と律法が預言したのは、ヨハネの時までである。14あなたがたが認めようとすれば分かることだが、実は、彼は現れるはずのエリヤである。15耳のある者は聞きなさい。」 |
|||
待降節第2金曜日 | 12月12日(金) | 待降節 | |
第一朗読イザヤ48・17-19あなたの平和は大河のように イザヤの預言48・17イスラエルの聖なる神 答唱詩編典15312詩編1・1ac+2、3流れのほとりの木のように、神に従う人は実を結ぶ。 詩編11・1acしあわせな人、 3流れのほとりに植えられた木が、 福音朗読マタイ11・16-19アレルヤ、アレルヤ。主は来られる。平和の王である主を迎えよう。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは人々に言われた。11・16「今の時代を何にたとえたらよいか。広場に座って、ほかの者にこう呼びかけている子供たちに似ている。 |
|||
聖ルチアおとめ 殉教者 | 12月13日(土) | 記念日 | |
第一朗読シラ書48・1-4、9-11彼の言葉は松明のように燃えていた。 シラ書そのころ、48・1火のような預言者エリヤが登場した。 答唱詩編典8056詩編80・15+16、18+19神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。 詩編8080・15すべてを治める神よ、あなたの目を注いで、 18あなたの手はあなたの右腕である人の上に、 福音朗読マタイ17・10-13アレルヤ、アレルヤ。主の道を整え、その小道を整えよ。すべての人は神の救いを見る。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音山を下りるとき、弟子たちは17・10イエスに、「なぜ、律法学者は、まずエリヤが来るはずだと言っているのでしょうか」と尋ねた。11イエスはお答えになった。「確かにエリヤが来て、すべてを元どおりにする。12言っておくが、エリヤは既に来たのだ。人々は彼を認めず、好きなようにあしらったのである。人の子も、そのように人々から苦しめられることになる。」13そのとき、弟子たちは、イエスが洗礼者ヨハネのことを言われたのだと悟った。 |
|||
待降節第3主日 | 12月14日(日) | 待降節 | |
第一朗読イザヤ35・1-6a、10神は来て、あなたたちを救われる。 イザヤの預言35・1荒れ野よ、荒れ地よ、喜び躍れ、 3弱った手に力を込め、よろめく膝を強くせよ。 5そのとき、見えない人の目が開き、 10主に贖われた人々は帰って来る。 答唱詩編詩編146・1+2+10a、6c+7、8ac+9bcいのちあるすべてのものは、神をたたえよ。 詩編146146・1心を尽くして神をたたえよ。 6c神はとこしえにまことをしめし、 8ac神は見えない人の目をひらき、 第二朗読ヤコブ5・7-10心を固く保ちなさい。主が来られる時が迫っているからである。 使徒ヤコブの手紙5・7兄弟たち、主が来られるときまで忍耐しなさい。農夫は、秋の雨と春の雨が降るまで忍耐しながら、大地の尊い実りを待つのです。8あなたがたも忍耐しなさい。心を固く保ちなさい。主が来られる時が迫っているからです。9兄弟たち、裁きを受けないようにするためには、互いに不平を言わぬことです。裁く方が戸口に立っておられます。10兄弟たち、主の名によって語った預言者たちを、辛抱と忍耐の模範としなさい。 福音朗読マタイ11・2-11アレルヤ、アレルヤ。神の霊はわたしの上にある。貧しい人に福音を告げるため、神はわたしを選ばれた。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、11・2ヨハネは牢の中で、キリストのなさったことを聞いた。そこで、自分の弟子たちを送って、3尋ねさせた。「来るべき方は、あなたでしょうか。それとも、ほかの方を待たなければなりませんか。」4イエスはお答えになった。「行って、見聞きしていることをヨハネに伝えなさい。5目の見えない人は見え、足の不自由な人は歩き、重い皮膚病を患っている人は清くなり、耳の聞こえない人は聞こえ、死者は生き返り、貧しい人は福音を告げ知らされている。6わたしにつまずかない人は幸いである。」7ヨハネの弟子たちが帰ると、イエスは群衆にヨハネについて話し始められた。「あなたがたは、何を見に荒れ野へ行ったのか。風にそよぐ葦か。8では、何を見に行ったのか。しなやかな服を着た人か。しなやかな服を着た人なら王宮にいる。9では、何を見に行ったのか。預言者か。そうだ。言っておく。預言者以上の者である。10『見よ、わたしはあなたより先に使者を遣わし、あなたの前に道を準備させよう』と書いてあるのは、この人のことだ。11はっきり言っておく。およそ女から生まれた者のうち、洗礼者ヨハネより偉大な者は現れなかった。しかし、天の国で最も小さな者でも、彼よりは偉大である。」 |
|||
待降節第3月曜日 | 12月15日(月) | 待降節 | |
第一朗読民数記24・2-7、15-17ひとつの星がヤコブから進み出る。 民数記その日、24・2バラムは目を凝らして、イスラエルが部族ごとに宿営しているのを見渡した。神の霊がそのとき、彼に臨んだ。3彼はこの託宣を述べた。 15そして彼はさらにこの託宣を述べた。 答唱詩編典13712詩編25・4+5a、8+9すべての人の救いを願い、わたしはあなたを待ち望む。 詩編2525・4神よ、あなたの道を示し、 8神は憐れみ深く正義に満ち、 福音朗読マタイ21・23-27アレルヤ、アレルヤ。主よ、あなたの慈しみを示し、救いをお与えください。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、21・23イエスが神殿の境内に入って教えておられると、祭司長や民の長老たちが近寄って来て言った。「何の権威でこのようなことをしているのか。だれがその権威を与えたのか。」24イエスはお答えになった。「では、わたしも一つ尋ねる。それに答えるなら、わたしも、何の権威でこのようなことをするのか、あなたたちに言おう。25ヨハネの洗礼はどこからのものだったか。天からのものか、それとも、人からのものか。」彼らは論じ合った。「『天からのものだ』と言えば、『では、なぜヨハネを信じなかったのか』と我々に言うだろう。26『人からのものだ』と言えば、群衆が怖い。皆がヨハネを預言者と思っているから。」27そこで、彼らはイエスに、「分からない」と答えた。すると、イエスも言われた。「それなら、何の権威でこのようなことをするのか、わたしも言うまい。」 |
|||
待降節第3火曜日 | 12月16日(火) | 待降節 | |
第一朗読ゼファニア3・1-2、9-13エルサレムの罪と贖い ゼファニアの預言主は言われる。 9その後、わたしは諸国の民に 答唱詩編典12816詩編34・2+3、19+23主を仰ぎ見て、光を受けよう。主が訪れる人の顔は輝く。 詩編3434・2主をたたえよう、 19主はしいたげにあう者のそばにおられ、 福音朗読マタイ21・28-32アレルヤ、アレルヤ。主よ、来てください。遅れずに、あなたの民の悪事をとめてください。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは祭司長や民の長老たちに言われた。21・28「ところで、あなたたちはどう思うか。ある人に息子が二人いたが、彼は兄のところへ行き、『子よ、今日、ぶどう園へ行って働きなさい』と言った。29兄は『いやです』と答えたが、後で考え直して出かけた。30弟のところへも行って、同じことを言うと、弟は『お父さん、承知しました』と答えたが、出かけなかった。31この二人のうち、どちらが父親の望みどおりにしたか。」彼らが「兄の方です」と言うと、イエスは言われた。「はっきり言っておく。徴税人や娼婦たちの方が、あなたたちより先に神の国に入るだろう。32なぜなら、ヨハネが来て義の道を示したのに、あなたたちは彼を信ぜず、徴税人や娼婦たちは信じたからだ。あなたたちはそれを見ても、後で考え直して彼を信じようとしなかった。」 |
|||
待降節・12月17日 | 12月17日(水) | 待降節 | |
第一朗読創世記49・1-2、8-10ヤコブの祝福 創世記その日、49・1ヤコブは息子たちを呼び寄せて言った。 「集まりなさい。わたしは後の日にお前たちに起こることを語っておきたい。 2ヤコブの息子たちよ、集まって耳を傾けよ。 8ユダよ、あなたは兄弟たちにたたえられる。 答唱詩編典6035詩編72・8+11、17神はすべてのものを治め、偉大な力に満ちておられる。 詩編7272・8王は海のかなたまで、 17王の名は世々に及び、 福音朗読マタイ1・1-17アレルヤ、アレルヤ。全てを超える神から出た英知よ、あなたは果てまで、すべてを力強くやさしく整えられる。賢明の道を教えに来てください。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音1・1アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図。 2アブラハムはイサクをもうけ、イサクはヤコブを、ヤコブはユダとその兄弟たちを、3ユダはタマルによってペレツとゼラを、ペレツはヘツロンを、ヘツロンはアラムを、4アラムはアミナダブを、アミナダブはナフションを、ナフションはサルモンを、5サルモンはラハブによってボアズを、ボアズはルツによってオベドを、オベドはエッサイを、6エッサイはダビデ王をもうけた。 ダビデはウリヤの妻によってソロモンをもうけ、7ソロモンはレハブアムを、レハブアムはアビヤを、アビヤはアサを、8アサはヨシャファトを、ヨシャファトはヨラムを、ヨラムはウジヤを、9ウジヤはヨタムを、ヨタムはアハズを、アハズはヒゼキヤを、10ヒゼキヤはマナセを、マナセはアモスを、アモスはヨシヤを、11ヨシヤは、バビロンへ移住させられたころ、エコンヤとその兄弟たちをもうけた。 12バビロンへ移住させられた後、エコンヤはシャルティエルをもうけ、シャルティエルはゼルバベルを、13ゼルバベルはアビウドを、アビウドはエリアキムを、エリアキムはアゾルを、14アゾルはサドクを、サドクはアキムを、アキムはエリウドを、15エリウドはエレアザルを、エレアザルはマタンを、マタンはヤコブを、16ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。 17こうして、全部合わせると、アブラハムからダビデまで十四代、ダビデからバビロンへの移住まで十四代、バビロンへ移されてからキリストまでが十四代である。 |
|||
待降節・12月18日 | 12月18日(木) | 待降節 | |
第一朗読エレミヤ23・5-8ユダの回復 エレミヤの預言23・5見よ、このような日が来る、と主は言われる。 7それゆえ、見よ、このような日が来る、と主は言われる。人々はもはや、「イスラエルの人々をエジプトの国から導き上った主は生きておられる」と言って誓わず、8「イスラエルの家の子孫を、北の国や、彼が追いやられた国々から導き上り、帰らせて自分の国に住まわせた主は生きておられる」と言って誓うようになる。 答唱詩編典6014詩編72・1+2、11+13神はすべてのものを治め、偉大な力に満ちておられる。 詩編7272・1神よ、あなたの正義を王に与え、 11王は助けを求める乏しい人と 福音朗読マタイ1・18-24アレルヤ、アレルヤ。イスラエルの指導者である主よ、あなたはやぶの火の中でモーセに現れ、シナイでおきてをお与えになった。力をふるい、わたしたちをあがないに来てください。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音1・18イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。19夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。20このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。21マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」22このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。 23「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。 |
|||
待降節・12月19日 | 12月19日(金) | 待降節 | |
第一朗読士師記13・2-7、24-25神は、「不妊の女」に子を授けられる。 士師記そのころ、13・2その名をマノアという一人の男がいた。彼はダンの氏族に属し、ツォルアの出身であった。彼の妻は不妊の女で、子を産んだことがなかった。3主の御使いが彼女に現れて言った。「あなたは不妊の女で、子を産んだことがない。だが、身ごもって男の子を産むであろう。4今後、ぶどう酒や強い飲み物を飲まず、汚れた物も一切食べないように気をつけよ。5あなたは身ごもって男の子を産む。その子は胎内にいるときから、ナジル人として神にささげられているので、その子の頭にかみそりを当ててはならない。彼は、ペリシテ人の手からイスラエルを解き放つ救いの先駆者となろう。」6女は夫のもとに来て言った。「神の人がわたしのところにおいでになりました。姿は神の御使いのようで、非常に恐ろしく、どこからおいでになったのかと尋ねることもできず、その方も名前を明かされませんでした。7ただその方は、わたしが身ごもって男の子を産むことになっており、その子は胎内にいるときから死ぬ日までナジル人として神にささげられているので、わたしにぶどう酒や強い飲み物を飲まず、汚れた物も一切食べないようにとおっしゃいました。」 24この女は男の子を産み、その名をサムソンと名付けた。子は成長し、主はその子を祝福された。25主の霊が彼を奮い立たせ始めたのは、彼がツォルアとエシュタオルの間にあるマハネ・ダンにいたときのことであった。 答唱詩編<span class=神のはからいは限りなく、生涯わたしはその中に生きる。 詩編139139・1神よ、あなたはわたしを心にかけ、 13あなたはわたしのからだを造り、 福音朗読ルカ1・5-25アレルヤ、アレルヤ。民の旗印として立ったエッサイの切り株、あなたによって諸国の王は鳴りをひそめ、民はあなたに願い求める。時を早め、わたしたちを救いに来てください。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音1・5ユダヤの王ヘロデの時代、アビヤ組の祭司にザカリアという人がいた。その妻はアロン家の娘の一人で、名をエリサベトといった。6二人とも神の前に正しい人で、主の掟と定めをすべて守り、非のうちどころがなかった。7しかし、エリサベトは不妊の女だったので、彼らには、子供がなく、二人とも既に年をとっていた。8さて、ザカリアは自分の組が当番で、神の御前で祭司の務めをしていたとき、9祭司職のしきたりによってくじを引いたところ、主の聖所に入って香をたくことになった。10香をたいている間、大勢の民衆が皆外で祈っていた。11すると、主の天使が現れ、香壇の右に立った。12ザカリアはそれを見て不安になり、恐怖の念に襲われた。13天使は言った。「恐れることはない。ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻エリサベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい。14その子はあなたにとって喜びとなり、楽しみとなる。多くの人もその誕生を喜ぶ。15彼は主の御前に偉大な人になり、ぶどう酒や強い酒を飲まず、既に母の胎にいるときから聖霊に満たされていて、16イスラエルの多くの子らをその神である主のもとに立ち帰らせる。17彼はエリヤの霊と力で主に先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に正しい人の分別を持たせて、準備のできた民を主のために用意する。」18そこで、ザカリアは天使に言った。「何によって、わたしはそれを知ることができるのでしょうか。わたしは老人ですし、妻も年をとっています。」19天使は答えた。「わたしはガブリエル、神の前に立つ者。あなたに話しかけて、この喜ばしい知らせを伝えるために遣わされたのである。20あなたは口が利けなくなり、この事の起こる日まで話すことができなくなる。時が来れば実現するわたしの言葉を信じなかったからである。」 21民衆はザカリアを待っていた。そして、彼が聖所で手間取るのを、不思議に思っていた。22ザカリアはやっと出て来たけれども、話すことができなかった。そこで、人々は彼が聖所で幻を見たのだと悟った。ザカリアは身振りで示すだけで、口が利けないままだった。23やがて、務めの期間が終わって自分の家に帰った。24その後、妻エリサベトは身ごもって、五か月の間身を隠していた。そして、こう言った。25「主は今こそ、こうして、わたしに目を留め、人々の間からわたしの恥を取り去ってくださいました。」 |
|||
待降節・12月20日 | 12月20日(土) | 待降節 | |
第一朗読イザヤ7・10-14見よ、おとめが身ごもって、男の子を産む。 イザヤの預言その日、7・10主はアハズに向かって言われた。 答唱詩編典15823詩編24・3+4、5+6門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。 詩編2424・3だれが神の山に登れよう。 5その人は神に祝福され、 福音朗読ルカ1・26-38アレルヤ、アレルヤ。ダビドのかぎ、イスラエルの家の王しゃく、あなたが開けば閉じる者なく、あなたが閉じれば開く者はない。捕らわれびとの鎖を断ち、闇と死の陰に座る人を救い出しに来てください。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音1・26六か月目に、天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。27ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。そのおとめの名はマリアといった。28天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」29マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。30すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。31あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。32その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。33彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」34マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」35天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。36あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。37神にできないことは何一つない。」38マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は去って行った。 |
|||
待降節第4主日 | 12月21日(日) | 待降節 | |
第一朗読イザヤ7・10-14見よ、おとめが身ごもって、男の子を産む。 イザヤの預言その日、7・10主はアハズに向かって言われた。 12しかし、アハズは言った。 13イザヤは言った。 答唱詩編<span class=門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。 詩編2424・3だれが神の山に登れよう。 5その人は神に祝福され、 8栄光の王とはだれか。 第二朗読ローマ1・1-7イエス・キリストはダビデの子孫から生まれ、神の子と定められた。 使徒パウロのローマの教会への手紙1・1キリスト・イエスの僕、神の福音のために選び出され、召されて使徒となったパウロから、兄弟の皆さんへ。2この福音は、神が既に聖書の中で預言者を通して約束されたもので、3御子に関するものです。御子は、肉によればダビデの子孫から生まれ、4聖なる霊によれば、死者の中からの復活によって力ある神の子と定められたのです。この方が、わたしたちの主イエス・キリストです。5わたしたちはこの方により、その御名を広めてすべての異邦人を信仰による従順へと導くために、恵みを受けて使徒とされました。6この異邦人の中に、イエス・キリストのものとなるように召されたあなたがたもいるのです。ーー7神に愛され、召されて聖なる者となったローマの人たち一同へ。わたしたちの父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和が、あなたがたにあるように。 福音朗読マタイ1・18-24アレルヤ、アレルヤ。おとめがみごもって男の子を産み、その名は「インマヌエル」と呼ばれる。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音1・18イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。19夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。20このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。21マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」22このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。 |
|||
待降節・12月22日 | 12月22日(月) | 待降節 | |
第一朗読サムエル上1・24-28ハンナ、サムエルをささげる サムエル記サムエルが1・24乳離れした後、ハンナは三歳の雄牛一頭、麦粉を一エファ、ぶどう酒の革袋を一つ携え、その子を連れてシロの主の家に上って行った。この子は幼子にすぎなかったが、25人々は雄牛を屠り、その子をエリのもとに連れて行った。26ハンナは言った。「祭司様、あなたは生きておられます。わたしは、ここであなたのそばに立って主に祈っていたあの女です。27わたしはこの子を授かるようにと祈り、主はわたしが願ったことをかなえてくださいました。28わたしは、この子を主にゆだねます。この子は生涯、主にゆだねられた者です。」 彼らはそこで主を礼拝した。 答唱詩編典17712詩編105・1+2、3+4わたしの心は神のうちに喜び、その救いに喜びおどる。 詩編105105・1神に感謝してその名をたたえよ。 3尊いその名をたたえよ。 福音朗読ルカ1・46-56アレルヤ、アレルヤ。諸国民の待望の王、神と人とを一つに合わせるいしずえの石、あなたが土から造られた人を救いに来てください。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音1・46そのとき、マリアは言った。 「わたしの魂は主をあがめ、 56マリアは、三か月ほどエリサベトのところに滞在してから、自分の家に帰った。 |
|||
待降節・12月23日 | 12月23日(火) | 待降節 | |
第一朗読マラキ3・1-4、23-24悔い改めよ。天の国は近づいた。 マラキの預言3・1見よ、わたしは使者を送る。 23見よ、わたしは 答唱詩編典13713詩編25・4+5a、10+14すべての人の救いを願い、わたしはあなたを待ち望む。 詩編2525・4神よ、あなたの道を示し、 10契約とさとしを守る人に、 福音朗読ルカ1・57-66アレルヤ、アレルヤ。諸国民の待望の王、神と人とを一つに合わせるいしずえの石、あなたが土から造られた人を救いに来てください。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音1・57さて、月が満ちて、エリサベトは男の子を産んだ。58近所の人々や親類は、主がエリサベトを大いに慈しまれたと聞いて喜び合った。59八日目に、その子に割礼を施すために来た人々は、父の名を取ってザカリアと名付けようとした。60ところが、母は、「いいえ、名はヨハネとしなければなりません」と言った。61しかし人々は、「あなたの親類には、そういう名の付いた人はだれもいない」と言い、62父親に、「この子に何と名を付けたいか」と手振りで尋ねた。63父親は字を書く板を出させて、「この子の名はヨハネ」と書いたので、人々は皆驚いた。64すると、たちまちザカリアは口が開き、舌がほどけ、神を賛美し始めた。65近所の人々は皆恐れを感じた。そして、このことすべてが、ユダヤの山里中で話題になった。66聞いた人々は皆これを心に留め、「いったい、この子はどんな人になるのだろうか」と言った。この子には主の力が及んでいたのである。 |
|||
待降節・12月24日 | 12月24日(水) | 待降節 | |
第一朗読サムエル下7・1-5、8b-12、14a、16ダビデの王国は、ダビデの行く手にとこしえに続く。 サムエル記7・1ダビデ王は王宮に住むようになり、主は周囲の敵をすべて退けて彼に安らぎをお与えになった。2王は預言者ナタンに言った。「見なさい。わたしはレバノン杉の家に住んでいるが、神の箱は天幕を張った中に置いたままだ。」3ナタンは王に言った。「心にあることは何でも実行なさるとよいでしょう。主はあなたと共におられます。」4しかし、その夜、ナタンに臨んだ主の言葉は次のとおりであった。 5「わたしの僕ダビデのもとに行って告げよ。主はこう言われる。あなたがわたしのために住むべき家を建てようというのか。 8bわたしは牧場の羊の群れの後ろからあなたを取って、わたしの民イスラエルの指導者にした。9あなたがどこに行こうとも、わたしは共にいて、あなたの行く手から敵をことごとく断ち、地上の大いなる者に並ぶ名声を与えよう。10わたしの民イスラエルには一つの所を定め、彼らをそこに植え付ける。民はそこに住み着いて、もはや、おののくことはなく、昔のように不正を行う者に圧迫されることもない。11わたしの民イスラエルの上に士師を立てたころからの敵をわたしがすべて退けて、あなたに安らぎを与える。主はあなたに告げる。主があなたのために家を興す。12あなたが生涯を終え、先祖と共に眠るとき、あなたの身から出る子孫に跡を継がせ、その王国を揺るぎないものとする。14aわたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。16あなたの家、あなたの王国は、あなたの行く手にとこしえに続き、あなたの王座はとこしえに堅く据えられる。」 答唱詩編典3814詩編89・21+22、37+38神のいつくしみをとこしえにうたい、主のまことを代々に告げよう。 詩編8989・21わたしはしもベダビドを選び、 37ダビドの子孫はとこしえに続き、 福音朗読ルカ1・67-79アレルヤ、アレルヤ。さしのぼる朝日、永遠の光の輝き、あなたは正義の太陽。日のあたらない陰に生き、やみにうもれている人を照らしに来てください。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、ヨハネの1・67父ザカリアは聖霊に満たされ、こう預言した。 68「ほめたたえよ、イスラエルの神である主を。 |
|||
主の降誕(夜半のミサ) | 12月24日(水) | 降誕節 | |
第一朗読イザヤ9・1-3、5-6ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。 イザヤの預言9・1闇の中を歩む民は、大いなる光を見、 答唱詩編典148145詩編96・1+2、11+12、9+13遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9696・1新しい歌を神にうたえ。 11天地は喜びにあふれ、 9聖なるものが現れるとき、神をおがめ。 第二朗読テトス2・11-14すべての人々に神の恵みが現れた。 使徒パウロのテトスへの手紙愛する者よ、2・11すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました。12その恵みは、わたしたちが不信心と現世的な欲望を捨てて、この世で、思慮深く、正しく、信心深く生活するように教え、13また、祝福に満ちた希望、すなわち偉大なる神であり、わたしたちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むように教えています。14キリストがわたしたちのために御自身を献げられたのは、わたしたちをあらゆる不法から贖い出し、良い行いに熱心な民を御自分のものとして清めるためだったのです。 福音朗読ルカ2・1-14アレルヤ、アレルヤ。大きな喜びをあなたがたに告げ知らせよう。きょうわたしたちに救い主が生まれた。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音2・1そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。2これは、キリニゥスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。3人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。4ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。5身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。6ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、7初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。 8その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。9すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。10天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。11今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。12あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」13すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。 14「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」 |
|||
主の降誕(朝のミサ) | 12月25日(木) | 降誕節 | |
第一朗読イザヤ62・11-12見よ、あなたの救いが進んで来る。 イザヤの預言62・11見よ、主は地の果てにまで布告される。 答唱詩編典25124詩編97・1+2、6+9、8+12栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。 詩編9797・1神は王。世界よ、喜びおどれ。 6天は神の正義を告げ、 8神よ、あなたのさばきは、 第二朗読テトス3・4-7神は御自分の憐れみによって、わたしたちを救ってくださった。 使徒パウロのテトスへの手紙愛する者よ、3・4わたしたちの救い主である神の慈しみと、人間に対する愛とが現れたときに、5神は、わたしたちが行った義の業によってではなく、御自分の憐れみによって、わたしたちを救ってくださいました。この救いは、聖霊によって新しく生まれさせ、新たに造りかえる洗いを通して実現したのです。6神は、わたしたちの救い主イエス・キリストを通して、この聖霊をわたしたちに豊かに注いでくださいました。7こうしてわたしたちは、キリストの恵みによって義とされ、希望どおり永遠の命を受け継ぐ者とされたのです。 福音朗読ルカ2・15-20アレルヤ、アレルヤ。すべてを超える神に栄光。み心にかなう人に平和。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音2・15天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムヘ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。16そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。17その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。18聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。19しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。20羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。 |
|||
主の降誕(日中のミサ) | 12月25日(木) | 降誕節 | |
第一朗読イザヤ52・7-10地の果てまで、すべての人がわたしたちの神の救いを仰ぐ。 イザヤの預言52・7いかに美しいことか 答唱詩編典149123詩編98・1、2+3a、4+5遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9898・1新しい歌を神にうたえ。 2神は救いをしめし、 4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、 第二朗読ヘブライ1・1-6神は、御子によってわたしたちに語られた。 ヘブライ人への手紙1・1神は、かつて預言者たちによって、多くのかたちで、また多くのしかたで先祖に語られたが、2この終わりの時代には、御子によってわたしたちに語られました。神は、この御子を万物の相続者と定め、また、御子によって世界を創造されました。御子は、3神の栄光の反映であり、神の本質の完全な現れであって、万物を御自分の力ある言葉によって支えておられますが、人々の罪を清められた後、天の高い所におられる大いなる方の右の座にお着きになりました。4御子は、天使たちより優れた者となられました。天使たちの名より優れた名を受け継がれたからです。 5いったい神は、かつて天使のだれに、 福音朗読ヨハネ1・1-18アレルヤ、アレルヤ。偉大な光がきょう地上に下り、聖なるこの日はわたしたちを照らした。諸国の民は来て主を礼拝せよ。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音1・1初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。2この言は、初めに神と共にあった。3万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。4言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。5光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった。 6神から遣わされた一人の人がいた。その名はヨハネである。7彼は証しをするために来た。光について証しをするため、また、すべての人が彼によって信じるようになるためである。8彼は光ではなく、光について証しをするために来た。9その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである。10言は世にあった。世は言によって成ったが、世は言を認めなかった。11言は、自分の民のところへ来たが、民は受け入れなかった。12しかし、言は、自分を受け入れた人、その名を信じる人々には神の子となる資格を与えた。12この人々は、血によってではなく、肉の欲によってではなく、人の欲によってでもなく、神によって生まれたのである。 14言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。 15ヨハネは、この方について証しをし、声を張り上げて言った。「『わたしの後から来られる方は、わたしより優れている。わたしよりも先におられたからである』とわたしが言ったのは、この方のことである。」16わたしたちは皆、この方の満ちあふれる豊かさの中から、恵みの上に、更に恵みを受けた。17律法はモーセを通して与えられたが、恵みと真理はイエス・キリストを通して現れたからである。18いまだかつて、神を見た者はいない。父のふところにいる独り子である神、この方が神を示されたのである。 |
|||
聖ステファノ殉教者 | 12月26日(金) | 降誕節 | |
第一朗読使徒言行録6・8-10、7・54-60主よ、この罪を彼らに負わせないでください 使徒たちの宣教そのころ、ステファノは恵みと力に満ち、すばらしい不思議な業としるしを民衆の間で行っていた。9ところが、キレネとアレクサンドリアの出身者で、いわゆる「解放された奴隷の会堂」に属する人々、またキリキア州とアジア州出身の人々などのある者たちが立ち上がり、ステファノと議論した。10しかし、彼が知恵と〝霊〟とによって語るので、歯が立たなかった。 54人々は激しく怒り、ステファノに向かって歯ぎしりした。55ステファノは聖霊に満たされ、天を見つめ、神の栄光と神の右に立っておられるイエスとを見て、56「天が開いて、人の子が神の右に立っておられるのが見える」と言った。57人々は大声で叫びながら耳を手でふさぎ、ステファノ目がけて一斉に襲いかかり、58都の外に引きずり出して石を投げ始めた。証人たちは、自分の着ている物をサウロという若者の足もとに置いた。59人々が石を投げつけている間、ステファノは主に呼びかけて、「主イエスよ、わたしの霊をお受けください」と言った。60それから、ひざまずいて、「主よ、この罪を彼らに負わせないでください」と大声で叫んだ。ステファノはこう言って、眠りについた。 答唱詩編典14513詩編31・2+6、15+16父よ、あなたこそわたしの神、わたしのすべてをあなたに。 詩編3131・2神よ、あなたのもとにわたしはのがれる。 15神よ、わたしはあなたにより頼む。 福音朗読マタイ10・17-22アレルヤ、アレルヤ。神の名によって来られるかたに賛美。神はわたしたちを照らしてくださる。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音そのとき、イエスは弟子たちに言われた。10・17「人々を警戒しなさい。あなたがたは地方法院に引き渡され、会堂で鞭打たれるからである。18また、わたしのために総督や王の前に引き出されて、彼らや異邦人に証しをすることになる。19引き渡されたときは、何をどう言おうかと心配してはならない。そのときには、言うべきことは教えられる。20実は、話すのはあなたがたではなく、あなたがたの中で語ってくださる、父の霊である。21兄弟は兄弟を、父は子を死に追いやり、子は親に反抗して殺すだろう。22また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。」 |
|||
聖ヨハネ使徒福音記者 | 12月27日(土) | 降誕節 | |
第一朗読①ヨハネ1・1-4わたしたちが見、また聞いたことを、あなたがたにも伝えます。 使徒ヨハネの手紙愛する皆さん、1・1初めからあったもの、わたしたちが聞いたもの、目で見たもの、よく見て、手で触れたものを伝えます。すなわち、命の言について。――2この命は現れました。御父と共にあったが、わたしたちに現れたこの永遠の命を、わたしたちは見て、あなたがたに証しし、伝えるのです。――3わたしたちが見、また聞いたことを、あなたがたにも伝えるのは、あなたがたもわたしたちとの交わりを持つようになるためです。わたしたちの交わりは、御父と御子イエス・キリストとの交わりです。4わたしたちがこれらのことを書くのは、わたしたちの喜びが満ちあふれるようになるためです。 答唱詩編典2513詩編97・1+2、10+11栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。 詩編9797・1神は王。世界よ、喜びおどれ。 10神は悪と戦う人を愛し、 福音朗読ヨハネ20・2-8アレルヤ、アレルヤ。あなたを神とほめたたえ、万物の主とあがめる。栄光を受けた使徒の群れもあなたをたたえて歌う。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音週の初めの日、マグダラのマリアは20・2シモン・ペトロのところへ、また、イエスが愛しておられたもう一人の弟子のところへ走って行って彼らに告げた。「主が墓から取り去られました。どこに置かれているのか、わたしたちには分かりません。」3そこで、ペトロとそのもう一人の弟子は、外に出て墓へ行った。4二人は一緒に走ったが、もう一人の弟子の方が、ペトロより速く走って、先に墓に着いた。5身をかがめて中をのぞくと、亜麻布が置いてあった。しかし、彼は中には入らなかった。6続いて、シモン・ペトロも着いた。彼は墓に入り、亜麻布が置いてあるのを見た。7イエスの頭を包んでいた覆いは、亜麻布と同じ所には置いてなく、離れた所に丸めてあった。8それから、先に墓に着いたもう一人の弟子も入って来て、見て、信じた。 |
|||
聖家族 | 12月28日(日) | 降誕節 | |
第一朗読シラ3・2-6、12-14主を畏れる人は両親を尊ぶ。 シラ書3・2主は、子に対する権威を父に授け、 答唱詩編典10312詩編128・2+3ab、3cd+5+6aしあわせな人、神をおそれ、主の道を歩む者。 詩編128128・2額に汗してかてを受け、 3cdオリーブの若木のように、 第二朗読コロサイ3・12-21主における家庭生活について。 使徒パウロのコロサイの教会への手紙皆さん、3・12あなたがたは神に選ばれ、聖なる者とされ、愛されているのですから、憐れみの心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身に着けなさい。13互いに忍び合い、責めるべきことがあっても、赦し合いなさい。主があなたがたを赦してくださったように、あなたがたも同じようにしなさい。14これらすべてに加えて、愛を身に着けなさい。愛は、すべてを完成させるきずなです。15また、キリストの平和があなたがたの心を支配するようにしなさい。この平和にあずからせるために、あなたがたは招かれて一つの体とされたのです。いつも感謝していなさい。16キリストの言葉があなたがたの内に豊かに宿るようにしなさい。知恵を尽くして互いに教え、諭し合い、詩編と賛歌と霊的な歌により、感謝して心から神をほめたたえなさい。17そして、何を話すにせよ、行うにせよ、すべてを主イエスの名によって行い、イエスによって、父である神に感謝しなさい。 18妻たちよ、主を信じる者にふさわしく、夫に仕えなさい。19夫たちよ、妻を愛しなさい。つらく当たってはならない。 20子供たち、どんなことについても両親に従いなさい。それは主に喜ばれることです。21父親たち、子供をいらだたせてはならない。いじけるといけないからです。 福音朗読マタイ2・13-15、19-23アレルヤ、アレルヤ。キリストの平和はわたしたちの心を治め、キリストのことばは豊かに宿りますように。アレルヤ、アレルヤ。 マタイによる福音2・13占星術の学者たちが帰って行くと、主の天使が夢でヨセフに現れて言った。「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが、この子を探し出して殺そうとしている。」14ヨセフは起きて、夜のうちに幼子とその母を連れてエジプトへ去り、15ヘロデが死ぬまでそこにいた。それは、「わたしは、エジプトからわたしの子を呼び出した」と、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。 19ヘロデが死ぬと、主の天使がエジプトにいるヨセフに夢で現れて、20言った。「起きて、子供とその母親を連れ、イスラエルの地に行きなさい。この子の命をねらっていた者どもは、死んでしまった。」21そこで、ヨセフは起きて、幼子とその母を連れて、イスラエルの地へ帰って来た。22しかし、アルケラオが父ヘロデの跡を継いでユダヤを支配していると聞き、そこに行くことを恐れた。ところが、夢でお告げがあったので、ガリラヤ地方に引きこもり、23ナザレという町に行って住んだ。「彼はナザレの人と呼ばれる」と、預言者たちを通して言われていたことが実現するためであった。 |
|||
降誕節・12月29日 | 12月29日(月) | 降誕節 | |
第一朗読①ヨハネ2・3-11兄弟を愛する人は、いつも光の中にいる。 使徒ヨハネの手紙愛する皆さん、2・3わたしたちは、神の掟を守るなら、それによって、神を知っていることが分かります。4「神を知っている」と言いながら、神の掟を守らない者は、偽り者で、その人の内には真理はありません。5しかし、神の言葉を守るなら、まことにその人の内には神の愛が実現しています。これによって、わたしたちが神の内にいることが分かります。6神の内にいつもいると言う人は、イエスが歩まれたように自らも歩まなければなりません。 7愛する者たち、わたしがあなたがたに書いているのは、新しい掟ではなく、あなたがたが初めから受けていた古い掟です。この古い掟とは、あなたがたが既に聞いたことのある言葉です。8しかし、わたしは新しい掟として書いています。そのことは、イエスにとってもあなたがたにとっても真実です。闇が去って、既にまことの光が輝いているからです。9「光の中にいる」と言いながら、兄弟を憎む者は、今もなお闇の中にいます。10兄弟を愛する人は、いつも光の中におり、その人にはつまずきがありません。11しかし、兄弟を憎む者は闇の中におり、闇の中を歩み、自分がどこへ行くかを知りません。闇がこの人の目を見えなくしたからです。 答唱詩編典14812詩編96・1+2、3+4遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9696・1新しい歌を神にうたえ。 3すべての国にその栄光をかたり、 福音朗読ルカ2・22-35アレルヤ、アレルヤ。異邦人を照らす光、あなたの民イスラエルの光栄。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音2・22モーセの律法に定められた彼らの清めの期間が過ぎたとき、両親はイエスを主に献げるため、エルサレムに連れて行った。23それは主の律法に、「初めて生まれる男子は皆、主のために聖別される」と書いてあるからである。24また、主の律法に言われているとおりに、山鳩一つがいか、家鳩の雛二羽をいけにえとして献げるためであった。 25そのとき、エルサレムにシメオンという人がいた。この人は正しい人で信仰があつく、イスラエルの慰められるのを待ち望み、聖霊が彼にとどまっていた。26そして、主が遣わすメシアに会うまでは決して死なない、とのお告げを聖霊から受けていた。27シメオンが〝霊〟に導かれて神殿の境内に入って来たとき、両親は、幼子のために律法の規定どおりにいけにえを献げようとして、イエスを連れて来た。28シメオンは幼子を腕に抱き、神をたたえて言った。 |
|||
降誕節・12月30日 | 12月30日(火) | 降誕節 | |
第一朗読①ヨハネ2・12-17イエスの名によってあなたがたの罪が赦されている。 使徒ヨハネの手紙2・12子たちよ、わたしがあなたがたに書いているのは、 答唱詩編典14835詩編96・7+8、9+13遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9696・7諸国の民よ、神をほめ、 9聖なるものが現れるとき、神を拝め。 福音朗読ルカ2・36-40アレルヤ、アレルヤ。偉大な光がきょう地上に下り、聖なるこの日はわたしたちを照らした。諸国の民は来て主を礼拝せよ。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音そのとき、2・36アシェル族のファヌエルの娘で、アンナという女預言者がいた。非常に年をとっていて、若いとき嫁いでから七年間夫と共に暮らしたが、37夫に死に別れ、八十四歳になっていた。彼女は神殿を離れず、断食したり祈ったりして、夜も昼も神に仕えていたが、38そのとき、近づいて来て神を賛美し、エルサレムの救いを待ち望んでいる人々皆に幼子のことを話した。 39親子は主の律法で定められたことをみな終えたので、自分たちの町であるガリラヤのナザレに帰った。40幼子はたくましく育ち、知恵に満ち、神の恵みに包まれていた。 |
|||
降誕節・12月31日 | 12月31日(水) | 降誕節 | |
第一朗読①ヨハネ2・18-21あなたがたは聖なる方から油を注がれているので、皆、真理を知っています。 使徒ヨハネの手紙2・18子供たちよ、終わりの時が来ています。反キリストが来ると、あなたがたがかねて聞いていたとおり、今や多くの反キリストが現れています。これによって、終わりの時が来ていると分かります。19彼らはわたしたちから去って行きましたが、もともと仲間ではなかったのです。仲間なら、わたしたちのもとにとどまっていたでしょう。しかし去って行き、だれもわたしたちの仲間ではないことが明らかになりました。20しかし、あなたがたは聖なる方から油を注がれているので、皆、真理を知っています。21わたしがあなたがたに書いているのは、あなたがたが真理を知らないからではなく、真理を知り、また、すべて偽りは真理から生じないことを知っているからです。 答唱詩編典14814詩編96・1+2、11+12遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。 詩編9696・1新しい歌を神にうたえ。 11天地は喜びにあふれ、 福音朗読ヨハネ1・1-18アレルヤ、アレルヤ。みことばは人となり、わたしたちのうちにお住みになった。主を受け入れる人には神の子となる恵が与えられた。アレルヤ、アレルヤ。 ヨハネによる福音1・1初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。2この言は、初めに神と共にあった。3万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。4言の内に命があった。命は人間を照らす光であった。5光は暗闇の中で輝いている。暗闇は光を理解しなかった。 6神から遣わされた一人の人がいた。その名はヨハネである。7彼は証しをするために来た。光について証しをするため、また、すべての人が彼によって信じるようになるためである。8彼は光ではなく、光について証しをするために来た。9その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである。10言は世にあった。世は言によって成ったが、世は言を認めなかった。11言は、自分の民のところへ来たが、民は受け入れなかった。12しかし、言は、自分を受け入れた人、その名を信じる人々には神の子となる資格を与えた。12この人々は、血によってではなく、肉の欲によってではなく、人の欲によってでもなく、神によって生まれたのである。 14言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた。 15ヨハネは、この方について証しをし、声を張り上げて言った。「『わたしの後から来られる方は、わたしより優れている。わたしよりも先におられたからである』とわたしが言ったのは、この方のことである。」16わたしたちは皆、この方の満ちあふれる豊かさの中から、恵みの上に、更に恵みを受けた。17律法はモーセを通して与えられたが、恵みと真理はイエス・キリストを通して現れたからである。18いまだかつて、神を見た者はいない。父のふところにいる独り子である神、この方が神を示されたのである。 |